一つの都市の完全壊滅によって、日本は約八兆円以上の経済損失を受けた。
また数多くの有力なヒーローも亡くなったため、一時的に日本の犯罪率はアメリカと同じ20%に激増。それによって、事件より七年ほどは民間人によって多数の自警団が組織されていた。
今はもう解体され残っていないが、その影響で『個性を使っての民間人によるヴィランへの攻撃に対する刑罰』は原作よりも緩いものになっている。
ただし、原作と違ってこの日本の犯罪率は12%である。(原作だと6%)
学校が終わり、学生たちが思い思いの時間を過ごしている中、少し暗い顔をした爆豪が、一人寂しそうに歩いていた。
(…俺みたいな人間があいつの隣に立ってもいいのか?)
一人で帰路についている彼女は、そんなことを考えていた。いつもは傲岸不遜に振る舞っている爆豪だが、その性格はある一件により酷く歪んでしまっている。
「デク…」
そして、彼女が自己嫌悪に陥るのはこれが初めてではない。何度も、何度も、一人になる度に答えの出ない問いかけを自分に出し続けているのだ。
それは、彼女が決して許される事のない罪を犯したからである。
その罪は、肉親の殺害。
いや、正確には彼女は殺してはいない。殺す前に彼女の両親は、虐殺者の能力によって物言わぬ兵隊と化していたのだから。故に、爆豪勝己に罪はなく、むしろ正当防衛であったとさえ言える。けれど、彼女は自分のことを救いがたい人間だと思い込んでしまっている。
(俺はどうすればいいんだ?)
親殺しという大罪を犯した彼女の心は壊れ、夢は地に堕ち、自身の死を願い、心の拠り所を探した。そして、そんなギリギリの状態であった爆豪に手を差し伸べたのが緑谷だった。その結果、彼女は彼に酷く依存するようになった。
「…デクが帰ったら聞くか」
今の彼女は緑谷の家族と一緒に住んでいるが、爆豪が親を殺したことを彼の母親は知らない。なんとなく気づいているかもしれないが、出来る限り普通に接している。
「デクならきっと…」
そんな彼女を、陰から見ている不定形の生物がいた。片眼を潰され、怒りと屈辱にまみれたヘドロの
「答えてくれる」
そして、少年への復讐をするために彼がとった手段は、どうしようもなく愚かで、最悪なものであった。
「隠れミノ…見ぃつけたぁ!」
「え…?」
そして、何の因果か
「デ…ク……」
◇◆◇◆◇◆◇
それと同じ頃、オールマイトの正体という核兵器レベルの情報をなんとか飲み込んだ緑谷は、彼がどうしてそうなったのかを聞きたいという気持ちになっていた。
「…オールマイト。サインありがとうございました!」
「いや、礼には及ばない。むしろ、こちらが感謝したいくらいだからね!」
しかし、これは聞いていいものなのか。というか、絶対に世間にバレたらいけないものだ。今の日本の平和は、オールマイトが完全無欠のヒーローであるからこそ成り立っている。
故にこそ、この疑問は慎重になるべきだと緑谷は考えた。
「えーと、僕の名前は緑谷出久と言います。あの…質問とかしてもいいですか?」
「この身体のことだろう。そんな畏まらなくても大丈夫さ。ちゃんと説明するつもりだったからね」
とは言っても、中学生の考えうる慎重な行動などたかが知れているわけで、オールマイトにはあっさり見抜かれていた。肉体と精神以外、彼は至って普通の学生なのである。
オールマイトがシャツをめくると、そこには酷く大きな傷痕が残っていた。
「ッ…」
「呼吸器官半壊、胃袋全摘、度重なる手術と後遺症で憔悴しまってね。私のヒーローとしての活動限界は今や1日約三時間程なのさ」
思わず緑谷は言葉を失った。
どうしてそんな状態で動けるのかと。呼吸器半壊と軽く言っているが、どう考えても一生ベッドからは起き上がれないほどの重傷だ。
