超次元ゲイムネプテューヌmk2 希望と絶望のウロボロス【凍結】 作:燐2
……活動報告でもうやめますと言っておいて、どうして書いているのか自分でも不思議ですが、色々思ってせめて予定していたバットエンド、ノーマルエンド、トゥルーエンドを残したいと欲望が湧き出て気が付けば書き始めていました。
まずは後味最悪、原作キャラが全滅するバットエンドルートから。
空亡
荒ぶる銃撃音が儚い悲鳴と混ざった曲を奏でている。黒ずんだ瞳で絶望を、狂気に孕んだ瞳で希望を映しながら、お互いに守る物を守る為に、或いはこの戦禍の坩堝に身も魂も飲まれ、永遠に殺し合う日々が、終わりが見えない争いを続けていくだろうか。
ここはそう、地獄。こうなることを確定していると忠告された上で彼女が祈り、私が作り出した弱き、醜く、懸命に生きようとする人の世界。
単刀直入に、この世界には最早女神は存在しない。
今は、誰もが忘れ去られた犯罪組織『マジェコンヌ』と呼ばれる組織があったことだ。『マジェコンヌ』は言ってしまえば、裏で世界を征服をしようとする一般的に悪の組織と呼ばれる目的があった。彼らは人に強大な力と麻薬のような娯楽を示した。こちら側を信仰してくれれば更なる欲望の解消を約束すると――――その数年前に大きな出来事に未だ整理が追いつけていない人類は、その甘い誘惑に誘われたった数年で信仰するべき女神を蔑にした。勿論、その目的を知らずとも人々の未来を守る存在である女神達は立ち上がり、犯罪組織『マジェコンヌ』と戦い、そして囚われた。
次に囚われた女神を救うために、小さな勇気と小さな希望、大きな未来を託された女神達の妹である女神候補生達が立ち上がった。彼女達は猛々しく戦い、各地で様々な人々の協力を受けながら、遂に女神達を救出することに成功した。
そして力を回復させていき、女神の威光を取り戻していく一方で、犯罪組織『マジェコンヌ』は弱まっていく。悪が栄えたためしなし、と女神と共に戦った正義に燃える彼女ならそういうだろう。
四天王と呼ばれる『マジェコンヌ』の中でトップの実力者すら女神の手によって打ち倒され、勝敗は決したと誰もが疑わなかった。……私自身も、同じだった。
だけど、女神の敵である犯罪組織『マジェコンヌ』は最初から目的を果たす為の駒でしかなかった。『マジェコンヌ』の創立者であり人々の負の神と呼ばれる『マジェコンヌ』は本来既に昇天した存在だ。『マジェコンヌ』は『マジェコンヌ』が行った悪行を元に作り出された全くの別の存在であり、己の存在を隠し、都合のいいように動かすための木偶人形だった。
全て、遅かった。マジェコンという『マジェコンヌ』の力によって生み出されたあらゆるプログラムをハッキングして違法インストロールできるツールの本当の機能は、
その事実は『マジェコンヌ』を作り出したゲイムギョウ界全ての負の集合体と呼ばれ、冥獄界とゲイムギョウ界を繋げる禁地として作り出されたギョウカイ墓場に封印されていた史上最悪の人が生み出した真の黒幕、絶望の神『ディスペア・ザ・ハード』しか知らなかった。
アレは……、否、彼女は、禁断のスイッチを慈愛の瞳で押した。
結果、四大陸中のマジェコン所有者全員がその場で人々の脅威であるモンスターへと変貌させた。
………後は、地獄の祭りだった。彼女の目的通りに四大陸中全てに大ダメージを受けた。本来女神の加護のお蔭で絶対に無事だと思われた街中での人だったモンスターの襲来は、無実の人々を多く殺めながら、女神に急速に葬られた。
モンスターは本来負の塊から生み出される物、当然モンスターへと変貌してしまった元の人の理性はなく、ただ暴れるだけの災害となる。……問題は女神は『人々の未来を守る機能』として生み出された『ディスペア・ザ・ハード』のような神格ではなく、人造的に生み出された存在だという事だ。
例えモンスターだとしても、それは数分前に紛れもなくゲームを楽しんでいた人であった。
女神達は、人を守る為に、モンスターをいっぱい殺した。
