僕のヒーローアカデミア 《異世界帰りの緑谷出久》   作:青龍の鎧

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原作より早く個性を受け継いだ出久の次の特訓は?


4話

4話「磨け、個性」

 

「さて、これで君に個性が宿った!」

 

オールマイトは高らかに宣言したけど……

 

「特に身体に変化がないような?」

 

「近いうちに髪の毛が消化されて変化が起きる筈さ。その間はストレッチなどをして身体を慣れさせてみなさい」

 

「はい!」

 

その間、僕はランニングやストレッチなどの小運動をして身体を慣れさせると僕の身体の異変は不意に訪れた。

 

「うわっ!!」

 

突然、僕の中に熱い何かが吹き出しそうな凄まじい感覚を襲った。

 

「お…オールマイト!」

 

「来たか! 緑谷少年! 今、君の全身を緑色の電気とでも表現できるオーラが走り始めている。それが『ワン・フォー・オール』だ!」

 

「こ、これが…」

 

まさかここまでとは……

このままじゃ暴発してしまう!!

 

「ここからが肝心だ! いきなりグワァッ! とやったら体は壊れる。グッ! と締めて、ジワァッと広げていく感じで流していく。わかるかな?」

 

やばい…わからない!

オールマイト、きっと感覚で何とかしてきたタイプだろう。

 

「ま…ず……い、意識が……」

 

「くっ、このまま溜め続けたら身体が保たない。だが無闇に放ったら…今は人はまだ来ていないから、海に向けて放てば被害は問題ないと思うが…緑谷少年の骨や筋肉の大怪我は避けられない……く、まだ早熟だったか。すまない!!」

 

「そ……んな……事」

 

ダメだ、爆発する!!

僕の意識が途切れる瞬間。

 

一つの景色が見えた。

それは、【勇者】である彼女とのやり取りだった。

 

彼女が氷で纏わせてた剣を僕が称賛していた記憶…

 

『うわぁ、凄いや!剣に"氷"を纏わせてる!!これが勇者の力……それなら光や炎を纏わせることができるのかな?』

 

僕はキラキラした目で彼女を見つめたが、彼女は申し訳無さそうな顔をして首を振った。

 

『いいえ、私の力は元々秘めていた"力"による物。そもそもね、出久くん。"勇者の力"なんて都合の良い力は存在しないの』

 

『………え?』

 

『私は自分の秘めた"力"を他の誰よりも上手く扱える事ができたから、私を超える人がいなかったから私は最強と称えられて"勇者"と呼ばれたの』

 

……勇者特有の力が、ない?

 

『それじゃあ、君が持っている力はどうやって?』

 

『少なくとも"この世界"で身につけた物じゃないわ。私は………』

 

『え、それじゃあ君は一体……』

 

僕の質問に彼女は……

 

『"氷のドレス(アイス・プリンセス)"』

 

『うわぁ!!自身の身体に氷を纏わせた!!凄い凄い!!!!美しすぎる!!!!!』

 

自身の技を披露する事で誤魔化した。

それっきり彼女の出生を聞く事は、あれから出来なかったな……

 

それにしても氷を纏うのを見て大はしゃぎって……

僕って奴は、気にしなきゃいけない事……あっただろうが!

 

馬鹿野郎。

 

それにしても

 

纏う。

彼女は"氷"でやってみせた。

 

 

 

 

 

これを"力"に変えたら?

 

確か彼女はそれをする際に氷を掌から発動させる出力の話もしていた。

最初は失敗の連続だったけど、自身を蛇口に例えてハンドルを徐々に捻る感じにしたら上手く調整できたって………そういえば、異世界に蛇口ってあったっけ?

 

ええい、今は後回しだ!!

 

その間0.2秒。

 

僕は即座に思いついた事を実践した。

僕はまず一呼吸をし、自身を落ち着かせる。そうしたら暴れる力が多少落ち着いた気がした。その一瞬を見逃さずしっかり掴み全身に馴染ませ、力の制御を獲得する。

 

この過程は『力の鎧を纏う』とイメージして、力を纏わせた。

 

次に、徐々に『ワン・フォー・オール』の出力を上げて、溜まった力は全身に行き渡るようにイメージを続けて……

 

この過程は『蛇口のハンドルを徐々に捻る』とイメージして、力を正しく昇華していった。

 

その二つを合わせて……合わせて、合わせて!!

