IS原作っていつスタートだっけ?   作:鮭のKan2me

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 それは理不尽かツケか

 


65:果たし状

 新入生との交流や織斑先生のハードな授業についていく日々を過ごしていた影清であった。が、新学期が始まってから一週間が経過した頃、いつも通り教室に着いた影清は自分の席に座ろうとするも—。

 

 

「?あれ、昨日忘れ物したか、な・・・。」

 

 

「あ、道おはよう!って、どうしたの?机の中なんて見て。」

 

 

「・・・。」

 

 

 スッ

 

 

 無言のままグリフィンに机に入っていた物を見せる影清。それはどこからどう見ても手紙としか見えないようなものであった。

 

 

「手紙?・・・あっ、もしかしてラブレターだったりする!?やったじゃん道♪」

 

 

「・・・と、とりあえず封開けてみるよ。えーっと・・・。」

 

 

 手紙の中身を確認する影清。するとそこには、「果たし状(・・・・)」と書かれた紙が封入されていた。

 

 

「・・・はい?」

 

 

「え、何これ?・・・果たし状?」

 

 

「何があったの?」

 

 

 まさかの内容に唖然とする影清とグリフィンに、たった今登校してきたベルベットが話しかけた。

 

 

「あの、こんなものが僕の机に入ってたんだけど・・・。」

 

 

「・・・それ、ちょっと見せてくれないかしら?」

 

 

「別にいいけど・・・、はい。」

 

 

 こうして果たし状を渡されたベルベットは、その内容、いや文字を見てため息をついた。

 

 

「ハァ・・・、あの子の仕業ね。」

 

 

「え?あの、ベルベットさん、心当たりあるの?」

 

 

「まぁ、そうなるのだけど・・・。ごめんなさい道。この模擬戦、黙って受けてあげてくれないかしら?相手については保証するから。」

 

 

「・・・まぁ、そこまで言うなら。そういえば日付とかもここに書いて・・・って、今日!?流石にせっかち過ぎないか・・・?」

 

 

「・・・これでも、あの子なりに待ったのだと思うわ。」

 

 

「そ、そう・・・?あ、でもグリフィンさんどうする?今日一緒に訓練するって約束だけど。」

 

 

「流石にやめかな。そのギリシャの代表候補生の子も見てみたいし。ま、頑張ってね!」

 

 

「うん、ありがとう。また埋め合わせするよ。じゃあ放課後に第一アリーナで、と。」

 

 

 こうして謎の挑戦状を受けた影清。幸い授業数が少ない日だったので余裕を持って準備することができたのだが・・・。

 

 

「・・・ギャラリー、多くない?ほぼ満員だよね?」

 

 

「あぁ、それ虚から聞いたんだけど、一年の新聞部の子が模擬戦の噂聞きつけて広めたんだって。」

 

 

「そういうことか・・・。いや緊張するなぁ・・・。」

 

 

「今更でしょ?ほら、そろそろ時間だし、準備して来たら?」

 

 

「そうだね。じゃ、行ってくる!」

 

 

 グリフィンと別れ、ピットに向かった影清。その一方で、グリフィンは予め取っていた観客席に向かい、他に待ち合わせしていた人物の到着を待っていた。

 

 

「お、グリフィンじゃねぇか。もう来てたのか。」

 

 

「そういうダリルこそ、ちょっと遅いんじゃない?」

 

 

「まぁな、ちょっとヤボ用があったもんでよ。ところで、ベルベットのヤツは?」

 

 

「ギリシャ代表候補生の子に会いにいってるんだって。IS学園に来てからあまり話できてなかったみたいだし。」

 

 

「ほーう・・・。おっと、虚も来たみたいだぜ。おーい!」

 

 

「こんにちはダリルさん、グリフィンさん。早速で申し訳ないのですが、あとでお嬢様も来るのでご了承頂ければ・・・。」

 

 

「お嬢様って、確か虚の幼馴染だっけ?全然いいよ!前から会ってみたいと思ってたし!」

 

 

「オレも構わないぜ。で、そいつは今どこにいるんだ?」

 

 

「それがですね—。」

 

 

 グリフィン達が観客席で雑談している頃、影清はピットにて調整を行なっていた。

 

 

「さて、システムの確認よし、と。あとは武装だけ・・・!?」

 

 

「だーれだ♪」

 

 

 突如として視界を塞がれた影清。一瞬バチバチに警戒するも、次に聞こえてきた声で警戒を解い・・・、いや、なおさら固まった。

 

 

「さ、更識、様でよろしかったでしょうか・・・?」

 

 

「楯無、でいいですよ。あと様付けもいりませんから。」

 

 

「あ、すいません。あの、虚さんの主人って言うぐらいなので、失礼がないようにと・・・。」

 

 

「敬語も結構です。同じIS学園に通う生徒なんですから、そういう立場は気にしなくてもいいですよ、道先輩?」

 

 

「じゃあ、お言葉に甘えて。・・・あと、いつまで目隠ししてるつもりで?」

 

 

「・・・だーれだ?」

 

 

「えっ・・・。えっと、楯無、さん?」

 

 

「まぁ、よしとしましょうか。」

 

 

 やっと影清の顔から手を退けた楯無。こうして視界がクリアになった影清は後ろを向き、楯無の姿を視認した。

 

 

「あの、一応試合前なんだけどね。いや別に話しかけるな、とまでは行かないけど。」

 

 

「えぇ、わかってます。でも、なんだかんだ挨拶に行けなかったものですから。」

 

 

「・・・そういえば、入学してからはまだ会ってなかったっけ?」

 

 

「実はそうなんですよ。ここ一週間は忙しく忙しくて、よよよ・・・。」

 

 

 扇子を広げて口元を隠しながら泣き真似をする楯無。扇子には「多忙」の文字が記されていた。

 

 

(えっ、何あの扇子!?予め仕込んでたのかな・・・?)

 

 

「さて、そろそろ行くとしますか。虚ちゃんも待たせてることだし。」

 

 

「そっか、じゃあまた。」

 

 

「えぇ、模擬戦楽しみにしてますよ?」

 

 

 楯無がピットから去ると、影清は自身のIS・灰楼(かいろう)を展開し、最終チェックを行った。

 

 

「蛇腹剣『朧矢(おぼろや)』『(おぼろ)・二の矢』よし。対物バックラー『夢月(むげつ)』よし。特殊弾専用バズーカ『幽牢(ゆうろう)』並びに特殊弾発射トラップ『妖戯(ようぎ)』、ネット弾装填済み。ラスト、第三世代兵装『蜃気楼(しんきろう)』オールグリーン。小型スラスター計55機の統率問題無し。・・・さて、相手がわからないままってのは初めてだな。ま、やれるとこまでやってみるか。」

 

 

 確認を終えた影清は、スラスターを吹かしてピットからアリーナ内へと躍り出た。




 さて、次回二年生編初の戦闘回となります。相手はもちろん原作にもアキブレにも出てた・・・。

 そうそう、影清くんの専用機・灰楼の武装の一つに、名称不明だった武装があったので今回名付けました。なお、前に使用されたのとはまた別物となっています。一応、波乱の新入生編終了後にプロフィール書くつもりなので、そこで詳しく説明しようかと。

影清くんの新武装(終盤で適用予定です。ちなみにこのアンケートで取ったもの以外にも最終兵器的なもの出ます。)

  • 今言ったの全部乗せ
  • ナシ

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