人は女神の加護が信じられなくなり、必死で
モンスターを殺せば人々は女神を信仰する。その当たり前だったシステムの根源から破壊されていた。
女神を非難することは間違っているという女神と共に旅をした仲間達は女神を擁護したが、既に大いなる哀しみと怒りを納めることは無理だった。
むしろ問題は、次誰がモンスター化することだ。直ぐにマジェコンを所有者が割り出され強引な手段を使ってでも回収されたが、マジェコンを通じて負の浸食を受け、破滅願望を灯された人々は抵抗をする。そもそも一番ひどい時期は『マジェコンヌ』の信仰率が7割を取られていた時もあって、誰がマジェコンを持っているか完全に調べる尽くすことは非常に難しい。マジェコンを持たぬ平常な人々すら隣で何気なく歩く人を疑った。
――――もし彼、彼女がマジェコンを持っていたのなら。
疑惑は恐怖、恐怖は防衛本能、防衛本能は――――暴力に。
隣人を愛せよ。聖書に書かれているそんな人々の愛と温かな平和へと込められたそんな言霊は、このゲイムギョウ界には最早戯言以下の譫言へと堕ちていた。
同時に、人々と世界の未来を守る守護女神――――彼女達にもバグが生じ始めた。人を守る為に人を殺し、当然の様に人を殺し人に避難を浴びるそんな日々に……気が、狂い始めたのだ。
私の異母姉弟となるだろう霊崎 紅夜さんはそんな女神達を必死に身を削りながら助けた。だが、気が狂い始めた女神達にそんな言葉は通じず、ある日雑草が抜かれる様に誰かに殺されていた。抵抗した様子は零崎さんには無かった。
私のお父さんは静観の姿勢だった。この地獄を造り出した最も近くで協力したと思われる人。だけどその性質は邪悪の一言。……それに『ディスペア・ザ・ハードは人々の負の集合体だった故にこの結果も人が望んだ事だろう?それを曲げる権限を女神は持ち合わせてなかった。それだけだろう?』と扇動した立場とは思えない言葉を当たり前のように口にするだけだった。。
そんな屑なお父さんを一発殴り飛ばして、私は―――――何も出来なかった。
――――――私は神を殺す存在だから。神格を持つ『ディスペア・ザ・ハード』を滅ぼすことは出来るだろう。しかし、この問題は黒幕を滅ぼしても何も解決しない。そもそも相手は負の集合体なのだ。たとえ消滅しようとも、負があればまた別の形で復活するのは明白だった。
それにあのクラスの神格は消滅させるのも手間がいる。私の力は善であろうとも悪であろうとも等しく滅ぼす――――故に、私が力を行使してしまえばゲイムギョウ界に張り巡らされている女神の加護は完全に消滅する。前の様に、一定場所をまるごと別時間軸に飛ばすことで女神の加護が死んだことを無理やりなかった事にしたことがあるが、因果に叛逆する程の行為は世界そのものに大きな負担を掛ける。
最悪の場合、自己矛盾に耐え切れなくなり、ゲイムギョウ界全てが消滅するだろう。
自分の手を紅く染めて不気味に笑うラムちゃんやロムちゃんに話しかける事が出来なかった。
感情を捨て機械のように人なのか、負によるモンスターか関係なく射殺するユニ様は話が通じなかった。
唯一女神の中でまだ正気を保っていたネプギア様は本来守るべき人々に憎悪と不信を剥き出していて話を聞いてくれなかった。
私の母親代わりの最も信頼して尊敬している夜天 空さんは『ディスペア・ザ・ハード』の正体に誰よりも動揺して、彼女の言葉に心が折れて彼女の優秀な部下として、話掛けても石の様に無関心だった。
―――――――私、は、何、も、出、来、な、か、っ、た。
私が動けば世界は救われるだろう。その代わりに世界が終わる。今まで築き上げてきた人々と女神の歴史を永遠の闇に葬ることになる。
だから私は震えるだけだった。私には最初から、先生とポチさん、父さんとティー姉さんとピーちゃんがいれば良かった。それだけで良かった。みんながいる世界で私は完結していた。
顔も知らない多くの誰を助ける為に、世界の業を背負う神殺しをする決意できるわけがない!
