敵か英雄か   作:eeeeeeeei

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疑懼か軋轢か

──────

 

 

 

 

 マスキュラーを撃破した緑谷は、イレイザーヘッドとの合流を果たし洸汰を託したところで、満身創痍の中マンダレイの元へと急いでいた。

 

 

「マンダレイ!!洸汰くん!無事です!」

 

 

 緑谷のその叫びの後に、マンダレイはイレイザーヘッドからの伝言と、緑谷の得た情報、そして、プッシーキャッツしか知らないひとつの事実を、テレパスで全員へと伝えた。

 

 

 

『U組A組B組総員──プロヒーローイレイザーヘッドの名に於いて、戦闘を許可する!敵の狙いのひとつ判明!狙いは生徒の「かっちゃん」!「かっちゃん」はなるべく戦闘を避けて、単独では動かない事!!

 

──最後に、十三分一当は敵連合へと寝返った!会敵した場合は会話もせずに速やかに撤退を!!』

 

 

 マンダレイのテレパスへの反応は様々であった。

 

 

───

 

 

 脱獄中の死刑囚であるムーンフィッシュとの会敵中である爆轟。

 

「かっちゃかっちゃうるっせんだよ頭ん中でえ……クソデクが……」

 

 それに、あのクソニヤケが裏切った?どうでもいいが、アイツはオレが潰す……!

 

「お前、狙われてるんだから不用意に突っ込むな」

 

 戦えっつったら戦うなっつったり……この半分野郎も、デクも、ニヤケも…俺を狙う敵も…クソどうでもいいんだよ……!

 

 爆豪のイライラは募るばかりであった。

 

 

───

 

 

 未だトガとの会敵前であった想は、当の話は頭の中から排除し先を急ぐ。

 

「当くんが?でも今はそれよりも!!梅雨ちゃん……!今助けるからね……!」

 

 視線の先に捉えた、悪の波動は感じないが自身の大切な友達に覆い被さる者へと向けて、左腕に雷を纏うと、それを投げた。

 

 

───

 

 

 そして…

 

 

「クッ……青山さんは!?」

 

「青山は……音がしないから上手くどこかに身を隠してる。けど!こっちもそんな余裕ないって!」

 

「私の新必殺技も効かないし、この敵、仮面みたいなのつけてるし視力ないのかも!」

 

「お前ら!喋るのもいいが今は速く走れ!!」

 

 

 八百万、耳郎、葉隠、泡瀬の四人は夜の森を走り回っていた。

 ギャリギャリと鉄製の何かが高速で擦れる音を響かせて、大きな敵、何本もの腕を生やし、振り回しているチェーンソーのようにいくつかの武器を持った脳無に追われていた。

 

 

────ブォンッ!!

 

 

「わっ!?たっ!!」

 

「葉隠さん!?」

 

「大丈夫ッ!!」

 

 

 今もまた、脳無の振るう金槌が葉隠の頭部近くを掠めた。生きるか死ぬかのギリギリで四人は疾走しているたが、マンダレイのテレパスが全員の脳内に響き渡ると、一人の足が不意に止まった。

 

 

「……は?」

 

 

 耳郎は立ち止まり、どこにいるのかもわからない人間を探し、辺りを見回していた。

 

 

「響香ちゃん!気持ちはわかるけど、今は!!」

「耳郎さん!?」

「おい!?何やってんだよ!?U組の奴は俺もよく知らねぇけど、考えるのは逃げきってからにしろ!!」

 

 

 葉隠の言葉も、八百万、泡瀬の心配も何も頭に入ってこない。

 

 あいつが、敵連合に?なんで…?明日、また聞こうと思ってたんだ。また明日、いつもみたいに話せば元通りになるんだって、そう思ってたのに……今後って、そういうことだったの…?もしかして、アイツがこの合宿地の場所も敵へと伝えたの?最初から、敵のスパイだったの……?でも、アイツはそんな奴じゃ……

 

 耳郎の思考はぐちゃぐちゃとなり、最悪の想像ばかりが頭に浮かんでは消えを繰り返していた。

 

 

「耳郎さんっ!!」

 

