レベル上げじゃオラーーー!
私は今、昔あれ程怖くて仕方なかったエルロー大迷宮下層で暴れ回り、ガンガンレベルを上げていた。
こうなった経緯を説明してしんぜよう。
あの後、私はなんとか中層への道を発見して下層を脱出し、蜘蛛にとって相性最悪だったマグマ地獄の中層を抜け、めでたく上層へと生還する事に成功した。
中層攻略中に大量の魔物を経験値に変え、上位の火竜や火龍までぶっ倒した結果、上層に辿り着く頃には周辺じゃ敵なしってくらいに私は強くなったのであった。
さすが私。
さすわた。
そんな私は、下層と違って魔物のレベルも低く、中層と違って凶悪な地形に常時HPを減らされる訳でもない比較的安全な上層にマイホームを作り、しばらくゴロゴロダラダラしていた。
怠惰最高!
ヒッキーニート最高!
そんな感じで蜘蛛生を謳歌していた私を悲劇が襲う。
食料確保兼経験値稼ぎの為に魔物をちょこちょこ倒してる内に、四回目の進化が可能なレベルになって進化したのだ。
これだけなら別に何の問題もない。
むしろ、進化して強くなるのは喜ばしい事だ。
ただ、問題はその進化で『禁忌』のスキルがカンストしてしまった事だった。
そして、私はこの世界の真実の一端を知った。
カンストした禁忌から流れ込んできた膨大な情報。
とても一朝一夕じゃ処理しきれない程の膨大な情報量だったけど、解析できた部分だけでも、この世界の成り立ち、過去の出来事、スキルやステータスの秘密と、核地雷級の情報がいくつも出てきた。
更に、一番ヤバい確定事項がある。
それは、このままでは、この世界は確実に崩壊するという事だ。
冗談じゃない。
こんな世界と心中するなんて、まっぴらごめんだ。
だからこそ、私は今、力を求めている。
生き残る為には、世界規模の問題を何とかできるくらいの力を得なければならないからだ。
この世界では、敵を倒せば必ず強くなる。
システムがそういう風に出来ている。
だから、下層の強い連中を倒しまくって強くなるんじゃー!
おら、お前が経験値になるんだよ!
そんな感じで、ここ最近は空間魔法の『長距離転移』でちょくちょく下層に行ってレベル上げをしてる。
長距離転移は発動に時間がかかるけど、一度行った場所にはどこにでもテレポートできるという超便利魔法。
その日もマイホームでそれを発動させ、いつも通り下層に転移したんだけど、そしたら目の前にいつか見たようなオークが居てビックリしたわ。
しかもなんか、見間違えじゃなければオークの後ろに地龍っぽい奴の死体があるような……。
え?
まさかこいつ地龍殺したん?
嫌な予感がしつつも、咄嗟にいつも使ってる鑑定の上位スキルにして、性悪邪神の気紛れによってプレゼントされたぶっ壊れスキルである『叡智』を発動させた。
『オークジェネラル LV25 名前
ステータス
HP:10843/10843(緑)+680(詳細)
MP:710/710(青)+1599(詳細)
SP:5690/5690(黄)(詳細)
:7770/7770(赤)+0(詳細)
平均攻撃能力:9998(詳細)
平均防御能力:10590(詳細)
平均魔法能力:660(詳細)
平均抵抗能力:10660(詳細)
平均速度能力:3420(詳細)
スキル
「HP超速回復LV6」「MP回復速度LV6」「MP消費緩和LV6」「SP高速回復LV6」「SP消費大緩和LV8」「破壊大強化LV4」「打撃大強化LV4」「衝撃大強化LV4」「闘神法LV5」「気力付与LV7」「大気力撃LV8」「龍力LV1」「火炎攻撃LV2」「体術の天才LV10」「鉄壁LV10」「投擲LV10」「射出LV3」「集中LV10」「思考加速LV7」「予測LV6」「記録LV2」「命中LV10」「確率大補正LV1」「鑑定LV5」「気配感知LV10」「危険感知LV10」「隠密LV10」「隠蔽LV6」「無音LV10」「無臭LV10」「暴君LV1」「外道魔法LV1」「影魔法LV6」「不遜LV1」「飽食LV10