僕のヒーローアカデミア 《異世界帰りの緑谷出久》   作:青龍の鎧

15 / 15
投稿余りに遅くなってすみません……
緑谷のボール投げの乗り切り方辺りでアイデアが尽きまして放置状態になってしまいました。

これからはぼちぼち頑張ります。
こんな私ですが応援よろしくお願いします。


中学の時より、とんでもない記録を出し続ける緑谷の今の心境は?


14話

14話「僕が今、やるべき事」

 

 

4種目まで終わり、僕・緑谷出久は現在……

 

(まずまずの成績。もっと伸ばせる所はあった様な気がするけど……でも、それを含めての個性把握テスト。僕は何を伸ばさないといけないのか、このテストで考えないといけないや)

 

自分の分析を一通り終えた僕は今度は自身の身体の状態を分析した。

 

(多少、痛い所はある。でもこれならまだ4種目までなら持つかな……)

 

実は、それぞれの種目で部位強化をする点を所々間違えてしまい、その負荷により身体中に痛みを感じていた。

 

(次は、ボール投げ……かっちゃんは705.2mを叩き出していた)

 

僕は かっちゃん をチラッと見ながら、さっきの かっちゃん のボール投げの記録を思い出し、どの部分を強化すべきかを考えながら、試験を行う所へ向かったが、やはり身体中に痛みを感じるのが応えて…辛かった。

 

それをあの人(・・・)は、じっと見ていた事に僕はまだ気づいていなかった。

 

 

第5種目:ボール投げ

 

「せい!!」

 

「はい、♾……」

 

「「「「「♾!!??」」」」」

この種目では、麗日さんはとんでもない記録を叩き出した。

っていやいや!!

 

"♾"って!!

 

これには僕はもちろん。凍花と焦凍くん、そして かっちゃん も空いた口が塞がらなかった。

 

この記録の後の次は僕。

ひとまず、麗日さんの記録は"個性"による効果ならば当然の記録だという事を深呼吸しながら認識し、ならば"誰"の記録と張り合うべきかを考えようとしたけど、答えは一つだった。

 

(かっちゃんの記録に"せめて"近づきたい!)

 

僕の使える最大出力ではどうしても かっちゃん に追い抜くなんてまず不可能だった。

ならばと、指先のみにキツイ痛み覚悟で100%と考えたがこの後の種目の事を考えると選択肢から外さざるを得なかった。

 

(とにかく、この種目に最適な箇所へ僕の出せる最大強化を…!!)

 

僕は"個性"を出す箇所とタイミングをイメージしつつ、ボールを投げる場所…円の中へ入った。

 

「緑谷くん……大分辛そうな表情をしているが身体の方は大丈夫だろうか?」

 

「デクくん立ち幅跳びの時、1回目に盛大にこけちゃってたし…不安。2回目は上手くい事跳んだけど」

 

(出久くん……大丈夫かな?)

 

「………クソが

 

みんなが注目する中、僕は今から投げるボールを見て集中する。

大丈夫。

 

力の調整は全てとは言わずともある程度、みんなと張り合えるぐらいには上手くできてる筈だ。

それはさっきの種目で証明できた。

 

今度も同じ……

いや、立ち幅跳びの時に"個性"を使う箇所を間違えて失敗したけど……大丈夫!

 

僕は強くなる。

オールマイトみたいに、

凍花や焦凍くんみたいに、

 

かっちゃんみたいに……

 

『アイツはヒーローに、なれねえ』

 

……今の、かっちゃんみたいに?

冗談じゃない!

 

今のかっちゃんに、負けたくない……

 

(ワン・フォー・オール・100%)

 

絶対に、負けたくないんだ!!

 

僕は、無意識の内に右腕に100%の"個性"を込めていた。

それを知ったのは投げる直前。

 

でも、今の僕は"それでいい"と判断していた。

100%の力なら、かっちゃんと張り合えるから……もしかしたら追い抜けるかもしれないから。

 

そんな希望を想い、

今、力を込めたボールを解き放ち………

 

 

 

「46m」

 

 

ありえない光景が僕に衝撃を与えた。

 

「ど、どうして……"個性"が発動しなか……!!」

 

僕はその原因を即座に理解し、"相澤先生"の方へ振り向いた。

 

「御察しの通り、"個性"を消した」

 

相澤先生は僕を睨みながら、近づいていく。

 

「全く、何度も個性を使わせやがって……」

 

そう告げると相澤先生はさらに睨みを強くし、捕縛武器を僕の身体に掛けて、更に近づいた…というより僕の方が相澤先生の方に寄せられた。

 

