ヒロアカ転生人格変貌   作:七瀬一五

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【軍隊】
 超常黎明期において彼らは大いに活躍した。規格化された武器、同じ格好、機械的に指示をこなす姿。彼らは人の形が基準ではなくなろうとした時において、民衆の希望として大いに活躍した。
 しかし、年月に経つにつれて人は人間らしさを失った。
 『異能』は『個性』へと変わり、国家による暴力装置は時代と共に消えた。今ではアメリカしか軍を持っておらず、役割も他国からの侵攻が第一ではなくなっている。


2000m持久走

持久走。

 大体の学校では男女別に行われる種目だが、ヒーロー養成学校である雄英高校は個性によって分けている。その理由は、当然ながら人によって個性は違うからだ。

 全力で走れば周囲に危害が及ぶ個性もいれば、走ることに個性が関係ない者もいる。また、走るということに特化している個性持ちもおり、純粋に身体的に不利な者もいるのだ。いくらプロヒーローが担任をやっていると言えども、安全に行うのは難しい。

 

 故に、これまでの体力テストを鑑みた結果。緑谷出久、爆豪勝己、轟焦凍、飯田天哉、夜神刹那の五名だけで走るということになった。

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

「デク、行くぞ」

 

 持久走が終わったクラスメイトを見て、緑谷に声をかける爆豪。既に立ち上がっていた彼女は、座っている彼に手を差し出そうとするか一瞬迷う。そして、その隙に緑谷は立ってしまったので結局やめた。

 しかし、彼は爆豪が何を考えていたかをは察している。ただ、それを言うのは彼女に悪いと思ったので別のことを話しかけた。

 

「もうみんな走り終わったんだ。早いね」

 

 やっぱり長距離を走る前は妙に緊張する。当たり障りのない話題と思ったが、それにしたってもう少しあっただろう。

 緑谷は普段の実力をしっかりと出せるか不安になってくるが、ゆっくりと深呼吸をして心を落ち着かせた。

 

「個性使ってんだから当たり前だろ」

「そうかな。僕の個性みたいな増強型はこういう肉体的な競技だとすごく役立つけど、別のことに先鋭化した個性はこういう場では能力を発揮しづらいんじゃないかな」

「先鋭化ねぇ」

「プロならまだしも、僕たちはまだヒーローの卵未満だからね。応用の仕方とかはどうしても経験を積まない身に付かないよ」

「…だったらよデク。あいつをどうなんだ?」

 

 かっちゃんが視線で示した先に目を向けると、楽しく談笑している女子が目に入った。

 

「走る速さこそ正義!分かりやすく単純で足を地面につける必要もない。素晴らしい競技だ!」

「そうだね。さっきみたいにあんたが失敗しないことをウチは祈っておくよ」

「ふっ、問題は既に八百万のおかげで半分解決したのさ!先ほどのような無様な失敗は晒すまい!」

「あの、そんなに期待されると困るのですが…」

 

 夜神刹那。

 創作物でしか見たことのない白い軍服を羽織った黒髪赤目の少女。ほとんどのクラスメイトが注目しているであろう彼女について聞かれ、僕は返答に困った。

 

「どうって…何が?」

「あいつの個性だよ。どう考えても学生の範疇に収まってるレベルじゃねぇだろ。規模も出力もプロレベル…いや、下手すりゃそれ以上だ。正直言って同級生とは思えねぇ」

「そうだね…僕は入学する前までさっきの考えを持ってたんだけど、例外っているんだね」

 

 彼女の噂はネット上で話題になっていた。

 入試では多数の怪我人を出し、ヒーローになろうとしている人間の行動なのかと議論もされた。まぁ、大体の人間はそういう時期の少女なのだろうと、昔の自分を思い出して納得している。

 

「例外ねぇ。あんだけの力があんのに思いっきり失敗してんのも謎だしなぁ」

「びっくりするくらい落ち込んでたよね。すぐに立ち直ってたけど」

 

 彼らがそんな会話をする近くで、轟焦凍(とどろきしょうと)はじっと夜神を見ていた。

 