「あ………」

 

 

 八百万の叫びで我に返りはしたが、迫りくる脳無の一撃を耳郎が躱すことはできなかった。

 

 

 

──────

 

 

 

「裏切りだの、爆轟が狙いだのあるみてぇだが、ぶん殴り許可もめでたく出たし、この霧を早くなんとかしないとな……」

 

「この暗さじゃ、空からは見えまセンでしたカラネ……」

 

「いや、だいぶ濃くなってきてる、本体はきっと近いぞ。戦闘も解禁されたんだ。私たちで、この霧を止めよう」

 

 

 王華と別れ、ポニーが個性【角砲】で空から探るも闇夜と森という地形からその霧の全貌は見えなかった。

 拳藤がその大きくした掌で扇ぎ、有毒の霧を払い進む一行であったが、段々と濃くなる霧が敵の居場所を教えてくれた。

 

 

「これは渦状に巻いてるし、その濃淡もハッキリとしてきた。その中心点のだいたいの方向はもうわかる」

 

 

 拳藤は半ば確信めいた敵の位置を割り出しており、その台詞から茨は前へと出た。

 

 

「私がやりましょう…!」

 

 

 王華さんに"任せてください"と言ったのだ、こんなものくらいどうにもできなくては、呆れられてしまう。キチンとこなせば、また名前で呼んで頂けるかもしれません……

 茨は両の手を合わせて、そのツルへと意識を集中する。

 日の光がないとはいえ、私のツルに、探し出せぬものなどない。

 

 

「ヴィアドロローサ……!闇夜に紛れた穢れを暴き出せ」

 

 

 数百を超える頭のツルを拳藤が読み取った敵の位置へと伸ばし、探る。森の木々にぶつかりながらも沿って進んでいくそのツルは、直ぐに対象へとぶつかった。

 

 

「うっ!なんだ……!?」

 

「捕獲…飛ばします」

 

 

 遥か遠くでは、ガスマスクをつけた敵、マスタードが驚きもがくも、そのツルにより上空へと伸びていく。

 

 

「茨ナイス!ポニー!鉄哲!」

 

「任せろッ!!」

 

「いきマース!!」

 

 

 すぐさまそれに反応した拳藤は大きく巨大な腕を振りガスを吹き飛ばし号令をかける。鉄哲は空気を目一杯吸うと、身体をガチガチの鉄へと変え、それと同時にポニーの角の2本が鉄哲を"撃ち出した"。

 

 

「この、コレでも食らっておけ!バァカ!!」

 

 

 懐からリボルバーを取り出し、躊躇なく鉄哲へと発砲したマスタード。だったが、そのガスマスクの下の顔は驚愕の表情へと変わる。

 

 

──ギィンッ!!

 

 

「帝王のお墨付きだぜ!!俺たちは、強えぞ敵!!」

 

 

 体育祭の映像から自身を硬化する個性を持つ者が二人いることは知っていたが、今目の前に迫る鉄哲がその一人だと思い出した時にはもう遅かった。

 銃弾を弾き、ポニーの角で押し出された鉄哲がマスタードのガスマスクをぶち壊し、そのまま羽交い締めにする。

 

 

「この!離せッ!!雄英だからって、高学歴だからって───」

 

「ウルセェ!!俺らの合宿潰した罪、償ってもらうぞぉぉぉ!!」

 

「いきマスよぉーっ!!」

 

 

 茨はツルを切り離し、ポニーはそのまま角砲の移動方向を下へと変え、加速させると、鉄哲は全身をより強固な鋼へと、その硬度を高めていく。

 

 

「ま、待て!!」

 

「終わりだあぁぁぁぁぁあ!!!」

 

 

──ズンッ!!!

 

 

 最後の叫びも虚しく、鉄哲とポニーの連携で放たれた超高空パワーボムを食らい、マスタードは一瞬で沈黙した。

 

 

「拳銃なんて使ってくるとはな…鉄哲、大丈夫か?」

 

「あぁ。あんなもんじゃあ俺に────」

 

 

────!?