もし、やっとしてもその先の世界に私は先導者として導くことは出来ない!
私は生まれ売られ非道な実験と多くの人やその他の物に配合させられてきたんだ!
そんな私が私を凌辱した同じ人間をあの女神の様に人に優しく接することなんて出来ない!
教会の権威は完全に崩落、女神の協力者は誰一人行方は分からない。耳を塞いでも、外を見てしまえば嫌でも状況が分かってしまい、部屋の片隅で震える日々、私の元に女神様がやってきた。ネプギア様だった。
彼女は疲れ果てた様に、血だらけの体で、あの優しげな顔は呪詛に刻まれた修羅の様に、あの鈴を転がすような声は、地獄の底から聞こえる悍ましい声で、私に命が灯火が消える直前に会いに来ていた。
ただ一言、私の悩みを背中から押し切る為に、親愛なる姉を殺した人々に更なる地獄へと落としその中で苦しむ様子を頭に思い浮かべ笑う様に。
『コの世界、カラ、神を、殺シて』
その呪いの言葉を口にして光となってネプギア様は消えた。
そして私は愚かしくも、それを実行してしまった。
◇
「神を正当性させるために争いが起きるってことは、同じように神を生み出す為に争いが起きるってことだ。あの地獄の中で、誰かが身を犠牲にしてでも神を人々に幻想させるか、それともみんな滅びるのかは……まぁ、人間って奴は愛しい程に醜悪で呆れる程にしつこいから、何らかの形で結果を出すだろうな」
「…………ァア゛ア゛ア゛」
「先生、動かないでください……涎が拭きにくいです」
私はそうやって、死んだ魚のような生気が全くない虚空を見つめる瞳の先生の口元に流れる涎をハンカチで拭いた。両手両足を更に先生の力を封じる為の特製の車椅子を押す父さんは静げな顔で、この桜満開の墓場を見渡す。
「……墓場、にしては綺麗すぎるな」
「消しますか?」
「やめろ。墓場で武器を取り出すなバカ」
はい、と静かに
「えーーと、優れた美人、純潔、精神美、淡泊だけっか?空らしいな。お前が女神に込めた祈りも同じ様だ。純潔の混じりけのない美しい祈り、それが時を重ねれれば簡単に散るし、又は汚れる」
私は作業を開始する。とは言っても、綺麗にした女神達の遺品を新しく立てたお墓に供養するだけ。……手伝いましょうかと先生の従者であるポチさんが問い掛けてくるが、いいと言い返す。ネプギア様の願いの通りに絶望神『ディスペア・ザ・ハード』は完全に消滅させた……そして、私は女神様を巻き込んでしまった。女神の加護は完全に失われ、女神が女神として活動できるその根元から死滅して、女神達は疲れ果てたように絶望に染まりきった瞳で消えていった。
私が殺してしまったんだ。だから、これは自分でしなければならない。例え、頼まれた事を忠実に行ったとしても、取り返しの出来ない事をしたことは紛れの無い事実だから。
「まるで今にも消えそうな花ですわね。生命の瞬きのようですわ。美しく、けれど栄養にするのは決して綺麗とは言えないような物ですわね」
「そう言ってやるなティシフォネ。世の中、善と悪、正義と不義、男と女と全く正反対の存在があったほうが成り立ちやすいんだ。……この場所は、善に正義に誠実に生き続け、人に忘れられた女神達を奉る神聖な場所だ」
ネプテューヌ様、ノワール様、ブラン様、ベール様。ネプギア様にユニ様……友達になってくれたラムちゃん、ロムちゃん。
「ごめんね。一緒に、一緒に、ゲームしようって約束したのに……」
