ヒロアカ世界に初代妖精王が転生するのは大罪ですか?   作:えりまきとかげ

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一話目が変わっていますので、二話目も変わっています。
こんなストーリーだっけと思われた方は一話目まで戻って読み直してくれれば大丈夫です。

 本当にご迷惑掛けました(土下寝)




超常黎明期
一匹狼とボッチ


「おいお前、ボーっとしてんじゃねぇ。邪魔だ」

 

「…………え?」

 

 突然声をかけられて、意識が覚醒する。

 

 え、ボクって死んだはずじゃなかったの?ちょっと待って、状況が分からない。ボクは人に殺されたってことでいいのか?人間の助けが間に合わなかったってことでいいんだよな?いや、ボクにとっては死ぬことが救いなんだけどさ。

 

 そもそもここどこよ。ボクが死んだのは田舎の山奥だったはずだ。

 

 こんな街中じゃないし。あれか?転生なのか?もしかして…………神様だったり?え!?あの死ぬ間際のアレでボク生き返ったの!?マジかよ、なんか意外だな。願えば転生させてもらえるのか。神様って暇なのか?まあ、職業は神ですなんていえないもんな。副業的なことか。なるほど、分からん。

 

「あ、お前もしかして新入りか?それだったら緊張するのも無理はないよなぁ。俺も最初の頃は緊張してチビりそうだったぜ」

 

 てか、さっきから話しかけてくるコイツは誰だ。金髪の高身長イケメン……とりあえず死ね。そのイケメンの顔を今すぐにでも殴りたい。

 

「それにしてもやっぱあのお方はスゲェよなぁ。なんてったって個性の複数所持だぜ?もうチートじゃねぇか」

 

 クソイケメンの視線の先には空中に浮かんで手を振っている男がいた。その周りには人が集まっていて色々とヤバい。首が凄い長い人もいるし指が銃になっている人もいる。中には人間卒業している人も見れた。簡潔にいってカオスだ。

 

「その……空に浮いている人って誰ですか?」

 

「おいおい知らないでここに来たのかよ新入り」

 

 信じられないような顔でボクを見るクソイケメン。クソイケメンって長いな、クソメンでいっか。

 

「あのお方の名は『AFO(オール・フォー・ワン)』。超常黎明期と呼ばれたこの時代を統率させた支配者で、個性を奪い個性を渡す個性を持っている最強の魔王様だ」

 

 

 …………は?

 

 ちょっと待て、ますます状況が分からなくなってきた。まず、ボクは転生………いや転移か?どちらでもいいが生きているってことだよな。そしてここはボクが見慣れた東京の新宿……違うな。形だけなら似ているがもっと近代的だったはずだ。この景色はまるで過去の新宿のような……。

 

 

「………!ねぇ、今って西暦何年か分かる?」

 

「そんなん××××年に決まってるだろうが」

 

 

 マジか。それじゃあボクは過去にタイムスリップしたことでいいのか?でも昔の日本がこんなにカオスしてるとは思えない。まさか違う世界線の世界に来たのかだろうか、並行世界っていうやつだな。

 

「つか、お前。俺は気になんねぇけどよ、上隠せよな」

 

「は?」

 

「いやなんでコイツ何言ってるんだみたいな顔で見てくるんだよ。女なのに上半身裸で外歩いているお前の方が信じられん」

 

 誰が女だこのクソメン。だいたい、ボクが上半身裸で外を歩くわけが

 

 

「……………」

 

 

 嘘やろ、マジで裸だったんだが。いやでもボクは男だから別に裸でも恥ずかしくないし。隠すところなんてないし。

 

 

 

「………男だからセーフ」

 

「へぇ、お前男だったのか。だが残念、アウトだよチビ野郎」

 

「どこがアウトなのさ!てかチビっていうなクソメン!」

 

「ああ!?誰がクソメンだゴラァ!」

 

 お互いの暴言にキレたボクたちは腕をつかみ合い取っ組み合う。ボクはチビじゃない!ちょっと平均よりも小さいだけじゃないか!

 

「フンッ!」

 

「うぎゃっ!」

 

 クソメンに投げ飛ばされ壁にぶつかる。強くねコイツ。片手でボクのこと持ち上げたぞ。人間じゃないなコイツ。さては宇宙人か。

 

「あ……?お前異能持ってないのかよ」

 

「いってて………は?異能?」

 

 頭を擦りながら立ち上がるとクソメンが変なことを言っていた。異能って……何言ってんだ?思い当たるのはヒロアカか。昔は個性のことを異能って呼んでいたんだっけ。え、何コイツ。現実と妄想の区別ついてないんじゃないか?

