墓穴を掘っちゃう葉子ちゃん   作:QiPey

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第二話です。今回は修回になります。頑張れ修!


墓穴を掘っちゃう葉子ちゃん(2)

完全に追い込まれてしまった

 

壁に穴が次々と穿たれていく

粉々に砕けた石が

砂埃とともに頭に降り注ぐ

 

この低い壁に身を潜めて、もうかなり経つ

 

最初は頼もしいかった壁も

今では至る所に穴が空き

すぐにでも崩れそうな

 

そんな状態

 

長くは持たないだろう

 

彼は考えた

(次の銃声が鳴り終わったところで突撃だ…!)

 

薬莢が排出口から飛び出し

銃身にリコイルの衝撃が走る

金属と金属が互いに打ち付け合う音が

あたりの空間一帯を振動させる

それによって生まれる波は重々しく

鼓膜を襲う

大地を割ったような音が

延々と響く

 

まさにこの世の終わり

その様相そのものである

 

'ヒュン!'

鼓膜を鋭い高周波が襲う

そして痛い程の高音が頭を打つ

 

段々と正確になる射撃

 

(まだなのか…?)

彼の顔には冷や汗が滲む

壁がなくなれば

即ち

銃声はまだ止まらない!

(…これはもう……)

ーそう思った矢先

 

一帯に静寂が広がった

それまで荒れていた海が

急に凪いだ

 

そんな静寂

 

敵の弾が切れた

(……!?弾切れ?よし、行くぞ!!)

足をかけ、勢いよく壁から飛び出す

 

最後のチャンス

 

その好機を逃すまいと迫る

(本当に、本当に最後のチャンスなんだ!)

更に迫る!

 

「よし!もう少しで射程がとどー

 

それは一瞬だった

 

視点が回る

(!?なにが起こって…)

 

 

        

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ー玉狛支部ー

 

 

どうすればいいかわからない三雲は先輩二人に相談しているのだが……

 

「…という感じで僕が香取先輩の機嫌を直さないといけない流れになったんですが、」

「で、お前はどうするつもりなんだ?」

 

なんとなく、相談という時点で嫌な予感はしていた二人

 

「このチケット二枚となにかお菓子とか付けて香取隊の作戦室に持っていこうと思ってるんですけど」

 

やはりこいつ….修だ!

 

『・ ・ ・』

 

「はあっ!?オサム、お菓子って、あんたホントにそれが正解だと思ってんの?」

「オサムお前は本当にそれでいいのか?」

 

「えっ小南先輩!?僕、間違ってます?」

 

ため息をつく烏丸

「この際だから言うぞ、お前は香取に対して特別な感情は抱いてないのか?」

「そうよオサム、アンタ今までずっと、なんとも思わずに香取ちゃんとランク戦やってたわけ?」

「別に僕は香取先輩のことはなんとも」

 

そこへ

「オサム、お前ツマンナイ嘘つくな♫」

「えっ!?空閑!?」

「いつから居たんだ?」

「俺は最初からいたよ?」

空閑はなんだか嬉しそうな不敵な笑みをうかべている

 

「相棒はああ言ってるぞ。」

 

観念したかのように三雲はうなだれた

 

「…僕だって男ですから、香取先輩を誘いたいなとか普通に思いました。」

「…けど、香取先輩が僕を特別にどう思ってるとも思えないし、僕が誘ったところで断られる確率は高いと考えて…」

 

(ど、鈍感……!)

 

「オサム、アンタ本当にどん んーんー

烏丸が小南の口を押さえる

 

コソッ

「小南先輩、ここは俺に任せて下さい。」

「なによ、」

「オレはアイツの師匠ですから。」

「…しょうがないわね、分かったわ!」

「じゃ、オサム頑張りなさいよ!!」

 

かくして愛弟子のための

作戦会議が行われた!

 

 

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普通に渡すだけで大丈夫な気がするのだが、烏丸は敢えてそうしなかった

「オサム、お前もう俺が教えたこと忘れたのか?」

「えっ、なんのことですか。」

「隙についての話だ。」

「隙は最初からあるんじゃない…隙はー

     

『作るもの』

 

「そうだ、ちゃんと覚えてるじゃないか」

「でも僕の問題となんの関係があるんですか?」

「いいか?オサム、相手がモールモッドだろうが人間だろうが同じことだ。」

 

いや、違いますよ

 

「成功させたいなら、相手を動揺させ、正常な判断力を失くさせるんだ!」

「えっとつまり、上機嫌にさせた上でお誘いするればいいってことですか?」

「そういうことだ!」

 

なんかまとまっちった!

 

「なるほど…ありがとうございます!!」

「待てオサム、それだけじゃまだ……

 

二人の作戦会議はまだまだ続きそうだ

 

 

一方その横では

「この紙切れはそんなに価値のあるものなのか?」

空閑が珍しそうにチケットを見ている

 

「ゆうま、おれがおしえてやろう!」

「それをみせるだけで、なんと!!!