「五年前、敵の襲撃で負った傷だ。生きているのは奇跡だと、医者からは言われたよ」
「そうだったんですか…」
今から五年前だと毒々チェーンソーを思い出すが、そいつではないはずだ。恐らくは、『都市喰らいの夜』の犯人のような表に情報を出すことのできない
そのように結論づけ、緑谷は会話を続ける。
「それと、さっきの話に戻るんだが、実は無個性でヒーローになるというのは、それほど難しいことではないんだ」
「…えっ、そうなんですか?」
「君はヒーローになるためには、必ず個性が必要だと考えているようだけど、実際に大事なのは覚悟と精神力だからね」
「えぇ…」
人間という生物は、自分が持っていない要素にどこか羨望めいた感情を持つものだ。しかし、よく考えてほしい。普通の人間にとって『個性』というのは、肉体的特徴に過ぎず、それほど大層なものだとは思っていない。
緑谷は困惑しているようだが、他の人間からすれば彼の身体能力の方がよっぽど『個性』らしいと思われている。
「まぁ、さっきの問いは君がどんな思いでヒーローになりたいかを試したのさ」
「?それはどうし…」
少年が疑問を口にしようとしたその瞬間、唐突に爆発音が響いた。
「この爆発音…まさか!」
音の聞こえてきた方向に駆け出す緑谷。彼は何か嫌なものを感じ取っていた。
「少年!君はここで待っていてくれ!なに、すぐに戻って……少年?」
そして、オールマイトの思考は早かった。プロヒーローと言うべき適切な判断を下す。
だが、既に少年は行動をした後だった。
少年が居た場所には、泥が入った少し汚いペットボトルとオールマイトのサイン色紙が入ったリュックサックだけが残されていた。
◇◆◇◆◇◆◇
駆けつけた緑谷の目に入ってきたのは変わり果てた街の姿だった。少年にとって見慣れた商店街は、今や
ヒーローたちも必死に対処しているが、ある理由によって原因の
「ガぁァぁぁぁ!!」
苦しそうな声をあげる少女。その身体に泥という厄介な性質を持つ
「くっ、ベトベトで掴めねぇし、良い『個性』の
「まさに地雷原だ!とんでもなく手が出し辛え!」
そのせいで、ヒーローは行動が酷く制限をされていた。物理攻撃は効かず、下手に手を出せば少女に危害が及ぶ。しかも、彼女の個性によって時が経つほど周囲の被害は拡大していく。
そんな状況に、ヘドロは下卑た笑みを浮かべていた。
「(えれぇ力!!こりゃ大当たりだぜ!この個性と力なら、あのガキと奴にも報復ができる!)」
実に浅はかな考えだが、たちの悪いことにコイツは本当にそれができると思ってしまっている。自分よりも劣っているはずの中学生の少年に反撃された挙げ句、無様に敗北したヘドロには、既に正常な思考ができる理性など有していなかった。
「…僕のせいだ」
そして、その混沌とした状況の中で、緑谷は激しい後悔に見舞われていた。彼にとって爆豪という少女は、守るべき対象であると同時に、一緒に歩いていきたいと思っている存在だ。だというのに、倒した
しかし、彼はまだ中学生なのだ。実戦経験などあるはずもない。むしろ自身の身を守っただけでも上出来だと言えるだろう。しかし、そんなことを言ってくれる人間はこの場所にはいない。
「アぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
しかし、ここには彼の守るべき少女がいる。ヘドロに身を侵されながらも、彼女は抵抗を続けていた。
そして、爆豪は自身の力のなさを嘆く緑谷を見つけた。そして、彼も彼女を見た。
身体中をヘドロに侵され、その恐怖に怯える彼女の瞳を。十年前にも見た『助けを求めてる顔』をしている爆豪という少女を。
その瞬間、緑谷は彼女に向かって走り出した。
「…助けないと」