踏み潰された二つのゲーム機を一つの墓場に納めた瞬間、胸が苦しくなった。目が燃える様に暑い。―――――だけど、泣かない。泣く権利すら、彼女達を殺した私にはない。この場所はゲイムギョウ界を守ってきた全ての女神達を先生が弔った場所。そして私は、女神達の築き上げてきた者全てを破壊してしまった大罪者。
立ち上がり、空さんの娘―――ということになるだろう。イストワール様は絶望した表情で静かに涙を流す。彼女のお兄さんであり、偽りの『マジェコンヌ』の器にさせられたゼクスと呼ばれたモンスターは、女神の手により討たれている。
そして空さんは『ディスペア・ザ・ハード』の真実に、彼女の言葉に心を破壊された。……元通りにする方法はゲイムギョウ界に関する全ての記憶を抹消すること、それで回復すると父さんは言っているので任せていいだろう。先生絡みになると父さんは絶対的な信頼を抱くことが出来る。
「父さん、私は」
「……見届けるのか?この世界の行方を」
言い切る前に父さんは呟いた。それに私は頷くとため息一つ付いた。
「まぁ、愛娘の心から決めた選択だ。とやかく言うつもりはない……寒くなったら帰ってこいよシチューぐらい直ぐに作ってやる」
「愚妹。愛しき恋しき主様の慈悲ですわ―――期待を裏切ることないように、でなければ五体分割では済みませんわ」
「……テ・テケリ(……お嬢、お元気で)」
「ア゛ア゛ア゛」
強い風が吹く。大量の桜花が舞い散り一瞬、父さんの姿を隠すとみんなの姿がはそこにいなかった。そしてこの場には、イストワール様と私だけが残された。
「……どこで、どこで選択を誤ったのでしょうか。これが運命であるのなら、私も女神様達も……都合のいいプログラムでしか無かったのでしょうか」
「……ごめんなさい。私には、それを答える権利、すらない」
イストワール様は何も言わない。きっと彼女が私を出来る限り意識しないようにしているんだろう。だって、そうしなければ耐えきれないから。
「あぁ、でも、もう一度、許されるなら、私は―――――」
私達が今いる神界。ここは教会にあるゲートを通じてしかこれない、そして教会と言う組織、建物は完全に破壊されているので、ここに来れるのは何らかの次元を突破する力がある私ぐらいだろう。
この場所は封印しなければならない。ここには余りに哀しみはありすぎるから、ここは人間が足を踏み入れていい場所ではないから。
先生が残した神界の機能の一つを使い、何もない空間に投影されるゲイムギョウ界。どこまでも不毛な大地が続き、多くの人々が争いモンスターも人々を襲う。絶え間なく続く負の連鎖が完成してしまっている。この連鎖を断ち切る方法は女神無き今、人間の手できない。
誰もが救いを求めている。誰もが苦しんでいる。
なのに、私は何も出来ない無力な観測者。
そして、この世界をこういうゆうにした大罪者。
狂ってしまいそう、いっそ全部を破壊してしまったらどれだけ楽になるから分からない―――――けど、目を背けてはいけない、逃げてはいけない。
この誰も想像できなかった【未知なる未来】の行方に、少しでも富と幸せがあることを祈り続け、いつか私に罰が下されることをずっと、ずっと、待ち望もう。
まず、申し訳ありませんでした。
気が付けばこうなっていました。ネプギアだけでも生かそうかなと書いていたらご覧の有様です。四女神、女神候補生、メーカーキャラ(行方不明)オリキャラ(一名死亡、一名精神崩壊)の内容でした。
真の黒幕について後日出させていただくノーマル又はトゥルーエンドにて書かせていただきます。
もう、自己満足でしかないのですが、もしよろしくければそちらも見ていだだくと嬉しいです。