ロランとの試合後、アリーナ内の整備室にて—。
「・・・・・・ダメですね、やはり私たちでは手出しが・・・。」
虚ら整備班が見ているのは、IS・灰楼に搭載されている第三世代兵装『蜃気楼』。明言はしていなかったのでハッキリ言わせてもらうと、蜃気楼=55機の小型スラスター、ではない。蜃気楼とは、その55機の小型スラスターを一気に稼働させるためのシステムの名称だ。
「すいません道さん。私が及ばぬばかりに・・・。」
「いやいや、いいって。むしろそれ以外は完璧に仕上がってるし・・・にしても、コレ自体そうそうイカれるようなものじゃないんだけどなぁ・・・。」
55機ものスラスターを統括する以上そのシステムは繊細かつ融通が効かず、
とはいえ、その弱点を補うために灰楼の装甲は薄くかつ頑丈に重ねられており、小型ながらもちょっとやそっとじゃ傷一つ付かない程の強度を誇る。逆に言えば、一度破壊されれば修復は困難ということだが、そこはIS学園内でも選りすぐりの整備斑。傷一つなく、新品同様に修復して見せた。
—だが、今回破壊されたのは装甲だけではない。
「私も驚きましたよ。まさか装甲だけではなくシステムにすら害が及んでいたとは・・・。」
ロランの専用IS『オーランディ・ブルーム』に取り付けられた第三世代兵装『ガルディ・アームズ』。その先端が触れれば、どんなに強固な装甲でも溶かされるという代物だが、場所によってはIS自体の機能に多大な影響を及ぼす。
灰楼の蜃気楼はあちこちに搭載された55機のスラスターと密接にリンクしているため、どこであろうとスラスター部分にガルディ・アームズが直撃さえしてしまえばシステムに異常をきたす。つまり、オーランディ・ブルームは灰楼の最大の天敵とも言える。現にこうして壊れることがありえないモノをいとも簡単にやられてしまったのだから。
「・・・まぁ、蜃気楼無しでもやれることにはやれるけど、武装は見直さないとな。」
「それ以前の問題ですよ。こんなに複雑なシステムに異常があるとなれば、基本動作にすら影響が及ぶかもしれません。それが機体全体に作用するものであれば尚更です。残念ですが、今回は棄権して他の方々に—。」
「話は聞かせてもらった。」
「!お、織斑先生、いらしてたのですか・・・。」
いつの間にか姿を現した織斑先生。そこまで大きな声はないものの、整備室内は静かに騒々しくなった。
「織斑先生、何か御用でも・・・?」
「あぁ、こういう時のために打鉄を一機抑えておいてな。ソイツに乗って続けて出てもらう。」
「ホントですか!?ありがとうございます!虚さんも、それでいいよね?」
「・・・そうですね。何か問題があるわけでもありませんし・・・。引き続き頑張ってくださいね、道さん。」
「決まりだな。武装も幾つか引き継ぐだろう、早く済ませておけ。」
必要事項だけを述べ、整備室を去る織斑先生。整備室内ではまだちょっと騒ぎが続いている。
(・・・ここで抜けられては、意味がないからな。)
ドゴォンッ!!
「・・・ふぅ、中々強いじゃん!立候補しただけはあるね!」
「そ、そんなことないです。最後までペース崩さなかったので・・・ありがとうございました。」
ダイヤナックルによって地面に叩きつけられた女子生徒は、その身を起こしながら礼をする。
影清が打鉄の調整を始めた頃にはグリフィンの試合はすでに終わっていた。そのグリフィンもピットに戻り、次の出番までにISを整備しに向かう。その道中—。
「あ、グリフィン先輩!お疲れッス!」
「ん?あぁ、フォルテちゃん!そういえば次だったよね。頑張って!」
「はいッス!ダリル先輩にも負担かけないよう全力でやるッス!!」
「ふふっ、やる気充分だね!そうだ、一つ気になったことあるんだけどさ。」
「何ッスか?」
「いやー、二年の専用機持ちの中で道だけすっごい邪険にするから、何か理由あるのかなーって。」
「ありありッスよ!ベルベットが気にしてないって言ってもどれだけ迷惑かけたか・・・それに、ウチが普通に気に入らないってのもあるッス。」
「あはは、ベルベット関連のことは予想できたけど、個人的に気に入らないこともあるんだ・・・。」
「・・・まぁ、ウチが男嫌いってのもあるスけど、あの飄々とした優男面は生理的に受け付けないッスよ。・・・グリフィン先輩はどう思ってるんスか?」
「私?う〜ん・・・ちょっと、いやかなりやんちゃな印象あるかな。」
「やんちゃッスか?」
「ほら、試合の時とか結構賭け要素の多い特攻とかするし。それ以外にも幾つかあるけど、うん・・・とにかく危なっかしいマネはするかな。」
「・・・言われてみればそうッスね。ウチとの試合で腕ケガしたって聞いたッスし・・・たかが模擬戦で本気になり過ぎッスよ。」
「そこなんだよねぇ・・・。ま、そういうとこあるからしっかり面倒見ないと行けない困ったさんってとこかな?」
「そ、そうッスか・・・。」
「そうそう、私そういう感じの子とは結構関わりあるしね。じゃあ、私もう行くから。引き止めてゴメンね?」
「いやいや、返事求めたのはウチッスから。行ってくるッス!」
意気揚々とピットに向かったフォルテ。自身のISを纏い、アリーナ内に降り立った彼女は対戦相手を見据える。
「さ〜て、手加減しないッスよー!」
「あら、フォルテちゃんじゃない♪初の手合わせだけど、私も手加減しないわよ〜?」
(チェンジッス!!!!!)
こうしてギリシャ代表候補生とロシア代表との戦いが幕を開けたとか。ちなみにこの試合の後、完膚なきまでにやられたフォルテを他のメンバーで慰める光景があった。
迷走に次ぐ迷走を繰り返した結果約一ヶ月更新できてなかった件。いや、別小説作成に手を出したのも少しは影響ありますが、一番は今後の話しの構成と影清くんの最終的な状態についてで悩みまくった結果ですね。頭の中で考えてはボツにし、考えてはボツにしで全く手がつかなかった・・・。とりあえずオチまでは細かいとこまで纏められたので更新頑張っていこうと思います。
余談ですが、生徒会長争奪戦の戦闘描写は次回のダリルVS楯無のカードで終わります。あとはもう後日談的なアレで抽象的に書く予定です。作者のスペックが低すぎる。
影清くんの新武装(終盤で適用予定です。ちなみにこのアンケートで取ったもの以外にも最終兵器的なもの出ます。)
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槍
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鎌
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斧
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今言ったの全部乗せ
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ナシ