後悔はいつでもできる。だが、人を助けるという行為は自分ができるとい状況でやらなければ、一生後悔することになる。そんなことは嫌だと彼は思った。
「君!止まりなさい!」「なんでここに子供が!?」「ヤバイってこれ!」「オールマイト早く来てくれ!」「誰かその子供を止めろ!」
民間人を守るヒーローの声も、野次馬の無責任な言葉も、彼にはもう聞こえていない。緑谷が見つめるのは爆豪ただ一人。
「さっきのガキか!オールマイトの前にまずお前から殺してやるよ!」
吠えるヘドロ。
そんなものを気にも止めず、緑谷は自らの敵を打ち倒すために地を駆ける。
そして、落ちていた鉄筋を走りながら拾いあげ、そのままの勢いでヘドロに向かって跳んだ。
「二回も目玉をやられるかよぉ!」
「なっ!?」
そもそも緑谷がヘドロを倒すことができたのは、相手の慢心と迅速な判断による攻撃が理由だ。しかし、もう奴が慢心することはなく、緑谷にとっても弱点は狙い辛い。
故に、彼は考えた。敵の虚をつく攻撃方法を。
「デク…お前、なんで
そこで、緑谷はヘドロの中に何の迷いもなく突っ込むという自殺じみた行動をとったのだ。それにより、ヘドロは緑谷の行動によって酷く混乱し、大きな隙を晒している。
「決まってる!」
そして、彼が爆豪の手を掴んでいるのにも理由がある。ヘドロ
「君を!助けたいからだ!」
彼はそう叫ぶと、爆豪の腕を綱代わりにして自身の身体を更にヘドロの中に沈み込ませる。そこから左腕で彼女を抱き寄せ、右腕に握っている鉄筋の鋭い方を上に向け、渾身の力で思い切り突き上げた。
「ギャァァァァァァァァ!俺の、俺の眼がぁ!」
ヘドロの目玉は呆気なく貫かれ、同時に爆豪に纏わりついた泥は力無く落ちていった。緑谷は抵抗して疲れきった彼女をゆっくりと抱き、ヘドロの泥で汚れた鉄筋はゴミのように投げ捨てられた。
「(コイツは何だ?)」
激痛によって意識を失う直前、ヘドロは緑髪の少年について考えていた。普通の人間は、人質がいる時点で正常な思考はできない。しかも、目玉という人間にとって重要器官を、何の躊躇もなく貫いた。
ハッキリ言って異常だ。ベテランヒーローでもない普通の少年が出来ていいはずがない。
「(あぁ…こんなことになるなら警察に自首すれば良かったなぁ…)」
ヘドロは、心に緑谷という少年への恐怖と後悔を刻み込みながら意識をなくした。それと同時に、泥の肉体が完全に輪郭を失い、後には鉄筋に貫かれた眼球と、ただの泥水だけが残った。
◇◆◇◆◇◆◇
腕にかっちゃんを抱きかかえながら、僕は現場からこっそりと去ろうとした。だが、そんなことをヒーローが見逃すはずもなく、あっという間に囲まれてしまった。
「本当にすいませんでした!」
そんなわけで、僕は全力で謝罪を行った。
怒られるのは予想できていたし、自分の行動が少々過激であったことも十分理解している。なので、誠心誠意、心を込めて頭を下げた。
「全く…怪我をしなかったから良かったものの、一般人がこんなことをするのは絶対に駄目だからな!」
プロヒーローが怒っているのは、緑谷が危険な行動を起こしたからだけではない。ほんの数年前まで、この国では民間人が当たり前のように
ただし、それは薄氷の上に成り立った社会であり、ふとした瞬間に崩れ落ちてしまうほど脆い構造であった。故に、今のヒーロー達は、この平和を守るということに命を懸けているのだ。つまり、今回の緑谷の行動は色んな意味でも危険なものであり、彼は二重の意味で怒られていた。
「…だがな、大切な人を助けたいと思ったその心だけは、間違いじゃない」
「人助けはヒーローの基本だからね。その心だけは誇っていいと俺たちは思うよ」
とは言っても、ヒーローたちも鬼ではない。緑谷という少年が、彼にとって大切な存在である彼女を助けるために行動したことは、ちゃんとわかっていた。まぁ、その上で怒っているというか、世論的にも非常に危険な行動だったので、これでも大分優しい対応である。