 

 

「なんだ、いないじゃないか。つまらん。コレらで遊ぶか」

 

「……宜しいので?」

 

 

 突如背後から聞こえる声に全員が身構える。

 

 

「俺に意見するな。当主であるこの俺様にな!ハッハッハーーッ!!!」

 

「そうでございました。ハッハッハ」

 

 

 馬鹿笑いをあげている金髪でケバケバしい衣装に身を包んだ、端正な顔立ちの少年と、付き従うように一歩下がった位置で同じく笑っているスーツ姿でモノクルを付けた老人。

 

 

「メテオヴァイン」

「先手必勝!!」

「おぉらぁッ!!」

「いきマス!!」

 

 

 四人の中でも一番早かった茨のツルを避け、避けた方向に飛んでくる拳藤の掌打をも躱し、鉄哲の拳は踵落としで叩き落とし、ポニーの角のひとつには爪を突き立て、もうひとつはその犬歯を剥き出しに大きく口を開けると、噛んで止めた。

 

 

「なっ!?全部捌いたのか!?」

 

「私の、ホーン……を」

 

 

 拳藤は四人の同時攻撃を全て捌かれた事から、マスタードとは格の違う敵だと言う事を理解し、ポニーは自身の角砲を齧った少年に驚きを隠せない。

 少年はニヤリと笑う。品のある顔立ちなのだが、発言といい表情といい、どこか品が無く見える顔。そして、その閉じた口を開き、突き立てた爪を引き抜くと、その頭にはポニーの撃ち出した"角"が装着されていた。

 

 

「ふむ。どうだ?似合うか?」

 

「プッ。アホさ加減に磨き……いや、大変お似合いですよ。皇貴(こうき)様」

 

「そうだろうそうだろう!!俺様はなんでも似合うからな!!」

 

 

 馬鹿笑いを続ける二人とは真逆で、四人の攻撃を簡単にいなしたこの少年に僅かながらにも戦慄を覚える。さっきの敵とは格が違う。気を引き締め直したB組の四人であったが、ポニーは自らの異変に気付いた。

 

 

「私の……私のホーンが…個性が使えまセン!!?」

 

 

 物間と同じ、コピーだと思ったが、そうではなかった。目の前の少年の頭には角が装着されたままで、ポニーの頭からはトレードマークでもある角が消えている。そして、目の前の少年の頭から、ポニーの意思とは別に、角砲が撃ち出された。

 

 

「ふむ。操作タイプか。なかなか強力な個性…見た目といい、気に入ったぞ!!」

 

 

 皇貴は角砲を操り、茨のツルを弾き、拳藤の牽制に回すと、自身は鉄哲へと狙いを定める。

 

 

「物間と似た個性か!?他の相手しながらだと、個性はつかえないんじゃねぇのか!?そんな状態で俺とやり合おうなんて────ブフッ!!?」

 

「グダグダと、喧しい。個性を使わずとも貴様のような雑魚、恐るるに足らんっ!!」

 

 

 文字通り、鋼と化した鉄哲の腹に、皇貴と呼ばれた少年の拳が突き刺さっていた。そのまま拳を幾度となく叩き込みながらも、角砲を巧みに操り、茨と拳藤の二人を寄せ付けない。ポニーは、膝をつき呆然としていた。

 

 

「個性を、盗られた……? 私の個性が……」

 

 

 物心ついた時からともにある角を失い、信じられない気持ちと、王華の発破により得ていた自信もすっかりなくしてしまったポニーは、立ち直すことが出来ずにいた。

 

 

「クククク……個性をなくした気分はどうだ!?豚と同じ、価値のない家畜と成り下がった気分は!?ハッハッハッ!!」

 

「韻をお踏みになられたのですね皇貴様!」

 

 

 ガハハと笑い合う二人であったが、皇貴は四つの角を遥か上空に飛ばすと、呟いた。

 

 

「俺様が貴様の個性の真の使い方を見せてやろう。

──カイザースコール!!」

 

 

 四つの角は内側からひび割れバラバラになると鋭い雨となり降り注ぐ。

 

 

「角取ッ!!うおぉぉぉぉぉおおっ!!!」

「クッ!!茨!?」

 