「さて、幾つかお前に質問をする。一つ目、お前は"個性"をある程度制御できるか?」

 

そう言って先生は僕に質問を始めた。

 

「……はい、出来ます」

 

「あぁ、そうだな。入試の映像を見ていたが、初めの動きから中盤まではまずまずだった。初めから中盤まではな」

 

……嘘をついたら即除籍と言わんばかりの目をしながら笑みを浮かべている。

こ、怖い。

 

「それじゃあ、二つ目。お前の"個性"にはまだ伸びしろがあり、それをいつでも発動できる状態だが、許容制限を無理をして使うと身体は自壊してしまう……違うか?」

 

「………事実、です」

 

その瞬間、相澤先生は笑みを崩し再び鋭い目付きになり、

 

「それを理解していながら、なんでさっき……"自分の腕"が壊れると分かっていた上で、そのままボールを投げようとした?」

 

僕の"個性"を止めた理由を述べて、その件について問い詰めた。

 

「…………」

 

「…質問を変えようか緑谷。入試の最後の機械(ヴィラン)の時もそうだったが、お前……何を焦っている?」

 

僕は、何も答えられなかった。

色んな事がごちゃごちゃになって、どう答えればいいか……分からなかったから。

 

相澤先生はそんな僕の表情を見て、溜息をし、語り始める。

 

「昔、とある暑苦しいヒーローが、大災害から一人で千人以上を救い出す伝説を創った」

 

(オールマイト………!)

 

相澤先生の言うヒーローは、恐らくオールマイトの事だと思う僕を他所に、先生は淡々と話を続ける。

 

「俺は当初、入試映像でお前を見た時……いつかの未来、あんなヒーローになるのかもしれないと、ほんの少しだが、思っていた」

 

「えっ!?」

 

驚く僕に対して先生は首を振り、

 

「だが、最終的に気のせいだったと判断した」

 

そう玉砕した。

 

「緑谷、何故そのヒーローは"たった一人"で千人以上の人達を救える事ができたのか……何故俺がお前の"個性"を止めたのか、その理由と真意が分からないのなら、例え同じ蛮勇でも…いや、"個性"の制御がある程度出来ていても…お前みたいな先急ぎは、必ず近い未来。何処かで判断を間違え、自身の可能性を殺し、その結果、少数の人達しか助けられない最もタチの悪い"木偶の坊"になるだけだ」

 

ハッキリ言うが緑谷出久。今のお前の"やり方"じゃ『ヒーロー』にはなれないよ

 

そう断言した。

 

『ヒーロー』になれないと断言され、困惑する僕に、

 

「"個性"は戻した…ボール投げは2回だ。後一回、とっとと済ませな」

 

相澤先生はそういって僕を捕縛布から解放した。

今、僕がやるべき事は……

 

@@@@

 

抹消ヒーロー、イレイザー・ヘッドでA組の担任である相澤と出久のやりとりを見ていたクラスメイトの反応は様々だった。

 

「恐らく、というかほぼ間違いなく指導を受けていたようだが……」

 

「除籍宣告だろ」

 

「おいおい!入試……とはいかずとも、今までの彼の記録を見ていなかったのかい!?」

 

「………チッ」

 

「………とはいえ、大丈夫だろうか?」

 

飯田は、出久が何らかの無茶をしているのではないかと薄々気づき始めており、それが相澤の気に触ったのではないかと推測していた。

 

彼の記録をこの目で見たとしても、相澤がかなりの怒気を発しているのが伝わり、彼はこのままで大丈夫なのか?と不安が付き纏うのは無理もなかった。

 

ちなみに爆豪は彼等のやりとり関係なく、自身の願望もあったためか除籍宣告だと言い切っていた。

 

「凍花、どう思う?」

 

「………少なくとも今日の出久くんは、あの時のせっかちでダメダメな出久くん」

 

中学の頃、否、異世界で彼と1年程行動を共にした事のある凍花は、今の彼の現状を一早く気づいていた。

 

「せっかちでダメダメ?」

 

「また急いで結果を出そうとしてるって事。"異世界"の時もそれで沢山失敗して、傷ついたりしたのに……」

 

「……焦燥か。気持ちは分からないでもねえけど」

 

「うん、私も焦凍と同じ。でもこのままじゃ……」

 

凍花は、追い込まれた出久を心配そうに見守る。

どうか彼が今、やるべき事を思い出すことを祈って……

 