 

「おぉ……」

 

僕は『ワン・フォー・オール』の基本的な制御法のコツを少し掴む事ができた。

だけど、鎮める事がどうしてもできない。

 

「オールマイト、力の制御のコツは多少は掴めた気がしますが…完全に鎮める事が!」

 

「緑谷少年!グッジョブだ!!これならば鎮める方法は、君が掴んだコツの逆をすれば治るはずだ」

 

僕の掴んだコツの逆……!

力の鎧を外すか、蛇口のハンドルを徐々に閉めるか。

 

答えは簡単!

僕は『蛇口のハンドルを徐々に閉めていく』イメージを持ち、『ワン・フォー・オール』の沈静化に成功した。

 

「ふぅ……」

 

「見事だ!緑谷少年!!」

 

見事……なのかな?

 

「おやおや?やはり今の結果に不満かな?だが仕方ない!そもそも初めから上手くいくなんて都合の良い話はそうそう無い。だが、君の先程のコツを続けていけば『ワン・フォー・オール』もさらに君の身体に馴染み、更なる力へと変わるさ!」

 

「更なる力……」

 

「緑谷少年。これだけは聞いてくれ。君がさっき味わったように、この今の個性は一歩間違えたら君の身体に多大な負荷を背負ってしまう諸刃の剣だ。だから前みたいにオーバーワークな特訓をするのは絶対にオススメしない…というかしないでくれたまえ」

 

「……はい!」

 

さっきの凄まじい力は、大胆ではあるがどこか繊細さも混じっていた。オールマイトの言う通り、今の僕がすぐに無茶をしたらどこかの部分に確実に大怪我を負ってしまうだろう。

 

 

焦る事なく、確実な一歩を!

 

 

こうして、僕の本格的な"個性"訓練の幕が上がったのだった。

 

まずは力のコントロールを身につける為、初めは特訓場でイメージを繰り返す事に専念し、慣れ切ったのなら今度は力を定着させ、僕の身体(うつわ)を更に広げるべく普段の生活に『ワン・フォー・オール』を特訓中に常時発動させて、更なるコントロール技術を身につける。

 

ただし、キツくなってきたり暴発しそうな傾向を見て即座に解除する様にとオールマイトの指摘は何度かあった。

 

溜まっていた物を無理矢理押さえ込む…ホースいっぱいの水を無理矢理詰め物で抑えるみたいな事をしているも同然だったから、それをした後は気分が悪くなる事もあった。

 

そして2ヶ月後。

 

「『ワン・フォー・オール:フルカウル』!!」

 

僕はやっと安定して全身に個性を纏わせる事ができた。

たい焼きの下りをイメージしてようやく完璧にコツを掴めた!

 

だけどまだ全身は5%。

一部分なら10%

 

これではみんなとの差はまだまだ空いたままかもしれないと少し、焦り始めていたが……

 

「緑谷少年、そろそろ焦り始めているかな?君は顔に出やすいから……だからこそ慎重にならなければいけない!まだまだ油断したらいきなり凄い力が君の意志に反して出てきてしまうからね?」

 

「くぅ……分かっては、いますが……」

 

「なぁに、力のコントロールのコツを掴めたんだ。ここからは今の速度よりさらに強くなれる筈さ!!」

 

入試まで後、約3ヶ月。

 

僕はついオーバーワークをしてしまいたいと思う自分と戦い始めた。

その時はひたすら受験勉強と取り憑かれたように参考書の問題を解いて解いて……

 

「……緑谷少年。今日のトレーニングは一旦中止。それと鏡」

 

そこには酷くやつれた僕がいた。

個性のオーバーワークはどうにか抑えた物の、今度は勉強のオーバーワークをしてしまい、全く眠れていなかったのだ……

 

「す…すみま、ぐぅ…」

 

「君は本当に努力をし過ぎるな……」

 

私ことオールマイトは岩陰で眠る彼にタオルをかけて、ほんの少し笑みを浮かべた。

 

「とはいえ、緑谷少年は怪我に繋がりそうな無茶はあれからしていない。そのおかげもあってか『ワン・フォー・オール』の力が高まりつつあるのが伝わってくるが……」

 

私は空を見上げて、緑谷少年が打ち明けた異世界についての話を思い出した。

 

「きっと、君の努力はもう二度とあんな事を繰り返さないという決意が深く刻まれているのだろう」

 

