ドラゴンボールZ+   作:謎の菓子X

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孫悟空をあっさりと仕留めたフリジットは、次なる標的を求めて計画を進める中、ドラゴンボールの存在にも目をつけ始める。そんなフリジットが都を破壊した事を耳にした悟飯と悟天は、急いでパオズ山に戻ろうとしていた。しかし、そんな最中に悟飯はフリジットと対峙した...


3話「帝王の誤算 大きな傷痕」

フリジットは、2つのサイヤ人の気を逃しはしなかった。だが、フリジットの次なる目当てはベジータ。悟空の時のような詮術は必要ないと考えていた。

 

(やけにフリーザに似ている。東の都を破壊したのは間違いなくこいつだ...)

 

「貴様は孫悟空の息子だな。父親はあっさりと仕留めさせてもらったぞ。」

 

「なっ...!?」

 

悟飯は即座にフリジットがフリーザの血縁であると察した。孫悟空をあっさり仕留めたという驚愕の事実を耳にしたが...

 

「貴様に父さんと戦って競り勝つほどの力は感じない。どんな手を使ったんだ...」

 

「戦う...悪しき思想だ。醜いサイヤ人ならではの頓馬な発想でしかない。我々はサイヤ人を滅ぼす為にやって来たのだ。サイヤ人を滅ぼす為なら手段は選ばん!」

 

フリジットは、その発言とは裏腹に気を最大限まで高めた。孫悟飯相手ならば己の力で充分だと計算していたからだ。

 

「お兄ちゃん...こいつ、ブウに匹敵するぐらいのパワーだよ...!」

 

「これがこいつのフルパワーか...油断してると痛い目に合いそうだ...」

 

悟飯は、フルパワーのフリジットには自分と拮抗するほどのパワーさえ秘められていると感じた。しかし、それが分かっていた悟飯はフリジットの作戦の誤算に気づいた。

 

「悟天、お前は下がって俺の戦いをよく見ておくんだ。いいな!」

 

「え、お兄ちゃんひとりで大丈夫なの!?」

 

「心配すんな、兄ちゃんに任せろ!」

 

悟飯は本気のフリジットを前にしても物怖じせず立ち向かう。

 

「超サイヤ人にはならないのかぁ?」

 

「ふっ...」

 

悟飯はブウとの戦いの際に老界王神に潜在能力を引き出してもらった為、超サイヤ人への変身を必要としない。

 

ビュッ

「行くぞ!サイヤ人!」

バギィ

 

「どうした!その程度か!」

バンッ

「なっ!?ぐわああああああ」

 

フリジットの渾身の拳の一撃を喰らってもビクともせずカウンターを仕掛ける悟飯。フリジットにはかなり重い一撃だった。

 

ガッ

ガガガガガガガガ

「はあっ!」

バシッ

 

「馬鹿なっ!?」

 

悟飯の猛攻にフリジットは反撃出来ない。悟飯は更にフリジットに畳み掛ける。

 

「でぁりゃああああああああ!」

ガンッ

 

「ぎゃああああああああ!」

 

「はぁあああああああ!」

「図に乗るなよ猿!」

バンッ

 

「くぅっ...てぃっ!」

ズドッ

「ぐわぁああああああああ!」

 

悟飯の猛攻撃にフリジットが怯み始めた。大きな隙を見せた瞬間、悟飯は必殺技の構えを取り始めた。

 

シュッ

「かぁあああああめぇええええええ...」

「何故だ...孫悟空の息子如きに...何故...」

 

「はぁあああああめぇええええええ...」

「オレは...こんな所で...やられる訳には...」

 

「波ァッ!!!」

ブァォッ

「チクショオオオオオオオオオオオ!」

ドォオオオオオオン

 

悟飯のかめはめ波はフリジットを捉え逃がさない。フリジットは致命的なダメージを受け、地面に這いつくばった。悟飯はすぐさま、四つん這いのフリジットの前に歩み寄った。

 

「父さんをあの宇宙船から解放しろ。かすかに気を感じる。まだ殺してないことぐらい分かってるんだ。」

 

だがその言葉はフリジットには届かない。彼の頭は真っ白になっていた。

 

「その気がないなら、お前はここで倒す。」

シュッ

 

(終わった...これで終わりか...短い命だった...)

 

悟飯はフリジットの目前で掌を翳す。掌から発された青き光が新たな帝王の終焉を告げるようだった。だが...

 

「たぁっ!」

バギィ

「なんだ!?がはっ!」

 

フリジット軍もう1人の実力者、悟空を捉えたカイスが帝王のピンチに宇宙船より現れた。悟飯は完全に不意を突かれ、大量の血を吐く。

 

「お兄ちゃん!」

 

「き、貴様...フリジットの仲間かっ!」

「フッ」

 

カイスは不敵な笑みを浮かべ、土壇場で九死に一生を得たフリジットの元に駆け寄る。

 

「油断大敵だな。生憎だが、フリジット軍はこのような場所で終わる訳にはいかない。このまま貴様を葬るのは容易いが、それはフリジットの仕事だ。今宵は見逃してやる...だがな、次は今回のように行くと思うな...!」

シュッ

 

そう言うとカイスはフリジットを連れすぐに立ち去った。気がつくとフリジットの宇宙船もいつの間にか姿を消していた。

 

「はぁっ...はぁっ...」

 

「お兄ちゃん大丈夫!?」

 

「悟天、大至急でカリン様から仙豆を貰ってくるんだ...」

 

「うん!分かった!」

 

悟飯は不意を突かれたためかなりの重傷を負った。立ち上がることさえままならず、悟天に応急処置を頼むしかなかった。

 

「確かに僕は不意打ちをまともに喰らった。でも...もう1人の仲間の攻撃はフリジットって奴の攻撃よりも遥かに重かった...一体これはどういうことなんだ...!?」

 

フリジットの攻撃より重いカイスの一撃をまともに喰らい疲労困憊になる悟飯。その一方で、宇宙船では即座にフリジットの治療が行われていた。

 

「我が軍で開発した最新式のメディカルマシンなら、フリーザ軍で使用されていた従来の物よりも迅速な回復が見込めます。」

 

フリジット軍では、かつてフリーザ軍でも使用されていたメディカルマシンよりも短時間のうちに傷を癒す最新式のメディカルマシンを取り入れていた。

 

「やはり魔人ブウを倒した時に、界王神界での戦いのみをリサーチしたのは間違いだったな...フリジットめ、もう少し真面目に鍛錬していれば、仕留められたかもしれんものを...」

 

フリジット軍は、悟空たちがブウとの最終決戦の地である界王神界での戦いのみを研究していた為、悟空、ベジータ、ブウ以外の記録はほとんど無かった。その為、界王神界での戦いで一番高い戦闘力数値を出していた孫悟空に合わせるようにフリジットは特訓を続けていたのだ。

 

「さ...サイヤ人...今に見ていろ...」

 

フリジットは心に大きな傷を負った。思わぬ強敵・孫悟飯を前にし瀕死の状態まで追い込まれたからだ。しかし悟飯は、フリジット軍最強の護衛・カイスに阻まれフリジットを倒すことは出来ずに、悟空を助け出す最大のチャンスも逃してしまった。


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