転生してから多分一週間くらいが過ぎ、化け物に交じって生息してる弱い魔物を何匹か狩ってコソコソと生き延びてる内に、俺の体に変化があった。
《経験値が一定に達しました。個体、オークがLV1からLV2になりました》
《各種基礎能力値が上昇しました》
《スキル熟練度レベルアップボーナスを取得しました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『気配感知LV1』が『気配感知LV2』になりました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『隠密LV1』が『隠密LV2』になりました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『集中LV2』が『集中LV3』になりました》
《スキルポイントを入手しました》
何体目かの魔物を倒した時に聞こえてきた、このアナウンス。
これによって、なんか一気に強くなったような気がした。
しかも、なんか体が全回復してる。
今までの激闘で負ったダメージが綺麗さっぱり消え、おまけに空腹まで回復してる気がする。
これは素直にありがたい。
そして全回復も凄いが、俺が一気に強くなったのも確かだ。
それはレベルアップのせいもあるかもしれないが、それ以上に大きいのが体の成長。
オーク半端ねぇと言うべきか、なんと俺の体は生後一週間程度で、もう最初見た群れに居た平均的な大人オークくらいの身長へと急成長した。
大体、身長2メートルくらいだろうか。
一気に前世の俺を追い抜きやがった。
それに伴って、身体能力も一気に倍くらいに上がった気がする。
オークすげぇ。
だが、体がデカくなった事によって問題も発生している。
巨体になったせいで、隠れるのが難しくなったという事だ。
前まではそれなりに小柄だったおかげで隠れられた岩の陰とか、今でははみ出す。
こうなってくると、遠からず化け物どもに見つかる可能性が極めて高い。
もはや四の五の言っている余裕はない。
どんな手を使ってでも、早急に化け物どもに対抗できる力がいる!
そこで、俺はスキルポイントに手を出す事を決めた。
鑑定の二の舞になる可能性もあるが、どうせこのままでは死を待つのみだ。
最悪、全てのスキルポイントを無駄にするくらいの覚悟で戦力強化を図ろう。
その為には、まず大前提となるスキルポイントの使い方を理解する必要がある。
前にスキルポイントを使えた時の事を思い出してみよう。
あれは鑑定の悪夢だからあんまり思い出したくないが、確かあの時は頭の中に『鑑定』という言葉を想い描いて、それを取りたいと思ったらアナウンスが聞こえてきたんじゃなかったか?
だったら、それっぽいスキルの名前を想像して片っ端から思い浮かべれば、少しはヒットするのでは?
物は試しだ。
やってみよう。
ええっと、強化! 攻撃力上昇! 腕力上昇! 腕力強化! 強力!
《現在所持スキルポイントは79710です。
スキル『強力LV1』をスキルポイント100使用して取得可能です。
取得しますか?》
よし来たぁ!
効果はわかんないが、名前からしてとりあえず強くなる事は間違いないだろう。
間違いない筈だ。
そう信じて取得!
《『強力LV1』を取得しました。残りスキルポイント79610です》
よし、これでどこまで強くなったか……
《『強力LV1』が『力士LV1』に統合されました》
ん?
統、合?
……もしかしてこれ、またやっちまった?
いやいやいやいや、待て落ち着け。
冷静になって考えろ。
こんな感じのアナウンスには覚えがある。
確か『悪食』の称号を貰った時だ。
その時聞こえてきたアナウンスはこう。
《条件を満たしました。称号『悪食』を獲得しました》
《称号『悪食』の効果により、スキル『毒耐性LV1』『腐蝕耐性LV1』を獲得しました》
《『毒耐性LV1』が『毒耐性LV2』に統合されました》
《熟練度が一定に達しました。スキル『毒耐性LV2』が『毒耐性LV3』になりました》
こんな感じで、手に入った毒耐性が同じ毒耐性に統合されて熟練度とやらが上がり、スキルのレベルが上がった。
なら今回も、強力が統合されて力士の熟練度が上がったんじゃないか?
いや、そもそもスキル『力士』って何だって話だけれども。
もしかしなくても転生特典的なあれだろうか?
だとしたら粋な神様だな。
オークに転生させた事は許さんが。
しかし、強力なんてスキルが統合されるくらいだから、力士は俺の何かしらの力を強力にしてくれてると考えていい……のか?
正直、スキルに関しては鑑定の悪夢の印象が強すぎて今一信用できない。
だが、力士なんてスキルがあって、それを強化する手段があるのなら、願掛けの意味も込めて、いっそこれに全てを賭けてみるのも悪くないかもしれない。
恐らく強化系のスキルだと思うし、スキルポイントの使い方すらハッキリしないこの状況下で取れる選択肢の中ではマシな方だと思いたい。
少なくとも、鑑定みたいなゴミスキルを大量ゲットするよりはいい。
……よし、腹は決まった。
《現在所持スキルポイントは79610です。
スキル『強力LV1』をスキルポイント100使用して取得可能です。
取得しますか?》
《現在所持スキルポイントは79510です。
スキル『強力LV1』をスキルポイント100使用して取得可能です。
取得しますか?》
《現在所持スキルポイントは79410です。
スキル『強力LV1』をスキルポイント100使用して取得可能です。
取得しますか?》
その後、俺は実にスキルポイント10000を費やして強力のスキルを百回取得し、それを全て力士に統合した。
その結果、
《熟練度が一定に達しました。スキル『力士LV9』が『力士LV10』になりました》
力士カンスト。
恐らくだが、スキルレベルの上限は10だ。
根拠はある。
この前、元々生まれつき高レベルで持ってたと思われる『暗視』というスキルがレベル10になったんだが、そこから『視覚領域拡張』というスキルが派生という形で生えてきた。
その後、暗視には一切の音沙汰がない。
だから、スキルレベルは10が上限、もしくは一つの区切りなんじゃないかと思った訳だ。
もしそうなら、これ以上力士にスキルポイントを費やすのは得策じゃない。
いくらポイントを使っても、もう上がらないかもしれないのだから。
もしやるとしたら、今後力士がレベル11に上がったのを確認してからだな。
さて、スキルポイントはまだまだ残っている。
もっと色々試してみるか。
『オーク LV2 名前なし(
ステータス
HP:1200/1200(緑)
MP:22/22(青)
SP:120/120(黄)
:100/150(赤)
平均攻撃能力:1150
平均防御能力:1210
平均魔法能力:20
平均抵抗能力:1100
平均速度能力:90
スキル
「HP自動回復LV2」「鉄壁LV1」「集中LV3」「鑑定LV1」「気配感知LV8」「危険感知LV8」「隠密LV8」「無音LV7」「無臭LV7」「矜持LV1」「暗視LV10」「視覚領域拡張LV1」「状態異常耐性LV3」「酸耐性LV2」「恐怖耐性LV3」「苦痛耐性LV2」「力士LV10」「n%I=W」
スキルポイント:60000
称号
「悪食」』