自分を育ててくれた師匠と自分を認めてくれた勇者の死……

 

「彼の師匠は、【炎使いの幹部】とその一味の襲撃により死亡。勇者である彼女は……"魔王"と名乗る者によるエネルギー弾に直撃し死亡。異世界では『魔力』と呼んでいたか…」

 

私はふと、昔の自分の過去を思い出して拳を深く握りしめていた。

 

「緑谷少年。本当に、辛かっただろうな」

 

師匠と勇者を……いいや、彼はその他の仲間達の安否を確かめる事すら出来なかったのだから、彼の罪悪感が消えないのは無理もない話だった。

 

だけど、自分の言葉により立ち直り、私の予想をいつも超えて強くなっていく。

 

(とはいえ、ここまでよく大きな怪我もなく強くなれた物だ。本当なら緑谷少年は異世界での挫折が元で無茶な特訓をこっそりやっている物だと冷や冷やしていたが……この様子だと、逆にそんな自分を抑える努力をしていた)

 

よほど、師匠の教えが彼の心に響いたのだろうな。

 

「私もまだまだだ……」

 

今の私が、彼にできる事は……

おや?

 

これは、ノート!

私は緑谷少年の側に落ちていたノートを見つけた。

 

そのノートの持ち主は緑谷少年の物で、表紙に『緑谷出久の異世界レポート』という文字が刻まれていた。

 

(そういえば、少年はヒーローと(ヴィラン)の特徴と個性をノートによく書き込んでいたな)

 

私があの時サインしたボロボロのノートにもそれが書いてあった。

 

「まさか異世界でも同じ事をやっていたとは、これは勇者(ヒーロー)パーティーの詳細と…………!!??」

 

私は、そのノートの中身がつい気になってしまいパラパラとめくり始めて………(ヴィラン)のページを見た時、私は目を疑った。

 

 

(こ、これは……そんな…まさか!?)

 

 

衝撃を隠せなかった。

何故ならそのノートに書いてあった"奴ら"は……

 

警察やヒーロー(私達)が追い続けている(ヴィラン)!?

 

私は他に奴等の情報がないかノートを更に読むと……

私は、ノートを落としてしまった。

 

そして頭を抱えて、混乱する自分を落ち着かせようと深呼吸を続けていた。

私が更なる衝撃に襲われたページ。

 

 

僕と同じ異世界召喚者の仲間達というページ。

 

 

そこには一枚一枚の彼等の"写真"が貼ってあり、恐らくこの中の誰かが【カメラ】を異世界に持ち込んでいて、みんなの写真を撮り緑谷少年に渡したのだろうが、そこに写る子供達の姿が……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かつて世間を騒がせた10年前から始まった【連続神隠し事件】の被害者達の当時の写真に写っていた子供達の姿と、全く同じだったのだから。

 

そしてその内の一人の被害者である一人の女の子が数ヶ月前、緑谷少年が異世界に召喚される数日前に彼女は行方不明に……

 

「うぅん……。オールマイ……トォォォ!?ぼ、僕のノート!!」

 

緑谷少年は目を覚ますとノートを拾った私を見て相変わらずの反応をしていた。

顔を真っ赤にする緑谷少年は、

 

「あの…この、ノートは……異世界で会った僕と同じ境遇の子供達にどうしてもって頼まれたノートで………本当は魔王を倒して帰還した時に彼等に渡そうと……」

 

とこのノートの創作動機を語り始めたが、私は緑谷少年の両肩を強く掴んだ。

 

「緑谷少年!!」

 

「は、はひぃぃぃ!!」

 

まさか、彼が頼まれたからか趣味かで創ったノートが、

 

「警察の元へ向かう。ついてきてくれたまえ」

 

10年前から始まった謎だらけの事件の全貌が明らかになろうとは……

緑谷少年、グッジョブ!!

 

流石は私の後継者だ!!

 

そんな私の気持ちとは裏腹に、

 

「ひ、ひぇぇぇぇぇぇぇぇ!!??」

 

相変わらずの情けない悲鳴をあげていた。

一体なぜ彼は悲鳴をあげたんだろうな?

 

HAHAHA!!




衝撃の展開へ…!
次回、遂に【##】の正体が明らかに!

この作品の異世界設定、色々と変えるべき?

  • 変えるべき!
  • そのままでも大丈夫!
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