しかし、彼女自身を侮辱した相手に追いつきたいから焦燥に駆られているという出久の今の気持ちまでは、もう既にあの時の事を気にしていない凍花は知る由も……

 

「凍花ちゃん。"異世界"って何?」

 

「!!」

 

「少し会話が聞こえちゃって……」

 

「いや、あれは世界一周旅行の時に出久くんと会った事があるからで…えっとその……い、いやぁアレはいい世界一周旅行だった…なぁって……」

 

「せ、世界一周旅行!?」

 

会話を聞かれたお茶子に対して、冷や汗流しながらありもしない言い訳を話し続ける、今の凍花に知る由もなかった。

 

そして、弟の焦凍は……

 

(凍花。俺達、家族旅行…行った事ないぞ)

 

何処かズレた突っ込みを内心思い浮かべていた。

 

@@@@

 

(ここで性懲りも無く玉砕覚悟の全力で最上の結果をとるか、はたまた萎縮してそこそこの成績を取るか……)

 

相澤は目薬を刺しながら、緑谷が考えうる選択肢を予想していた。

 

(まぁ、成長の余地は一応あるのは種目を通じて大体分かったし、ここで萎縮を選ぶのならば、まだ良い。だが、一瞬の栄光目的に玉砕覚悟の選択を取るつもりなら………はぁ…)

 

その時、彼は溜息を吐いた。

何故なら緑谷のボールを投げるモーションが、

 

「見込み」

 

1回目に止めた玉砕覚悟の時と、

 

「ゼロ」

 

全く同じだったのだから。

 

「んで、記録は705.2m。だが…!」

 

相澤は目を見開き、緑谷に向けて捕縛布を放とうとする直前、彼はそれより早く右腕を見せた。

その右腕を見た時、相澤は捕縛布を途中で止め………自然と笑みを浮かべていた。

 

何故なら、緑谷の投げた腕は……

それどころか"全ての指"すらも全くの無傷だったのだから。

 

@@@@

 

※ボールを投げる直前の緑谷。

 

(このままでは測定の結果の順位関係無しに除籍処分は確実だ)

 

僕は、相澤先生に説教を喰らってしまった。

というより、除籍宣告の一歩手前に近かったと今は思う。

 

何故なら、説教をした後の相澤先生のその目は次はないという最終通告と言わんばかりの睨みだった。

 

 

………右腕の力を、制御範囲まで抑えるべきか?

 

 

相澤先生の説教は、間違っていない。

 

入試の時は、麗日さんが助けてくれなかったら着地に失敗して……よくて大怪我、最悪死んでた。

そして今、玉砕覚悟の全力で投げた……間違いなく僕の腕は"個性"の力に耐えられず、大怪我は確実……最悪、後遺症も残りかねない。

 

僕の行動は、これからの未来を潰しかねない行動だった。

きっと、先生はそれを危惧しているから僕に忠告をしたんだ。

 

…………先生、心配かけてすみません。

 

僕は相澤先生に内心謝罪し、右腕を制御範囲に抑えようとした。

だけど、僕は相澤先生の言葉を思い出した。

 

『俺は当初、入試映像でお前を見た時……いつかの未来、あんなヒーローになるのかもしれないと、ほんの少しだが、思っていた』

 

………そういえば、相澤先生はどうして前半から中半の僕の事をそこそこ評価してくれた?

 

あの時、僕はどんな動きをした?

そもそも、どうやって入試の機械敵を倒した?

どうやって、危機に陥った受験者を助けた?

 

僕の個性は、ぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつ、そもそも……ぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつ…そうだ!

 

僕は右腕を個性の制御をできる範囲まで強化した。

それだけじゃない、全身を身体に影響を及ばさない範囲限界まで強化し、その上でボールを投げるのに最も重要な筋肉を……思い浮かべられた部分を、全身強化の時と同じ様に限界強化した。

 

全身強化:32%

部分強化:43%

 

ワン・フォー・オール:ボール投げの型……!!

 

僕は、ボール投げで記録を伸ばすのに必要なコツもプラスさせる。

 

+体重移動

+腕を大きく振る

+手首のスナップを意識

+斜め45度

+ext…………

 

それらを全て実践できた時、一瞬だけど、

 

「擬似……100%ぉぉォォォ!!!!」

 

オールマイトの"力"を再現出来る!!

 

 

これが、僕がボールを投げるまでの葛藤と作戦を考えた……30秒間の話である。

 

@@@@

 

相澤は緑谷の腕を凝視した。

全くの無傷の腕と指を……

 

そして、ある推測を立てた。

 

(ボール投げは基本、腕だけでなく全身の筋肉を使う事で良い記録が出る種目。しかし、ある部分の筋肉をより意識して鍛えれば記録は更に伸びる……あいつ!)