「あ、ありがとうございます!」
緑谷は少し呆けたあと、謝る時よりも大きな声でお礼を言った。まさか、自分の行動が一部とはいえ『間違っていない』と言われるとは思っていなかったのだろう。
「…良かったなデク」
ただ、彼の声が大きかったのか、疲れて眠っていたはずの爆豪が眼を覚ましてしまった。
「あっ、ごめん起こしちゃった?」
「…問題ねぇよ。随分前から起きてたし、どこか怪我をしたわけでもねぇ。それよりデク、サイン貰わなくていいのか?」
「あー…うん。それなんだけど、今手元に色紙がないんだ。持ってくるのにも少し時間がかかるし、ヒーローの方に迷惑をかけるわけにはいかないしね」
緑谷は、出来るだけ素早く現場に向かうために自身のリュックは置いてきていた。もちろん、緊急事態だったので後悔はしていないが、それとこれとでは事情が別である。
「(とは言っても、サインは欲しい。今着ている服にお願いする?いや、流石に学生服に貰う訳にはいかない。色紙を買うか?駄目だ。財布はリュックに入れっぱなしだし、かっちゃんからお金を借りるのも論外だ)」
緑谷が悩んでいると、後ろから肩をポンとたたかれた。振り向くと、やけに痩せた成人男性が彼のリュックを持っているではありませんか。
「これ、君のだろ?」
「あ、そうです。ありがとうございま…」
それを受け取ろうとした瞬間、緑谷はふと思い出した。
「(あれ?そういえば、僕はオールマイトを置いていってしまったよな)」
なんと緑谷は、今の今までオールマイトのことをすっかり忘れてしまっていたのだ。まぁ、この世界の緑谷の関心は爆豪=家族>>>オールマイト>ヒーロー>その他なので、しょうがないとも言える。
「(ってことは…)」
よって、緑谷は自身のリュックに目が行き、気づいていなかった。
「緑谷少年」
それを持ってきた痩せすぎな男がオールマイトであることに。
「後で、少し話をしないかい?もちろん彼女も一緒にね」
彼がわりと怒っていることを。
「はい…」
◇◆◇◆◇◆◇
現場から少し離れた住宅街。その一角で、緑谷出久はオールマイトの前で正座をしていた。
「………」
「あの…緑谷少年…流石に路上で正座は…」
「いえ、僕のような未熟者には上等すぎるくらいです。気にせず、お話をしてください」
「(やりづらいよ少年!)」
緑谷も馬鹿ではない。オールマイトが自分に対して怒っているということは理解できる。故に、最初から反省を態度で示しているのだ。だがしかし、未成年の人間に路上で正座させるほどオールマイトは怒ってはいない。
むしろ心配の方が勝っていた。
「デク、俺も正座した方がいいかな?」
「いや、かっちゃんはしなくても大丈夫だよ。さっきの事件とは関係ないからね」
「わかった。じゃあ俺は座ってるな」
この少年は、自身の夢のためにひたむきに努力を重ねているし、自分に足りないもの補おうとする向上心や誠実さもある。だが、それ故に危ないとオールマイトは感じていた。少女を助けるためにとったあの行動、一切の躊躇もなく
「緑谷少年、私がさっき言っていたことを覚えているかい?」
「え?はい。確か、『君がどんな思いでヒーローになりたいかを試した』と言っていました」
「そうだ。率直に言うと、私は君に親近感というものを感じている」
しかし、既にオールマイトは彼に自分の個性を継承させたいと考えていた。
「親近感…?」
「私の個性の話だ。少年」
今の日本は酷く不安定だ。10年前のあの事件による余波は現在も市民たちを蝕んでいる。
「僕もよく知りませんが、かっちゃんに聞かせても大丈夫なんですか?」
「というかデク、このオッサン誰だ」
