やはりこの生徒会はまちがっている。   作:セブンアップ

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秀知院は新学期

 

 春休みも終わり、遂に3年生の生活が始まる。小町も正式に秀知院に入学を果たした。

 

 秀知院の新たな生活が始まる。そしてその新しい生活を1年間共にする人間を確認するクラス発表。大半の人は、「誰となるのだろう」とか「あの子と一緒だったら良いな」とかだが、俺はそこまで楽しみでは無い。

 

 むしろ、不安なのである。

 2年の時は四宮や早坂が居たが、今年は一体誰と一緒のクラスになるのだろうか。期待ではなく、不安を抱きながら俺はクラス分けが記載された内容を確認したのだが。

 

「…えぇ……」

 

 思わず声が出てしまった。

 何このメンツ。平穏とは程遠い面々だよこれ。というかよくこんな1クラスにピンポイントで集まったよな。何かの陰謀を感じるぞこれ。

 

「あ、お兄ちゃん!どうだった?お兄ちゃんのクラス」

 

「…ぼっちってなんでこう、平穏と程遠い所に居るんだろうな」

 

「何を言ってるの?頭バグってるの?」

 

 バグってるのは俺の新しいクラスなんだよ、残念ながら。このクラスメイトは間違っている。と言いたいよ本当。

 新学期の初っ端から憂鬱になる俺は、急に重たくなった足を無理矢理動かして新しい教室、3年A組に向かった。

 

「うわぁ……」

 

 新しい教室に向かうと、そこはもう混沌としていた。

 

「あ、比企谷くんも一緒なんだ」

 

 最初に声を掛けて来たのは、モブ男から一転しチャラ男になった田沼翼。馴れ馴れしく声を掛けて来んなよ。

 内心悪態吐きながら、俺は自分の席がどこなのか黒板に貼られた紙を確認していると。

 

「私の後ろだね、八幡」

 

「…らしいな」

 

 確認してる所に声を掛けて来たのは、四宮の元近侍で、最近ちょっと病み属性を開花させて来た早坂愛。

 

「同じクラスで良かった」

 

「…そうかい」

 

 既に今ちょっと胃が痛くなってるんだよな俺。

 

「なんだかんだで初めて一緒のクラスになったわね、八幡」

 

 そこに現れたのは、最近少しカッコよく見える残念なツンデレご令嬢の四条眞妃。

 

「眞妃様…」

 

「様付けは要らないわよ。眞妃、で良いわ。私も愛って呼ぶし」

 

 ほらこういう所。カッコいいし普通に優しさが垣間見えるんだよ。なのに残念さが拭えないのは何故だろう。

 

「それにしても、凄い顔触れね」

 

「確かにな。見た事ある奴ばっか」

 

「例えばあそこ。私が外部受けるって進路表に書いたら、すぐさま真似した渚も居るし」

 

 最初はまともな常識人だと思っていたのに、翼くんと付き合う日が重なるにつれて、愛が重くなった柏木渚。

 

「かぐやも一緒だし」

 

 氷のかぐや姫と呼ばれ、今では恋をしてポンコツになりつつある四宮のご令嬢の四宮かぐや。またしても同じクラスか。

 

「マスメディアコンビも一緒ね」

 

「どちら様?」

 

 なんか知らんコンビが出た。多分個人的に全然関わり無いと思うけど。

 

「私の友達も同じクラスだよ」

 

 早坂の友人とやらもどうやら同じクラスらしい。が、マスメディアコンビ同様知らん人である。

 

「それに、このクラスには2年D組の彼も居るし」

 

 D組の彼?また知らん奴か。そう思いきや。

 

「待たせたな、皆」

 

 渋めの声でどこかの傭兵の決め台詞で誰かが入室して来た。その瞬間、教室内に歓声が湧く。

 

「おー!神童!

