「すごい!道勝っちゃった!!あんな手隠してたなんて聞いてないよ、もー。」
「・・・悪いけど、先に失礼するわ。」
「どこに行くの?って言うのはヤボだよね。いってらっしゃい。」
「えぇ・・・、ありがとう。」
観客席からある場所へ向かったベルベット。一方そのすぐ隣の席では—。
「マジかアイツ、ここまで強くなってるとはな・・・。ま、オレほどではねぇけどな。」
「えぇ、最後までどちらが勝つかわからないほどの白熱っぷりでしたね。これには私も脱帽です。」
「!お、お嬢様、いつからそこに・・・。」
「・・・ほーう、オマエが更識楯無か。」
ダリルの後ろから話しかけてきた楯無。試合前に影清の戻すを訪れたとはいえ、ベルベットとほぼ同じタイミングで合流できたハズだが・・・。
「初めまして、ダリル先輩。試合始まってから急いでここに来たのですが、あまりにも見応えのある試合でしたので、話しかけるのも忘れて
「へぇー、キミが虚の幼馴染の?初めまして、私グリフィン・レッドラム!気軽にグリフィン、でいいよ♪よろしく!」
「では、グリフィン先輩、と呼ばせていただきますね。こちらこそよろしくお願いします♪」
「うん、よろしく!あ、一つ聞きたいことあるんだけど、あの噂って—。」
こうして談笑が始まった中、アリーナ内のとある通路では—。
「・・・探したわよ、フォルテ。」
「・・・ベルベットッスか。今はそっとしといてほしいッス・・・。」
模擬戦を終えたフォルテはIS学園の制服に着替えたあと、気力を無くしたのか通路の端で頭を埋めて座り込んでいた。ベルベットはそんなフォルテの元へ行き、膝を曲げてできるだけ視線を合わせた。
「そういうわけにもいかないわ。今だけじゃなくて、ここに来てからの貴女、放っておけなかったもの。・・・もっと早く、こうやって話せればよかったのだけどね。」
フォルテに優しく語りかけるベルベット。するとフォルテは、ぽつりぽつりと話し始めた。
「・・・ベルベット。ウチ・・・、アイツのこと、どうしても許せなかったッス・・・。」
「えぇ。」
「ベルベットは、すごいッス・・・。代表候補生に選ばれてなくても、実力は本物ッス・・・。」
「・・・えぇ。」
「でもアイツが、アイツなんかがISを動かしたから、ベルベットは代表候補生にされて・・・。それが、それが今までのベルベットを否定されたみたいで、ウチ、ウチ・・・!」
制服を掴んでいた手に力が入り、少しずつ身体が震え始めたフォルテ。その様子を見て、ベルベットはフォルテの手に自らの手を重ねる。
「大丈夫よ、フォルテ。私はそうは思ってない。むしろ、貴女との約束があったからこの一年間頑張れたのよ。」
「え・・・?」
「私がIS学園に行く時に言ってくれたでしょ?『一年後、どっちがより強くなれたか勝負するッス!』って。」
「お、覚えてて、くれたんスか・・・?」
「あたりまえよ。親友の約束だもの、反故にはしないわ。」
「ベ、ベルベット・・・!ウチ、ウチは・・・っ。」
ようやく顔を上げ、ベルベットの方を向いたフォルテ。その顔は赤く染まっており、目から涙が零れ落ちていた。
「お疲れ様、フォルテ。・・・ありがとう。」
フォルテを抱き寄せ、労いの言葉をかけるベルベット。制服がフォルテの涙で汚れるも、そんなことは全く気にせず胸を貸し続けた。しばらくして落ち着いたフォルテは、立ち上がってベルベットに向き合った。
「・・・ベルベット、その、迷惑かけてゴメンッス。」
「別にいいわよ。迷惑かかるのは今に始まったことではないのだし。」
「うっ・・・、今それを言われるのは堪えるッス・・・。」
「フフフッ・・・。さて、いつまでもここにいるわけにはいかないでしょ?行きましょうか。」
「・・・そうッスね。」
こうして二人はアリーナを後にしようとするが、その道中で—。
「あっ。」
「ん?」
「ゲッ。」
先程模擬戦でやり合ったばかりの影清とばったり会うベルベットとフォルテ。特にフォルテは影清を見つけるなり顔を歪ませるという嫌悪っぷりを見せた。
「ベルベットさんと、さっきの子か。まだ残ってたんだ。」
「・・・そういうアンタこそ、何してるッスか。」
「さっきの試合のせいかピットめちゃくちゃ冷えててさ。何かあったかいもの欲しくて自販機探してた。それで今帰るとこ。あと・・・。」
「?なんスか。」
(キミ、今日までの5日間ぐらい僕のこと尾行してなかったっけ!?気づいてて放っておいた僕も僕だけどさぁ!?)
