梅雨明けの青空、照り付ける太陽の下で俺は……
響也「アリス遅いな……」
そう思いつつ、モナカアイスを齧る。
アリス「お待たせ、ヒビヤ」
響也「おお、何か不健全な匂いが」
アリス「ふーん、どこが不健全かな?」
響也「ミニスカニーソの絶対領域、俺好みだ」
アリス「ヒビヤが好きだって言ってたから」
響也「一応は合わせてくれたんだな」
アリス「ねえ、早く行こうよ。シノに気付かれる前に」
響也「じゃあ、行くか」
読者諸君には俺が想い人がいるのに別の女とデートしてる様に見えるがそれは違う。
本来だったら一人で行くつもりだったがアリスが行った事が無い場所だったのでついでに連れていくだけだ。
バスに揺れる事、約10分、俺たちは市内の
アリス「凄い、おしゃれなお店がいっぱい」
響也「ショップから飲食店、カラオケやボウリング、ゲーセン、映画等のエンターテイメントショッピングモールだからな」
俺はアリスの手を引き、映画館に向かうが。
アリス「え、あ……」
響也「俺の手、離すなよ」
アリスは顔を真っ赤にしたまま、映画館に向かう。
アリス(手を握られて強引に連れていかれるなんて、大胆過ぎるよ……)
響也(俺何やってんだ、もっとマシなエスコートの仕方あっただろ。これアリスがどう思ってるかちょっと不安だな……)
チケットの確認を済ませ、劇場に入って行く。
多くの人が館内で最初の10分間の予告で昂る気持ちを抑えつつも大スクリーンの大きな音で繰り広げられる予告にアリスは楽しそうだった。
そして上映が開始すると物語序盤から列車への乗車シーン、この時点ではまだ普通だが主人公の待ち合わせの相手がうまいを連呼しながら弁当を掻き込むシーンにアリスは笑いを堪えていた。
そして夢の中に閉じ込められる主人公たちはそこでそれぞれ偽りの幸せを謳歌するのだが主人公が敵の罠に気付き、夢から覚めるとここから怒涛のバトル展開。
列車を操っている敵を倒すため、仲間と共に敵の首を探し、それを見事に切り伏せた。
そして列車での事件が収束したかと思えば最強の敵が現れ、一人の男が死闘の末に命を落とし、主人公に全てを託して物語は終わった。
映画館を出たアリスは救われないエンドに少しショックを受けていたが無事に立ち直り、俺はアリスを食事に誘った。
飲食店の立ち並ぶ中、俺とアリスは和食レストランに入る。
アリスと俺は焼き魚定食を楽しみながら次にどこへ行くか考えていた。
アリス「ヒビヤ、少し行き辛い所があるんだけど……」
響也「どこに行くんだ?何でも言ってくれ」
アリスは俺に耳元で囁いた。
アリス「格安ホテルに泊まってみたい」
響也「そ、それはどういう意図があって……」
アリス「折角ヒビヤと二人っきりになったんだもん、もっと一緒に居ても良いでしょ」
俺は変な勘繰りを払い切れないまま、アリスとホテルに向かった。
二人で約1万円のダブルルームに入ったは良い物の心なしかアリスが楽しそうに部屋を駆けまわっていた。
だが俺はアリスの見た目から児童ポルノ的危機感を感じており、変な事は出来ないと自分にストッパーをかけた。
アリス「ちょっとシャワー浴びて来るね」
響也「!!!!!!!!」
おいちょっと待て!!今、聞こえちゃいけない言葉聞こえたぞ!!この流れでシャワー浴びるとかどう考えてもアレの前座だろ。
響也「アリス、一応聞いておくが何故唐突にシャワーを浴びようとするんだ?」
アリス「ヒビヤに見てて欲しい、から?」
響也「!!!!!!!!」
そこそこ当たってた、アリスは今俺を誘っている。
正直な話そろそろ平常心じゃいられなくなってきた。
下手をすれば俺忍に殺されかねないな。
どうしたものかな……
響也「まさかこうなるとは……」
結局辿り着いてしまったこのシチュエーション。シャワーの音ですらエロく聞こえてしまうが俺はただ缶コーラを胃に流し込み、煩悩をせき止めていた。
シャワールームから出てきたアリスは俺の背後に近付いてくる。
見るな、視るな、観るな、そう何度も自分に唱える。
やがてアリスは俺の背中を優しく抱きしめた。当然わかる、今のアリスは……
下着姿だ。
響也「俺と、このまま身体を求めるのか?」
アリス「シノやカレンには負けたくないから」
響也「ある意味わかる、女は取られたくない男に既成事実を作ろうとする。だが、それが正しいとは限らない。ましてやアリスと交わるつもりは無い」
ハッキリと言ったはいいがこれで据え膳食わぬは男の恥とか返ってきたら俺何も言い返せないな。
アリス「……」
響也「失望したか?」
アリス「ううん、寧ろ嬉しい、本当に私、大事にされてるんだって分かったから」
響也「アリスは俺にとっても大事だが、一番大事なのは友達だ」
アリス「ヒビヤの想い、カッコいいよ」
するとアリスは俺に顔を近付けて、
響「!!」
頬にキスをした。
そして見てしまったアリスの下着姿に俺は目を逸らし、ベッドに転がるのだった。
嬉しそうなアリスの顔を知らないまま、俺達はその後朝帰りする事になった。
俺は間違っても手を出してないからな。