敵か英雄か   作:eeeeeeeei

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因縁か奇縁か

──────

 

 

 

 

 

 あちきも気づかなかった気配にいちはやく気づくなんて、この子凄い。

 それに、この相手は……

 

 まだこの目で見ていない。当の背に隠れて、自分の位置からではその姿すらも捉えられていないので、個性も発動できていない。にも関わらず、全身の毛穴が開き、汗が噴き出している。絶対に、何があっても勝つ事はできないと言うことだけは、ラグドールには理解できた。

 

 

「あちきがなんとか時間を稼ぐから、君は早く逃げ──」

 

────ゴギンッ!

 

「え?」

 

 

 ヒーローとして、僅かであろうと生徒を逃す時間を稼ごうと、当を押し退けて前に出ようとしたラグドールであったが、その手が当に触れることはなく、何かがへし折れる音が体の内側から聞こえてきた。

 

 なんの音?……というか、あちきの目、おかしくなった?

 

 視界が真横に傾いている。ラグドールの視線では木々は水平に生えており、やけに綺麗に見える空は右に、暗い地面は左に見える。

 

 

『僕は見られても構わなかったけど、それは僕のためかい?』

 

「そーっすよー。やっぱこの人が一番邪魔かなーと」

 

『僕はとてもいい個性だと思うよ。それより、君はいったいどうしたいんだい?』

 

 

 この子がなんで私を……?

 昼にはなんて事ない会話をしていた。

 さっきなんて、学生らしい恋バナもしようとしていた。

 

 その少年が、笑顔を浮かべて、目にも止まらぬ速さで振り抜いた足に、首をへし折られていた。

 

 

「"コッチ"側、もう飽きたんで。手土産に厄介な『サーチ』も殺しとくんで、仲間にしてほしーなーと」

 

『………いいよ。弔の力になってくれるかい?』

 

「もちっす!それが誰かは知らんスけど」

 

 

 笑顔を浮かべていない当の高く振り上げられた右足と、その奥に立つ顔の無い男の姿が、ラグドールが最後に見た光景だった。

 

 

 

────

 

 

 

 

「そーゆー訳だから、立場は違えど、これからも宜しく!王華ちゃんもこの人?かは知んないけど、噛み付かない方がいいって。俺、ハズレしか出ねーもん」

 

 

 当がラグドールから取り外した無線に一方的に話し出した時、空から飛来した王華は、地面にクレーターを作り出していた。

 そんな王華へと笑いかける当であったが、仁王立ちのまま動かない王華に重なるようにいる青白い少女の姿が、まるで幻のように見える。

 

 

「あれ?何それ?誰?」

 

「消えろ。貴様などに、用も興味もない」

 

 

 夜だというのに輝く黄金の髪はくしゃくしゃと揺めき、その紅い瞳を煌々と輝かせている王華は、当の方など見向きもせず、クレーターをゆっくりと歩き始める。

 

 

『やぁ。久しぶりだね。"二人とも"元気そうじゃないか』

 

 

 あくまで紳士的に、丁寧な口調で話すその声に、怒りが燃え立ち、王華の身体からは黄金の気が撒き散らされ、余りの怒りにその身を震わせている。

 燈はその身を完全に実体化させ、王華の横に並び立っているが、その額には青筋が浮かび、揺らめく身体はその水のような色とは逆に、焔のように燃え滾っていた。

 

 

『えぇ、おかげさまで。でも、貴方は私たちが殺してあげる。平和の象徴に、悪の根幹は殺せないし』

 

「オールマイトはしくじった。そして、奴に貴様を討つ事はできん。だが、私たちは違うぞ。貴様も含め、全てを終わらせてやる……」

 

 

『ん?君たちは、ヒーロー社会をも終わらせるつもりかい?』

 

 

 王華と並び立つ青白い、幽霊のような存在を不思議に思っていた当であったが、この二人と目の前にいる絶対悪の間に、決して浅く無い因縁がある事は見てとれた。そのまま、足元に転がるあり得ない方向に首が曲がっているラグドールを邪魔だと森へ蹴り飛ばし、何も言わずに、今後の展開を見つめている。