 

神童も同じクラスか!」

 

 早坂の言う「彼」が今分かった。皆の人気者、渡部神童が同じクラスなのだ。確かに一緒のクラスだったなあいつ。体育祭で関わらなかったら多分普通に知らんかったわ。

 

「そういえば…」

 

「ん?どうしたの?」

 

「いや、なんでもない」

 

 これだけ濃いクラスで、龍珠が居ないのがちょっと不思議だった。まぁ外部進学ならもう1クラスあるだろうし、内部進学なら尚の事、別クラスになるのは当たり前だしな。

 

「かぐやさん!」

 

「…騒がしいのと、生徒会長がやって来たわね」

 

 教室に入って来たのは、頭のおかしさは生徒会だけでは収まらないレベルの藤原千花と、秀知院生徒会会長でありながらどこかポンコツである白銀御行。

 

「錚々たるメンバーだね」

 

 ここまで来ると、本当に陰謀めいた何かがありそう。

 

『このまま平和に卒業出来ないって事』

 

 春休み、四条が言っていた言葉。もしこの面々が、学校側から仕組まれた物だとするならば。

 

 四宮が関わって来る事に間違いない。

 

 いや、それだけじゃない可能性もある。

 確か、四条の双子の弟が秀知院に転校するとか言っていた。四宮家と四条家の抗争、あからさまに集まったクラスの面々、更に四条眞妃の双子の弟の転校。

 

 要するに、このクラスの転校生として来るという事なのだろうか。

 

「八幡?」

 

 四宮家と四条家の抗争の真っ最中に四条弟が四宮かぐやと同じクラスに。無理矢理こじつけて疑っている事は否めないが、少なくとも無関係で無い事は確かだろう。

 

 平穏に過ごしたいからわざわざ秀知院に来たのに、全然平穏じゃない。

 

「どうしたのよ八幡。何かあったの?」

 

「…いや。この1年間騒がしそうだなって憂鬱になってたんだよ」

 

「あはは…」

 

 すると、ホームルームが始まるであろうチャイムが高らかに鳴り響く。指定された自分の席に着席すると、担任の先生が教室に入って来た。教壇の前に立って、気怠く挨拶と自己紹介を始めた。

 

「えー…1年間、このクラスの担任を受け持つ事になった大林(おおばやし)ヒカルだ。よろしく」

 

 その後、大林先生は1人ずつ名前を呼ぶ。生徒は「はい」と返事を返し、恙無く点呼が済むと。

 

「つーわけで、早速だが転校生を紹介する。入って良いぞ」

 

 来た。

 

 教室の扉をスライドし、秀知院とは別の服装をして入室して来た少年。あれが四条の言っていた、双子の弟。彼は教壇の隣に立って、自己紹介を始める。

 

「四条帝。そこに居る、四条眞妃の双子の弟です」

 

 あれが四条帝。見た感じは普通に良い感じの少年なんだろうが、どういう人間かは観察しなければ分からない。

 

 勿論、話しかけるのは面倒なので陰から。

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 四条帝が転校して来たその日の休み時間。

 どういう人間なのかを観察していたのだが、今のとこ誰とも話せていない状況であった。周りは遠巻きで眺めているだけだし。

 

「四条帝……まさか、あの男がこの学校にやって来るとはな」

 

「詳しいのか神童!」

 

 ここぞとばかりに出て来るね、神童くん。

 

「ああ。あいつとは大会でぶつかった事があるが、そのプレイには俺も恐怖を覚えた」

 

「あの神童が恐怖を!?」

 

「あの神童が…!?嘘だと言ってくれよ!」

 

 あの神童が恐れるプレイとは一体なんなんだろう。

 

「フィールド上の選手たちを次々と蹂躙し、一方的にゴールに球をぶち込み多くのサッカー少年の心を打ち砕いた天才…。敬意を込めて、"ボーイファッカー帝"と呼ばれている」

 

 何そのダサい異名は。敬意じゃなくて悪意だろ、込められてるの。

 

「お、俺達が関わって良い人間じゃねえ…」

 

 流石にこの時期に転校して来たら、友達は作りにくいわな。なんせ既にグループとか形成されてるんだから。このままぼっちまっしぐらの可能性だって十分にある。

 

