僕のヒーローアカデミア 《異世界帰りの緑谷出久》   作:青龍の鎧

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入学早々の大試練!
緑谷出久、修行の成果を発揮せよ!!




13話

「ちょっと待ってください!!最下位除籍って…!まだ入学初日で……いや初日じゃなくても……」

 

麗日さんは、余りの理不尽な試験に戸惑いもありつつ相澤先生に物申した。

僕も彼女の気持ちは分かる……というか同じ意見。

 

これはあまりに理不尽だ。

だけど僕は異世界に召喚され帰還し、オールマイトと出会い、少しだけ"ヒーローの仕事"を間近で見て、覚悟していた事がある。

 

「自然災害…大事故…身勝手な(ヴィラン)たち…いつどこから来るか分からない厄災……一つ例を挙げると"神隠し"という大層な名称のついた行方不明事件だな」

 

「「「!!!」」」

 

神隠し……

異世界召喚・誘拐事件……

 

僕と凍花。

そして事情を知る焦凍くんは小さく肩唾を呑んだ。

 

「まぁ、様々な理不尽が起きようとも……それを覆していくのがヒーロー。放課後マックで談笑したいならお生憎。これから三年間、雄英は全力で君たちに"苦難"を与え続ける」

 

"苦難"……!

 

Puls ultra(更に 向こうへ)さ。全力で、乗り越えてこい」

 

これが、ヒーロー科におけるトップ高校。

僕が考えてたよりもキツい……

 

まさか入学早々に除籍が掛かった個性把握テストが行われるなんて!

………もっと気を引き締めて頑張らないといけない!

 

「さて、デモンストレーションも終わり。こっからが本番だ

 

こうして入学直後の個性把握テストの幕が上がった。

 

@第1種目:50m走@

 

みんな、早速それぞれの個性を駆使して50mのグラウンドを駆けていった。

 

例として、麗日さんは走る前に服や靴に触れてから走った。

きっと僕を助けてくれた"個性"を使ったんだろうな。

 

キラキラした人……青山くん(着替え中に教えてくれた)はお腹に身につけたベルトから『レーザー』を敢えて自身の進めたい進路とは反対の方向へ射出した、恐らくレーザーを放つ勢いを利用して記録を挙げる狙いだったんだろう。

 

途中、レーザーが切れて若干のタイムロスをしてたけど……それでも5秒51だから凄い。

 

「1秒以上射出すると、お腹壊しちゃうんだよね」

 

……まだ1種目だけど、お腹大丈夫なのかな?

あれ1秒以上射出してたけど。

 

飯田くんは"個性"「エンジン」により"3秒04"という脅威の記録を叩き出した。

 

(試験の時は飯田くんの走る姿は余り見れなかったけど、実際に見ると本当に足が速い!)

 

でも本人はまだ消化不良だと言わんばかりの表情をしていた。

彼のエンジンはもっと早く走れるのかな?

 

次は、あっ!

凍花と焦凍く……!!??

 

……氷の跡!

二人とも地面に"氷"を敷いて、スケートの様な感覚でこの50m走を駆け抜けるとは……!

 

でもお互いが"氷"を駆使している姿を見ると、どうしても焦凍くんの方が凍花より威力が低い様に見える。

 

『轟凍花、4秒01』

『轟焦凍、4秒41』

 

凍花の方がより"氷"を使いこなせているのだろうか?

……っと、次は僕だ。

 

隣はかっちゃんだった。

凄い形相で僕を睨んでる。

 

うぅぅん……

僕達は幼少の頃からギクシャグな関係だったけど、僕が雄英に合格してから更に酷くなった気がする。

 

それは、雄英からの合格発表の翌日。

中学の担任の先生に合格の報告をした後……

 

@@@@

 

「どんな汚え手使えば無個性が受かるんだ、あ!!?」

 

「っ…!!」

 

僕は凍花と会う前、かっちゃんに校舎裏に呼び出されて胸ぐらを掴まれていた。

 

「史上初!唯一の雄英進学者。俺の将来設計が早速ズタボロだよ!」

 

かっちゃんは自身の将来設計を僕の合格により潰されてしまった事で今まで……あまり普段と変わらない気もするけど、それはそれは激怒していた。

 

「他行けっつったろーが!!」

 

でも、それでも僕は……!

