響也「今日も良い風だ」
とりあえず二人で一人の探偵っぽいセリフを呟きつつも俺は3人分の弁当を持って外を出る。
高校生活も慣れてきた頃、俺はこれから自分の身に起こる災厄に気付かないでいた。
アリス「ヒビヤ、何かクラスの雰囲気が違う」
確かに、どこか、俺ばかりに視線が来るような。
この違和感の中、俺のスマホに一通のメッセージが届く。
響也「竹内?」
図書室で待っている。そのメッセージを受け取った俺は何があったのか知るため、図書室へと向かった。
図書室
宗「おお、来たか」
響也「竹内、御堂、何があったんだ?」
修「こっちが聞きたいくらいだ」
どうやら二人も状況が飲み込めていないらしい。
すると後ろから扉を開けてあの3人が入って来る。
綾「皆、お待たせ」
響也「綾、陽子、忍も」
アリス「一体何があったの?」
陽子は俺に対し、衝撃的な言葉を聞く。
陽子「響也、金髪の女の子と面識はある?デースって言ってるあの日英ハーフの」
アリス「え?」
響也「おい、それってまさか、九条カレンじゃないよな?」
陽子「やっぱり、面識あったんだ!!」
響也「まさか、カレンがこの学校に!!」
それを聞いたアリスは驚きを隠せなかった、一緒に日本に来るとは言っていたが本来は……
アリス「カレンは本来こことは別の高校に通うはずだった、なのにどうやってここに……」
綾「やっぱり、アリスが知ってるって事は彼女も……」
響也「3年前のホームステイの子だよ、俺達の約束の子の最後の一人」
御堂は俺とカレンの関係を知ると、俺に起こってる事を伝えた。
修「今、そのカレンって奴がお前を探してる」
響也「何で俺を探す必要あるんだ?」
宗「何でも、カレンの配属となるクラスは僕たちの隣のクラスだ。そのことで今担任と揉めてるらしく、響也の同意を求めてるらしい」
響也「そういうことか、その様子だと穏便に済む話じゃ無さそうだな」
俺は重い腰を上げて、図書室の扉を開ける。
アリス「行くの?」
響也「放っておけないしな、それに同じ学校に転入してきたんだ。少なくとも俺は仲良くしたい。ちょっと行って来る」
職員室
烏丸「うーん、気持ちは分かるけどクラスの変更は……」
カレン「だからどうしてもあの3人と一緒に!!」
頭を下げ続けるカレンの肩を叩いた。
響也「烏丸先生に迷惑だろ、カレン」
カレン「ヒビヤ!!」
烏丸「来てくれたんですね」
目を輝かせるカレンを烏丸先生から引き剥がすべく、俺はカレンに伝える。
響也「俺の話、聞いてくれるか?」
俺は学校のテニスコート前のベンチへとカレンを誘った。
満開だった桜も緑一色になり、その木の下で俺はカレンに聞く。
響也「本当は別の高校に行くはずだったんだろ?どうやってここに来た?」
カレン「本当は品格の高い、お嬢様校に入る予定だったんだけど、私が望む物を手に入れるにはそこじゃダメだって思って……」
俺はその言葉に悪意はないと感じる、純粋に俺たちと一緒に居たかったんだな。
響也「約束果たすだけじゃ、満足しないのか?先生困らせてまでカレンは俺たちと同じ場所に居たいのか?」
カレン「当たり前デス、待ち続けた人と一緒になれないのは……」
俺はカレンの目の前で服の袖をめくる。
響也「離れていても、消えないモノはちゃんとあるんだ」
カレン「その傷跡……」
俺の腕には生々しく残った、縫い傷があった。
響也「アリスを守った、ただそれだけで救われた人がいる。大切なのは近くに居る事だけじゃなく、全く違う場所であってもお互いが会いたいって想えば会える」
俺はカレンの髪を撫でて、伝えた。
響也「カレンは一人じゃない、会いたいって想えば、俺達はいつでも会いに行く。だからクラスには余りこだわる必要はないよ」
カレンは笑顔でそれを受け入れ、俺はカレンを連れて教室へと向かった。
ホームルーム
カレン「皆さん、初めまして。イギリスから編入してきました。九条カレンデス!!皆さんと仲良くなれるよう、交流しましょう!!よろしくデス!!」
こうしてカレンは俺達とは離れているが、共に学校生活を歩んでいく事になった。
その一方で
響也「部活動説明会?」
修「来週から始まるらしいからお前も来いよ」
響也「残念だけど断るよ、俺は家事やらないといけない身の上だし」
宗「因みに僕は部活動じゃなくて委員会に入るからその説明会に」
俺は部活動のリストを軽く目を通すと御堂に聞く。
響也「部活入るって事は、やっぱりお前陸上部に入るのか?」
修「当たり前だろ?中学から続けてる俺のアイデンティティーだからな」
宗「流石は、中学時代に陸上のエースだったことはある」
修「宗は委員会どこに入るんだ?」
宗「図書委員会だよ、本は好きだからね」
響也「楽しそうだな、入ったら応援に行く」
修「ありがとよ」
宗「俄然やる気が出る」
そんな話をする中、後ろで御堂を見つめていたのは……
綾「御堂君……」
小路綾と御堂修、中学時代から関わるこの二人に何があったのか。
君たちには話すべきだろう、俺が知る真実を。