フォルテによって半分以上が氷に覆われたアリーナ。そんな中、冷気によって出力低下した小型スラスターによる事故を防ぐため、蜃気楼による助力をカットして挑む影清であったが—。
ガン!ギンッ!
「うっ・・・!流石に補助無しだとキツいな・・・。」
フォルテの放ったライフル弾を受けて顔をしかめる影清。序盤では小型スラスターによる反動抑制があったためライフルの銃撃をものともしなかったが、現在頼みの小型スラスターは実質使用不可なため、通常の機体と同じくらいの衝撃を受けている。簡潔に言うと、先程より遥かに接近することが難しくなっているのである。
「どうしたッスか?さっきみたいに近づいて来てもいいんス、よっ!」
ガンッ!
「!ちぃっ・・・!」
(これぐらいの距離なら避けれなくもないけど、それじゃジリ貧だ・・・。よし、イチかバチかだ!)
この状況を打開するため、影清は盾を構えつつ接近を試みることにした。だがそんなことを許すわけもなく、フォルテはライフルで追い返そうとする。が—。
「オラッ!」
ブンッ!
「なっ!?で、でもまだ距離は・・・!」
(いや、この距離でいいんだなコレが!)
フォルテがライフルを構えた瞬間に盾を投げつけた影清。しかし、フォルテとの距離は少ししか縮まっておらず、このまま剣を振ったところで届きはしない。だが影清の持つ蛇腹剣には、盾と同じく射出機能がある。刀身が長い分その射程範囲も広く、今の間合いでも十分届くほどである。投擲された盾によって怯んだフォルテに影清は剣先を向け、射出するためのスイッチを押す。
ギチッ、バガァンッッ!!
「なぁっ!?」
「!隙ありッス!!」
ガン!チュンッ!
「うっ!・・・マジか、そこまで凍ってたのかよ・・・!」
間合い、タイミング、狙い、それらに狂いはなかった。一つ見落としていたとすれば
更に言うと、反動抑制のための蜃気楼も機能していないため、益々マズイ状況ではあったが、突然のアクシデントであったためフォルテの対応が遅れた結果、ライフル一発という安い結果となった。いや安くはないが。
ライフルを喰らった後、悪態をつきながら後退して蛇腹剣の刃を戻す影清。仕切り直しとなったその時、フォルテが口を開く。
「まだやるッスか?正直もうアンタに負けるビジョンなんて見えないッス。降参してもいいッスよ?」
「流石に降参はないかな。まだやれるし。」
「フンッ、ベルベットの人生めちゃくちゃにした分際でよく吠えるッスね。アンタさえいなけりゃ、ベルベットは・・・!」
「・・・そのことなんだけどさ。殆どはベルベットさんから聞いてる。それでもさ・・・。」
「それでも、何スか?」
「それでもベルベットさんは
「・・・話の論点ズレてるんスけど。」
「まぁ、僕が言いたいのは、ベルベットさんは境遇については気にしてないってこと。だから僕を責めることはしなかったけど、僕は僕のせいじゃないなんてことは思わない。現に
一旦言葉を切ると、投げた盾の代わりにバズーカを左手に出し、右手に持った剣を逆手持ちに変え、それを隠すように構えた。
「この模擬戦からは逃げない、逃げちゃいけない。意図してなかった、不慮の事故だった、で済ませていいものじゃなさそうだからね。」
「そうッスか。なら思う存分叩き潰してやるッスよ!!」
パキ、パキキッ!
フォルテの激情に呼応するように氷結速度が上がる。だが、それがどうしたと言わんばかりに影清はバズーカを盾に突っ込む。
「このっ!とっとと終われッス!!」
ガン、ガンッ!チュン、チィン!
「っ!まだまだぁ!!」
ライフル弾によって原型を歪められたバズーカを捨てた影清。しかし、すでに剣の間合いには入っており、ライフルでは対応しづらい距離となったが・・・。
ギュン!