 何を言うわけでもなく、ドロリとした目で彼女を見ている。夜神はそれに気づいているが、今はまだ時ではないので知らないフリをしていた。

 

「(友人になりたいものだが、私の強さでは今の彼にとって越えるべき壁でしかないからな。緑谷に頑張って丸くしてもらおう)」

 

 各々が様々な思考をしながら、五人はスタート位置に立った。

 

「それじゃ、いくぞ」

 

 相澤先生の声に従って、全員が個性の発動を始める。冷気が漏れ、エンジン音や小さな爆破音が鳴り、機械と筋肉の軋む音が響く。

 

「(ワン・フォー・オール“10%”)」

「機械励起」

 

 そして、全員の準備が終わった瞬間。

 

「よーい、どん」

 

 勝負はスタートした。

 

「ふははは!私が一番を()る!」

 

 まず最初に飛び出したのは夜神刹那。地面から10cmほど浮き、鋼の翼で鳥のように低空飛行で爆走している。

 

「(わかっていたが速い。だが、俺が走りで負けるわけにはいかない!)」

 

 その後ろに飯田天哉。少し離れて轟、次に爆豪、最後に緑谷という順番になっている。

 また、この持久走の距離は2000mであり、雄英高校の巨大なグランドに書かれたトラックを一週するだけで完了する。そして、今走っている彼らならば3分以内に決着が着くだろう。

 

 現に夜神は300m地点をもう過ぎ、最初のカーブに差し掛かった。だが、今の彼女の速度では曲がりきることなど到底できない。もし無理に曲がれば内臓がミックスされ、血液ジュースが彼女の身体の中を満たすだろう。

 

「全機翼展…開!」

 

 つまり、彼女にとって問題ない。

 夜神は鋼鉄の翼を4対、合計10本の翼を一瞬で生やした。それによって彼女の肉体の空気抵抗が爆発的に増え、ギリギリ曲がれるスピードまで減衰。

 そして、すぐさま翼を元の数に戻して加速した。

 

「(アバラが五本折れたが問題はな…)」

「先に行かせてもらう!」

 

 しかし、その一瞬の減速の隙に飯田天哉は彼女を抜かした。地面スレスレになるほど斜めになりながらも、スピードを落とさず華麗にカーブを曲がっている。

 

「なにっ!」

 

 この世界の人間はそれぞれ個性に対応した肉体をしている。電気を扱う者なら電気に強く、炎を使う者ならば炎に強い耐性を持つ。

 故に、エンジンの個性を持つ者ならば速さに適応する眼と脳、そして優れた体幹を持っている。加えて、彼は有名なヒーロー一家の一人だ。幼い頃から自身の個性について、しっかりと教えられている。

 

「(直線距離で俺は彼女には勝てないだろう。だが、これならば勝機はある!)」

 

 彼が思っている通り、この競技が直線であった場合。彼女に勝てる者いない。飯田と夜神には、バイクエンジンとロケットエンジンほどの差があるのだから。

 

「(しかし、それはロケットの方が全てにおいて優れているというわけではない)」

 

 大元の肉体が半分なくなっている私にとって、個性の発動はどうしても大雑把になってしまう。そのため、小回りという点では彼に軍配が挙がる。

 再生能力のある彼女にとって、隙は別に弱点ではない。だが、今この瞬間においては明確に夜神の欠点となっている。

 

 そして、彼女が同じように二つ目のカーブを曲がった時。轟焦凍が動きを見せた。

 

「はーっ…」

 

 氷の生成速度が上がったのだ。

 彼の能力をフルに使えば、もっとスピードを出すことができる。しかし、今の彼が自身の父親から受け継いだ個性を使うわけがない。故に、身体を温めることも炎で速さを増すこともできないのだ。

 

「(あと1000mなら俺は耐えられる…!)」

 

 氷だけを使っていれば時間制限ができてしまう。だからこそ使うタイミングが重要なのだ。非効率な考えをしているが、それが今の彼を形作っているのでしょうがない。

 

