超次元ゲイムネプテューヌmk2 希望と絶望のウロボロス【凍結】   作:燐2

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墜子

ーーー我は地に墜ちた神。

 

人という生き方を捨て。

血と暴力の惨劇から生まれた狂気。

幾多にも生まれる亡骸を地獄に送り込み。

その魂と血肉で更なる絶望を紡ぐ。

 

世界は暗闇に包まれ、人々は女神達に希望を託す。

世界は光輝に照らされ、只一人の女神の掲げる剣には、捧げられた光と有象無象の混濁の魂が宿る。

 

ーーー願わくば、その光が次なる闇を遠く遠くまで消える事を願い、新たなる墜ちた神、世界の生贄、悪の権化である魔神。

 

ーーー希望も絶望も不必要。

果ての果て終焉に至る永劫の虚無こそが人から恐怖の体現、絶望の象徴として語れた我らのあるべき姿。

 

 

 

 

 

 

「それは違う、……真実は、必要ない?どういう意味だ」

『お二人さん、相棒が遂に壊れ始めたどうしよう』

 

プラネテューヌから離れた三人は紅夜を先頭に途方もなく歩いていた。

そして、どこに向かっているか理解しているのか不明の紅夜は虚空に向かってブツブツと誰かと会話でもしているかのように呟き始め何度も会話を試みようとしたデペアは匙を投げた。

 

「斜め三十五度からチョップを叩き込めば?」

「旧い電気器具じゃないですの。ま、あの様子じゃそれをしてみるのもいいかもしれないですの。ところで一つ質問ですの」

 

私?と自身に指を向けた日本一に空気読めと言いたげにがすとは頭を抱えながらため息を付く。

 

『ボクに答えられる事なら、なんでも……でもブラッディハードの事はあまり知らない』

「そうですの……。というか、貴方と零崎紅夜は一体どういう関係なのですの?」

『相棒ーーーだと言い合った仲だよ。でもお互いに何も支え合えていない失笑ものだけどね』

 

顔も見えないただ紅夜の手にある宝玉が点滅しながら喋るだけなのに、その自虐的に笑うデペアの声が痛々しい。

 

「……日本一」

「今様降りる気なんてありえないよ」

 

がすとは頭を抱えた。

絶対にこれは厄だ。それも特大で、世界の行方すら決めてしまう様な存在が幻聴が聞こえる程に精神的に病み、その相棒は手を尽くして半ばあきらめている様な空気だ。

本当ならこんな対処は、女神がするべきだろうと内心ツッコミを入れるが、肝心の女神は犯罪組織に囚われ、切り札である女神候補生はシェアエナジーを得るために別の国に居ると言う。

どう考えても、知識容姿技術において天才の錬金術師様と自称正義のヒーローが手を出していい案ではない。

 

「ここで背を向けたら、自分から逃げることになるから」

「……あの変態も人が相手すること自体が愚かだったのですの。だからあんな奴の言葉なんて気にしない方がいいですの」

「私の正義は困っている人を助ける事だよ。それは、それだけは絶対に変えたくない、それに」

 

そこで口を閉じて、日本一は紅夜に見つめた。未だに空想の相手をするこの世界の必要悪を雨に打たれて、下を見つめる捨てられた子犬を見る様な目で。

 

「がすとに分からない?---今も泣いているよ。あの人」 

「……全く、バカはバカでしか通じないのですか、呆れたですの」

 

はぁ、とため息が零れた。

 

「ああ、ここか」

『ここが目的地?何もないけど』

 

紅夜が足を止めた先には、ぱっくりと抉られたように空いた湖だった。二人もここに何があるのか疑問に抱いた瞬間、酷い寒気が肌を舐めた。

それはまるで、地獄に一歩足を踏み入れたような感覚、次の瞬間には五感が一斉に警戒を出した。逃げろ逃げろ逃げろと明確な詳細を全く理解できなくても、本能が叫んだ。

 

『ーーーあれ?』

 

デペアは異変に気付いた。

ブラッディハードの力はあまりに危険だった故に自身の了承がなければ冥獄神化は出来ない。その封印が中から鍵でも開けられたように解けている事に、まるで合鍵でも作られたように強固に封じ込めたはずの封印の扉は開かれ中から悍ましい力が溢れ出す。紅夜は、背中に背負った緋曜日を抜き取り、両手で持ち剣先を空に掲げて、負を込めて詠唱を開始する。

 

「世に希望あれば、絶望を抱き

 世に絶望あれば、希望を妬み

 暴虐の王は群体と共に世界に名を示す」

 

濃密な呪祖を込めた言霊が世界に広く響き渡る。そして、欲望が争いを憎しみが悲しむを生むように世界に満ちた負が居るべき場所を見つけた様にその場に収縮していく。人の形をしていながらモンスターと同存在に近い故に隠れ警戒していたモンスター達も鬼哭の咆哮を上げ一斉に分解され、血が凍るような漆黒の風が紅夜の周囲に満ちていき、現世を塗り潰して地獄が構成されていく。