 降り注ぐ細かな角の雨に、鉄哲は呆然としているポニーへと覆い被さり、身体を鉄化させ、拳藤は巨大な手で木をへし折ると、盾として担いだ。

 茨は千切られたツルを再度伸ばし、角砲の雨を遮ると、頭のツルを皇貴目掛けて伸ばす。

 

 

「絡めとり、縛り上げる……!」

 

「ふむ。まさか攻勢に出るとは。貴様は見込みがある。俺様の部下にしてやろうか?」

 

「誰が……!」

 

 

 だが、それも皇貴には通じなかった。

 茨のツルはその脚から放たれる衝撃波に刈り取られ、そのまま茨本人を襲う。吹き飛ぶ茨を拳藤は受け止め、皇貴を睨みつけた。

 あの小さな身体のどこにそんなパワーがあるのか。と、二人の脳裏には同じような髪色と顔立ちをした少女の姿が、同時に思い浮かんでいた。

 

 

「ふん。とはいえ、余りにも弱すぎてつまらん。ジィよ、豚の元へと向かうぞ」

 

「王華様の元へですか?う〜む…今は行かぬ方が宜しいかと……」

 

「俺に意見するなと言ったぞ!それに、様などと呼ぶな!アレは我が帝家の汚点。当主として俺様自らが殺しておかねばなるまい」

 

 

 皇貴のその言葉が終わったと同時に、森の木々すらも絡めとり、巨大すぎる荊の塊が皇貴へと襲いかかった。

 

 

「ほう?これだけの力の差を見せつけられてもまだやるか……」

 

「まさか王華さんの事を言っているとは…おかし過ぎて気づきもしませんでした。

──王華さんを豚だなどと……貴様は万死に値する……!」

 

 

 悠々と躱した皇貴ではあったが、その視線の奥に映るのはユラリと立ち上がる緑色の悪魔。その顔は、怒りに歪んでいた。

 

 

「今の私で対処しきれない相手は処理してくださるとの事。貴方は、それ迄の者と言うことですよ。弱き人よ」

 

「クククク……それは、笑える冗談だな?」

 

 

 両の手を広げて構える様が、憧れの人物と似ている事すらも、茨は腑が煮え繰り返る思いであり、その思いのままに、皇貴と激突した。

 

 

 

──────

 

 

 

「………俺は、入れねーなコリャ」

 

 二つの衝撃が爆ぜた後を見て当は呟く。

 オール・フォー・ワンと、二人の間には、一直線に伸びる大地の亀裂と、巨大なクレーターが出来上がっていた。

 

 二人であった方は、青白いオーラを纏った王華一人となっており、そのオーラをも使い、時に4本腕に、時に4脚となりオール・フォー・ワンと目にも止まらぬ速度でやり合っていた。

 

 

「はっや。マジ無理だわ。あんなの相手に裏切ったとか言われてもなぁ……」

 

 

 マンダレイのテレパスを聞き流しながらも二人の戦いからは目を離さない。

 当からして見れば、死を予見させるオール・フォー・ワンを相手にする事自体が選択肢にない。今の自分の手札では、どう足掻いても当たりを引く事はできないから、別の方法を取らざるを得なかった。

 そして、今の当には、この決着には既に当たりが出ているも、王華と燈、そしてオール・フォー・ワンの動きをひたすらに観察していた。

 

 

「疾ッ!!」

 

 

 今もまた、王華の手刀を受けるオール・フォー・ワンに、一拍遅れて燈の蹴りが襲いかかり、燈の脚を止めようとも、王華の剣指がすぐさま襲いかかる。

 だが、幾百もの技の応酬を繰り返す両者であったが、未だお互いに一撃も入れられないままであった。

 

 

『ハァッ!!』

 

『……!』

 

 

 突如王華から飛び出した燈の巨大化した拳を躱したところで、ようやく、初めての一撃が入る。

 

 

「フッ!!」

 

 

 王華の両の掌底がオール・フォー・ワンの鳩尾に入り、そのまま気を爆発させ吹き飛ばす。

 木々をへし折りながらもオール・フォー・ワンは何事もなかったかのように立ち上がり、王華は次に備え、呼吸を整えていた。

 

