やはりこの生徒会はまちがっている。   作:セブンアップ

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 かぐや様本誌も遂に終わりが近づいて来ましたね。という事は、この作品ももう終わりが近づいているという事になります。
 それはさておき、この話は八幡が秀知院の教師だったらというIFです。


やはり俺の教師生活はまちがっている。

 

「はぁ……」

 

 俺は1つ溜め息を吐く。この業界を選んだ以上分かり切ってはいた事だが、やはり学生相手ってのは難しいもんだ。

 

 俺は今、高校の教師をしている。しかも秀知院の。

 

 秀知院とは、どこかしらの名家育ちの人間が大多数在学している学校なのだ。エスカレーター方式で中等部から上がって来た人間が多い。勿論、外部から受験している者も少なくはない。

 

 ただやたらと怖い学校である。名家同士の争いや外部の人間をハブにする名家の人間も居る。一般の公立高校の方がまだ精神的に楽だったかも知れない。

 

「溜め息を吐いてどうしたんですか?」

 

 俺の溜め息を吐く姿を見た、同期の早坂愛が尋ねてくる。

 

「かれこれ長いこと秀知院で教師やってるけども、やっぱ学生相手ってのは中々慣れないな。やたらと怖い生徒居るし」

 

 俺は1年と2年の一部のクラスの現代国語を担当している。

 文系が強かったのも理由の1つだが、俺が高校の頃に世話になった人も現国の先生だったから。教師や現国に担当になろうと思ったのも、その人の影響が大きい。

 

「でも生徒からは評判良いですよ。比企谷先生の授業分かりやすいって」

 

「それなら良いんだがな」

 

 教えた結果、そう言ってくれるのであれば今の教え方が間違っていなかったって事になるからそれはそれで良いのだが。やはり、1人1人の個性が怖過ぎる。

 

「それに、比企谷先生やたらと女子生徒からモテるじゃないですか。女子生徒から

 

 なんで今2回言ったの?大事な事だったの?

 

「あれは揶揄ってるとかそんな部類だろ。ほら、よくあるじゃん。クラスが一丸となって先生をハブにするやつ」

 

「先生が主人公のありがちな展開ですね」

 

 俺は現国の担当であり、2年A組の教師をしている。

 確かに授業中は皆、静かにしていて滞りなく授業を進ませる事が出来ている。しかし、奴らの人間性は一般常識を遥かに超越している。

 

「すいませーん!比企谷先生は居ますか〜?」

 

 早速来やがった。俺はその人物に返事もせず、ただただ机に面と向かってボールペンを走らせていた。

 

「あ、居た!なんで無視するんですか〜!?」

 

「…いや、だってまた顧問になってって言うんだろ。藤原」

 

 彼女は藤原千花。俺のクラスの生徒で、藤原総理大臣の孫娘である。

 

「良いじゃないですか〜。先生もなんだかんだで楽しんでたでしょ?イケメンゾンビを拾って危機一髪

 

「何その予想すら付かないゲーム」

 

 ほんとわっけ分かんなかったわあのゲーム。あれ作った奴絶対イケメン嫌いだろ。そのうち秀知院の人間のキャラクターまで追加されてそうだ。

 

「先生どうせ暇なんでしょ〜?顧問になって一緒に遊びましょうよ〜」

 

「面倒だしこれ以上仕事増やしたくない。はい帰れ」

 

 そう言って藤原を追い返した。「けち〜」とぶーぶー文句を言いながら、職員室を後にした。

 

「本当、彼女の行動って未だに読めませんね…」

 

「むしろ読むと疲れそうだから関わりたくないまである」

 

 藤原だけじゃない。テーブルゲーム部は全員常軌を逸している。あんな連中に関わるだけしんどいだけだ。

 

「比企谷先生!」

 

 先の藤原と違い、ハキハキとした声で俺を呼ぶ生徒が職員室にやって来た。振り向くと、入り口には伊井野が居た。

 

「比企谷先生、今お時間よろしいでしょうか?」

 

「なんだ?俺何かしたか?」

 

「なんで自分が何かした前提なんですか」

 

