元々はラルス16世の求めに応じ、このアレフガルドを救うのが目的だった。遥か遠き昔この地を救った伝説の英雄、ロトの血を引く者として私は幼き頃から有事に備え、日々鍛錬してきた。竜王という恐ろしい敵がこの地を脅かす今、我が一族の真価が問われているのだ。ラダトームの城で王と謁見した時、私は使命に燃えていた。
しかし。今の私に、あの時のような情熱は無い。今の私にとっては、ローラ姫が全てだ。こんなにも誰かを愛するなど、姫に会うまでは考えたこともなかった。今まで私は、死を恐れたことは一度も無かった。しかし、今は死んでローラ姫に会えなくなってしまうのが怖い。竜王の爪は鉄を引き裂き、そして吐く炎は岩をも溶かすという。果たして私は勝てるのだろうか。ああ、出来ることなら竜王の脅威が届かない何処か静な所で、彼女と二人細やかに暮らしたい。
とは言うものの、ローラ姫が竜王を倒すことを望んでいる以上、私は戦わなければならない。ロトの血を引く者の使命ではなく、ただ、愛する人のために。
そして。幾多の苦難を乗り越え、私は遂に竜王の城の最深部に辿り着いた。竜王は意外にも私達人間と同じような姿格好をしていた。私を見て竜王は微笑みかける。
「よく来たロトの血を引く者よ。わしが王の中の王、竜王だ。わしは待っておった。そなたのような若者が現れることを。もし、わしの味方になれば、世界の半分をお前にやろう。どうじゃ?味方になるか?」
私が死ぬか、竜王が死ぬか。二つに一つ。そのどちらかでしか、この冒険は終わらないと思っていた。思いがけない彼の提案に私は驚いた。世界の半分というものに興味は無い。しかし、竜王と争わずに姫との平穏な生活が手に入るのなら。
「はい。」
私は彼の提案を受け入れた。
「本当だな?」
「はい。」
竜王はより一層、笑顔になった。
「そうか、取引成立じゃ。わしは約束は守る男じゃ。」
「コイルーラ!」
バビンチョ!(効果音)
竜王が強制召喚の呪文を唱えると、二人の前にローラ姫が飛ばされてきた。
突然のことに彼女は狼狽えたが、私の姿に気がつくと、安心したようだ。
「ああ、勇者様!ではいよいよ最後の戦いが始まるのですね!」
「ロトの血を引く者よ!では世界の半分を与えよう!お前にとって、世界とは。お前にとっては、ローラが世界の全てであったな!!」
竜王が叫ぶと同時に、その爪がローラ姫を真っ二つに引き裂いた。
倒れこんできたローラ姫の上半身を、私は受け止めた。
「お前の世界の半分、確かに渡したぞ!」
血だまりの中で呆然とする私の耳に、何時までも竜王の高らかな笑い声が響いた。
BAD END
リセットして冒険を続けますか?(続きを読みますか?)
先に書いておきます。続きはHAPPY ENDです。
はい/いいえ