 

「クソメン………どんだけヒロアカ好きなんだよ」

 

「は?なんだヒロアカって。あとクソメン言うな」

 

「え、だって異能って言ってたじゃんゴミメン」

 

「ああ、言ったが。それとゴミメンいうな」

 

 マジでコイツヤバい。ここがヒロアカ世界だとでもいいたいのか?だいたいそんな夢みたいなこと起きるわけが………

 

 

 

 

 

 

 オール・フォー・ワン

 

 

 

 超常黎明期

 

 

 

 異能

 

 

 

 

 

 

 

 あ、ここヒロアカだわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………なるほど」

 

 あの後、何個か質問してみて確信した。ここヒロアカだ。だって知っている言葉(ワード)が次々と出てくるんだもん。クソメンはボクがこんなにも無知だったためか頭大丈夫かって心配してきた。とりあえず股間蹴っといた。

 

「××××年となると、原作開始までかなり時間があるよね」

 

 確か原作開始が××○△年ちょいだったから四十年ぐらいの差があるわけだ。そしてボクの年齢は今が十三歳だから………原作開始時は五十三歳かぁ。雄英の教師にでもなってみるかねぇ。あ、でも個性持ってない。たぶん。

 

「クソメンの個性………じゃなくて、異能は何なの?」

 

「俺か?俺はだな」

 

 ボクから一歩下がり、変なボーズをとるクソメン。個性でも披露してくれるのだろうか。

 

「俺の異能は………気配をなくすことだ!」

 

「なるほど、空気(モブ)になるってことか」

 

「はっきりと言うなよ!俺だって傷つくんだからな!」

 

 でも気配をなくすって凄いと思うんだけどなあ。暗殺者とかに向いてそう。

 

「気配をなくすって………もうちょっと短くできないの?なんかダサい」

 

「短くつったって空気しか思いつかねぇ」

 

 よし、コイツ脳筋だ。考えもせずに即答。しかも空気ってさっきボクがいったやつ。

 

「それじゃ………提案なんだけど『絶気配(ゼロサイン)』ってのはどうかな」

 

「は?」

 

「い、いや、提案だから。もしもってことだから」

 

「…………」

 

「ゴメンって、そんなに名前に拘りあったとは思わなくて」

 

「………かっけぇな!そうだ、俺の個性は『絶気配(ゼロサイン)』!」

 

 高々と叫ぶクソメン。コイツいつか詐欺で騙されそうで怖い。

 

「お前名前考える才能あるな!」

 

「い、いやぁ………それほどでも」

 

 パクリですけどね。たまたま頭に浮かんだのが七つの大罪の技だっただけなんだよね。

 

 

 ふと、視界に赤い糸が映る。なんかさっきから視界の端に出てくるんだよな。マジで不思議これも誰かの個性なのか?赤い糸を振り払っていると、クソメンが怪訝そうな顔した。

 

「チビ助、自分の髪がどうかしたか?」

 

「は?何言ってんのクソメン。それとチビ助いうな」

 

「何って……それお前の髪の毛だぞ。あとクソメンいうな」

 

 

 ははは、コイツ脳筋だわ。ボクの髪の毛はお前と違って黒色なんだか

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

 

 はい、ボクの髪の毛でした。もう驚かない、流石にこれ以上は驚かない。うんうん、髪が赤くなってるね。転移の影響かな。うーん、ボクの髪の毛が赤くなってもあんまり想像できないなぁ。どっちかっていうと暗い色の方が似合うと思うんだけどなぁ。

 

「ま、超イケメンなボクにはどんな色でも似合うけどね」

 

「鏡って見たことあるか?」

 

「喧嘩売ってんのか」

 

「ほれ、鏡見ろや」

 

「なんで持ってんだよ」

 

 クソメンに手鏡を渡される。ふーん、男のくせに女子力高いな。………おいちょっと待て、この手鏡凄くゴチャゴチャしてるんだけど。後ろ側ヤバい。トゲトゲがめっちゃついてるわ。コイツ女子力のかけらもないな。

 

 鏡を表にし、ボクの顔を見る。

 

「ふむ、赤紙の長髪に金色の目、かわいらしい女の子だな……はぁ!?」

 

「あ!俺の手鏡地面に叩きつけるんじゃねぇ!作るのめっちゃ時間かかったんだぞ!」

 

 思わず手鏡を叩きつけたボクは悪くないと思う。てかこの顔見覚えあるぞおい。グロキシニアじゃん。あー、あの人ね。序盤クソ強かったけど最後ボコボコにされて死んだアイツか。

 

 

 

 

 ……ちょ、待て待て。落ち着くんだ。見間違いっていう可能性もなくはない。もう一度確認してから慌てようじゃないか。

 

 

 

 

 

 改めて顔を見る。

 

 

 

 赤い長髪に金色の目で女顔。

 

 

 

 七つの大罪に登場する初代妖精王グロキシニア。

 

 

 

「………………きゅう」

 

「あ?お前大丈夫かっておいおい!急に倒れてどうしたんだよ!?」

 

 

 クソメンが何か言っている気がするがボクには何も聞こえない。ははは、グロキシニアかぁ。もう何が何だか。あーあ、神様何してくれてんだよう……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 うっすらと、意識が戻ってくる。

 

 目を開けると金色の髪に反射した光がボクの目を照らしていた。少し目線を横に逸らすと、無駄にイケメンな男がエプロンを着ながらこちらを覗いていた。

 

「…………お持ち帰りされちゃった?」

 

