古美術商殺人事件 その1
窓から差し込む陽の光でウェイバーは目覚めた。いつもならば
立ち上がって目一杯背伸びをしてみる。第四次聖杯戦争から十年経ち、アッドからは痩せぎす狐などと言われているが、当時とは見違えるほど成長した。しかし、スラーと比べて天井の低いこの家でも、今のウェイバーにとっては十分な開放感をもたらしている。
「夢だった…なんて事は流石に無いか」
魔術師としては失格間違い無しの発言をしながら、ウェイバーは気持ちを切り替える。
枕元に置いておいたスマートフォンにはメルヴィンから届いたメールの通知が来ていた。魔術師同士の遠隔通信と言えば使い魔や自動書記などが伝統的ではあるが、数年前に時計塔で没落しつつあった一派の魔術師が、ネットワークを利用した呪術を発明した。それによって時計塔の
『時計塔の秋葉原支部に問い合わせたけど、全く嫌になるね。こっちの事情を明かせないのもあるだろうけど、事なかれ主義? で米花町周辺の魔術師の事を全然答えてくれない。遊園地について調べてみたけど、あの土地の一部は霊地だったよ。元々あの土地を所有していたのは
時計塔でも霊脈を貸し出すのは魔術師の資金稼ぎとしてポピュラーな手段の一つで、有名デパートや映画館のテナント先が有力な魔術師の霊地だった、という事はザラだ。とは言え、売りに出してしまえば霊脈の管理も出来なくなってしまう。そうなれば滞留したマナによる霊障などの被害が起きてしまうかもしれない。
「時計塔がそこまで非協力的とは思わなかったな…いっそ正体を明かした方が良いのか? これ以上下がる地位でも無いだろうし」
だが愛しい
と、ドアをノックする音がした。こちらの事情を知らない阿笠氏は明るい調子で尋ねてきた。
「おはようウェイバー君、起きてるかの?」
「あ、はい…よく眠れました」
「それは結構。朝ご飯がもうすぐ出来るから下に来なさい」
メルヴィンから渡された旅行バッグには、昨日来ていた服と同じものが上下四セット入っていた。代わり映えしない服装ではあるが、旅先ではそんな事に構っていられない。
「おはようございます」
一階に降りると、机には食事が四人分並んでいた。机にはマーマレードジャムの瓶が置かれ、シリアルにベーコンエッグ、スライスされたトマトと簡素ながら伝統的なイングリッシュ・ブレックファストだった。
「おはよう、ウェイバーさん。もうすぐパンが焼けるよ」
コナンは年相応の無邪気な声でウェイバーに話しかけてきた。
「あぁ…おはよう」
パンを皿に乗せて戻ると、阿笠氏の隣に、もう一人コナンと同年代であろう少女がいた。ウェーブ状の赤みがかった茶髪で、幼いながらも整った容姿をしている。
「阿笠さん、彼女は…?」
「ワシの遠い親戚の子供でな、
『頂きます』
「えっと…頂きます」
お祈りでも捧げた方がらしく見えるのだろうが、わざわざ聖堂協会の肩を持つのも癪なのでたどたどしい日本語でお茶を濁す。
「そう言えばウェイバー君は大学生だったかの、どこに通っておるんじゃ?」
「
「おぉ、少し前にできた芸術系の大学じゃな」
神秘の漏洩を防ぐため、魔術師たちの学び舎でもある時計塔は、「ロンドン郊外を本拠地として各地にキャンパスが点在する芸術大学」という体裁を取っている。一般人の入学は出来ないが、ホームページを作ったり、それらしいオープンキャンパスを行ったりするなどの工作をしている。名称に関しては人口に膾炙する事への批判もあったが、ロード・バリュエレータが工作を一手に引き受ける交換条件としてゴリ押した。名前が広まった程度で廃れる権威なぞいらん、と彼女は嬉々として語っていた。
そんな会話をする中、テレビでは地元でのニュースを報道していた。殺人、強盗、誘拐と様々な内容の事件が語られる。
「結構物騒なんですね」
「これでもいつもよりは少ない方よ」
「そうだな。じゃあ博士、そろそろ学校行ってくる」
「気を付けての~」
ウェイバーは違和感を覚えた。あまりに事件に無頓着過ぎる。地元で起きた事件であり、日本は安全な国だと聞く。保護者が通学に同行してもおかしくないはずだが、阿笠氏もコナンもそれが日常であるかのように行動している。まずはこの街自体を調べてみるか、とウェイバーはコーヒーで自身に覚醒を促しながら当面の目標を定めた。
2部6章で今までFGOやってて初めて、新ストーリーで登場したサーヴァントをその章のPUガチャで全て召喚する、って事が起きました。水着イベで爆死しそう……。
ウェイバーの日光が目覚まし時計は旅をしていた中ではそれなりに自活できてたので、日差しの強い中東やギリシャ地域ではそんな感じで朝の弱さをごまかしてたのかな、と。
時計塔はそれなりに情報公開してそうなんですが、バリュエレータさんはmacとか購入してそうなんで、本人の魔術とかも併せて芸大扱いにしました。美術品とかで魔術の触媒になりそうなものありそう。