 

 

「今を蹴散らし、新しく始めるのだ……」

『鬱陶しい正義の味方気取りもいずれ殺すけど』

「今一番殺したいのは……」

 

 

 火傷なのか、皮膚を継ぎ足したのか、顔の無い悪意だけを詰め込んだようなスーツ姿の人型の物のみを視界に入れている二人。

 王華は右足を、燈は左足を振り抜き叫ぶ。

 

 

「『お前だよッ!!オール・フォー・ワンッ!!』」

 

 

 剥き出しの殺気が王華から、並び立つ燈から津波のように噴き出す。

 二人から放たれた、ありったけの殺意の篭った衝撃波は、スーツ姿の男から放たれる圧倒的暴力とぶつかり合い、爆ぜた。

 

 

 

────

 

 

 

「仲間の訃報でもあったか?そんな事よりも、まずは敵を倒すべきだろ、ヒーロー。お前も粛清対象だ!!」

 

「動きが随分と悪いわねぇ。そこの飼い猫ちゃんと、仲良く頭を潰してあげる」

 

 

 ラグドール……

 知子が、プッシーキャッツを作った。あのいつも明るくて、前向きな知子が言い出しっぺとなって、今の自分たちがいるんだ……

 

 呆然としているマンダレイと、いまだ立ち上がれずにいる虎に襲いかかる二人の敵。生徒は施設へ向かわせ、今この場にはプロヒーローと敵の四人しかおらず、二人のヒーローには、既に敵の攻撃を躱す術も、立ち直す時間も残されていなかった。

 だが、敵のトドメの一撃が入る前。施設の方から道すらも使わず、森を突っ切り最短距離を逆走しているものが一人だけいた。

 

 

 倒れている二人は、ヒーロー。

 それに襲いかかる、あれは悪。

 ヒーローがいるなら、これくらいでいいか。

 

 疾走しながらも金色に光り輝く大剣を生成した想。

 クロコ戦で思い知った。この身が爛れる程の一撃は確かに強力無比な威力を誇るも、長期戦には向かない。目指している場所は此処ではなく、今はまだ倒れるわけにはいかなかった。

 

 

「纏え!!」

 

 

 バリバリと音をさせて、握り込んだ拳の皮がベリベリと捲れる程の雷を発生させると、その威力を大剣へと移す。最後に地を蹴り大きく飛び上がった想は縦に回転するように、大きく大剣を振るった。

 

 

「弾けろ!!」

 

 

 大剣から鳩走る雷は閃光を撒き散らし、想を中心とした一定の範囲内ではあるが、縦横無尽に弾け飛ぶ。

 

 

「ギャッ!!!」

 

「な、なに!?」

 

 

 マンダレイへと武器を振り下ろす体勢のスピナーはモロに電撃を受け、虎へと攻撃を加えようとしていたマグネは、布に包まれた巨大な棒状の武器をアースとして、雷の威力を大地へと流した。が、それで終わる想では無い。空中で回転していた想は加速してもう一回転すると同時に、雷を纏う大剣を、投げた。

 

 

「貫けッ!!」

 

 

「うそッ!!」

 

 

 咄嗟に反応したマグネも流石と言えるが、想が創り出した大剣の色は、金色。銀色の剣とは違い、心に痛みのイメージを直接送り込むこの剣には、物理防御は意味をなさない。防御のつもりで撃ち落とそうとしたマグネの武器をすり抜け、その身に深々と突き刺さる。

 

 

「があああぁぁぁぁぁぁああっ!!!」

 

 

 オネェ口調の時の声色とは打って変わって野太い絶叫が辺りに響いた。

 

 

「あ…あなた…確か亡女さん…」

 

「ここは、任せて大丈夫だよね?私は"友達"を助けに行かないと」

 

 

 そう言って走り出す想は何かに引き寄せられるように宙を舞う。

 