 

『随分と成長したね。弟の方もそうだが、それも"血"の為せる技かな』

 

「私に弟などいない。この身に流れる血も、全て私だけのものだ……貴様は殺すぞ。今ここで」

 

 

 余裕の表情のオール・フォー・ワンに対し、ビキビキとその顔を歪めた王華からは青白いオーラがその憤怒の感情を表すように立ち昇っている。

 

 

『君たちの言いたいこともわかるが、僕だって怒ってるんだぜ?君たちとの戯れから、僕も死にかけた。それに、欲しかったのは君たち姉弟ではなく、不幸な事故から殺してしまった君だったというのに』

 

「『黙れ!!』」

 

 

 あり得ない速度で叩き込まれる王華の蹴りを、頭を捻るだけで躱すが、王華の蹴りから僅かに遅れて放たれる、溢れ出た青白いオーラの蹴りがオール・フォー・ワンを捉えるも、軽々と左腕で受け止められる。も、燈のオーラはズルリと形を変えて左腕を絡め取る。

 

 

『その個性が欲しかったんだ。まさかそんな風に作用するとは思わなかったが、やはりいい個性だ』

 

「この機は逃さん!!その身に刻め!!大いなる罪咎(クラウィス・マグナ)!!」

 

 

 王華の貫手がオール・フォー・ワンの腹に刺さり、続け様に燈の貫手が、入れ替わるように王華の貫手が、間髪入れずに突き刺さり続ける。

 オール・フォー・ワンの腹に20を超える指の穴が空いたところで、右腕が爆発的に膨れ上がった。

 【膂力増強×3】【筋骨発条化】【瞬発力】【肥大化】【槍骨】

 五つの個性同時使用により異常に大きく、鋭い槍のような骨すらも突き出している右腕から放たれた拳。

 

──当たれば、死。

 

「燈ッ!!」

『任せてッ!!』

 

 

 王華が全身を殴られる方向に両手を添えて高速で回転し、そのダメージを極限まで逸らす。すると王華と一体化していた燈が王華の頭上から湧き上がり、大きく広げた腕と、研ぎ澄まされた10本の指をその顔の両側に突き刺そうとしている。

 

 

「引けッ!!」

『──!?』

 

 

 王華の叫びに燈の身体は焔のように消え、王華の身体へと戻る。その理由は、王華の驚異的な直感力で、何かしらのカウンターを喰らうと判断したからであった。

 そして、それはその通りであり、オール・フォー・ワンは既に【衝撃反転】の個性を発動していた。

 

 

『いい勘だ。少し楽しくなってきたけど、僕の目的はもう果たせないし、別の目的は達したようだ。今日は弔の新しい友達を連れて帰るとするよ』

 

「あっ!俺っすね!はーーいゴップェッ!!クッサ!?」

 

 

 ドプリと黒い液体を当が吐き出したところで、当の姿は消え、王華と燈の蹴りの衝撃がオール・フォー・ワンを襲うも、誰もいない地面に亀裂をいれただけで終わり、そこには立ち尽くす王華だけが残されていた。

 

 

『あの状態でも奴はまだ強い。今の私たちじゃ、きっとまだ勝てないね……』

 

「そんなことはないッ!!燈を殺したあの男は、今すぐにでも私が殺す!!燈の敵を、私が討つんだ!!」

 

 

 怒りを隠すことなく周囲へと曝け出し、自分にすらも叫ぶ王華。しかし、逸らしただけと言うのに王華の両腕からは鮮血が流れ出ており、力の差は歴然なのだが、今の王華はそんな簡単なことにすら気づいていない。

 自分が死んだ、親友であり、唯一の家族である王華の目の前で死んでしまった、あの日の事を思い出しているのだろうと、燈は無言で王華を内側から見つめていた。

 

 




ごちゃごちゃしまくりですが、同時に複数箇所で戦闘が起きている状況が好きなんです……読みづらかったらすみません!
感想やお気に入り、評価もありがとうございます!

読了ありがとうございました。
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