 しかし、四条弟は諦めない。意を決したのか、その場から立ち上がって彼女の所に向かった。

 

 四条弟、そいつに手を出したら死ぬぞ。やめとけ。

 

「やぁ姫様、久しぶり!元気してた?」

 

 はい死んだ。

 四条は彼女に、四宮にフランクに挨拶をした。聞いた感じ、どうやら顔見知りのようだが。

 

「姫…?妙な呼び方しないで頂けますか」

 

 四宮がおこです。おこおこ。

 

「貴方、四条家の人間ですよね。あの家は礼儀というものを教えないのでしょうか」

 

「いや、ほら…俺達小さい頃に何度か会って…」

 

「記憶にございません」

 

 可哀想に。最初に話しかけた相手が悪かったな。それに、あんな挨拶で四宮に近づいたんだ。あの男が黙っていないだろう。

 

 四条弟は自分の席に戻り落ち込むと、自分の筆箱を床に落とした。それをあの男が拾う。

 

「落としたぞ」

 

「あっ、ありがと…」

 

「気にするな。四条帝」

 

 四条帝の前に現れたのは、凄い圧を四条帝に向けている白銀だった。ていうか筆箱握り潰そうとしてない?グシャって聞こえたよ?

 

「少しお話ししようぜ…?」

 

 四条の隣に白銀が腰を掛けた。どう見ても転校生に絡む輩みたいな姿なんだけど。

 

「1年の年末……お前は1度全国模試に出て、1位を掻っ攫って行った。…俺はあれからお前に勝つ為、模試対策をして来た。なのにお前はあれから1度も模試に出て来ない。…何故だ」

 

 会話の内容から察するに、白銀は1度四条帝に全国模試で敗れたのだろう。勉強が取り柄の白銀が自分より上の人間が現れたら、意識せざるを得ない。あの様子から見るに、点差も相当あったのだろう。

 

「あー…もしかしてあんた、白銀御行?」

 

「…俺を知ってるのか?」

 

「当たり前じゃん!全国何回か1位取ってる人でしょ!いつもすげーって思いながら見てるよ!」

 

 どうやら風向きが変わったようだ。しかし、白銀は四条帝のその言葉に納得出来ずにいた。

 

「いや四条の方が凄いだろ…謙遜は止めろ」

 

「そんなんじゃないって!俺が1位取った時だって、親に模試上位に入ったらサッカー続けて良いって言われてて。その時だけ死ぬ気でやっただけで後はズタボロよ。1回なら気張れば取れん事も無いけど、ずっと模試トップ取ってるのはマジヤバい!俺めちゃくちゃ意識してたもん!」

 

 四条帝が煽てた結果、白銀は照れ臭そうにし始める。自分の努力を褒められて嬉しかったのだろうか。

 

「そ、そうか…。しかし、四条も大変だろ。部活と勉学の両立は…」

 

「そうなんだよ分かってくれる!?」

 

「俺もバイトしながらだから…」

 

「マジか!」

 

 普通に仲良くなってるじゃないですか。さっきまでの重い空気はなんだったんだよ。

 

「あっ、四条だと姉の方と紛らわしいから、帝って呼んでよ。俺も御行って呼んで良い?」

 

「ああ」

 

 すぐさま名前呼びを交わす仲にまで発展した。

 見たところ、コミュニケーション能力が高いのか、懐に入る技術が中々のものだ。

 

 ただ転校して来ただけなら良いけどな。

 

「…コーヒー買いに行って来るか」

 

 少し喉が渇いた。俺は席から立ち上がって、外にある自販機の所に向かった。

 

 しかし、先客が居た。

 

「んー」

 

 自販機の前で何やら悩んでる女子高生。制服の上にパーカーを着ており、髪のサイドには妙な飾りを付けている。

 

 というか、あの子どっかで見た気がする。

 

「あ、もしかして自販機に何か用事って感じー?」

 

 凝視していたのが気付かれたのか、その謎の女子に声を掛けられた。

 

「あ、お、おう」

 