「ほら、お望みの接近戦ッスよ!」
ヒュオッ!
影清がある程度まで接近すると、即座にスピードを上げて懐に潜り込むフォルテ。その手にはすでにダガーが握られており、そのまま斜めに切り上げようとする。
スッ
「なっ・・・。」
「残念だけど、読めた。」
チャキッ
フォルテがダガーを扱うことから、接近すれば向こうも近づいて得意の間合いに持ち込むであろうと思った影清は、フォルテが別の動作をしたタイミングで後方に飛んだ。こうしてフォルテの振るったダガーは空を切り、影清の持つ剣の切先がフォルテに向けられた。
(ま、まず・・・いや、この距離ならギリギリ届かないッス!それに、さっきみたいに暴発するに決まって—。)
ギュンッ!ガアァァァンッ!!
「!?ぐぅっ・・・!」
(な、なんで届くッスか・・・。仮に距離を縮めたとしても、凍って暴発するハズッスのに!)
確かに先程よりも氷結速度が上がってる関係上、影清の持つ剣はまた凍ってしまうだろう。だが、
灰楼の
さて、もうわかったとは思うが、今影清が使っているのは朧矢ではなく朧・二の矢である。最初に隠した時は朧矢であったが、バズーカを捨て、フォルテが懐に潜るのを悟って後退すると時に朧矢から朧・二の矢へと持ち替えていたのだ。こうして焦り、油断、慢心のあるフォルテに朧・二の矢の刃が届き、コールド・ブラッドの左翼に見事直撃した。とはいえ、まだコールド・ブラッドのシールドエネルギーは尽きてない。
「でも、これで打ち止めじゃないッスか?勝負アリッs—。」
ギュルル、ギャギャアッ!
「のわぁっ!?な、何がっ・・・!」
「長さにはまだ余裕があったからね。返しの刃ってやつ。」
ギュルル、ガチンッ!
遠距離からの射出により伸び切った朧・二の矢。本来であればこれで終わりであろう。だが、忘れてはならないことが一つ。この朧・二の矢には、朧矢同様射出機能があり、逆にその伸びた刃を一気に戻す手段がある。刀身がすでに伸びている際にスイッチを押すと、刀身を繋ぐワイヤーが一気に巻き上げられる。更に分割した刃は、爪、あるいは牙のような形状となっているため、今回のようにギロチンみたいな攻撃も可能である。明らかに
・・・さて、今用途外と言ったが、これは一度も検証されたことがないという認識で間違いない。では何故このような結果に繋がったのか。それは—。
(うぅおぉぉぉぉ!?なんかミスったのがそれっぽいヤツになったー!?ホントは朧矢に変えてすぐ追い討ちしようとしたのに・・・!え、大丈夫?刃こぼれしてな・・・してるわぁ・・・。ヒカルノさん、なんて言うかな・・・。)
単純に
そんなことはつゆ知らず、想定外の攻撃で姿勢を崩したフォルテは、その場に留まることで精一杯であったが、体制を立て直すと同時にダガーを取り出して防御の構えを取った。
ザギャッ!
「あの、胸の辺りで防御固めるのはいいんだけど、
『コールド・ブラッド、シールドエネルギーゼロ。勝者、影清道。』
最後の一撃は、右脚装甲に向けての斬撃であった。
何気に影清くんが代表候補生に勝利した描写は今回が初という。まぁ、細かい模擬戦ばっか書くわけにもいきませんからね!
次回は模擬戦後の話となります。
ps通算UA60000突破してたの完全に忘れてました()。お気に入り登録や評価投票、感想書いてくださった方々、本当にありがとうございます!!
影清くんの新武装(終盤で適用予定です。ちなみにこのアンケートで取ったもの以外にも最終兵器的なもの出ます。)
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槍
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鎌
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斧
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今言ったの全部乗せ
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ナシ