やはりこの生徒会はまちがっている。   作:セブンアップ

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伊井野ミコは恐ろしい②

 夏休みが始まってすぐ、俺は千葉に帰郷した。

 新学期が始まってから四宮家の件やら何やらで忙しく、中々帰る機会が無かったのだ。しかし後は受験に集中という感じであり、ある意味家でゆっくり出来るのである。

 

「お兄ちゃーん」

 

 部屋で勉強していると、1階のリビングから小町の呼ぶ声が。シャーペンを置いて、俺は1階へと降りていく。

 

「どうした小町ちゃ…ん…」

 

 リビングの扉を開けると、その空間に本来居る筈の無い人間がソファに腰を掛けていた。何故ここに、という疑問よりも、何故実家の場所を知っているのか、という疑問の方が勝る。

 

「こんにちは、比企谷先輩っ」

 

 顔が引き攣ってしまうのは無理も無い。ソファで腰掛けていたのは、なんと伊井野だったのだから。

 

「なんで、お前ここに…?」

 

「こまちゃんに教えてもらったんです。夏休みに実家に帰るって事を」

 

「俺が聞いてんのはなんでここ知ってんのって事。俺教えた記憶無いんだけど」

 

「それもこまちゃんに教えてもらいました」

 

 小町ェ…。千葉に帰って来てゆっくり出来ると思ったのに、なんで呼んじゃったんだよ。

 

「…なんで教えちゃったんだよ」

 

「最初から教えるつもりは無かったけどさ。ミコさんやたらとお兄ちゃんの事聞きたがるし、挙げ句の果てにはお兄ちゃんに会いたいから行きたいって言ってて。勢い凄かったし」

 

「…そうか」

 

 意図してなのか無意識なのか、伊井野は猪突猛進の如く押しが強い。暴走列車と大差ない。彼女の押しの強さに何度か手を焼いていたが、小町ですらやはり太刀打ち出来なかったか。

 

「それじゃ、小町は部屋に戻るので!ゆっくりして行ってください!」

 

 そう言って、小町はリビングからそそくさと出て行った。あの野郎。

 

「…で、何の用?本当にただ遊びに来たとかそんな感じか?」

 

「はいっ。後それと、勉強の方も少し教えて欲しくて…」

 

 俺一応受験生なんだけど。配慮ってのが無いのだろうかこの子は。

 

「…本来なら、受験生の先輩の家にお邪魔するのは良くない事です。でも、3月になれば比企谷先輩は秀知院から居なくなってしまいます。だから…」

 

 俺の進路が千葉であれ東京であれ、外部の進学なのは間違いない。卒業すれば、伊井野と関わる時間が無くなる事だろう。人より寂しがりな伊井野はそれが耐える事が出来ない。だから、今のうちに思い出として残しておきたいという事なのだろう。

 

 それだけで済むとは思わんけど。

 

「…来てしまったもんは仕方無い。ゆっくりしてけ」

 

「はい!」

 

「じゃ、俺ちょっと勉強道具持って来るから」

 

 俺は一旦リビングから出て行き、自分の部屋に向かう。机に置いていた過去問、そして筆記用具を持ってリビングに戻る。既に机の上には、伊井野が勉強する為の教材を広げていた。その空いたスペースに、過去問を置いて勉強を始める。

 

「先輩は千葉の大学に行くんですか?」

 

「もしくは東京だな。どちらにせよ、文系に強い大学に行くつもりだ。理系は俺には無理だ」

 

 普通に生きていくだけなら計算出来れば良いだろうよ。三角関数とかサインとかコサインとか日常生活のどのタイミングで使うんだよ。

 

「今の時期だと、早くも受験を意識し出してる2年生も居るだろ。伊井野とかは、もうどこの大学に行くのか目星は付けてるのか?」

 

「法学系に進もうかと。大学はまだ決めていませんが、行くとするなら私も東京か千葉のどちらかにします」

 

 法学系を進もうとしているのは伊井野の意思だろう。それは一向に構わないし、伊井野が前から目指していた事だ。だが、東京と千葉のどちらかの大学を選ぶというのは恐らく、法学関連では無い。