 

それは、緑谷がボールを投げるまでの30秒間の思考の内容とほぼ……

 

(それだけじゃない、ボール投げで身体の強化以外で記録を伸ばす方法も駆使した上でボールを投げた!!)

 

否、その推測は見事に当たっていた。

だけど、そんな事は通常ならばまず"分かっていなくても"、"分かっていても"出来ない。

 

普通の人間ならば、必ず何処かで知識や動きに綻びが生まれて記録は完璧に再現した本来の記録から大体下がってしまう。

 

だが、緑谷出久という男はそれを欠ける事なく、正確に知識を持った上で自身の持つ"個性"の限界を理解した上で"完璧なボール投げ"を再現してみせた……までは流石に相澤も推察はできない。

 

だけど、自身の予想していた結果の全てを翻して見せた緑谷出久という少年が力強く腕を回す姿に冷や汗を一滴流しつつ、「先生、まだまだ動けます!」と宣言した彼に対し、

 

「こいつ……」と笑みを浮かべた。

 

@@@@

 

緑谷のボール投げを見たクラスメイト達の反応は様々だった。

 

「何か凄かった!!」

「見事!見事、なのだが……心なしか彼の顔、というより脳辺りが真っ赤になっているような?」

「…ぎりスマートだね」

 

麗日はあの時の入試の出久を思い浮かべ、飯田は困難を乗り越えた少年に賞賛しつつも今度は顔が多少赤くなっている緑谷に疑問を浮かべ、青山は1回目の件がなければスマートだったと評価した。

 

「………凍花、乗り越えやがったな。あいつ」

 

双子の兄がそう微笑むと、凍花はしっかりと成長していた彼の姿を見て満面の笑顔で、「うんっ!」と微笑んだ。

 

緑谷に自身と同じ記録を付けられた爆豪は、

 

「………っ!」

 

信じられないと言わんばかりの驚愕の表情をし、膝から崩れ落ちかけた。

また、彼のちっぽけな自尊心に傷がついた。

 

……ついてしまった。

 

@@@@

 

そして、結果発表。

 

あの後の競技では、上体起こしは中々の記録を出せた、しかし長座体前屈は力を抜くのがコツだったが、普段の"個性"発動で力を普段から入れているせいもあり特に大した記録が出ず、持久走の直前にボール投げで自身の身体の代わりに酷使した脳による頭痛が発生したが、長座体前屈の反省を活かして、頭を真っ白に、考えずにリラックスの状態で持久走に臨み、まずまずの記録を出した。

 

……結局、ボール投げ以降の相澤先生による指導はなかった。

ひとまずは乗り切った。

 

………総合成績、僕は何位だろうか?

最下位…じゃないといいな。

 

でも、全員凄い記録を出していたし……

油断は出来ない。

 

「トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。口頭で説明するのは時間の無駄なので一括で開示する」

 

……とうとう開示される。

そしてその中の最下位の1人が、除籍

 

僕は型唾を飲みかけた……

 

「ちなみに」

 

時だった。

 

「除籍は嘘な」

 

飲みかけた、唾。

 

「君らの最大限を引き出す、合理的虚偽」

 

それは唐突の事実により、食道から気管の方に流れ……

 

「「「はーーーーーーーーーー!!!??」」」

「げほげふぉぉぉォォォ!!」

 

盛大に咳き込んだ。

みんなが絶叫する中、みんなより背の小さい……確か、"峰田くん"の魂が出掛かっていた。

 

「あんなのウソに決まってるじゃない…ちょっと考えれば分かりますわ…」

 

そう1人の女生徒……"八百万さん"が呆れ気味に驚く僕らに指摘する。

でも……

 

僕は咳き込みながらもあの時の相澤先生の目を思い出す。

 

(あれは、本気で僕がやらかした時、除籍しようとしてた目に見えた筈……気のせいだった、訳が……)

 

…………

 

「緑谷」

 

「はっはぃぃぃ……げふォォォォ!?」

 

相澤先生は僕に一枚の紙を手渡した。

 

「ばあさんの所へ行って治してもらえ。前半種目で無理した身体と5種目で身体や腕の代わりに酷使して頭痛が発生しかけた件もある。明日からは過酷な試練の目白押しだから……頭痛については帰ったら寝て休め」

 

「げっ……ふぉぉ…」

 

ず、頭痛の件までお見通しとは……

でも、除籍と言われなかったって事は……今の時点で、ほんの少しだけど認めてもらえたってことなのかな?