」「破壊大耐性LV2」「打撃大耐性LV5」「斬撃大耐性LV3」「貫通大耐性LV3」「衝撃大耐性LV5」「火炎耐性LV3」「水耐性LV8」「風耐性LV6」「大地無効」「雷耐性LV7」「氷耐性LV5」「光耐性LV4」「闇耐性LV9」「重耐性LV8」「状態異常無効」「酸大耐性LV4」「腐食大耐性LV2」「気絶無効」「恐怖大耐性LV8」「外道耐性LV1」「苦痛無効」「痛覚大軽減LV8」「暗視LV10」「五感大強化LV7」「知覚領域拡張LV4」「神性領域拡張LV1」「魔量LV6」「天動LV5」「富天LV8」「韋駄天LV4」「力士LV10」「禁忌LV1」「n%I=W」
スキルポイント:10080
称号
「悪食」「暗殺者」「魔物殺し」「魔物の殺戮者」「魔物の天災」「血縁喰ライ」「龍殺し」』
いやいやいやいやいやいや。
待って待って待って待って。
突っ込みどころが多すぎる。
とりあえず真っ先に思った事は「強すぎるやろ!?」だった。
耐久系ステータス万超えとかマジっすか。
成長チートのぶっ壊れスキル『傲慢』を持ってる私ですら、叡智のおまけで付いてきた魔法系ステータス増強スキルの『星魔』と合わせて、ようやく魔法系ステータスがもうちょっとで万に届くかどうかってところなのに……。
スキルもそこらの魔物とは比べ物にならないくらい多い。
さすがに傲慢持ちの私に比べれば全然少ないし、その殆どが純粋な物理攻撃系と耐性スキルばっかりなところに、そこはかとない脳筋っぷりを感じるけど、その性能は決してバカにしていいもんじゃない。
なんだよ、あの耐性スキルの山は!?
ガッチガチやないか!?
耐性スキルの見本市かと思った地龍カグナを遥かに超えてやがる。
これを削り切れる奴なんて、私の知ってる限りだとマザーくらいじゃないかな。
アラバでもキツい気がする。
地龍にとって相性最悪の大地無効まで持ってるし。
まあ、アラバの戦闘技術があれば早々負ける事もないだろうけど。
え、私?
無理に決まってんだろ!
だって状態異常無効とかまで持ってんだぞ!
毒も邪眼も効かないんだぞ!
そして、一番気になるのは、その名前とn%I=Wのスキルだよ。
なんか名前二重になってるし、二重になって見える方の名前には見覚えがある。
士道力也。
前世のクラスメイトの名前だ。
相撲部所属ですっごい巨漢だったから、さすがに印象に残ってる。
『力士』なんてこれ見よがしなスキルまであるし、尚の事わかりやすい。
これって、やっぱりそういう事だよね。
このオーク転生者じゃねぇか!
いやー、私以外にもいたんだな転生者。
彼と私だけがピンポイントで転生したっていうのも考えにくいし、もしかしたらクラスメイト全員こっちの世界に転生してたりとかするんだろうか?
もしそうなら仲良く、は別にしなくていいけど、積極的に戦いたいとはさすがに思わないなー。
ほら、同郷のよしみって事で。
本音言うと、この化け物と戦うのは嫌でございます。
だからね、士道くんや。
臨戦態勢で威嚇してくるのやめてくれませんか!?
ああ、やめて!
地面に手をつけないで!
私、そのポーズ知ってる!
お相撲さんが、はっけよい! ってする直前のポーズだ!
ノー! ノー! ノー!
だから私に敵対の意志はないんだって!
いきなり背後に現れちゃった事は謝るから!
ほら、私無害ですよー。
私、君に何もしないよー。
あれ?
そういえば、常時発動してレベル上げしてる邪眼系のスキル切ったっけ?
転移していきなりだったから、そんな暇なかったような。
あれって視界に入った相手を問答無用で攻撃する回避不能のチート攻撃なんだけど……これもしかして、やっちゃった?
いくら士道くんには効かない攻撃って言っても、攻撃されたら反撃くらいするよね。
あ、そもそも私ってば無差別に威圧を撒き散らす「恐怖を齎す者」の称号とか持ってましたわ。
アッハッハ。
これ私から喧嘩売った感じになってるやんけ!?
どうしてこうなったーーー!?