 仮に俺の第一志望が千葉の大学なら、伊井野も合わせて千葉の大学を選んでしまうだろう。

 

「別にその2択にしなきゃならないってわけでも無いだろ。法律系に強い大学なんて、全国探せばあるんだから」

 

「…比企谷先輩は私が千葉か東京の大学に行くなって言いたいんですか」

 

 途端、彼女の声色が変わる。時々見せる、彼女の闇の面。必ず冷たい声になる。

 

「そうじゃねぇよ。自分の目指す目標があるんなら、視野を狭める必要は無いだろって事だ」

 

「狭めてるわけではありません。東京や千葉の大学でも、私の目指す道は十分に拓く事が出来ますから。…それとも、何かダメな理由でもあるんですか」

 

「…無いけど」

 

 こいつが千葉や東京を選ぶ理由。違う大学になるとはいえ、同じ都内や県内なら会う機会が出来る。千葉なら、恐らく伊井野はどこかに下宿するだろう。

 

『比企谷先輩っ、今日も空いてますか?』

 

 最低でも1週間に1回の頻度で。酷ければ、毎日呼び出される事になりそうだ。

 

「先輩、ここ少し教えてくれませんか?」

 

 そんなあり得る未来を想像していた所に、伊井野が教材の中を指差して尋ねる。伊井野とは向かいの位置に座っている為、逆側じゃ問題文や文章が読めない。俺自身も理解し、教える為に伊井野の隣に座る。

 ただし、近すぎると互いの為に良くないので、人1人分のスペースを空けて。

 

「もっとこっちに来てください。なんでそんな微妙に離れてるんですか?」

 

「や、別にこっからでも問題文も文章も見えるから」

 

「もっとこっちに」

 

「や、だから…」

 

「こっちに」

 

 有無を言わさぬこの圧。その上、ドロドロと濁った目。教えて欲しいとお願いする奴の目では無い。本当にそのうち包丁を携帯してそうで怖い。

 このままじゃ勉強どころでは無くなる。俺が折れる事が、解決に繋がるのだ。

 

 伊井野の指示に従うように、先程より更に彼女に近づく。すると彼女も合わせるように、こちらに身体を寄せる。肩なんて普通に密着し、横を向けばすぐそこに伊井野の頭が。いい匂いするんだよこんちくしょう。

 

「…それで、どこが分からないんだ?」

 

「この問題なんですけど…」

 

 伊井野は質問する。伊井野が理解出来るように、分かりやすく伝えて教える。伊井野が理解した様子を見て、俺は元々座っていた向かいの位置へ戻ろうとすると。

 

「なんで戻るんですか?」

 

「え」

 

「また教えてもらうかも知れないのに、戻る必要性ありますか?」

 

 一見、伊井野の意見は最もに聞こえる。しかし彼女の瞳は「戻るなんて許さない」という意味を孕んでいそうだ。

 

「戻らなくて良いですよね」

 

「…そーですね」

 

 諦めて俺は伊井野の向かいに置いている過去問と筆記用具を手繰り寄せて、勉強を再開した。所々で伊井野が質問するが、勉強の最中に何か起きる事は無く、互いに集中して問題と向き合っていた。

 

 それがしばらくして。

 

「…はぁ…」

 

「疲れたろ。茶を出す」

 

 俺は冷蔵庫から麦茶を取り出して、コップの中に注ぐ。それを伊井野に渡す。受け取った伊井野は、お茶を飲んで一息つく。

 

「しばらく休憩するか。ぶっ通しで勉強しても頭に入るわけじゃないし」

 

「それじゃ、少しお願いしたい事があるんですけど…」

 

「なんだ?」

 

 すると、彼女は頬を少し赤らめてもじもじし始める。何この可愛い小動物は。さっきまでドス黒い目で圧を掛けてたろ。二重人格かこいつは。

 

「その……比企谷先輩のが欲しいんです…」

 

「え」

 