 

「ちょっとアンタ……舐めてんじゃないわよ!?」

 

「やってくれたな……この顔も、リストで見た顔…貴様も粛清してやるぞ!!」

 

「……邪魔だなぁ。時間があったら殺してたけど、もっとキツイのが欲しかったの?」

 

 

 想は黄金の瞳を獰猛に輝かせて、宙に浮くほどに引き寄せられながらも銀色の大剣を、血に塗れたその手に握りしめた。

 

 

「させぬわっ!!」

「さっきのお返しよっ!!」

 

 

 もう少しで敵二人と想がぶつかるというところで、虎はマグネの腕を引っ掻き、その脇腹を蹴り飛ばし、マンダレイは文字通り、スピナーの脇腹をその爪で刻み、自身と同じ位置に傷をいれた。

 

 

「行けっ!こいつは我に任せろ」

 

「もし、ラグドールを見かけたら、助けてあげて」

 

 

「……うんっ!わかった!!」

 

 

 一瞬追撃でマグネとスピナーを斬り刻もうと思った想だったが、マンダレイの表情から、それよりも優先すべき事を思い出し駆け出した。

 

 マンダレイもまた、友達を助けにいく。そう言った想を見て、自身の友を思い浮かべていた。

 

 大丈夫よね。

 死んだなんて、この眼で見るまで、いや、見たって信じないから……

 

 

 

────

 

 

 

 肝試しの最中、マンダレイのテレパスが頭に響き、周囲へと注意をしながら施設へとゆっくり進んでいた麗日と蛙吹であったが、突如謎の襲撃に遭っていた。

 

 

「急に刺すなんて、ひどいじゃない。なんなのあなた」

 

 

 金髪パッツンの女子高生は、注射器のような武器を麗日の腕に突き刺し吸い取った血を見ていたが、その針の先端を二人へと向けた。

 

 

「トガです!二人ともカァイイねぇ。

──麗日さんと、蛙吹さん」

 

 

 二人は雄英体育祭から名前がバレているのだと察知し、自分たちの個性も知られている不利な状況だと言う事がわかり、身構えた。

 

 トガは注射器のような太い針の武器を再度構えると、二人へと迫る。

 それと同時に、迎え撃とうとしたお茶子の身体にはピンク色の舌が巻きついていた。

 

 

「お茶子ちゃん。施設へ走って。戦闘許可は『迎え撃て』じゃなくて『身を守れ』ってことよ。相澤先生はそういう人よ」

 

「梅雨ちゃんも!」

 

 

 想との出会いから戦う事は必要な事だとは理解しているが、それが全てじゃない事もわかっている梅雨は、無重力になれるお茶子を先に行かせるという選択をした。

 梅雨に舌で放り投げられたお茶子だったが、自身を投げ未だその場にとどまる梅雨へと心配そうに叫んだ。その直後、伸びた梅雨の舌にナイフが疾る。

 

 

「つっ……」

 

「梅雨ちゃん、梅雨ちゃん、梅雨ちゃん!カァイイ呼び方、私もそう呼ぶね!」

 

「やめて、そう呼んで欲しいのはお友達になりたい人だけなの」

 

 

 笑顔で梅雨へと呼びかけるトガは、尚も逃げようとする梅雨の艶のある長い黒髪のリボン状に結ばれた位置に正確に手に持った武器を投擲。木へと縫い付け、身動きの取れない梅雨のその腹に、躊躇なくもう一つの針を刺した。

 

 

「あ……」

 

「やーーーじゃあ私もお友達ね!お茶子ちゃんと梅雨ちゃんの血──」

 

「梅雨ちゃんっ!!」

 

 

 お茶子の叫びが森に響く中、光り輝く稲妻が空気を切り裂き、光の速度でトガの胸を貫いた。

 

 

「んんんんんッ!!?」

 

「イナズマ、ダブルキーーーーック!!」

 

 