僕は胸ぐらを掴むかっちゃんの手を掴み、

 

「言ってもらったんだ」

 

「あぁ?」

 

「「君はヒーローになれる」って…!かっちゃん…!!こんな僕に、言ってくれたんだ!!」

 

その時、かっちゃんは僕の胸ぐらを掴んだ手を振り解きつつ、何かを思い出したような表情をして、

 

「………あぁ、例の"氷女"か」

 

と言った。

僕は唐突に出てきた"氷女"が誰かをすぐに察した。

 

轟 凍花

 

僕は、凍花が入試を受けていたという事実に対して余り驚かなかった。

きっと、焦凍くんの強い決意を信じていたからかもしれない。

 

寧ろ、かっちゃんが凍花の事を知っていた事実の方に驚きを隠せなかった。

 

そういえば、あの時……入試の説明が終わった時にある相手を宣戦布告と言わんばかりに睨みつけていた。

 

でも、何で凍花を睨みつけたんだ?

 

「あの女。只者じゃねえ"オーラ"ってモンを発してたからな、同じ試験会場でぶっ潰して俺の栄光への一歩ってヤツを踏み出そうと思ったんだ」

 

……相変わらず、過激すぎる上昇志向。

でも、見ただけで凍花の強さが大体測れるなんて……

 

やっぱり凄い。

 

「初めは同じ試験会場になったんでこれで心置きなく潰せるとおもったんだがよ……」

 

「もしかしてポイント凍花より…「ぶっ殺すぞクソデク!!!!俺の方がポイント上回ってたわ!!」

 

でも、あれ救助ポイントも入るし……かっちゃんの性格を考えると、どのみち凍花に負けて……

 

止めろ!見下した顔で俺が負けてただろとか考えんじゃねえ!!……だが、アイツの実力は本物だった。それは俺も薄々思ってたし認める」

 

!!

 

まさか、かっちゃんの口から他人を認めるなんて言葉を聞くなんて!!オールマイト以来……

 

「だがそれだけだ」

 

………え?

その時、かっちゃんは歪んだ笑みを浮かべ、

 

「アイツはヒーローに、なれねえ」

 

と吐き捨てた。

そこからかっちゃんは凍花の"トラウマ"を語り始め、それを知った経緯…纏い"揉め事"をヘラヘラと笑いながら……それを聞いた時の僕の顔を見ずに、話した。

 

満足気に話し終えた後、かっちゃんは……あの日。

オールマイトと初めて会った日に僕に向かって言った似たような事を、

 

「アイツのトラウマ直してえなら……お前さ、炎に包まれてみろ。そうすればあの女も"大好きなデク"の為なら、トラウマ治るだろうし……仮にお前が死んでも来世で"個性"、宿れるチャンスが貰えるだろ?」

 

……再び、吐き捨てた。

 

この瞬間。

僕は信じていた かっちゃん に対しての憧れが"また"崩れた気がした。

 

「おい?なんか言ってみろよ?それともまた殴るか?いいぜ!あの時の借りも含めてボコボコに……!」

 

僕はかっちゃんに今までで最も強く睨みつけ、僕は今の かっちゃん を見ないように目を逸らしてこの場を離れた。

 

理由は至ってシンプルだった。

嫌な奴でも憧れていた……筈だった かっちゃん の惨めな姿を見たくなかったから。

 

13話『拗れた幼馴染』

 

@@@@

 

『位置について』

 

測定機からの準備指示があり、僕は自身の"個性"の使い所を思考し、集中させた。

 

「クソデク」

 

「……何?」

 

「このテストで…完全に、お前をブッ殺す」

 

「…………」

 

不思議だった。

 

あれ以来、今日まで僕に深く絡んでこずにいたのは、もう暴言や脅しでは屈しないと確信し、この"雄英"で僕の無能を全員に見せつけて赤っ恥を確認し、全力で嘲り笑う為だ……と嫌な想像がさっきの言葉と悪い笑みで確信に変わった。

 

『用意』

 

かっちゃん。

 

『ドン!!』

 

僕は、凍花だけじゃない。

僕とかっちゃんが憧れた"ヒーロー"にも、言ってくれて……そして僕はあの日、あの入試試験。

 

「爆速………!?」

 

ワンフォーオール・フルカウル 40%

「フルカウル・ターボ!!」

 

 

"僕の力"で、勝ち取ったんだ!!

 

 

僕は、今の自分が使える《全力》をもって、駆け抜けた。

記録は……

 

『3秒49』

 

……やった。

4秒も縮めれた。

 

この記録を聞いた瞬間、どっと脚の力が抜けて座り込んでしまった。

僕は息を荒くしながらも、特訓の成果を果たせた事と、やっと初めて"かっちゃん"を越えた事とで嬉しい気持ちに……

 

嬉しい気持ちに………

 

…………

 

嬉しい気持ちは確かにあった。

でも、あの日の事が鮮烈に思い出されてしまいほんの一瞬だけだった。

 

その後は、特訓の成果を発揮できた気持ちが次第に薄れ、それは"寂しい"という感情に変わって溢れていくのを感じて……

 

ふと、かっちゃんを見た時、彼の表情は"驚愕"と言わんばかりの顔をしていた。

 

####

 

この俺、爆豪勝己は今日。

人生最大の驚愕を覚えた。

 

理由はただ一つ……

 

デクが、"個性"を使ったのだ。

"個性"の発現はもれなく四歳までだった。

 

アイツは四歳になっても"個性"が発現しなかったから、"無個性"だという事は揺るぎのない事実になった……筈だった。

 

ありえねぇ…!