 ここんとこ女子ばっか来るからなんかしたか勘繰るだろうよ。男が来るの白銀か石上くらいだぞ。

 

「あの、実は現国で分からない所があって…」

 

「…どこの部分だ?」

 

 中にはこういうまじめな生徒も居る。何度も顧問になれとかほざく藤原に比べれば、まだ伊井野はマシな部類の人間だろう。

 俺は彼女が分からないと言う部分を口頭で教える。伊井野は理解したのか、「なるほど」と呟く。

 

「やっぱり比企谷先生は頼りになりますね」

 

「先生だからな」

 

「…もし比企谷先生が私と同い年だったらな…」

 

「ん?なんだって?」

 

「あっいえ。仕事中失礼しました!分からない所があれば、また聞いても良いですか…?」

 

 生徒が分からないって言ってんのに断る先生はおらんだろ。そんな奴教師辞めてしまえ。

 

「文系ならな。理系は知らん。早坂にでも聞け」

 

「理系は大丈夫です!でも個人的に文系が苦手なので……」

 

「…まぁまた分からん所があればな」

 

「ありがとうございます!」

 

 そうして、伊井野は嬉しそうに職員室から出て行った。

 

「……まさかあの子に気があるとかじゃありませんよね?先生と生徒ですよ?」

 

「なわけないだろ…」

 

 先程、伊井野は1つ嘘を吐いている。

 

 理系より文系が苦手と言っていたがそんな事は無い。

 彼女はどちらとも高い点数を叩き出しており、常に学年1位に君臨している。しかしあいつは理系より文系の方が点数高いのだ。理系も高いには高いけど。

 

 しかもあいつさっき。

 

『…もし比企谷先生が私と同い年だったらな…』

 

 聞こえてんのよ普通に。その言葉発した時の早坂の顔なんて怖くて見れなかったよ。見なくとも圧が凄かったよ。

 

「…まぁ先生と生徒の関係じゃなかったとしても、許すつもりは無いけどね」

 

 そうボソッと呟く早坂。同期の早坂も早坂で、少し怖い部分がある。今までの発言聞いたら大体分かってくれるだろう。

 

「先生としての仕事はしっかりしてるんですけど、あまり優しくし過ぎない方が良いですよ。というかしないで」

 

 一応言っておきます。早坂は私、比企谷八幡の彼女です。まさかこの俺に彼女が出来るとは誰も思っていなかっただろう。

 恋人同士ではあるが、学校ではあくまで教師同士として関わっている。その事実がバレると色々厄介ごとが起きそうなのでプライベートな話などは控えているが、それでも早坂の嫉妬は控える事の出来ない濃さである。

 

「比企谷先生は居る?…あ、居た居た」

 

 そんな早坂の分析を途中で遮る者が現れた。

 この短時間に来過ぎだと思うのだが。藤原に伊井野に、その次は四条と来たか。あいつもあいつで、ある意味厄介者なんだよな。

 

「ちょっと聞きなさいよ。さっきね、私が渚と話していたら…」

 

 こいつは大抵愚痴というか、主に柏木さんと田沼くんのバカップルの話ばかりを持ちかけて来る。四条は元々、田沼くんが好きだったらしいが、田沼くんが柏木さんに告白し付き合ったため、失恋してしまったのだ。

 その失恋した反動からか、廊下で泣きながら倒れていた事は決して忘れる事の出来ないイベントであった。

 

 でも柏木さんとも友達としてやってるから、普通に良い子なんだよな。

 

「やっぱり比企谷先生に聞いてもらうに限るわね。先生現国じゃなくてスクールカウンセラーに変えたら?そしたら私が毎日行ってあげるのに」

 

「毎日来んなよ。というかそのちょっと上から目線はなんだよ。そもそもカウンセラーなんか合わないっつうの」

 

 こいつも藤原と同じく俺のクラスの生徒なのだが、多めの頻度で今みたいな話を持ち込んで来る。ただの雑談をしに来たりするが、四条家の令嬢は案外暇なのだろうか。

 

「もう用事が済んだんなら早よ行け」

 

「そんなに追い出さなくても良いじゃない。…って、ちょっと待って。先生ネクタイ緩んでる」

 