 体内を駆け巡る電流に悶絶しているトガに、疾走する想は雷を纏ったドロップキックを放ち梅雨から引き離すと、髪を縫い付けていた武器も、吹き飛ぶトガと繋がったコードにより抜けていた。

 

 

「想ちゃん…ありがとう…」

 

「梅雨ちゃん、ごめん、遅くなって………え?梅雨ちゃん……血が……」

 

「…ありがとう、私は大丈夫だから」

 

「想ちゃん!梅雨ちゃん!今ならいける!施設へ急ごう!」

 

 

 梅雨の声も、お茶子の声も、今の想の耳には入っていなかった。

 悲しそうな顔をした梅雨を、はじめての、U組以外の友達。必ず守ると約束した。その梅雨が、今は痛みに顔を歪めている。それを、必死で隠している。私が、心配しないようにと。

 お茶子ちゃんも、その腕には傷を負い、いくつかの擦り傷や、その綺麗な髪が少しボサついているのが見てわかる。焦ったような、余裕のない表情には恐怖の感情が混じっているのがわかる。

 

 

「誰だ……

 私の大事な、大切な友達に……

 あぁ、そうか、さっきのやつか」

 

 イカヅチをその身に纏い、体中の皮がところどころ剥がれていき、その髪は流れる電流によってピンと逆立っていた。

 

 

「素敵……もしかして…」

 

「お前を、殺す」

 

 

 立ち上がろうとしていたトガの前に、怒れる雷神が立っている。

 来ていたTシャツは弾け飛び、剥き出しとなった想の上半身は雷に覆われていた。白い雷の奥に薄らと見える肌は焼け爛れ、その血液も沸騰しているかの如く、大地に垂れることはなく、その場で蒸発しているようであった。

 

 

「我が道を遮る愚者を消し去れ。引き千切れ。滅びと報いを与えろ。ユピテルクシフォロンヒ」

 

 

 生成された刀のような剣を右手に握りしめている想。その太めの柄から伸びる刀身は長く、細い。その柄から溢れ出るスパークとは裏腹に、生成された雷の刀身はブレる事がない程に、凝縮されている力の塊となっていた。

 

 

「……あなたは……あの時の、私のヒーローですか?」

 

 

 自身の生み出した、荒ぶる力に耐えられず、見ているだけでボロボロになっていく想に、トガは目を奪われていた。

 まだ、自分が敵となる前。自分が好きなこと、やりたい事ができなくて、自分を偽って生きていた頃。大好きな血が飛び散る現場に何度か遭遇したことがあった。アレは、素敵な体験だった。これでもかと言うほどに切り刻まれた元人間と、それと近しい程にボロボロの、返り血と自らの血に濡れた桃色の少女の姿。そのチラリとしか見ていない少女に、トガは恋をしていた。

 そして今、目の前にいる雷神と、その時の少女が重なって見えており、それは確信へと変わる。

 

 

「無へと帰れ」

 

「…やっぱり。カァイくて、カァッコイイ……私、あなたが好きです──」

 

 

 ニンマリと、うっとりとしたように微笑んだトガに向けて、その手に握る、眩く光る剣を前へと突き出し、銃剣のようにその刀身を撃ち出そうとしたところで、狙いが狂った。

 

 

「止まって!!」

「想ちゃん、やりすぎはダメよ」

 

 

 お茶子と梅雨。二人から抱きしめられ、トガの真横を通り抜けた雷神の剣は止まる事なく、想の上半身を犠牲にした程のその攻撃は、地形すらも変えてしまった。

 

 頬を染めて笑うトガの真横には、まるでモーゼの十戒のように、森の中に小さな谷を創り出していた。

 

 

 

──────

 

 

 

「さてさてさて、感動の再会だね」

 

「紗和……見ててくれ。兄ちゃんみたいには行かないけど……」

 

 

 ダリはその特徴的な髭を指で捏ねながら、余裕の表情で伸を見つめており、いつもやる気のない無表情だった伸は、その眼をひん剥き、左腕を執拗に右手で撫で回している。

 