 熱っぽい瞳でこちらを見つめる。

 急に欲求不満になったの?そんな我慢してたの?ていうかお前そんなキャラじゃないだろ。ツッコミどころ満載過ぎる。

 

「比企谷先輩の声が欲しいんです」

 

 なんだ声か。あーびっくり超びっくり。伊井野が急にビッチになったらどうしようって思ったぞ。俺の声が欲しいのか。なるほどなるほど。

 

 やっぱヤベェよ。

 

 なるほどじゃないんだよ。声が欲しいってなんだよ。また録音したいのか。俺嫌だぞ。ただでさえあの録音は伊井野の不手際で石上の耳にお届けに参っちゃったのに。

 

「絶対嫌だ」

 

「な、なんでですか!」

 

「逆に嬉々として俺が許可するのもおかしいだろ。誰がそんな特殊プレイするんだよ」

 

 1度2度やったからじゃあ3度目もOKだろとは絶対にならんからな言っとくけど。こんなん恋人同士でもやらないぞ。俺は一体いつから伊井野専用のボイスアクターになったんだ。

 

「一言だけで良いですから!」

 

「マスコミみたいに言うな。つうか俺にそっくりな声優さん居るんだろが。その人の声を収録したCDでも買えよ」

 

「もう全部持ってます」

 

 すげぇ。どんだけ好きなんだよその人の声。いやまぁ女子ウケはめちゃ良いだろうけど。

 

「じゃあ尚の事要らんだろ」

 

「そうじゃなくてッ……私の為だけの言葉が欲しいんです…。特別な人が私にだけ優しくしてくれる言葉が…」

 

 こいつの言いたい事はなんとなく分かった。

 声優の録音CDは、全人に向けて話される内容だ。例えば、録音CDの内容に個人名などは収録されていない。"お前"とか"君"とか、そういう類の単語だ。

 伊井野はそれだけじゃ物足りなくなったんだろう。全人向けの内容では無く、伊井野ミコ専用の内容と声を欲している。

 

 ここまで拗れたのは、俺が依存させてしまったってのもあるだろうが、両親に甘える事が出来なかった反動もあるのだろう。養ってくれてはいるのだろうが、ほとんど放任主義に近い。

 

 愛されるという事を知らないまま、彼女は生きて来た。

 

「…はぁ…」

 

「ひ、比企谷先輩…?」

 

 俺は溜め息を吐いた。伊井野はその溜め息が呆れなどから来るものだと思い、申し訳なさそうな表情になる。

 

「…俺はそのCDみたいな好青年を演じ切れないし、声の扱い方だって知らない。荒削りでも良いなら、少しくらいは」

 

「比企谷先輩…」

 

 伊井野は途端に嬉しそうな表情にする。

 とはいえ、言ってしまった以上今更やりませんなんて言ったら、多分こいつのメンタルのライフが1発で0になる。しかし、言葉を飾るのは好きじゃないし、何を言えば良いのか分からない。

 

 そう考えていると、伊井野がもたれるように俺に身体を預けて来た。

 

「あの、何を」

 

「私は」

 

 俺の疑問を遮るかのように、伊井野は独白を始めた。

 

「私は今までずっと努力してきました。なりたい自分になる為に。…でも、私1人じゃどうしようも出来ない。生徒会選挙も、文化祭のキャンプファイヤーの件も。ずっと比企谷先輩に迷惑を掛けてきました。…正しい事が人の為になると思って努力していたのに、それが空回って。…私の努力って…」

 

「…前に言ったろ。努力して結果が結び付くとは限らない。でもその努力は後から自分の経験となる」

 

 努力を無意味や無駄だって言ってる奴の努力は、最初から自分の力を信じてない奴の言葉だ。その点じゃ、伊井野は自分の力を信じて努力して来た。叶わない事だとしても、叶うと信じて。

 

 伊井野の努力は、無意味にも無駄にもならない。

 

「俺はお前の努力は無駄だとは思わない。伊井野が頑張った所をしっかり見たわけじゃない。でも、少なくとも伊井野が嘘を吐いて頑張ったって吐かすような人間じゃないのは分かってる。だからお前は、頑張ってるって事だ」