 

その後、僕は個性把握テストのトータル評点を確認したが、頭痛が酷くなった影響で、詳しい順位までは覚えられなかった。

 

少なくとも、最下位ではなかった。

 

それでも、身体の強化は勿論。考えすぎによる頭痛まで浮き彫りに……

課題はまだまだ多いぞ、僕……緑谷出久。

 

でも、これから学んでいくんだ!

憧れに近づく為に!!

 

@@@@

 

「相澤くんのウソつき!」

 

オールマイトは相澤の元に突然現れた。

彼はそれに驚く事もせずに、

 

「オールマイトさん。見てたんですね…暇なんですか?」

 

多少の苦言を述べた。

 

「"合理的虚偽"って……エイプリル・フールは1週間前に終わってるぜ?何せ君は、"去年の一年生…一クラス全員除籍処分"にしている」

 

オールマイトはそんな苦言を気にもとめずに相澤の嘘を指摘した。

 

「"見込みゼロ"と判断すれば迷わず切り捨てる。そんな男が前言撤回っ!それってさ!」

 

緑谷出久に可能性を感じたからだろう?

と指摘しようとした時だった。

 

「……少なくとも、あのテストでは"見込みゼロ"はいなかった」

 

「!!」

 

オールマイトは相澤の以外な評価に驚きを覚えつつ、嬉しさも感じた……所で、

 

「だけど、それは"個性把握テスト"に対しての話です」

 

バッサリと切り捨てた。

 

「相澤くん?」

 

「オールマイトさん。俺は見込みのない者は切り捨てます。半端に夢を追わせる事ほど残酷なものはない」

 

「………そうか」

 

オールマイトはそんな相澤に対し、君なりの優しさだと思いつつ、やはり合わないなと評した。

その相澤は、オールマイトとの話を経て、現在の1年生が入学する1週間前、オールマイトや自分と同じ"雄英卒業生"のヒーローとの根津校長を含めた対談の出来事を思い出していた。

 

@@@@

 

『……君が直々に来るとはね、"轟くん"』

 

根津校長に呼び出された相澤は、これまた面倒臭そうな"雄英卒業生"が来たと辟易していた。

 

なぜならその相手は……

 

『……えぇ、少々"娘"の件で忠告を』

 

フレイムヒーロー:エンデヴァーだったのだから。

 

@@@@

 

(要件は"娘"のトラウマについて……全く、親バカというか何というか……)

 

エンデヴァーの頼みを聞いた相澤は、そんな事など言われなくても分かっていると内心苛つきつつも、エンデヴァーがトラウマを抱える娘の苦悩を聞き、流石に無下にはできないと思った。

 

(まぁ、あの人は娘が実際にトラウマを克服出来ているのなら、娘の夢を尊重したいと言っていた。そう……トラウマを克服出来ていれば)

 

ヒーロー活動は市民の人命に直結する。

故に少しのミスも許されない。

 

トラウマを発症し、ヒーロー活動に支障がでるなど以ての外だ。

 

(1人の生徒に肩入れするのは良くない。だが……)

 

相澤は、緑谷を贔屓目にしている風を醸し出していたオールマイトの事を溜息混じりに思い浮かべつつ、

 

(家族からも心配される程の凍花のトラウマ。楽観視など絶対にしない)

 

凍花のトラウマの症状の重症度を見極め、もしもの時は即座に彼女に対して"除籍処分"を下す覚悟はしておかなければと気を引き締めた。

 

(だけど、それだけでは勿論だめだ。もう2度、"白雲"の件を繰り返さない為にも……彼女のトラウマに注視しつつ、戦闘訓練や救助訓練などでクラス全体を慎重に見極めなければな。凍花以外にも何かのトラウマなどの爆弾持ちがいるかも知れないからな)

 

相澤はこれからの教育の方針を考えながら、職員室へ戻るのだった。




次回予告:ナレーション(緑谷)

「個性把握テストを乗り切り、飯田くんや麗日さんと友達になれたのも束の間。その翌日は戦闘訓練が待っていた!」

「これから僕はコスチュームを纏う。お母さん、そして……"異世界に取り残された子供達"。僕は"みんな"の思いも背負っていく!!」

「決意新たに挑む、ライバル達との切磋琢磨を!!更に向こうへ……Puls Ult…げほげほっ!!まだ気管に唾が、げほげほっ!」

この作品の異世界設定、色々と変えるべき?

  • 変えるべき!
  • そのままでも大丈夫!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。