 

「会話は苦手なままかい?」

 

「大丈夫だよ。約束は守るから。アイツら全員殺すんだ。目の前に現れる限り、何度でも」

 

 

 伸はダリに答えることはなく、即座にダリの後方にある木々との距離を縮め、くり抜かれたような丸太が襲いかかるが、ダリの身体に触れた瞬間に、それはドロリと溶けた。

 

 

「芸術という名の狂気かな。君の攻撃はさながら『素早く動いている静物』と言える。やはり君は、美しい」

 

 

 伸はまたもダリの言葉を無視して片手を地面につけると、その距離を伸ばし空へと飛ぶ。直後に両の手を無茶苦茶に地面へと突き出し、そこかしこの地面を乱雑に自身へと縮めて引き寄せ、巨大な土の塊を一瞬で作り出すと、右手をつき、それをダリへと打ち出した。

 

 

「やはり素早い。地面には、"仕込んで"いないからね」

 

 

 ダリはその土の塊を躱したが、伸は再度縮めて手元に戻すと、躱した方向に再度距離を伸ばしぶち当てる。

 

 

「む!」

 

 

 直撃と同時にダリとの距離を縮めて肉薄。右の拳を突き出し、左の掌でダリとの距離を縮める。

 吸い寄せられるようにダリの頬を拳が打つ。衝撃で仰反るも再度縮め、打つ。音速で行われる伸の伸縮から逃れる事が出来ず、永遠に殴られ続けているダリ。

 

 伸の個性である【伸縮】は物理的、空間的、時間的、三つの系統に分けられ、物理的以外の系統の同時使用はできない。

 物理的であれば自身の身体を伸び縮みさせられるが、他人を伸び縮みさせることはできない。

 空間であれば自分と対象の距離を伸ばす、縮めるといったことしかできず、対象と対象の距離を縮めるといったことはできないし、目視できるものしか対象とならない。また、腕を起点として発動するため、対象に腕を翳さない限り距離を伸び縮みさせる事はできず、長距離であれば連続使用が必須となる。

 時間伸縮は、過去のトラウマからか自分にしかかけられなくなっていた。

 それぞれにデメリットもあり、使い続ければ脳を酷使し、異常なまでの眠気が襲う。物理的伸縮で有れば、伸ばした反動で実際の身体は個性とは関係なく縮んでしまい、空間的、時間的伸縮は更に自身の寿命を縮めていく。

 それが故に、16歳という若さで既に30歳前後のような見た目の伸は、既に同級生たちよりも二倍は寿命を使ってしまっていた。

 

 

 伸に殴られ、そのピンと伸びた髭を歪めたダリがニヤリと微笑んだところで、一方的に殴り続けていた伸の腹に、突如木が突き刺さる。

 

 

「………」

 

「地面には仕込んでいないが、森には色々と仕込んでいるよ。それに、今この時も、ね」

 

 

 バッとスーツの上着を捲ったダリの白いシャツに描かれていたのは、十字架。

 その十字架がシャツから飛び出し、伸を捉えると、黒い上着に黒い絵の具で描かれていた太く長い釘が飛び出し、伸を磔にした。

 

 

「いいじゃないか!まるで『十字架の聖ヨハネのキリスト』のようだ!」

 

 

 伸は背後の木と自分との距離を縮め、磔にされた十字架と共に後方に消えると、釘を抜き取り、その腹に刺さる木を引っこ抜こうとしたところでその木は消え、数秒後に十字架も釘もドロリと溶けて消え去った。それでも伸は苦悶の表情を浮かべる事もなく、悲しそうな顔を浮かべると、身長を50cmまで縮め、その傷を無理矢理に塞いだ。

 

 

「……兄ちゃん、こんなに痛かったんだね、ごめんね」

 

 

 昔を思い出した伸は、虚空を眺めて、その両目を閉じた。

 

 




なんだかごちゃごちゃしすぎな感はありますが……読みづらかったらすみません。

読了ありがとうございました!
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