 だが、ラストスパートに向けて全力を使用するのは轟だけではない。他二人も温存していた力を解放しようとしていた。

 

「(ワン・フォー・オール“20%”!)」

「(爆・速!)」

 

 緑谷は個性の出力を上げ、爆豪は更に爆破の威力を高めた。ゲンサクとは違い、緑谷出久という少年は『ワン・フォー・オール』を受け取ってから半年以上が経過している。

 また、爆豪勝己という少女も彼と共にオールマイトの指導を受けていた。故に、元の歴史よりも彼らはパワーアップしている。

 

「(バタフライエフェクトという奴か。思ったより速くて追い抜かれそうだ。あ、抜かれた)」

 

 やはり飛ぶという選択は間違いであったか?いや、カッコつけて見栄えの良い金属で翼を構成したせいだな。もうちょい軽いのにするべきであった。

 

「(だが、1位は私だ!)」

 

 現在の順位は、飯田天哉を先頭に緑谷、爆豪、轟、夜神となっている。そして、既に全員が半周を越えていた。

 このまま行けば、飯田が1位になることは誰の目にも明らかだった。

 

「全機構駆動開始!」

 

 しかし、確定しない未来を夜神は認めない。

 残り半分を切り、彼女もラストスパートのために力を解放した。

 

「(全機翼一番から十番まで解放。血液の電流変換100%まで超過。加速機構、全出力過剰発動)」

 

 五対の鋼翼を全て解放し、青白い電流が彼女の周囲に浮かび上がってきている。異常なまでの排気音が周囲に響き、それが彼女の全力を物語っていた。

 

「(そうだ。追いつけないのならば、もっと速く飛べばいいんだ)」

 

 なんとも子供じみた無茶苦茶な発想。

 だが、彼女の『個性』はそれを可能にする。

 

「同調完了」

 

 五対十枚の翼から青い炎が吹き出し、夜神は更に加速した。残り800m。1位との距離は約400mであり、彼女が追いつくことは難しい。しかし、今の夜神であれば話は別だ。

 

「(変形した…?だが、抜かされる訳には…)」

「お先だ」

「なっ…」

 

 轟がそう考えていると、夜神は彼をあっさりと抜き去った。

 そして、思い切り壁に激突した。今の彼女は音速に近いスピードを出すことができる。だが、別に夜神はそれを制御できるわけではない。

 

「ククク、雄英の壁が頑丈で良かった」

 

 故に、彼女は壁を緩衝材として使ったのだ。一般的な学校と比べても強度は数十倍だが、衝撃でがっつり壊れている。だが、そこで躊躇する彼女ではない。

 

「機翼点火!」

 

 あろうことか夜神は、壁に突っ込んだままスラスターを噴射して強引に壁から抜け出した。衝撃で外壁は上と下に裂け、フェンス修復不可能なほど曲がっている。

 

「(雄英の壁がトラックと並行で助かった。おかげで飛び(はしり)やすい)」

 

 ゴリゴリと外壁が削られていく音を出しながら、彼女は爆豪を抜かした。

 そして、それを確認すると彼女は思い切り壁を蹴り、無理やり飛ぶ方向を変えた。だが、その衝撃で外壁には大きな穴が出来てしまっている。

 

「(本当にデタラメだなおい!)」 

 

 その光景を見た爆豪は心の中で思わず叫んだ。

 

 彼女の思う通り夜神はデタラメである。アホみたいな速度で飛び、何を考えているのか更に加速して壁に衝突。そして、そのまま壁を削りながら爆豪を抜かした。

 全くもって意味不明である。

 

「あと二人だ!」

 

 夜神がそう口に出した時、飯田のゴールまでの距離は約200m。彼ならば10秒もかからないだろう。だが、今の彼女ならば5秒で飯田天哉に追いつける。そして、彼を抜けるということは緑谷よりも速いということだ。

 

 それを察したのか、夜神が爆豪を抜いた瞬間。飯田と緑谷はほぼ同時に加速した。

 

