四方世界四方山話   作:猩猩

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活動報告コメントとアンケートの結果、無事ロイヤルメスゴリラの一党入りが決まりました。

そんなことより風都探偵がアニメ化するそうです。


一党・2

「新人冒険者と言うより、熟練(ベテラン)の傭兵だな」

「お褒めいただき光栄だよ」

 

 工房の中を軽く歩いて装備の具合を確かめながら、彼女 ――― 女闘士は湾刀武者の言葉に恭しく頭を下げて見せる。

 冒険者になって自分の一党(パーティー)に入ってくれないか、という彼の誘い。

 警戒心は ――― 相手が男だから、というのもあり ――― あったものの、それ自体は決して悪い選択肢ではない。

 身一つで稼げるのには変わりなく、剣闘士になるよりも命の危険は高いが見返りもある。

 何より自由に生きることが出来る、という点において冒険者に勝る職業はない。

 合わないと思えば辞めれば ――― 命があるなら辞めればいいのだし、湾刀武者もそれは自由にすればいいと言った。

 それ故女闘士は誘いに乗り、冒険者となることを決めた。

 そして冒険者になる以上、当然祈らぬ者達(ノンプレイヤー)と戦う事になる。ならば装備を整えるのが最優先、と彼女は判断しここへ来た。

 バシネットのバイザーを下ろしても視界は充分確保されている。問題ない。

 胴鎧(ブリガンダイン)も重くはあるが、動くのに不自由するほどではない。走ったらすぐに体力が尽きる、などということもないだろう。

 また自分の体格に合わせて調整してもらったため、他人よりずっと豊かな胸が揺れて痛む事もない。

 脛当ては歩くのに不都合を生まず、その重量で脚が上がらないなどということもない。

 大籠手(ガントレット)もよく手に馴染んでいる。自分の為の物のようだ ――― などとは言わないが、極端な違和感は生んでいない。

 そして敵を屠る為の相棒となる獲物は、大籠手以上に彼女の手へと馴染んでくれていた。

 

「思った以上に戦嘴(ウォーピック)が似合うな」

「女が振り回すのは無謀だと笑うかい?」

「いや。その筋力ならいい選択だ」

 

 少なくとも俺が振り回すよりずっと似合う。そう言って声を立てて快活に笑う湾刀武者。

 その笑みに爽やかさは感じるが何の忌避感も覚えないことに安堵しつつ、女闘士もまた鉄兜の奥深くで笑う。

 一応の報復をしたためか、男性全てを恐れる事もなければ憎む事もない自分の精神に感嘆する。

 笑顔を見ると一瞬自分を弄んだ下劣な連中の笑みを思い返しはするが、それが己の心を酷く掻き乱す事もない。

 少し ――― ほんの少し揺れはするが、それだけだ。自分は自分でいられる。

 女闘士が思っていたよりずっと、自分自身の精神は強かったらしい。

 あるいはもう壊れてしまって、痛みを感じることすら出来なくなっているのか。

 その判断は彼女にはつかなかった。少なくとも今はまだ。

 

「後は予備武器だな。戦嘴より長い物か、短くて取り回しが効く物。どっちかあるといい」

「君が大小両方腰に差しているようにかい?」

「ああ。まあ何処であれその戦嘴一本で乗り切る、というなら別に止めないが。それは自由だ」

 

 神話に語られる緑葉の森人(エルフ)は、眼前に迫った敵ですらその弓で倒したという。

 あちらは神代の英雄でこちらはまだ登録すらしていない駆け出しだが、真似て悪いことはあるまい。

 なにせ「学ぶ」とは「真似る」ということなのだから。

 湾刀武者はそう言うが、女闘士は素直に予備武器を選ぶことにした。

 確かに真似る事から学びは始まるが、真似るなら英雄よりも身近な先達の方がいいだろう。

 腰に大小二振りの湾刀を帯びた湾刀武者の姿を見ながら、女闘士はそう考える。

 英雄とは確かに素晴らしい存在だ。優れている存在なのも疑いようがない。

 だがそれはつまり、一般的な存在からは大きく逸脱した異常者(イレギュラー)であるとも言える。

 異常者の真似をするよりは、一般の範疇で優れた者の真似をした方が参考になるし役立つだろう。

 そして彼は身のこなしを見るに、恐らくは優れた人間に分類されるはずだ。

 しかし一朝一夕で真似出来るわけでもない。自分の肉体(フィジカル)が長い時間と鍛練の末に出来上がったのと同じで、技術(テクニック)は完成に時間と鍛練を要する。

 その技術に寄って立っている部分は真似をするだけ無意味だ。なら自分はそこを真似すべきではない。

 自分が寄って立つべきは ――― この身体だろう。

 

「予備もまあ、そうなるか。予備と言うかそちらが主武器か?」

「そうだね。別に『蛮人(バーバリアン)』と呼んでくれても構わないよ」

「『偉大な(グレート)』をつけて呼びたいね、俺としては」

 

 そう考えた彼女の手には。見るからに武骨で、長大で、暴力的な獲物を、鉄塊が ―――

 ――― 大金棒(モール)がしっかりと握られていた。

 

 

 ―――――

 

 

「お、旦那。ちょうどええ所に」

「ん?」

 

 装備の支払いを済ませ工房を出たところで、湾刀武者は不意に声をかけられる。

 声のした方を見れば神官射手が一人の女性を伴いこちらに歩いて来ていた。

 その女性は ―――

 




女闘士ちゃんに関してはちょっとリファインしてます。装備とか。
ですが大筋は実況プレイの時の彼女です。
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