「私まだ決めてないし、先に決めてて良いよー」

 

「…そうか。なら先に買わせて貰うぞ」

 

 順番を譲って貰い、俺はすぐに缶コーヒーを買う。缶コーヒーのお釣りがジャラジャラと排出し、それを財布に仕舞う。

 

「…もし良かったら、なんか奢るぞ?」

 

「え?」

 

「ただで順番を譲られるのは気が引けるからな。自販機の飲料の1本くらい、別に奢っても痛くないし」

 

 再三言っているが、俺は誰かに借りを作るのが嫌いだ。作ったとしても、絶対に返さなければ気が済まないのだ。

 

「マジ?先輩やっさしぃー」

 

 …あれ?こいつ、もしかして後輩?俺こいつに自己紹介か何かしたっけか。いやしてないよな。そもそもしてたらこいつの事覚えてるし。

 

「じゃあ…私あれでー」

 

 謎の後輩が指差したのは、200円するエナジードリンクである。

 確かに奢ると言ったが、ちょっと遠慮が無いのではないでしょうか。俺はさっきのお釣りを入れて購入し、それを彼女に渡す。

 

「ありがとー」

 

「借りは返したから。じゃあな」

 

 そう言って、自分の教室へと戻って行った。

 にしても、名前忘れたぞ。顔は見覚えある気がするのだが、いかんせん関わりの無い人間を覚えるのが苦手なのだ。

 

「…あ」

 

 思い出した。ついこの間、テレビで観た奴だ。

 アイドルとして活躍している、不知火ころも、だったか。秀知院には現役アイドルまで居るのかよ。凄ぇな。

 とはいえ、後輩だ。関わる事なんてまず無いだろう。個人的にも別に関わりたいって願望は無いし。

 

 まぁ、さして興味無い。

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 いくら新学期が始まったばかりとはいえ、変わらず生徒会は活動するのである。放課後になり、俺は荷物を纏めていた。

 

 そんな時。

 

「お兄ちゃーん!」

 

 ちょっと待て。なんで俺の教室にまで来ちゃったのかな小町ちゃん。

 

「お兄ちゃん?」

 

「誰の事?」

 

 ほーらなんか周りで噂してる。前もって来るなって言っておいた方が良かったか。

 

「あら、八幡の妹じゃない」

 

「あ、四条さん!それに早坂さんも!」

 

「小町ちゃん、入学おめでとう」

 

「ありがとうございます!」

 

 小町は堂々と教室に入り込んで、俺の席の近くに来る。それに便乗するように、四条や藤原、白銀に四宮もこちらにやって来た。

 

「確か、貴女は比企谷くんの…」

 

「はい!比企谷小町と申します!愚兄がいつもご迷惑をお掛けしちゃって」

 

「可愛い〜!比企谷くん、こんな可愛い妹居たんですかー!?」

 

 と、小町にギュウっと抱きつく藤原。しかし、小町は一体誰なのか分からないと言った表情を浮かべていた。

 

「藤原書記、少し離れろ。比企谷妹が困惑してるぞ」

 

「あっ、ごめ〜ん!」

 

 白銀に指摘された藤原は、小町から離れた。

 

「私は藤原千花って言うの〜!小町ちゃんって呼んで良い〜?」

 

「はい!小町も千花さんって呼んで良いですか?」

 

「勿論OKだよ〜!」

 

 …正直、小町に藤原を会わせたくなかった。

 何故か?それは今までの藤原の奇行を垣間見た君達なら分かるだろ。藤原という存在が、小町に悪影響しちゃいそうなのだ。

 

「…で、お前何しに来たの?俺これから生徒会なんだけど」

 

「知ってるよ?だから小町も生徒会に行こうかなって」

 

「…へ?」

 

「小町、部活には興味無いから。でもお兄ちゃんが居た生徒会に興味があってさ。だから見学的な感じで行きたいんだけど…」

 

「やったー!早くも新入生の後輩が出来た〜!」

 

 余程嬉しいのか、藤原はまたもや小町に抱きつく。

 俺は溜め息を吐いて、視線を白銀に向けた。

 

