そんなことより風都探偵がアニメ化するそうです。
「新人冒険者と言うより、
「お褒めいただき光栄だよ」
工房の中を軽く歩いて装備の具合を確かめながら、彼女 ――― 女闘士は湾刀武者の言葉に恭しく頭を下げて見せる。
冒険者になって自分の
警戒心は ――― 相手が男だから、というのもあり ――― あったものの、それ自体は決して悪い選択肢ではない。
身一つで稼げるのには変わりなく、剣闘士になるよりも命の危険は高いが見返りもある。
何より自由に生きることが出来る、という点において冒険者に勝る職業はない。
合わないと思えば辞めれば ――― 命があるなら辞めればいいのだし、湾刀武者もそれは自由にすればいいと言った。
それ故女闘士は誘いに乗り、冒険者となることを決めた。
そして冒険者になる以上、当然
バシネットのバイザーを下ろしても視界は充分確保されている。問題ない。
また自分の体格に合わせて調整してもらったため、他人よりずっと豊かな胸が揺れて痛む事もない。
脛当ては歩くのに不都合を生まず、その重量で脚が上がらないなどということもない。
そして敵を屠る為の相棒となる獲物は、大籠手以上に彼女の手へと馴染んでくれていた。
「思った以上に
「女が振り回すのは無謀だと笑うかい?」
「いや。その筋力ならいい選択だ」
少なくとも俺が振り回すよりずっと似合う。そう言って声を立てて快活に笑う湾刀武者。
その笑みに爽やかさは感じるが何の忌避感も覚えないことに安堵しつつ、女闘士もまた鉄兜の奥深くで笑う。
一応の報復をしたためか、男性全てを恐れる事もなければ憎む事もない自分の精神に感嘆する。
笑顔を見ると一瞬自分を弄んだ下劣な連中の笑みを思い返しはするが、それが己の心を酷く掻き乱す事もない。
少し ――― ほんの少し揺れはするが、それだけだ。自分は自分でいられる。
女闘士が思っていたよりずっと、自分自身の精神は強かったらしい。
あるいはもう壊れてしまって、痛みを感じることすら出来なくなっているのか。
その判断は彼女にはつかなかった。少なくとも今はまだ。
「後は予備武器だな。戦嘴より長い物か、短くて取り回しが効く物。どっちかあるといい」
「君が大小両方腰に差しているようにかい?」
「ああ。まあ何処であれその戦嘴一本で乗り切る、というなら別に止めないが。それは自由だ」
神話に語られる緑葉の
あちらは神代の英雄でこちらはまだ登録すらしていない駆け出しだが、真似て悪いことはあるまい。
なにせ「学ぶ」とは「真似る」ということなのだから。
湾刀武者はそう言うが、女闘士は素直に予備武器を選ぶことにした。
確かに真似る事から学びは始まるが、真似るなら英雄よりも身近な先達の方がいいだろう。
腰に大小二振りの湾刀を帯びた湾刀武者の姿を見ながら、女闘士はそう考える。
英雄とは確かに素晴らしい存在だ。優れている存在なのも疑いようがない。
だがそれはつまり、一般的な存在からは大きく逸脱した
異常者の真似をするよりは、一般の範疇で優れた者の真似をした方が参考になるし役立つだろう。
そして彼は身のこなしを見るに、恐らくは優れた人間に分類されるはずだ。
しかし一朝一夕で真似出来るわけでもない。自分の
その技術に寄って立っている部分は真似をするだけ無意味だ。なら自分はそこを真似すべきではない。
自分が寄って立つべきは ――― この身体だろう。
「予備もまあ、そうなるか。予備と言うかそちらが主武器か?」
「そうだね。別に『
「『
そう考えた彼女の手には。見るからに武骨で、長大で、暴力的な獲物を、鉄塊が ―――
―――
―――――
「お、旦那。ちょうどええ所に」
「ん?」
装備の支払いを済ませ工房を出たところで、湾刀武者は不意に声をかけられる。
声のした方を見れば神官射手が一人の女性を伴いこちらに歩いて来ていた。
その女性は ―――
女闘士ちゃんに関してはちょっとリファインしてます。装備とか。
ですが大筋は実況プレイの時の彼女です。