「運んでやった俺に対してそれはないだろう」

 

 信じられないものを見るような目でボクを見てくるのは名も知らぬクソメン。またの名をゴミメンともいう。

 

 むくりと起き上がり、ボクの今の状況を確認する。

 

「ここはどこ?」

 

「俺の部屋だ」

 

 知らない部屋に、知らない男、ふむ。

 

「ねぇクソメン、携帯持ってる?」

 

「なんだそれ、食えるのか?」

 

 あ、そうか。この時代には発明されてなかったんだ。これがジェネレーションギャップというやつか。絶対違うだろうけど。

 

「そっか。警察に通報しようかなと思ったんだけどね」

 

「お前が何を言っているかよく分からんが俺にとって悪いことを言っているのは分かる」

 

「てかお前ってやめてよ、ボクにはちゃんとした名前があるんだから」

 

「鏡って見たことあるか?」

 

「ついさっき見た」

 

「ちゃんと確認しなきゃダメだろう、ほら」

 

「なんで持ってんだよ」

 

 クソメンに手鏡を渡される。あれ、ボクが壊さなかったっけ。裏はノーコメントだが表に関してはテープで繋ぎ止めてあった。安物感が凄い。

 

 鏡を表にして自分の顔を確認する。

 

「赤紙の長髪に金色の目、かわいらしい女の子だな………よし!」

 

「待て!それ以上壊すと再生不可能になる!つかわざとだろ!」

 

 クソメンに後ろから身体を羽交い絞めにされて壊すことは出来なかった。くそぅ、ドサクサに紛れて破壊することはできなかったよ。今度破壊させてもらおう。というかマジでボクはグロキシニアに転生……憑依のほうが合っているのか?分からないがグロキシニアになったのか。信じられないな。冗談はお父さんの顔だけにしてくれ。

 

「……そういや、なんで急に気絶したんだ?」

 

 クソメンが真剣な顔でボクに尋ねてくる。というかクソメンって長くない?もうクソでいいよね。しっかし、このクソもお人よしだよねぇ。見ず知らずのボクを自分の部屋まで運んでくれるなんて。あ、それだとクソなんて呼んじゃ悪いか。これまでどおりのクソメンにしておこう。

 

 それで……クソメンの質問は何で気絶したかっていうことだよね。うむぅ、説明するのが難しいよね。気づいたら二次元のキャラに成り代わっていたんだ!なんて言っても信じてくれないだろうからなぁ。

 

「いやー、それがボクにもさっぱりでさ」

 

 助けてもらった恩人に平然と嘘をつくゴミ人間が一人。あ、それボクです。

 

「………そうか」

 

 なんともいえない顔でこちらを見てくる。やめい、罪悪感でボクが死んでまうで。

 

「そういえば、まだ俺の名前を言っていなかったな」

 

 話しを替えるように呟くクソメン。確かに昨日?の会話でも名前は出てこなかった。……今思えば初対面の相手と取っ組み合うのってヤバいな。まずは自己紹介だろ普通。

 

「俺の名前は鬼怒川六駆(キドカワロク)。実家から勘当されて一文無しのイケメン様だ」

 

「自分でイケメンって言っちゃってるよ………。ナルシストか、川に溺れて死ねばいいのに」

 

 溺れろというのはナルシストという言葉の元となったナルシスという人物の最後が溺れて死んだからである。川に映った自分の顔に恋をして抱き着こうとするのだが川に落ちて溺れて死ぬ。すごいや、言葉の起源となれるなんてナルシスさんは幸運だよなぁ。

 

「ん?一文無しってどういうこと?この部屋も借金とかで借りてるの?」

 

「いいや。この部屋には人がいなくてな。ちょっと住まわせてもらっているだけだ」

 

「それって不法侵入じゃない?」

 

「そうだな。だがこのご時世だ。こんぐらいの犯罪は毎日起きまくってるぜ?」

 

「え、マジ?」

 

「ああ。個性のせいでこの国は荒れに荒れてるやがる。不法侵入みてぇな小さい犯罪なんかに警察は動かねぇよ」

 

「すごいな、世紀末か」

 

 あれ?それだとまだオールマイトは登場していないのか。そりゃそうだったわ、今赤ん坊ぐらいでしょオールマイト。となると今の世代は志村奈々が修行中なのかな。知らんけど。

 

「で?お前の名前は?」

 

「ボクの名前?ボクの名前は津中由(ツナカユ)―――――」

 

 前世の名前を出そうとして、口を紡ぐ。

 

 はたして今のボクは前世の自分といえるだろうか。見た目も違うし、世界も違うし、それに

 

「あ?なんだって?」

 

 ……コイツ、六駆がいる。もう一人ぼっちではない。友達と言えるかは分からないが、人間である六駆と話していても不快感は感じられない。超常である個性を持っているということもあるのだけれど、前世のボクからすれば驚愕する事実だ。

 

 だから今のボクはボクであってボクじゃない。ボクの名前は

 

 

 

 

 

「――――――グロキシニア。ただの妖精さ」

 




 
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