 

 2年以上の関わりがある。流石にこれだけの時を経て、その人間がどういう奴なのか分からないなんて事は無い。

 

「私、頑張ってますか…?」

 

「おう。頑張ってる」

 

 すると俺の両手を徐に掴み出して、俺が背後から伊井野の身体を抱きしめるかのように誘導する。

 

「な、何してるのん?」

 

「もっと…もっと比企谷先輩の優しさが…温もりが欲しい…」

 

 わぁお大胆。こんな場面小町が見たら完全に終わり。っていうか既にもう詰んでる。無理矢理引き離そうと出来るが、弱り過ぎた奴に鞭打つのはなんか気が引ける。

 こういう中途半端な事をするから伊井野が依存するんだって分かってはいても、どうしても伊井野の悲しむ姿がすぐに想像出来てしまい、突き離す事が出来ない。

 

 伊井野が俺の優しさにどっぷり浸かっているのであれば、俺は伊井野の弱さにどっぷり浸かっているのかも知れない。互いが互いを沼に引き摺り込んで、心中するかのように。

 

 …マジで笑えねぇ。

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 温かい。

 比企谷先輩の腕の中で包まれて、私の心は幸福感に満たされていた。これ以上無い、居心地の良さ。

 

 愛する人に包まれる事が、これほどの幸せを齎してくれる事を初めて知った。

 

 私は小さい頃から誰かに愛される事が無かった。両親は多忙で私に構う暇が無く、誰かに愛される喜び、誰かに甘える事が無かったのだ。

 仕事で私に構う暇が無いのは、世の中に悪い人が多いから。そのせいで両親は忙しくなるのだ。私が規律を重んじているのは、悪い人を取り締まる事で、正しい行いをしたいからだ。

 

 でも世の中、そんなに上手くいかない。小学生の頃に、やんちゃをしていた子を注意すれば嫌われた。間違った事は間違っていると指摘しているだけなのに、私の周りから人は離れていく。こばちゃんだけが一緒に居てくれた。

 

 中学の時もそう。悪い事をしていた子に注意すれば煙たがられて、賞賛される事も、頑張りを認めてくれる事も無かった。

 それだけじゃない。生徒会選挙でも、私は一度たりとも会長になっていない。人前に立つと、話したい事が頭から消えてしまう。誰かも分からない人間全ての視線、感情が私の緊張感を更に高めて、話したい事が出なくなった。結果、周りから嘲笑される羽目に。

 

 ずっと頑張って正しい事をしてきたのに。人の為にと思った行いをしていたのに。

 

 私の努力は無駄だったのかと思ったその時。

 

『…努力は必ず報われる』

 

『…えっ?』

 

 私の王子様、比企谷先輩がそう言い放った。

 私に向かって突っ込んで来た車から庇ってくれた恩人。比企谷先輩が入院して以降、見舞いついでに話す機会が増えていたのだ。

 

『よくアニメやラノベの熱血キャラが言うセリフだ。努力したって、必ずそれが達成出来るとは限らない。だからって、達成出来ないとも一概には言えない』

 

 心がすり減っていた私は「何が言いたいんだ」と苛立ち、言葉にしてしまった。

 

『俺はお前の努力を知らねぇ。だからよく頑張ったね、なんて安易なことは言えない。けど、これだけは言える。…努力は人を裏切らない』

 

 その時、私の心が動いた。

 

『夢を裏切ることはあっても、人を裏切ることがないのが努力なんだ。いつ報われるか、って聞かれても俺には分からない。だがお前の努力はどんな形であれ、きっと報われる。だから……なんだ。あんまり自分の努力を自分で否定すんなよ』

 

『もしお前の努力を否定する奴は、お前の努力を全く理解していない奴ぐらいだ。かく言う俺も、お前の努力を知っているわけじゃないから、絶対に正しいなんて言えない。けど、お前がこんな風に泣いて、苦しんでるってことは、努力したこと自体は嘘じゃないって事くらい、見れば分かる』

