ペルソナ5~怪盗従者~   作:ナナシのG愛好家

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色欲の城主

 あの全身鎧の兵隊たちは、竜司殿と転校生殿を牢獄に放り込み、どこかへと行ってしまった。

 先ほど目が覚めたお二人は、出口が無いか、懸命に探している様子。

 フム………助けたいのは山々ですが………、鍵が無い事にはどうしようもありませんな。今はまだ、様子を見ているしかないでしょう。

 そう考えたのも、束の間だった。再び鎧の兵士がやってきていたのだ。

 

「喜べ、お前たちの処刑が確定した。罪状は、【不法侵入】である。」

 

 そう、偉そうに宣言する。何だコイツ。頭がわいているのか?すると、

 

「鼠が入り込んだと聞いたが、まさか貴様とはな、竜司。」

 

 そう言って、奥からもう一人、男がやって来た。

 

「…………は?」

 

 流石の私もそう言葉をこぼさずにはいられない。何故ならそいつは、ハートの模られたケープに、玩具の様な王冠を頭に乗せた、ピンクのブーメランパンツ一丁の正真正銘の変態だったから。

 しかも、そのスネ毛ぼうぼうの変質者の、黒のモジャモジャの頭部。目が怪しく金色に光っているが、認めたくはないが、ぜぇったいに認めたくないが、栄えある我らがベレー部顧問、鴨志田でしょう。

 

「は?鴨志田?」

 

 思わず、そう声を出してしまい、

 ガッ!!と、鎧兵に押さえつけられる。不覚…………!!

 そのまま殴られ、私は意識を失った。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「ぐ…………。」

 

 その後、目を覚ました時には、私は鎖で柱に縛りつけられていた。

 

「ここは…………。」

 

 見ると、目の前にはニタニタと気持ちの悪い笑みを浮かべた鴨志田がいた。

 

「鴨志田………グフッ!!」

 

 そう声に出した瞬間、腹を殴られる。

 

「気安く呼び捨てるな。全く、さっきはあのくせ毛の奴のせいでひどい目にあった。」

 

 くせ毛………?自分のことを言っているのか?そんな訳は無いと思うが………。

 

「少し、いたぶらんと気がすまん。恨むのなら、俺様の城に入って来た、いや、俺様の機嫌を損ねたことを、後悔するんだな。」

「何を………ふざけたことを………ガッ!!」

 

 再び殴られる。

 

「まったく、自分の罪にも気が付かないのか?オレはアイツを、坂本を一人にさせたかったというのに、お前ときたら、俺の気持ちも理解せず、坂本に手を差し伸べる、仲良くつるむ、、せっかく潰した元陸上部の奴らにも、奴との仲を取り直そうとする。邪魔なんだよ。」

「それはそれは………エロゴリラではなくクズゴリラでしたがっ!!」

 

 今度は顔だ。

 

「フフッ、機嫌を見事に損ねられて、私としては満足ですよ。ざまぁみろ。」

 

 口が切れたか………ぽたぽたと血が出る。

 

「フン。それにあの天才少年の件だ。輝くのは俺様一人で十分なんだよ。所詮は子供、そう考えて、アイツに孤立感を与えて鬱にさせ、やめさせてやろうと思ったのに、コイツもお前に邪魔されたせいで、のうのうと学校生活を送ってやがる。」

 

 彼の件ですか………何とも身勝手ですね。

 

「お前をはめようにもずる賢いからなぁ。ここにきてくれて感謝するよ。何の証拠を残すこともなく、お前をいたぶり殺せるんだ。」

 

 下卑た笑みを浮かべる鴨志田。

 

「ふざけていますな………。」

 

 思えば、そんな言葉が口からこぼれていた。

 

「金メダリストにしては、品性も無く、下劣な輩とは思っていましたが、ここまでとは。」

 

 そんな時、バンッ!!音がして扉が破られ、マジシャン風の服装をして、仮面を付けた男、髪型と、特徴から見るに、転校生殿でしょうか。と、竜司殿、そして得体のしれない黒猫が、突っ込んで来た。

 

「自信が輝くため、他人を貶め、いたぶる。人を人とも思わないクズ。私は………そう言うたぐいの人間が、反吐が出るほどに、心の底から大嫌いなのですよ!!」

 

 自分らしくもなく、そう怒鳴り、鴨志田を睨みつける。

 

《ようやく、その気になった様だね。》

 

 その瞬間、私の頭に経験したことのないレベルの痛みが迸った。

 

「がっ!?」

 

《現世に戻ってはや16年。この平和な世界じゃ、無理もない。

 しかし、弱者をしいたげ、搾取する。人を人とも思わない悪魔、それが目の前にいるとしたら、どうする?

 討つべき悪魔が目の前にいる。それを放っておく、キミじゃないだろう?》

 

「………当然でしょう………。」

 

《なら、契約と行こうか。我は汝、汝は我。さぁ、ぬるい日々に別れを告げ、悪魔を打倒して見せよう》

 

 ボッ!!と、黒の仮面が私の顔に付く。

 蒼き炎が、私を縛る鎖を溶かし、仮面を手に取った。

 

「さぁ、始めましょう、来なさい!!」

 

 その言葉と共に、現れたのは、長コートに、杖、シルクハットをかぶった紳士。

 その瞳は、赤く輝いている。

 

《ボクは憂国の反逆者、『モリアーティ』さぁ、悪魔どもに裁きを下す時間だ。やり方は任せるよ?》

 

 そう言い、私に目を向けてくる。見れば私は、アドラステアの宮内卿だったころ(あのころ)の服を身に纏い、腰に短いナイフと、闇色の長剣を携えていた。

 

「マジかよ…………。」

「ありゃぁトンデモねぇ。」

 

 竜司殿と猫が、そう言葉をこぼす。

 

「お手並み拝見だ。ヒューベルト。」

 

 見れば、私の隣に転校生殿が立っていた。

 

「クソッ!!貴様ら、やれェッ!!」

 

 その言葉で、衛兵が次々と現れる。それは赤黒い光と共に、カボチャみたいな見た目をした怪物と、羽の生えた女に変貌する。

 

「ククク、お見せしましょう。」

 

 カボチャの怪物が向かってくる。

 

「ハァッ!!」

 

 その突撃を躱し、長剣で一蹴。背後を取った妖精の雷撃を躱し、ナイフを投擲。

 そのまま流れる動作で、仮面を外す。

 

「仕留めなさい、モリアーティ!!」

 

 その言葉に呼応するように、闇の球体が、カボチャと妖精を葬る。

 

「残念ですが、貴方はもう終わりですな。鴨志田殿。」

 

 そう言い、剣を突きつけた私の瞳は、きっと輝きを取り戻していたのでしょうな。




 ペルソナ解説【モリアーティ】
 属性は今作オリジナル、【闇】
 アルカナは【運命】
 今後強化されて行きます。お楽しみに!!
 
 次回、城から抜け出すヒューベルト達。だが、竜司は城で見た光景が、どうにも忘れられず、再び城を訪れる。次回【四番目の髑髏】
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