 そう言って、彼女は緩んでいた俺のネクタイを素早い手際で締める。

 

「もう大人なんだから。ネクタイぐらいしっかり締めておきなさいよ」

 

 四条はネクタイを締め直してそう言うと、職員室から出て行った。その様子を見ていた早坂は圧を込めた目線をこちらに向けている。

 

「伊井野さんだけじゃなくて、四条さんにも。教師舐めてるんですか?」

 

「待って、俺悪くない」

 

 すると早坂は顔を近づけて、耳打ちをする。

 

「帰ったら覚えておきなよ。八幡が誰のものなのか、しっかり教えてあげるから」

 

「…お、お手柔らかに」

 

 今の言葉を聞いて分かる人はもしかしたら居るのだろうが、俺と彼女は同棲している。だからそういう事もするわけで。と言っても、ほとんどが早坂から襲って来るのだが。

 

 しばらく仕事を続けており、いち段落着くと席から立ち上がる。

 

「比企谷先生、どこ行くんですか?」

 

「タバコ吸うんだよ」

 

「身体に悪いですよ」

 

 早坂はそう嗜めるが、なんだか癖になってしまっている。俺の恩師がタバコを吸っていたのが影響したからか、俺も吸うようになってしまった。俺どんだけその人の影響受けまくってんだよ。

 

 …未だに独身じゃないと良いな。

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「生徒が居るのに屋上でタバコを吸うたぁ、良い度胸してんな」

 

「お前そんな咎めんだろ」

 

 屋上で寝袋の上に寝転びながらゲームをしている彼女は、乱暴な言葉遣いでそう揶揄う。

 彼女の名前は龍珠桃。指定暴力団"龍珠組"の長の娘である。そしてこいつも俺のクラスの生徒である。

 

「そういや、最近やたらとお前の周りに女が多いじゃねぇか。廊下でよく見かけるぞ」

 

「揶揄われてるだけだっつの。裏で"あの先生マジウザくない?"ってマジトーンで話してる可能性ありだぞ。怖ぇよ」

 

 今頃「あいつどうやって追い出す?」とか陰湿な策を練ってそう。そんなんされたら引きこもりになるわ。

 

「どうだかな。例えばあの風紀委員、お前の事雌の顔で見てんぞ。それに藤原や四条のご令嬢も、お前の事を慕ってるように見えた。あれが演技なら女優になった方が良いだろうな」

 

 タバコを吸う俺を鋭い目付きで睨んで反論する龍珠。

 この龍珠という生徒は、龍珠組の娘というだけで周りから嫌厭されていた。加えて粗暴な態度や言動が目立ち、孤立していたのだ。

 そんな龍珠と出会ったのは、タバコが吸える場所を探した時だった。屋上で今のように寝袋の上に寝転びながらゲームしている姿を目撃。その流れで話す事になり、今に至る。

 

「どいつもこいつもベタベタしやがって気持ち悪ぃ……見てて殺したくなるんだよ」

 

「おっかねぇなお前。そういう言葉遣いは乱暴だからやめなさいね。俺みたいにぼっちになるぞ」

 

「今更要らねぇんだよ友達なんて。…お前さえ居てくれりゃあ、私はそれで良いんだよ」

 

 ねぇお願いだからボソッと怖い事言うのやめて?俺別に難聴系じゃないしそこそこ地獄耳だから聞こえるのよ。いやストレートに言われたらそれはそれで反応に困るんだけども。

 

「と、とりあえずもう行くわ。まだ仕事残ってるし」

 

 タバコ専用のダストボックスに捨てて、俺は屋上を後にした。

 どうして俺のクラスは癖の塊や怖い心の持ち主しか居ないんだろうか。まともな生徒が1人も居ないぞ。

 

「優くん!あのね、今度の休日に…」

 

「全然OKですよ!つばめ先輩の誘いを断ったりは……」

 

 あっちでは学年で有名な3年の子安つばめと、1年の石上が。

 

「翼くん。今日話してたあの子と仲良いの?」

 

「あ、うん。1年の頃一緒で…」

 

 こっちではヤンデレ代表柏木さんと田沼がイチャイチャしている。

 

