四方世界四方山話   作:猩猩

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サプリ読むとキャラを色々作りたくなって困る。


一党・4

 長身。その人物を見たとき、まず真っ先に目が行くのはそこだった。

 一般的な只人(ヒューム)より少し背が高い湾刀武者が横に並んでいるが、彼よりさらに大きい。

 鼻の下に八の字の、顎の下にやや短めの髭を蓄えていることから若くはない ―――― 少なくとも青年、という歳ではないだろう。

 次いで妙に腕が長い事と耳たぶが大きい事に目が行く。

 こんな種族は聞いたことがないため、個人の体質なのだろうと三人は見当をつけた。

 やや耳が尖っており、背が高いことも踏まえると半森人(ハーフエルフ)だろうか?

 東方風 ―――― 湾刀武者のそれとはまた違う地域のもの ―――― の着物に身を包んでいるが、服の合間からは胸甲が見えている。

 腰に剣を帯びているのは戦士(ファイター)、あるいは前衛をも担う斥候(スカウト)であるという証左だろう。

 そんな彼に神官射手は特にどうということのない、普通の表情を見せ。

 女闘士はやや厳しめの視線を向けながらも、自然な態度を取り。

 戦女神の巫女はたおやかに、本心の見えない笑みを浮かべた。

 

「はぁ~……揃いも揃って美人だねぇ……」

 

 何故なら、彼はいっそ清々しいまでに鼻の下を伸ばしていたからだ。

 半端に取り繕わないことと、その表情に見える愛嬌が下卑さを打ち消しているがだらしなさは隠せない。

 いや、隠すつもりもないのだろう。

 そしてその隠す気のない態度の中に、男の欲望は見えても獣じみた飢えは無い。

 それがギリギリのところで女性陣の嫌悪を買わずに済むところに、彼を留めていた。

 

「旦那、この人は?」

「古い知り合いだよ。昔ちょっと一緒に……まあ、仕事をしたことがあってな」

 

 湾刀武者がほんの少し言い淀んだことを神官射手は聞き逃さなかったが、特に追求することなく流す。

 一々仲間の過去を気にしてほじくり返す事もないだろう。罪人であるならともかく。

 

「たまたま俺を見かけて声をかけてきたらしい」

「ほーん。で?わざわざ連れてくるっちゅうことはなんや、仲間に加えるんか?」

「それを聞きに来た。反対なら遠慮せずに言ってくれ」

「ウチはまあ別に構へんけど、お二人さんはどうなん?」

「ふむ……」

「んー……」

 

 女闘士と戦女神の巫女が考え込んだのを見て、紹介された彼は少し気まずそうに苦笑いしながらその長い耳たぶを指で抓んだ。

 

「やっぱオイラの最初の態度、良くなかった?」

「まー、男ならしゃーないけどなー。女の側からするとなー」

「それは謝る!この通り!」

 

 深々と頭を下げる彼の姿に、二人は「気にしなくていい」と告げる。

 女闘士が抱いたのは若干の苦手意識と警戒心。それに軽度の不快感だったが、ここまで頭を下げてもらうほどのことでもない。

 戦女神の巫女はと言えば、慣れているどころかある意味狙い通りなので文句は最初から無いのだ。

 彼女らが考えていたのはそれではなく ―――― それも全くないではないが ―――― 別のことだった。

 

「と、オイラの得意なこと言ってなかったな!オイラ本職は斥候で、戦士としても戦えるぜ!」

「戦士としてはイマイチだが、斥候の腕前は俺が保障する。戦士としてはイマイチだが」

「オイラの売り込みでそれ言う必要ある?」

「仲間には正直であるべきだからな」

 

 くっくっと愉快そうに笑いながら言う湾刀武者に、彼は白い目を向ける。

 小さな声で「これだからこの坊ちゃんは……」とブツブツ言っているが、反論も否定もしないあたり自分でもその評価を妥当だと思っているのだろう。

 

「あー……あと、オイラ術は使えねえから期待しないでくれ」

「まー、斥候兼戦士ならそんなもんやろな」

「その代わりオイラ勘がいいぜ!」

「実際にはどうなん?」

「働くことは少ないぞ、コイツの勘は。勘が働いた時は驚くほど鋭いというか、もはや霊感(インスピレーション)の域だが」

 

 彼の意気揚々とした売り込みに、湾刀武者は主観ではあるが誇張も歪曲も努めて消して補足する。

 命を預け預かる仲間に加えるかどうかなのだから、かつての仕事仲間とはいえ肩入れは出来ない。

 かと言って貶める気などさらさらない。自分の目から見た彼のことを正直に話し、判断してもらいたいだけだ。

 能力、人格、その他諸々を含め気に入るか気に入らないか ―――― 否。

 仲間とすることに納得出来るかどうか。それを判断してもらいたいのだ。

 なにせ最悪の場合、明日には皆仲良く死ぬことになるやもしれないのだから。

 どうせ死ぬなら納得のいく仲間達と死にたい。それが人情というものだ。

 無論誰一人死ぬ気などは無い。よもや死を覚悟することはあれども、死ぬと思って冒険に行くものはいるまい。

 死を予見しながらそこに向かうなど、もはや自殺であって冒険ではない。

 死の危険を冒すのが冒険であって、死にに行くわけではないのだから。

 

「斥候としては腕っこき、戦士としてはイマイチ。術は使えんわけやな」

「些か女性に弱いのと、博打好きというのは問題じゃないかい?」

「でもそれがあるからこそ、あちこち顔が広いというのはありますわ」

 

 知己であり仲介者である湾刀武者は「他の仲間が是と言えば」という姿勢。

 故に女性陣三人は真剣に情報を吟味し、どうするか話し合う。

 

「まあ、別に是非ともと頼まれたわけじゃないからな。俺やコイツに斟酌はしなくていいぞ」

「オイラもどうせなら気心と腕前知ってる相手がいいと思っただけで、断られても恨んだりはしねえよ」

 

 そんな言葉を受けつつ、話し合うこと少々。彼女らが出した答えは ――――

 




堂々と娼館とか行きそうなおじさん。
原作で書かれないだけでこういう冒険者多いと思うんですよね。明日死ぬかもしれないんだから。

ただキャラ的な相性とかどうなんだろ、って考えてしまう。
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