「(さすがは入試1位の夜神さんだ。でも、僕もかっちゃんのために負けられないな!)」

 

 緑谷はさっきよりも『ワン・フォー・オール』の出力を上げ、飯田を抜きにかかる。

 

「(勝負を決めに来たか。だが、俺が走りで負けるわけにはいかない!)」

 

 しかし、それを許す彼ではない。飯田天哉もまた己の限界を越えたスピードへと至ろうとしていた。

 

「勝つのは私だ!」

 

 だが、彼らを追い抜こうと夜神が後ろから追い上げてきた。音速に近いスピードで、あっという間に二人に肉薄する。そして、ゴール直前で三人は横並びになり、肉眼ではほぼ同時にゴールテープを切った。

 

「はいゴール。おつかれ」

「はぁ…はぁ…足が痛い…」

「ゼェ…ゼェ…緑谷くん大丈夫か…後で…保健室に行った方が…いいぞ…」

「そう…だね…」

 

 緑谷と飯田はゴールして少し歩いたあと、地面に仰向けに倒れこんだ。どちらも全力以上の力をを出したため、疲れきっている。

 

「飯田天哉、記録1分13秒。緑谷出久、記録1分13秒1。夜神刹那、記録1分13秒15」

 

 ふむ。全力を出す判断が遅かったな。思っていたよりも彼らが速くて驚いた。人の成長は私が思うより早いものだな。

 

「二人とも速いな。流石だ」

「夜神さんも…速かったよ…」

「あぁ…次に走ったら…俺は恐らく…負けるだろう…」

 

 そう言ってもらえるが、私は人工的に作られた存在だからな。天然の彼らとは比べる物ではないのだ。まぁ、褒められるのは純粋に嬉しいので心の中で喜んでおこう。

 

「いや、私の肉体は悪辣なる魔王によって創造されたものだ。前提が違うので、称賛は素直に受け取ってくれると嬉しい」

「そっか…言ってることはわかんないけど、ありがとう」

「君の発言は少し理解できないが…感謝する夜神さん」

「うむ」

 

 別に感謝されたかったわけではないが、まあ良いか。それに、こうして伏線を撒いておけば私が正体を明かした時に理解しやすいはずだ。

 まぁ、いつその時が到来するかは考えてないがね。

 

「爆豪勝己、記録1分27秒」

「クソが!」

「轟焦凍、記録1分36秒」

「………」

 

 少し遅れて残りの二人もゴールした。

 ようやく全ての競技が終了し、ついに除籍される者が言い渡される時が来た。

 

「んじゃパパっと結果発表」

 

 全員が集まると、先生はサラッと話し始めた。

 

「トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。口頭で説明すんのは時間の無駄なので一括開示する」

 

 各々が様々な感情を抱えながら、表示された結果を見る。喜ぶ者、落ち込む者、反応は様々だが皆が気にしているのは最下位の人間。

 自然とその者に視線が集まろうとした時。

 

「ちなみに除籍は嘘な」

 

 相澤は見計らったかのようにそう言った。

 

「「「…!?」」」

 

 生徒たちはその言葉に一瞬で静かになり、驚愕の表情をしている。そんな彼らに相澤消太はニヤリと笑う。

 

「君らの最大限を引き出す合理的虚偽」

 

 その言葉に嘘はない。見込みのない人間がいれば本当に除籍されたかもしれないが、少なくと今回はいなかった。なので、ある意味で虚偽なのだ。

 

「「「はー!!!??」」」

 

 ほとんどの生徒が驚いているが、夜神は当然ながら分かっていたので彼らの驚愕ぶりを楽しんでいた。

 

「あんなのウソに決まってるじゃない…ちょっと考えればわかりますわ…」

「仮に本当だったとしても実力があれば問題ねぇ!なぁデク!」

「そうだね。でも、初日で除籍されるのは怖いからかいつも以上に全力を出せたよ」

 

 また、何人かの生徒は相澤先生の言葉を嘘だと思っていたり、実力さえあれば問題ではないと考えていたようだ。

 