「えーと、なんて言えばいいのかな。知り合いというか、憧れの人というか、説明が難しいんだけど、とにかく悪い人じゃな…」
「私の名はオールマイトだ」
「「!?」」
平和の象徴と呼ばれてはいるが、五年前のオール・フォー・ワンとの戦いによって、私の個性は日に日に力が落ちていっている。
「オールマイト?この人が?……デク、おまえ騙されてないか?」
「いや、本当なんだ。そんな優しい目で見ないで、頼むから。それにオールマイト、秘密にしなきゃ駄目だったんじゃないんですか?」
結論から言うと、オールマイトは焦っていた。本来の歴史では彼の尽力によって、日本の犯罪率は6%に収まっている。だが、この世界では約二倍の12%だ。
すごく分かりやすく説明すると、この世界のアメリカの殺人件数は一年で約三万件である。一方、日本の場合は約8千件だ。一見少ないようにも感じるが、元の世界だと日本の殺人件数は四千にも届いていないのである。二倍どころの話ではない。
「さっきまではそう思っていた。だが、私の個性について説明をするのであれば、近い人間も必ず気づく。だったら、最初から話しておいた方がいい」
本来の歴史であれば、オールマイトという存在はこの時点で完成していた。だが、何の因果か10年前に起きたある事件によって、彼は自身が『平和の象徴』として相応しいのかどうか疑問を抱き続けている。
「私の『個性』は聖火の如く引き継がれてきたものなんだ」
「…引き継がれてきたもの?」
オール・フォー・ワンを倒した今でもそれは変わっていない。
「そうだ。『
「ワン・フォー・オール…」
悪によって弄ばれた名もなき少女が残した傷は、オールマイトにも深く刻まれている。あの時、彼女が彼に対して恨み言のひとつでも言っていれば、間に合わなかった人間の一人だと割り切ることができた。
「それを、きみに受け継いでもらいたいと思っている!」
「へ?」
しかし、彼女はオールマイトを罵ることもなく、感謝の言葉さえ投げ掛けたのだ。それは、恨まれるよりもよほど辛い。故に、彼は思ってしまった。
『平和の象徴は絶対でなくてはならない』
象徴とは光だ。光がなくなれば、オール・フォー・ワンのような闇が生まれる。『火』を残さなくてはならない。強く、大切な人間のために躊躇することのない絶対の象徴を。
そして、オールマイトは出会った。自身と同じ無個性でありながら、大切な人のためにヒーローを志したであろう緑谷少年を。
「当然、最終的な判断は君に任せるし、断っても問題はない。そこは自由さ!」
「…質問してもいいでしょうか」
「もちろん!」
「何故、僕なんでしょうか?」
緑谷は困惑していた。確かに個性を貰えるのならヒーローへの道も近づくし、彼女と同じ場所に行くことができるだろう。
しかし、それと同時に無個性である自分よりも、元から強い個性を持つ人間に渡した方が良いのではないかと考えた。
「簡単なことさ。私も無個性だったからさ」
「「!?」」
「驚いたかい。けど、私が君に個性を渡すのは同情からではない。君にこの力を継承する資格があると判断したからだ」
「僕が…」
「緑谷がオールマイトの力を…」
緑谷出久は悩んだ。
「僕は…」
オールマイトが認めているとはいえ、自分で良いのかと。だが、緑谷の脳裏にあの日の記憶がよぎった。死体の肉親を自らの手で終わらせた彼女を。
「受け取らせて頂きます!」
そうだ。僕は彼女を守ると誓ったじゃないか。あの日、あの場所でかっちゃんのヒーローになると。
「その力で僕は最高のヒーローになります!」
これは僕が最高のヒーローになるための物語だ。
そして、かっちゃんを救うための物語でもある。
とある人格破綻者のメモ
名前:爆豪勝己
個性:爆破
備考:性別が違うのは置いておくとして、緑谷にかなり懐いている。…もしや私が原因なのでは?