IS原作っていつスタートだっけ?   作:鮭のKan2me

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 最凶vs最強

 


75:交わる強者

「あ〜、やっと終わった。ただ今戻りま・・・え、何この空気?」

 

 

 灰楼から打鉄への武装換装を終え、控え室へと戻ってきた影清の目に入ったのは落ち込むフォルテとそれを宥めるベルベット、グリフィン、サラの姿であった。

 

 

「あ、道。整備終わったんだ。」

 

 

「あー、それなんだけど、ちょっと問題起きちゃって打鉄使うことになってさ。・・・で、サファイアさんどうしたの?その、何か凡ミスでもやらかした・・・?」

 

 

「・・・見た方が早いわ。」

 

 

 そう言ってベルベットがモニターの方を示すと、そこではもう次の試合の準備が整っており—。

 

 

「ダリルさんと・・・た、楯無さん!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よぉ、さっきは中々の試合だったぜ。まさか1分も経たずにフォルテをやっちまうなんてよ。」

 

 

「いえいえ、アレは上手く噛み合っただけですよ。長期戦は危険、と感じたので♪」

 

 

 双方笑みを浮かべながら語っている・・・というのは見かけだけで、実際は静かに互いの実力を見定めていた。

 

 

「ほぉう・・・ならオレはどうだ?速攻でケリつけにくるか?」

 

 

「ふふ、ご冗談を。その肩にあるもの(・・・・・・・・)は見かけ倒しでは無さそうですし、じっくりとやらせていただきますよ。」

 

 

 そんな腹探りも途中で終わり、カウントが始まる。どちらも相手に意図を悟られまいとする中、先に仕掛けたのは—。

 

 

 ヒュンッ!

 

 

「おっと、中々はや・・・っ!」

 

 

 ガコッ

 

 

 楯無による蛇腹剣の牽制を避け、手に持った銃の照準を合わせたダリルであったが、それより先にガトリングの砲門が向けられており、銃弾の雨が襲いかかる。

 

 

 キュルル、ガガガガガガガガガガッッ!!!!

 

 

「うぅお!?ぐっ、ヤロォ、なんてもんを・・・!」

 

 

「まだまだ小手調べですよ!」

 

 

 素早く飛んで避け続けるダリルであったが、あまりの弾幕と誘導精度に防戦一方となってしまっている。そんなダリルが次に取った行動とは・・・。

 

 

「チッ、まさかこんな早く披露するハメになるとはなっ!!」

 

 

 コォォォ・・、ボッ!!

 

 

「っ!!くっ。」

 

 

 サッ、ボガァァァァン!

 

 

 ヘル・ハウンドの両肩アーマーの銃口・・・いや、以前とは違い犬の頭を彷彿とさせる砲台(・・・・・・・・・・・・)から火球が発射される。警戒していたのもあってほんの少しだけ余裕を持って回避した楯無であるが、ガトリングによる銃撃は止まってしまった。お返しとばかりにダリルが2丁の銃、そして先程の火球を放って攻め立て始める。

 

 

 ガガガガァン!

 ボボッ!!

 

 

「ふっ、ハァッ!」

 

 

 火と銃弾による弾幕。初見でなくともその苛烈さにやられかねない程のそれを全て避けてみせ、更には新しく取り出したライフルを持って反撃してみせた。

 

 

 チュンッ!

 

 

「・・・ハッ、こりゃ期待以上だ!流石だぜロシア代表ッ!!」

 

 

 ボッ!ボガァァン!

 

 

「!・・・そうきましたか。」

 

 

 楯無に向かうと思われた火球はその一歩手前に落ち、大煙幕を作り上げた。それによりダリルの次の行動に幾つか当たりをつけた楯無は、そのどれにも対応するため拡張領域から即座に武器を取り出せるよう準備する。

 —そして、煙幕が晴れる前にダリルが正面から、それも猛スピードで接近する。その手には一対の剣が握られており、それぞれ斜めに振り押された。

 

 

「ほっ。」

 

 

 ギィィィンッ!!!

 

 

「おっ!?」

 

 

「セイッ!!」

 

 

 ガッ、ドシュッ!