けど、実際…!!!

 

いつからだ?

あの野郎が"個性"を発現させたのは?

 

幼稚園?

小学生?

 

いいや、アレはその当時は本当に"カス"だった。

なのに……

 

「どーいう事だ、こら!!訳を言え、デクてめぇぇ!!」

 

俺はクソデクに向けて方手を"爆破"させてスピードを上げて突っ込んだ。

なんでだ!?

なんでお前は、"個性"を使えるんだ!?

 

クソデクは突っかかる俺を、一瞬だけ見て……

あの日と同じ目をして、俺を見なかった。

 

「ふざけんじゃ……!?」

 

その時、俺の動きが止まってしまい、"個性"が消えた。

 

「ふざけているのはどっちだ?」

 

「ぐっ…んだ、この布、固っ…!!」

 

「炭素繊維に特殊合金の鋼線を編み込んだ『捕縛武器』だ。ったく、“個性”を使わせるな。……俺はドライアイなんだ!」

 

周りのモブ共が(個性が凄いのにもったいない)と思っているだろうが、俺にはどうでもいい事だった。

 

「時間がもったいない。次、準備しろ」

 

ふざけんな、ふざけんな!

何で、何で、クソデクが……

 

@第2種目:握力@

 

【緑谷出久:185kg】

 

ついこないだまで…

 

@第3種目:立ち幅跳び@

 

【緑谷出久:378cm】

 

道端の石っコロだったろーが………

 

@第4種目:反復横跳び@

 

【緑谷出久:124回】

 

道端の、石っコロ……

その時、ふと俺の左頬が疼き始めた

 

あの日、俺は生まれて初めて、デクに殴られて、糞(ヴィラン)に襲われて、クソデクが馬鹿みたいな顔で俺を助けにきた……最悪の日。

 

『助けを求める顔をしてた』

 

その言葉が、俺の頭から離れる事が出来なくて……

 

その翌日。

アイツは身体を密かに鍛え始めた。

 

きっと、あのデクに"個性"が宿ったのはデク自身による異常な程の執念から……簡潔に例えるなら、"狂気"から生まれた"個性"。

 

デクの"個性"の発現の経緯を、そう予測し、俺は幼少期に恐れたデクの"狂気"を今日、改めて感じ、苛つきが止まらなかった。

 

あの時の"氷女"に言われた言葉も思い出してしまい、

 

『自分の弱さを見ようとせず、虚勢を張り続ける"今"の君では』

 

苛つきが、

 

『何一つ、越えられない』

 

止まらなかった。

 




アンケート、投票していただきありがとうございました!
議題に上げました"異世界設定"に対してですが、アンケートの結果、このまま突き進んでいきます!

それに、まずは設定集を投稿した方がいいという意見を貰いましたので、次回は本編の前に設定集を投稿します。

次に、色々と叩かれそうな"暴言"をまた緑谷に言ってしまい、しかも前回とは別に凍花を脅して貶してしまったので緑谷の逆鱗に触れてしまった爆豪ですが……

まぁ、最初期の爆豪は本当に"屑"なので……皆様、この時点でまだ彼に失望しないでくれると幸いです。

ちなみに揉め事の後、爆豪から凍花に対しての印象は……
《強い癖に弱者に対して馬鹿みたいに認めて、しかも"個性"を駆使すれば圧倒的に潰せる筈の"物"に対して弱い顔をする"腑抜け"》だそうで、"失望"したそうです。

何にせよ爆豪は一回、ボコボコに負けないと駄目ですね。

@@@@

次回予告:ナレーション(峰田)

「やばい、やばすぎる……大記録だしたの"反腹横飛び"だけで他は……どうしよう!!このままじゃ、オイラ除籍になっちまうぅぅぅ!!!」

「そんなオイラの気持ちを他所に、緑谷は"ボール投げ"で大記録を狙って……たったの46M!?あれほどヤバい身体能力を見せた緑谷の身に何が!!??一体どうなる個性把握テスト!!どうなるオイラの未来!!」

「ハーレムを築く為に、オイラは終わるわけにはいかない!!更に向こうへ、Puls Ultraぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

この作品の異世界設定、色々と変えるべき?

  • 変えるべき!
  • そのままでも大丈夫!
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