 

「い、いったいなんですーーーの」

 

砂煙は晴れた先に現れたのは自分たちは知っている女神の姿、守護女神化によく見たーーー恐ろく禍々しい存在だった。

 

「我は凶刃…鮮血と殺戮を求め、あまねく空と地を絶望に埋め尽くす魔神なり……」

『ど、どういう事だ?魂が二つ……いや三つ!?お前ら誰だ!?』

「どうしたの?」

 

これが女神化のように姿を変えたブラッディハードの姿と納得できたが、明らかにデペアの様子が可笑しい。全くのイレギュラーに冷静を保てないように。

 

『いや、ちょっと待て……まさかお前達は』

「早くも辿りつくか楽園の蛇。この闇に染まった体が、暗黒地獄(カオス・ザ・ワールド)に封印した我たちを招いた。そして応じた……安心するがいい、奴は一時の黄昏の地で眠りついただけだ」

「一体何が起きているのですの!?意味不明ですの!?」

「がすと、がすと」

「なにですの!?」

「……あれ」

 

声を上げるがすとに日本一は呆然と指を湖が合った方向に向ける。そこには霧を纏った見上げる程の大きな城がまるでそこから最初から合った様に建っていた。発せられた氷刃のような冷たく鋭い女性の声(・・・・)は、間違いなく紅夜から発せられている。その紅夜ではないダレカはその手に握っている銃口がないリボルバーに分厚い刃が装着されたガンブレードの剣先を城に向けた。

 

「運命の天秤を動かす一握り素質を持った物こそ、この魔剣の眠る聖地に足を踏み入れる事が許される。ただの人、黙示録(アポカリプス)への歯車は動き出した。残された時間、仮初の平和をありがたく享受する方が幸せだぞ?」

「ど、どういう意味?」」

『ッ、中二病みたいな台詞ペラペラと喋りやがって、そこの二人逃げろ!要約するとここは人間に踏み入れたらダメ!来るなら殺すぞって言っている!』

 

当たりだと言いたげに口が月食の漏れた微かな光のように笑い、隠されていた殺気が溢れ、二人の体が硬直する。

 

「に、日本一……逃げ、逃げるのですの……ただの人が神様をどうにかできる訳ないですの……!!」

「……嫌だッ!!」

「まだ言うのですか!」

 

日本一は獲物を抜いた。ペンギンの形をした銃を二度素早く引き金を引くと、弾薬に込めれた魔力が解放され、銃口から光の刃を形成する。

 

「ねぇ、貴方も一緒なんでしょ」

「愚かだ。私自らと戦う事、それはつまり世界を戦う事と変わらぬのに」

「これから戦うと決めた人が、そんなに泣きそうな顔……しないでしょ」

「………!」

 

紅夜に操っているそれは日本一の言葉に口を噛んだ。口から血が滴れ、痛みを感じない程に溢れる意志が肉体を動かす。

 

「私の正義は困っている人を助ける事!今はちょっと迷走しているけど、それでも!!泣きそうな人を背を向ける程、私はバカじゃない!」

「人……か、お前には私が人に見えるのか……」

 

各部のプロセッサユニットに流血のように広がる線が紅い粒子を吐きだす。更に濃密になっている殺気に無謀に構える日本一に自棄になって、がすとも杖を構える。

 

「がすと……」

「日本一のような頭じゃ勝っても迷子になるですの!本当にがすとがいないとダメな日本一ですの!!」

「………退け」

『お前が退けや!もう一つの幼女っぽい奴は黙っているぞ!』  

 

デペアの声を無視ししながら瞳を閉じる。ああ、まだ自分がただの人間で合った時の事を自分にもこんな勇者になるだと譫言をまき散らしながら、勝負を挑んできた愚か者がいたことを。

 

「言葉は不要か、ならば我が剣舞の前に散れ」

 

幾多の仲間だった者を葬り、ゲイムギョウ界を蹂躙尽くした口に出すことも悍ましい魔神だと言われた時代、史上最悪の裏切り者、そして世界を一つにした彼女は懐かしく戦火のないこの世界を感じながら、その手に狂気を込めたガンブレードを二人と吸収を拒んだモンスターらしき隠れた存在に向けて、得物を見つけた野獣が笑う様な獰猛さを見せながら、名乗った。

 

 

 

「元守護武将、アイン・アル---参る」 

 

 

 




新次元ゲイムネプテューヌVⅡノーマルエンド(一週目)&バッドエンド(二週目)クリアァ!
明日はトゥルーエンド目指して頑張ろうと!
神次元編は今の所考えていないので、もう新次元、神次元、超女神信仰の要素をちょいちょい混ぜます。けどあくまで、舞台は超次元で変わらないと思う。

※ラスボスより四女神戦がマジで辛かった
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