水着イベント面白かったですね、復刻ではクリストファー君PUとかやって欲しいです。
「
静粛であるべき図書館の中にいる事を忘れウェイバーは毒づいた。スクラップ化された新聞を読むと、この街は身近な人物が犯人であった殺人事件が異様に多く起こっていた。何せこの米花図書館でも、前任の館長が密売していた麻薬を見られたからという理由で部下を殺害する事件を起こしていた程だ。あまりに事件が発生していて感覚が麻痺しているのか、正体不明の宝石泥棒を撃退した事が一面記事になっているのには笑ってしまった。しかもその立役者として記事に掲載されている写真の人物はウェイバーにとってつい数時間前に別れたばかりの少年だった。
「あの少年が…子供の冗談かと思ってたが、本当に探偵なのかもしれないな」
この街が特異な環境にある事は分かったし、予想外の発見もあった。
「
魔術によってセーフゾーンを作る事が目的であり、自分達はそれを破壊しようとした結果敵対してしまった。これならば結界魔術としては効果の薄いものを実行していた理由にも納得がいく。そう考えると霊地を手放した事も何かしらの考えがあった上での事なのだろうか。
スマートフォンに着信が入った。これ以上得られる情報は無いと判断して図書館を出てから応答する。
『あ、ウェイバーかい? 霊地を手放した彼だけど、会ってくれなかったよ。アポ無しだったからかなぁ? 君の場合は各地の魔術師の家で教師をやって食いつないで来れたのに』
「……土地の
『直接会ってもくれなかったからねぇ。古美術品の中にある魔術的な触媒の取引をしているだけで、もう魔術師としては第一線を退いているのかもね』
「そうか…。メルヴィン、この街がやけに殺人事件が多い事は知ってるよな? わざわざ支社を建てたのに周辺調査をしないなんて事は無いだろうし」
『知ってるよ。それに、時計塔にも動きが無い事も』
時計塔は魔術師達の神秘の漏洩を取り締まる存在としての側面もあり、その対象がどれほど有力な存在かどうかも関係ない。そんな時計塔が確認している上で動きが無いと言う事は、魔術的な仕掛けが無い事を示している。つまり、真っ当な方法で犯行を遂げた人間の存在する犯罪は表の事柄であり、犯行が多発しているのは偶々殺人事件が起きやすい土地だった、という判断なのだろう。
「新聞記事を見てお前が阿笠氏の下で過ごすように言った意味が分かったよ。コナン君だろ?」
『おや、分かっちゃったか。魔術師である君が巻き込まれたとは言っても、こう言う事件なら探偵に任せた方が良いかなと思って』
「探偵か…」
「あれ? ウェイバーさんだ」
コナンは急に阿笠邸に同居することになった外国人の姿を見かけた。
「あの人が阿笠博士の家に来たっていう人ですか?」
コナンの周りには四人の同年代の少年少女がいた。コナンと同じくらいの背丈で髪を両分けにした少年が尋ねる。
「そうよ。あまり話をしてないから詳しくは知らないけど、イギリスから来たらしいわ」
答えたのは灰原だ。その表情はウェイバーを警戒しているようにも見える。
「そうなんだ、イギリスってコナン君が行ってみたいって言ってたよね!」
おかっぱ頭の少女が明るく話題を変える。
「まぁな。ホームズの聖地でもあるし…」
「なぁイギリスって何だ? 食い物か?」
五人の中で最も恰幅のいい体形をした少年が尋ねる。
「元太君、イギリスは食べ物じゃなくて国ですよ」
誰ともなく笑い、和気藹々とした雰囲気が流れる。
ウェイバーは小学生らしく騒ぐ彼らを見ながら、阿笠邸へと帰路についた。この小さくなった体の異変を解決するには魔術だけでは手札が足りない。この街がまだまともと言える理由の一つである存在に会ってみれば、何か知見を得られるだろうか。
「会ってみるか…名探偵の毛利小五郎に」
タイトルに入れた事件がいつまでも発生しない……