 

 比企谷先輩が私の努力を知るわけが無い。でも、私の努力が無駄じゃないと、いつか報われると言ってくれた。その言葉が、私にとってとても大切な言葉になっていた。その言葉を支えに、私は挫けずに努力を続ける事が出来たのだ。

 

 きっとこれが、比企谷先輩の甘い毒に侵されるきっかけになった。

 

 以降、比企谷先輩と話す事が更に増えた。比企谷先輩は外部受験で秀知院に入学したらしく、退院してからも話す事が出来たのだ。

 およそ真面目な人間とは言えない。私が注意しても直らないし、未だに不真面目な所はある。

 

 でも、優しい人。鬱陶しがる事も煙たがる事も無く、私に優しくしてくれる。ちょっと捻くれてるけど、優しくしてくれるのは伝わる。親から愛される事も無く、周りから嫌われ続けた私には、どれだけ嬉しかったか。

 

 比企谷先輩の毒に更に侵される。でも、悪い気分はしない。むしろ、私の身体に比企谷先輩の甘い毒を与えて欲しい。私の身体を、心を、比企谷先輩の毒でもっと侵して欲しい。私の中を、比企谷先輩で満たして欲しい。

 

 欲しい。欲しい。欲しい。

 

 比企谷先輩に対する欲求が止まらない。その時には既に、比企谷先輩の毒に侵され切っていた。比企谷先輩に堕ちていたのだ。私にとって、比企谷先輩は絶対居なければならない存在となったのだ。

 

 比企谷先輩が私の前から居なくなってしまったら。

 そんなの、生きる意味が見出せなくなる。生きる価値が無くなる。比企谷先輩は私の全て。

 

 だから私以外の誰かに靡かれて欲しくない。比企谷先輩は優しいから、きっと誰かと付き合えばその人に対して優しくするに違いない。私よりも。

 

 許せるわけが無い。

 

 比企谷先輩は何も悪くない。好きになった人に対して優しくするのは当たり前だ。それに比企谷先輩は捻くれてはいるが、基本的に身内や近しい立ち位置に居る人間には優しい。

 

 私が許せないのは、比企谷先輩に優しくされている私以外の女だ。

 付き合っていても、比企谷先輩は私に優しくしてくれるだろう。だが、比企谷先輩と付き合った人間がそんな事を許すわけがない。だから必然的に、私に優しくしてくれなくなる。

 

 私の王子様なの。私には比企谷先輩が居ないと生きていけない。だから私の前から奪うなんて事は許さない。

 

 なら早く告白すれば良いとか言う人も居るだろう。それが出来ればとうの昔にしている。

 でももし振られたら。優しくしてくれたのはあくまで先輩としてだったとしたら。そう考えると怖くて出来ない。

 

 だから現状の関係で繋ぎ止めている。

 

 比企谷先輩から告白してくれれば、私は絶対にOKを出す。そのまま結婚の約束もするの。そうして、私と比企谷先輩は死ぬまでずっと一緒なの。

 

 比企谷先輩。私は比企谷先輩が居ないとダメな女なんです。比企谷先輩の声を聞けないだけで、姿が見えないだけで、比企谷先輩と関わっていないだけで、不安になるような女なんです。

 

 もっと私を比企谷先輩の愛で満たして下さい。もっと比企谷先輩の毒で私を侵して下さい。私は比企谷先輩のモノなんだって刻み付けて下さい。他の女を絶対に選ばないで下さい。私の前から居なくならないで下さい。

 

 死ぬまで、私と一緒に居て下さい。

 

 私の、運命の王子様(比企谷先輩)

 

 

原作ヒロインのアンケートです。(番外編にて他のヒロインのルートも投稿しますが)

  • 私を選ぶよね?(早坂)
  • 私から離れるつもりですか?(伊井野)
  • 私以外の女を選ばないで。(圭)
  • 私にしろ。(龍珠)
  • 私に告るわよね?(眞妃)
  • ラーメン食べに行きましょ〜(千花)

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