「…白銀。見学ぐらいなら許可してくれないか?別に邪魔しに来るような奴じゃないから」

 

「…ふむ。もし比企谷妹が生徒会に興味があるのであれば、今のうちに活動の内容を知っていて貰っても良いかも知れない。早い事に越した事は無いからな」

 

「だ、そうだ。良かったな」

 

「じゃあ小町ちゃん!早速、生徒会室にレッツゴー!」

 

「レッツゴー!」

 

 藤原と小町が共に教室から出て行き、一足先に生徒会室に向かった。まるで嵐の様だった。

 

「…前から思ったけど、あんまり似てないわね。あんた達」

 

「それな。似なくて良かったわ」

 

「流石ブラコン」

 

 千葉の兄は大体そうだ。妹の事を何よりも考えなければならないのだから。

 というか四条帝もそうだったけど、なんで兄や姉より妹や弟の方がちょっとしっかりしててコミュニケーション能力も高いのだろうか。別に羨ましくは無いけども。

 

 生徒会を活動する為に、俺達は四条と早坂と別れて生徒会室に向かった。到着すると、そこでは藤原と伊井野に愛でられている小町の姿が。

 

「…何してんの?」

 

「あ、比企谷先輩!こまちゃんが生徒会に入るって、なんで言ってくれなかったんですか!」

 

 小町を愛でていた伊井野が、こちらに寄って文句を言った。

 

「いや、ついさっき初めて聞いたから」

 

 生徒会に興味があるなんて聞いた事無かったし。サプライズなら大成功だよ。

 

「本当、比企谷先輩に似てないですよね」

 

「さっきも言われた同じ事」

 

 目も人間性も腐った小町とか見たくない。天使のように育ってくれて良かったわ。グッジョブ。

 

「…とにかく、生徒会活動を始める前に。改めて、自己紹介をしておこう。藤原も一旦離れろ」

 

「はーい」

 

「まず俺からだ。秀知院生徒会会長の白銀御行だ。よろしくな」

 

「はい!というか、兄と紛らわしいので小町って…」

 

「……」

 

 「小町って呼んでください」と言おうとした瞬間、小町は「ひっ」と慄きの声を出して俺に抱きつく。何を怖がったのか、勘の良い君達なら分かるだろう。

 

 四宮が暗殺者のような目で小町を睨んでいたからである。

 

 あれはおそらく嫉妬だろう。白銀に、自分以外を名前で呼んで欲しく無いという。相変わらずの嫉妬深さ。早坂の病みが開花した一端は多分こいつも関係してるよな、多分。

 

「…白銀。これから俺の事を名前で呼べ。小町は比企谷で良いから」

 

「え。……あ、分かった」

 

 頭の良い白銀は察してくれたようだ。良かった。

 一方で四宮の表情は普段の表情に戻し、白銀に続いて自己紹介を簡単に済ませた。

 

「私は副会長の四宮かぐやよ。よろしくね、小町さん」

 

「は、はい…」

 

 どうやら先程の四宮の表情が頭から離れないのか、苦手意識を持ってしまったようだ。この暗殺者許せん。人の妹に何トラウマ植え付けてるんだ。

 

「じゃあ今度は僕が。2年の石上優。…えっと、これはどう呼んだ方が良いのかな」

 

「小町って呼んで大丈夫です!」

 

「ならそうする。よろしく」

 

 関わりの無い3人の自己紹介は済ませた。先程仲良くなった藤原と、前々から知ってる伊井野の自己紹介は省略。

 

「まだ生徒会のメンバーになっていないが…ようこそ、秀知院生徒会へ」

 

「はいっ!愚兄共々、よろしくお願いします!」

 

 あのさっきから愚兄愚兄言い過ぎじゃない?お兄ちゃん泣くよ?良いの?惨めったらしく泣いちゃうよ?

 

 あー、泣きそう。

 




 原作では何故かA組に龍珠が居ないので、別クラスにしました。…なんでなんでしょうね。

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