「(まぁ、私は学校の壁を少し壊したから除籍になるかもと思っていたがな)」

 

 少しどころか10mほど壁が壊れているが、雄英にはコンクリートを自在に操れる人間がいるので特に問題はない。

 

「これにて終わりだ。教室にカリキュラム等の書類あるから目ぇ通しとけ」

 

 こうして一分足らずで体力測定の結果発表は終了した。

 

「緑谷、足に痛みがあるならリカバリーガール(ばあさん)のとこ行って治してもらえ」

「は、はい!」

 

 ふむ。ゲンサクでは指一本が重傷だったが、この世界では足に軽くヒビが入っているようだな。このような差異が生まれるとは面白いものだ。

 

「(やはり学校に入学して良かった)」

「あと、夜神は放課後に職員室に来るように」

「…なぜだ?」

「あれがお前にとっての合理的なやり方だとはわかるが、一応ここはヒーロー養成機関だ。周囲に被害を与えた罰は受けてもらう」

「あー…了解した先生」

「それじゃ解散」

 

 その後、彼女は小一時間ほど怒られた。

 ただ、相澤先生の説教は五分くらいで終わった。長くなったのは、入試の件で校長先生まで出てきてしまったからである。

 

 ちなみに、体力測定の最下位は峰田であった。1位は緑谷で、2位は八百万。そして、夜神は3位である。

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

「ふぅ…終わったか」

 

 初日ということもあり、今日は午前中には帰れる予定であった。しかし、怒られたせいで夜神の帰る時間は遅れ、今は正午を少し過ぎたくらいである。

 

「(壊理に昼食を用意しておいて良かった)」

 

 普通に午前で帰宅することを忘れていたが、結果的にプラスに働いたな。しかし、私の昼食はどうしようか。

 学食はやっていないし、そこら辺に寄るのも面倒だ。

 

「あっ、やっと来た。遅いよ刹那」

「ん?」

 

 そんなわけで昼飯のことを考えていたら、響花の声が聞こえた。声のする方に目を向ければ、校門の前に彼女が立っているではないか。

 そして、その横には八百万百がいる。

 

「とっくに帰ったと思っていたが…私を待っていてくれたのか。嬉しいものだな」

「別に…八百万さんが刹那と話したいって言ってたから待ってただけだし」

「まぁ、そういうことにしておこう」

 

 話というのは十中八九私の身体の事だと思うが、わざわざ待ってくれるとは律儀なものだ。初対面の人間にここまで良くしてくれるとはね。悪い男に引っ掛かりそうだ。

 

「で、八百万。話とは何だ?」

「はい。夜神さんの骨の強化の案を伝えに来ました」

  

 ウム、予想通りだな。しかし考えつくのが早いな。流石は推薦組だ。

 

「ほう…それは楽しみだ」

「刹那がこれより強くなるのか…先生の心労が酷くなりそう」

「ふふ。あくまで案ですから、夜神さんに試してもらうまでは机上の空論そのものですわ」

 

 机上の空論。いつ聞いても響きが好きだな。いつかカッコよく使ってみたいものだ。

 

「では、歩きながら話そう。ついでに昼飯をどこで食べるかも考えながらね」

「ウチは駅前のマックでいいかな。八百万さんは?」

「えっ、私も一緒に行っても良いのですか?」

「当たり前じゃん。友達なんだし」

「友達…!」

 

 こうして、私の学校初日は終わった。

 友達が一人増え、印象に残る自己紹介もできた。良いスタートを切れたと思う。意図せずではないが、欠点みたいな物も知られて親しみ易さもバッチリである。

 

「では、私もマクドナルド行ってみたいですわ!」

「夜神は?」

「八百万百と意見は同じだ」

「オッケー、じゃあ決まりだね」

 

 明日の学校も楽しみだ。

 




【ワン・フォー・オール】
 緑谷がオールマイトから受け継いだ個性。
 原作とは違い既に使いこなしており、出力は20%くらいなら制御できるようになっている。
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