 

 

 まるでその攻撃が来るのをわかっていたかのように槍を取り出して、その長さを活かし二つの剣を押し留めた楯無。更にそのまま体制を崩すように剣を流し、間髪入れずに胴に槍を突き刺した。

 煙幕もあって、側から見てる分にはこの早技を見切れたものはいないだろう。流石は国家を代表するIS操縦者といったところだろう。だからこそ、それ(・・)に反応した(・・・・・)ダリルの異常さが際立つ。

 

 

「・・・へぇ、今のを防ぎますか。」

 

 

「いや、そうでもないぜ。ちゃんと装甲にキズが入る程度には深かった。」

 

 

 装甲の傷と切り裂かれた銃を見せながら語るダリル。剣を弾かれたあの一瞬、即座に剣と銃とを入れ替え、それを握らずに弾くことで装甲と槍の間に滑りこませた。

 通常、拡張領域から武装を取り出すにはそれをイメージする必要がある。と言っても、それが正確でないならいつまでも武装を出現させることはできない。ましてその手に持ったものを入れ替えるなど、イメージの取捨が追いつきはしない。

 —しかし、不可能ではない。そのイメージの取捨を完全に遂行すれば良いのだから。現にダリルは銃と剣という形や用途の違うものを刹那の間に取り替えて見せた。IS業界では、この技能を『高速切替(ラピッド・スイッチ)』と言う。

 

 

「そんなこと言って、ダメージの方は浅いでしょう?」

 

 

「ヘッ、バレたか。ま、さっきの分合わせりゃ十分だろう。」

 

 

 壊れた銃を仕舞い、お互い見合った状態になる。楯無の槍がギリギリ届かない間合い、しかし易々と銃を撃てる距離でもなし。そんな状況でダリルが動きを見せた。

 

 

やーめた(・・・・)。」

 

 

「はい?」

 

 

「負けでいいっての。これだけやりゃ十分だよ。第一、国家代表様だぜ?IS学園最強って言っても文句あるヤツいねぇだろ。万が一いたとしても蹴散らせるだろうしな。」

 

 

『・・・き、棄権を受理しました。勝者、更織楯無。』

 

 

 まさかの展開にザワつく観客席。控え室で試合の様子を見てた影清たちも固まる始末である。アリーナ内ではすでにダリルはピットに飛び去り、楯無が残されていた。

 

 

(ま、目的は達成できたからよしとしましょう。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よぉ、戻ったぜ。」

 

 

「お、お疲れ様。・・・あの、ダリルさん。八百長してるなら早めに言った方が・・・。

 

 

「はぁ?まさか、わざと勝ち譲ったとでも思ってんのか?・・・まぁ、コレ見ろ。」

 

 

 ヒョイ

 

 

「おぉっと、とと!?えー・・・は?」

 

 

 ダリルから投げ渡された端末に目を通す影清。そこにはヘル・ハウンドの試合後の状況が描かれており、その時の状態が—。

 

 

「け、肩部損傷レベル:中に、エネルギー枯渇寸前・・・!そんなに燃費悪かったのかアレ・・・。」

 

 

「まぁな。一応第三世代になったヘル・ハウンド、さしずめ『ヘル・ハウンドver.2.0』ってとこだが、今のとこ特殊兵装くっつけただけなわけでな。色々問題あるんだよ。」

 

 

 肩部アーマーの銃口に変わって取り付けられた犬頭の砲台。そこから放たれる火球の威力は直撃さえすればシールドエネルギーをゴッソリ持っていく程凶悪なものであるが、それを生み出すために必要なエネルギー量や耐久度の要求値は高く、現在のヘル・ハウンドでは持て余してしまうほど。つまり、棄権を持ち出した時点でダリルの勝ち目は殆ど潰えてしまっていたのだ。

 

 

「へぇー、なるほどねぇ・・・。」

 

 

「あ、ここだけの話、機密事項な。口裏合わせろよ。」

 

 

「・・・なんて?」

 

 

「つまり、変な報告されたくなけりゃ黙って従え、ってことだ。・・・なんてな!そこまでキツイもんじゃなぇし、言いふらしたっていいぜ?」

 

 

「いや、黙っとくよ。どこがどう機密だとかは知らないけど、知られないに越したことはないでしょ。」

 

 

「・・・そうかよ、じゃ、説明頼んだぜ。」

 

 

「ちょっ、せめて一緒に考え・・・丸投げしたよアイツ。・・・頑張って誤魔化すか。」

 

 

 と、たまたまダリルと廊下であった影清は、整備室へと向かったダリルの代わりに他四人に事情(嘘)を説明した。当然、多少疑われはしたが納得はしてもらった(信じたとは言ってない)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・ちなみにだが、まだ数ループぐらいいる時点で言うのもなんだが・・・。結果的に二連勝できたのは楯無のみであり、トーナメント制で行うと言われた第二予選は無かったものとなった。これには最初にノリノリでるーる説明していた司会の子も涙目。




 ちなみにプロット的には楯無さんの一人勝ちで終わらせる予定だったので、どう合ってもトーナメント制の二次予選は行われなかった模様。違うのは描写する試合数のみでした。
 というわけで、原作通り(?)生徒会長の座についた楯無さん。ここだけの話、それ関係の番外編を執筆予定です。普段よりもご都合主義多めなギャグ回にしようかと。

影清くんの新武装(終盤で適用予定です。ちなみにこのアンケートで取ったもの以外にも最終兵器的なもの出ます。)

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