きんいろモザイク ステイ・ハニーズ!!   作:しゅみタロス

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Lesson5 ありふれた彼は世界最強

女生徒A「ねえ、あの御堂君って男子カッコいいよね」

女生徒B「当たり前じゃん、中学時代は陸上部全国大会優勝者だよ」

女生徒A「人当たりも良くていつも楽しそうだもんね」

女生徒B「御堂君絶対モテるよね~」

女生徒A「マジマジ、私陸上部に応援しに行こうかな~」

 

綾「あ……あ……」

 

女生徒の会話で圧し潰されそうな綾、流石に放っておけない正義の味方の魂が疼く。

 

響也「大丈夫か、綾」

綾「だ、大丈夫……」

 

すると俺の後ろでよく知る声が聞こえる。

 

穂乃花「綾ちゃん、その様子だと諦めてきれてないんだね」

響也「お、誰かと思えば穂乃花か、確か隣のクラスだったよな」

穂乃花「皆といた中学時代とはちょっと違うけど変わらない二人で良かった」

綾「未練がましいよね、高校にまで引き摺ってるなんて」

響也「いや、悪くないぞ。俺も俺であいつの事情は知ってるから」

 

さあ、ここで本題に入ろう。綾と御堂の二人は中学時代、同じ陸上部に所属していて、綾はマネージャーとして御堂を支えていた。

 

少なくとも二人の関係は良かったが、今となっては会話はするもののどこか控えめな印象を受ける。

 

その理由は中学最後の全国陸上大会の夏にまで遡る。

 

 

1年前

 

響也「夏の大会、頑張ってるな」

 

太陽の照り付ける中、500メートルのグラウンドを走る御堂。

 

エースの恥じぬスピードで多くの部員を抜き去っていく。

 

走り終わり、よろよろと汗を拭いてやって来る御堂に綾が駆け寄る。

 

綾「お疲れ様、今日も御堂君記録更新だよ」

修「ここ2ヶ月鍛えたからな、結果を出してこそ部活動だ」

 

そんな二人を俺は陰ながら応援していた。

 

帰り道

 

響也「御堂の走りには驚かされるよ、そんなに陸上楽しいのか?」

修「楽しいって言うより、何気に親の為って思うと頑張れるんだよな」

響也「親の為?」

修「ウチ、アスリートの家系でさ、男たるものスポーツ一本の精神で育てられたから。親のビデオ見て自然と意思を継いでいこうって思えたんだよ」

響也「親から受け継いでいくものか、俺も似たようなもんだよ」

修「正義の味方、お前のそのポリシーも爺さん譲りだもんな」

響也「似た者同士、だから友人になったんだろ」

修「ああ、だよな」

 

そう言って俺と御堂は拳をぶつけ合い、お互い検討を祈った。

 

響也「御堂、今日もウチに来い!!スタミナのある物食わせてやる」

修「サンキュー!!米切らすなよ」

 

そして1週間後、あの日を迎えた御堂は声援の中、その大地に立つ事になった。

 

響也「全力で応援しようぜ」

綾「御堂君は絶対勝つよ、頑張ってたんだから」

 

そして電光掲示板に示された3の文字。それを凝視して御堂はスタートをかける。

 

「位置について、よーい」

 

パーン

 

銃の音と共に走り出す選手たち、御堂は歯を食いしばりながらゴールに食らいついていく。

 

響也「行けーーーーー!!御堂ーーーーー!!」

綾「御堂くーーーーん!!」

 

他の選手を軽々と抜いて行き、先頭を走る選手と並び、壮絶な競り合いを続ける。

 

そして最初にテープを切ったのは……

 

御堂だった。

 

響也「おお、やったぞあいつ!!」

綾「御堂君!!」

 

歓声を受け、ピースサインで周囲に応える御堂はその日の新聞に掲載される程一躍有名になった。

 

本来このままシンプルに事が運んでいればまだ良かったかもしれない。

 

だが栄光には影が付き物だ、それが世の中だ。

 

大会から3日後、綾と御堂は校舎入口の花瓶の花を取り換えようとしたその矢先だった。

 

修「なあ、綾。今週の土曜日時間空いてるか?」

綾「え?確かに空いてるけど……」

 

花を替え終わった綾に御堂は何か言おうとした瞬間。

 

バキィィ!!

 

綾「きゃああああ!!」

修「綾、大丈夫か!!」

 

そして御堂の視線には、野球ボールサイズの小石。

 

意図的に誰かが投げた物だ。

 

生徒「どうした!!物凄い音がしたぞ!!」

 

生徒が数人集まる視線の先には割れた花瓶の前に立つ、綾だった。

 

生徒「綾……君がやったのか?」

綾「いや、私はッ!!」

 

すると綾の手を握り、御堂は頭を下げた。

 

修「すまねえ、俺の不注意だ。綾は悪くない。信じてくれ」

 

俺はその光景を見て気付いた。二人は何もやっていない事に。

 

その後、俺は御堂に問い詰め、花瓶を割るように小石を誰かに投げられた事を白状した。

 

通告するべきだと俺は言ったが綾と仲間に余計な迷惑をかけたくないと答え、御堂は真犯人を追及を諦めた。

 

結局大きな問題にはならなかったが、そのせいで御堂は誰かの罪を被り、綾を助け、綾はそれ以降御堂に負い目を感じていた訳だ。

 

放課後

 

響也「それでどうだった?陸上部の見学は」

修「部活見てその日に入部届出してきたよ」

宗「流石の行動力だ」

 

部活動の話をする俺たちに、ある一人の人物がやってくる。

 

切「やあ、中学以来だね、木ノ瀬君、竹内君、御堂君」

響也「ああ!!荒沢先輩!!」

切「荒沢切(あらさわせつ)、この学校の風紀委員長だ」

 

そしてこの荒沢先輩、実は度が過ぎるほどの……

 

まあ、今にわかるさ。

 

響也「じゃあ、ここで今週の話は切るぞ」

修「おーメタいメタい」

 

 

 

 

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