 それだけでは無い。外ではテーブルゲーム部がライオンのごきげんようで使いそうなサイコロを振って何か遊んでるし。白銀と四宮が共に歩いてる所をマスメディアの2人が陰で何か見てるし。

 

 この学校やっぱまともな奴居ねぇじゃねぇか。普通の人間なんて存在しないんだろうけど、だからと言ってこんなドタバタ系コメディの登場人物の要素をぶっ込んだ連中ばっかり居るとは思わんだろ。

 

「あー、ヒッキー先生ー。おいっすー」

 

 職員室に戻る廊下を歩いていると、前方から1年生の不知火が間伸びしたような声で声を掛けて来た。

 

「ねー、ヒッキー先生ー。私この間スプラトゥーンのガチマッチでねー…」

 

 不知火はゲーム好きなのだ。今のように時折、俺を見かけてはゲームの話を持ち込んで来る。俺もゲームはやる方なので、彼女との趣味が合う事は否めない。

 

「先生も今度一緒にさー、エペやろーよー」

 

「出来るかそんなもん」

 

 先生と生徒という関係である以上、いかなる連絡先の交換は許されるわけが無い。

 

「ヒッキー先生といっぱい遊びたかったのになぁー」

 

 不知火は少し不貞腐れながら、そのままどこかへと去って行った。というかゲームの話なら石上とかでも合うだろうに。

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 今日中に終わらせなければならない仕事を終わらせて、帰宅の準備を始めた。隣の席の早坂は帰る準備を終えたのか、俺の支度を待っている様子だった。

 

「…じゃ帰るか」

 

「うん」

 

 俺達は職員室から出て行き、校内の駐車場へと向かった。

 時間は夕方の6時半を過ぎており、空はまだ明るいが夕焼けの色に変色している。

 車の鍵を開け、俺達は乗り込んだ。俺は運転席に、そして早坂は助手席に座った。

 

「なんか買いたい物があるんなら寄るけど」

 

「んー…まぁ明日で良いかな。今日の夕飯の材料はまだあったと思うし」

 

「じゃ直帰だな」

 

 同棲しているので、早坂と一緒に車に乗って出退勤している。俺は車のエンジンを掛けて、我が家へと帰って行った。

 俺達が付き合ってからは1LDKの部屋を借りており、そこで共に過ごしている。マンションにある駐車場に車を駐めて、部屋へと向かった。

 

「たでーま」

 

 俺はリビングに荷物を置き、邪魔なネクタイを解き始めると。

 

「八幡」

 

「な、んむっ…!?」

 

 早坂の方を振り向くと、不意打ちで奪われてしまう。

 それだけじゃない。蛇のように出鱈目に、かつ相手を絡め取るような舌で口内を犯し始めていく。ご丁寧に、俺の両頬を手で固定させて。

 

「ぷはぁっ……はぁ…」

 

 俺と早坂の間には、透明な橋が架けられていた。

 

「ただいまのキスだよ」

 

 そんな可愛いもんじゃない。完全に仕留める感じのやつだった。

 

 2人でこの部屋を借りて仕事に出る時、必ず「行って来ます」と、「ただいま」のキスが行われる。

 しかしただ触れるだけのキスでは無い。最早、オーラルセックスと言っても過言では無いレベルの濃いやつを仕掛けて来る。

 

「言っておくけど、これはまだ序の口だから」

 

 そう笑む彼女の表情は、どこか艶かしく見えてしまった。

 

「じゃ、夕飯の支度するから。八幡はお風呂掃除と干してる服を畳んでよ」

 

「…がってん」

 

 その後、早坂は夕飯の支度をし、俺は風呂掃除と洗濯物を畳んだ。夕飯も食べ終え、沸かした風呂に入ろうとすると。

 

「今日も入ろっか」

 

 来た。

 大多数の人間は、やる事が終えれば風呂入って寝るか、後はベッドでゴロゴロして暇を潰すかだろう。

 しかし俺の場合はヤる事が終えていない。それを終えるには、彼女と共に風呂に入る事が条件だ。仮に共に入らなくとも、上がった後でヤらなければならない。

 