おいしいゴチソウがたべられるのだー!」

陽太郎はエッヘン!

「ようたろう、ではこの" ふ れ ん ち "とはどう言う意味なんだ?」

「むっ、ソレハ……

 

「遊真くんどうしたの?」

「おう、チカ、訓練お疲れさん。レイジさんはどうしたんだ?」

「レイジさんはそのまま防衛任務にいったよ、ところでそれフレンチのチケットだよね。」

「おー!チカ、この" ふ れ ん ち "という言葉を知っているのか??」

「うん、知ってるよ。フレンチってのはね、地球にあるフランスって国の料理のことなんだよ。」

 

(ところでどうしてフレンチなんだろう?)

        

 

ー太刀川隊作戦室ー

 

 

 

泣き叫ぶ一人の男

 

「太刀川さーん!酷いじゃないですかー!!」

「日頃世話してやってんだ、それくらい必要経費だろ。」

「そんなぁー!!」

「出水先輩ー!」

 

「うっせーな、唯我、太刀川さんの言う通りだ。」

「そんなー!!」

 

泣き叫ぶ唯我はさておき

 

「太刀川さん、なんでアイツあんなにしょぼくれてんすか?」

「あーあれな、この前な、米屋にランク戦の代わりに唯我の高級フレンチの招待券渡しといたんだよ。」

「あーあのすっぽかしてたヤツですか。」

 

「お父様から貰ったものなんですよー!」

「いい加減うっせーぞ!唯我!!」

 

「グヘェ!!!」

 

キレイに回し蹴りが入る

 

こう言うわけで米屋から三雲に招待券が渡ったわけである

 

 

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「えっ!?今どうやって!?」

「まさか....!?投げナイフ!?」

「そうよ、スゴイでしょ♫」

 

先輩を動揺?させるために、先輩の大好きなゲームを選びゲームセンターにやってきているのだが

一つ分かった事がある

それは 

先輩はかなり強い!というコト

僕は今日、大丈夫なんだろうか?

 

「次、行きましょ!」

香取がニコニコしながら三雲の手を引く

(先輩いつもより距離近い....!)

 

三雲の不安をいつもより積極的な香取がドキドキで吹っ飛ばしている

 

当の本人は軽くスキップ

 

「次はどれで遊ぼっかな♫」

平日なので香取はセーラー服を着ているのだが、それも破壊力増大の要因の一つだろう

 

この後UFOキャッチャーやリズムゲームなど色々遊んだ。結局対戦ものでは負けてばっかりだったが

 

あれこれあって二人はファミレスに来ている

 

「先輩、いいんですか?」

「いいわよ、別にこのくらい。」

ちょっと照れ臭い感じで先輩はそう言った

 

香取が奢るなど奇跡の様なものだが、面倒見の鬼は他人からの厚意には不得手である

 

「あの、やっぱり悪いので僕自分で払いますよ。」

(なんか、メニュー頼みにくい....)

 

なかなか先輩は譲ってくれない

 

「あの、何でですか?」

余りにも香取がしぶといので、三雲が一歩譲った

 

彼女は頬をつきながら、そっぽを向いて答える

「今日楽しかったし、なんかそのお礼...ってヤツ....?しときたいなって。」

「そう...ですか....」

 

二人とも紅くなる

 

「あ、あとさ。」

「なんかアタシばっかり楽しんじゃったっていうか、その...いっぱい勝っちゃったし.......」

「アンタもちゃんと楽しめたのかなってさ....」

香取が横目に伺う

 

「僕は....なんというか、その、先輩といるだけで楽しかったというか....」

本人は気づいていないが相当大胆

 

「....そ、そう.....」

香取が縮む

 

メニューが運ばれて来てからも、二人はそっぽと下を向いたまま話した

 

 

「香取先輩、あの、食事のお礼なんですけど、これ....」

すっかり日も落ちて、帰り道

本日のメインイベント

 

「いいって言ってんでしょ。」

「いえ、この前も先輩泣かれてましたし。」

「あ、アレは....いいから....」

先輩は僕に背を向けた

「っていうか、理由とか付けずに渡してよ....」

耳が朱色になっていた

 

(普通に誘えばいいってコトなんだよな)

 

三雲の鼓動が高まる

「今度の祝日、一緒に食事に行きませんか?これ招待券なんですけど....」

 

ビックリした様子で先輩は振り向いた

香取はこういうモノを渡されるとは思っていなかったわけである

 

「何か他の用事があるなら....」

 

「....空けとく。」

「その日、空けとくから.....絶対。」

「それ、頂戴。」

もじもじしながら俯いている

「ど、どうぞ!」

「....ありがと。」

 

長い沈黙のあと

 

「先輩、帰りましょう。」

「....うん。」

 

なんだか先輩との距離が急に縮まった気がした

そのあとの先輩がまるで別人の様に素直だったのもあるが

 

もっと距離を縮めたい

 

そう思う三雲であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ということでなんとか香取を食事に誘えた三雲

次回、フレンチ回!お楽しみに!!
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