ベルベットもいるため口には出さなかったが、フォルテは模擬戦に勝つためのデータ収集の一環で影清の学校生活すらもリサーチしていたのである。それと、実際に尾行されていたのは7日程。3日経った頃にやっと違和感を感じ、フォルテの姿を確認できたのである。
と、尾行関係の話題に入りかけてしまったため、なんとか誤魔化そうと別の話題を出そうとするが—。
「その・・・、模擬戦やってた時とは想像つかないほど・・・うん。」
「よーし、もう言わなくてもわかるッス。小さくて悪かったッスね!!」
地雷を避けた先で地雷を踏む影清。明言はしてなかったが、影清がこちらを見つつ言葉を濁したのですぐに何に対して言及しようとしたのか察したフォルテは声を張り上げる。
そう、フォルテ・サファイアはとても高校生とは思えないほどの身長しかないのである。その低さは小学生と言われても信じられるほど。もちろんそれはフォルテにとってコンプレックスであり、多少誤魔化そうとしたところで鋭く指摘する。
「い、いやその、まぁ、そんなところです・・・。」
「はあぁ!?ちょっとばかり背が高いからって調子乗んなッス!大体男なんだからそっちの方がデカくてとうぜ「落ち着きなさい。」
ビシッ
「あぅ!?」
ヒートアップし始めたフォルテの頭にチョップがお見舞いされた。軽くではあるが、フォルテが怯むには十分な威力ではあった。
「・・・えっと、なんかゴメンね?これ、コンポタだけどいる?」
「いらねぇッス!ホントに腹立つヤロウッスね・・・!」
「フォルテ。」
「・・・わかったッス。影清道、次やる時はこうはいかないッスよ。精々首洗っておくことッスね。」
「よし、受けて立つ。まぁ、次やったら普通に僕負けそうだけどね・・・。じゃあ、この辺で。またね、ベルベットさん、と・・・。」
「・・・フォルテ・サファイアッス。」
「サファイアさんか。また今度ね。」
そう言って影清はアリーナを後にした。
「やれやれ、ホントに厄介なヤツッス・・・って、ベルベット、何笑ってるッスか!」
「いえ、貴女が男性相手にあそこまで絡むの初めて見たから。・・・案外相性良いのかもしれないわね。」
「何言ってるッスかベルベット!?あんなヤツとは絶対馬合わねぇッスよ!ウチの男性嫌い知ってるッスよね!?」
「フフ、そうだったわね。じゃ、行きましょうか。模擬戦の予定も合わせないといけないことだし。」
「!そ、そうッスね!本国で鍛えに鍛えた成果見せてやるッス!」
「そうね、楽しみにしてるわ。」
ベルベットとフォルテ、その友情は一年という時を隔ててもなお色あせることのないものであった。後日、しっかりと約束は果たされたが、それはまたの機会に。
「あー、腕痛っ。」
書きたかったものの一つであるフォルテさんとベルベットさんの絡み、やっと書けた・・・!あと、影清に対するフォルテのスタンスは大体決まってましたが、そうなるための細かい過程で悩みに悩みましたね・・・。結局ちょっと強引かつ簡潔にしつつも最初に考えてたもので通しました。ちなみになんやかんやあってフォルテがベルベットの胸揉みしだいて通りすがった千冬先生に折檻されるルートもありました()
それと、久々にアンケートを取ろうかと!最初に断っておくと、今回のは本小説に関わるものではありません。自分が投稿しているのはこの作品だけなのですが、他にも色んな作品のストーリーが思い浮かんでいるわけで、そちらもカタチにしたいと思っておりまして・・・。ちなみに別の小説を書くことになっても、本小説の更新が遅れる・途絶えるような事態になりませんので悪しからず。気分転換程度ですからね。
一応活動報告に二次創作案載せてますので、興味があれば是非ご覧になってください!
影清くんの新武装(終盤で適用予定です。ちなみにこのアンケートで取ったもの以外にも最終兵器的なもの出ます。)
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槍
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鎌
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斧
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今言ったの全部乗せ
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ナシ