 俺がぐっすり眠れるのは、この峠を超えてからである。

 

「…お、お手柔らかに」

 

 果たして今日も無事に生き延びる事が出来るのだろうか。頼むから明日に響かない程度で、と心の中でそう願って風呂場に向かった。早坂が入って来る前に、シャワーを浴びていると。

 

「お待たせ」

 

 早坂が登場して来た。この作品はR-18では無いので、早坂のプライベートゾーンは湯煙によって隠されている。ただ不自然な湯煙ではあるが。

 俺はシャワーを早坂に渡して、先に湯船に入った。温泉では無いが、疲れが取れていくのが分かる。

 

 なのにこれから疲れる事をヤっちゃうわけで、一体何がしたいのか分からない。

 早坂も一通りシャワーを浴びて、わざわざ俺の目の前に入る。彼女の綺麗な背中が視界に突然入るのだ。

 

「はぁ…気持ち良い……」

 

 毎日のように一緒に入っており、もう早坂の裸体に慣れたと思う方も居るだろう。

 ところがどっこい。未だに彼女の裸体を見ても慣れないし落ち着かねぇってんだべらんめぇ。

 

「ねぇ八幡」

 

「な、なんだ…?」

 

「私の彼氏だって自覚、無いよね。風紀委員ちゃんにベタベタされて、四条さんにはネクタイ結んで貰って。どうせ休憩中にも他の女にベタベタされてたんでしょ?」

 

「ベタベタはされてないだろ。話しかけられただけで…」

 

「教師の仕事上、女子生徒と関わる事があるから仕方無いのは分かるよ。私達の関係を内密にしなきゃいけない事も。でもどう考えても教師と生徒の関係を越えようとしてる。例えばあの風紀委員ちゃん。卒業しても絶対八幡にベタベタして来るに決まってる」

 

 早坂のキツい物言いに、俺は返す言葉が無かった。そこまで言われてしまったら、もうどう返せば良いか分からないのだ。

 

「もし八幡と私の首にキスマが付いてたら、皆どんな反応するかな。八幡が誰のものか、秀知院の生徒は頭良いからすぐ察せそうだよね」

 

 それは普通に教員にも気付かれる。というか、今の俺らの関係に気付いてる人居てもおかしく無いと思うんだけど。

 ずっと背中を向けていた早坂は半回転して、俺と向かい合わせになる。彼女の綺麗な背中が、彼女の火照った顔と、湯煙で覆われた胸が視界に入る。

 

「今まで()()()キスマを付けなかったけど、彼女達に見せつけた方がやっぱり良いのかな」

 

 そう、首には付けてこなかった。しかし逆を言えば、首以外に付けられていたという事だ。こうやって一緒にお風呂に入る時、八幡のはちまんが早坂のはやさかにお邪魔してる時とか、必ず早坂は大量のキスマークを付けていたのだ。

 

「それとも、そろそろ避妊無しでヤる?私は全然良いよ。私は八幡との赤ちゃんが欲しいから」

 

「…そういう事を直球で言ってくんじゃねぇ」

 

「あ、顔赤くしてる。そういう所も好きだよ、八幡」

 

 あんな恥ずかしげも無く言えるお前が凄いわ。俺とかスタッカートみたいにキョドるから無理。

 

「こんな姿を見る事が出来るのは私だけ。他の女には絶対に譲らない」

 

 元々がそういう気質なのかは分からないが、早坂は嫉妬深く、独占欲が強い。何度も何度も束縛された記憶もある。しかし言い換えれば、そこまで俺の事を好いているという事。そう考えると、なんだか可愛く見えてしまうのは俺が早坂を好きになって盲目にでもなったからだろうか。

 

「それじゃあ、シよっか」

 

 妖艶に笑む彼女は、自身の顔を近づける。明日は筋肉痛にならないと良いなぁ…。特に腰とか。

 

 




 なんか早坂エンドみたいになりましたがご安心を。いつかしっかりとした早坂エンドを投稿するつもりなので。早坂だけで無く、伊井野や眞妃ちゃんとか。
 複数のエンドがあるのは、ラブコメの典型的な展開ですので。

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