Muvluv 生命の源の申し子   作:ユニコーン

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お待たせいたしました!
今日は母が入院の為有休を取って留守番です。
といっても、手術事態は難しくないので心配するなと医者に言われました。

それでは、どうぞ!


第九話

賢治side

 

 

 

 

 207分隊の訓練風景?

 そこって確か、武が居た部隊じゃなかったっけ?

 隣の武を見ると…目を見開いて固まっているからそうなんだろう。

 それを見て博士はニヤリと見ているし。

 しかし、その視線は悪戯の視線とは又違う感じがする。

 ん~…悪役に見せて実は善の心を持つ。

 これがツンデレか?

 

 

「何か言ったかしら?」

 

「イイエ、ナニモ」

 

 

 俺口に出してないよな!?

 女の人はどこの世界でも読唇術を持つのか!?

 

 

「ああそうだ、その前にあんた達はこれに着替えてもらうわよ?」

 

「ん?」

 

「…どうぞ」

 

 

 と言って霞ちゃんから配られたのは服とズボンに靴…なんだこれ?

 

 

「それは国連軍の佐官の制服よ。あんた達に私服でウロチョロされると只でさえ新顔なのに余計に目立つでしょ? それにさっさと着替えなさい」

 

 

 ああそうか、ここは軍だから制服がいるのか。

 いや~エンペラー艦の中じゃ制服なんざなかったからなんか、新鮮でいいね~。

 あれ? 目立つと言っても今日は誰とも擦れ違ってないぞ?

 ここは人通らないのか?

 そんなことを思いながら武と近くの空き室に着替えに行った。

 

 

 

 

夕呼side

 

 

 

 

 因果導体としての役目を終えて元の世界に戻る筈の白銀が、何故か違う世界に飛ばされた。

 これだけでも私の因果粒子論では説明できないのに、それに加えてその世界の者を巻き込んでこの世界にやって来たという…どういうこと?

 二人が着替えに行ってる間に社に社が飛ばされた時のことをプロジェクションできるかと聞いても無理だと返されちゃったわ…

 本人もあたしに見せようと頑張った見たいだけどダメだったと落ち込んでたから頭を撫でてあげたわ。

 この子は何も悪くないもの。

 私はこの目で見なければ信用できない人間…あの二人がやって来て私に言ったことは遠まわしにオルタネイティブⅣ・Ⅴの計画と『この世界の住人ではない』だった。

 何をふざけた事をと思ってたけど、あの二人の身体能力とあの武器で十分この世界の住人じゃないと頭では納得できるわ…

 

 あの二人の武器を爆破する際に使用した爆薬は撃震の装甲が粉々になる量の爆薬を使用していた。

 正直言ってもう終わったと思ったわ…門番の猛攻を喋りながら軽々と避け続け、30弾倉のマシンガンを軽々と受け止める男の逆鱗に触れればこの基地は少なくとも機能不能な状態にまで崩れると、大げさかもしれないけれど私の勘がそう言っていた。

 しかしその最悪の考えを吹き飛ばすように、二人の武器はその場にただ静かに存在していた。

 あたしともあろうものが、こればかりは助かったと思った。

 あたしは直ぐに爆破を命令した奴を全権剥奪と同時に独房にぶち込んだ。

 でも、その馬鹿のおかげであの二人がこの世界の住人じゃないことをいち早く理解できたんだけど。

 

 

「…博士」

 

「ッ何? ああ、戻ってきたのね」

 

 

 考えに没頭して周りに気付かないなんて…あたしとした事が、何時命を奪われるのか分からないのに何してんのよ。

 

 

「何考えてたんです?」

 

「何でもないわよ、さっさと行くわよ」

 

「はい」

 

「そうぶっきら棒に言わんでもよかろうに…」

 

 

 うっさいわね、これがあたしよ!

 

 

 

 

賢治side

 

 

 

 

 着替えを終えて俺達は横浜基地のグラウンドにやって来た。

 そのグラウンドには、銃を抱えて走る207分隊のメンバーとその様子を腕を組んで睨むまりもちゃんがいた。

 今はまだ10月だがこの世界の天候がおかしいのか、彼女達がしている黒のタンクトップと長ズボンの格好ではとても寒い…訓練終わったらちゃんと身体温めてるか?

 

 

「(懐かしい…だめだ、あいつらを見ると涙が出てきそうだ…)」

 

 

 その様子をグラウンドに接する場所で見ていると、隣にいる武が僅かながら震えているのに気付いた。

 視線を向けてみると何かを堪えているように顔を強張らせていた…堪えているのは恐らく『涙』

 今走っている彼女達が、武が言っていた護りたかった仲間なのだろう。

 この世界の彼女達は、武が護りたかった彼女達ではないと分かってはいても、やはり感極まってしまうんだろう。

 

 

「武」

 

「タケルさん」

 

 

 涙を必死に堪えている武に俺は手を左肩に乗せ、霞ちゃんは右手を握った。

 

 

「今度は護り抜こうぜ、今度は俺と『霞ちゃん』が付いてるからよ?」

 

「…頑張りましょう、武さん」

 

「(賢治…霞…ありがとう…ッ)」

 

 

 感極まったのか、武は俯いて肩を震わせた。

 親友が過去の過ちを取り返せるチャンスがあるなら、俺は親友のために行動する。

 俺には絶対に来ないチャンスだ…そのチャンスが親友に巡って来てるなら、俺は全力で親友の為に行動するさ。

 

 武が落ち着いたのを見計らってグラウンドに俺達全員(・・)が足を運び出す。

 何気に夕呼博士も待っててくれたのだ。

 やっぱりこの人は根っからの悪人じゃないな。

 

 

「ッ!? 小隊集合!!」

 

 

 俺達の姿にまりもちゃんが気付き、小隊に集合を掛けた。

 その指示に彼女達は素早く集まり、キチッと綺麗に横一列に並んだ。

 訓練がしっかりとされてるなぁ、俺の所じゃ軍事なんてなかったから敬礼すら無いぜ。

 

 

「貴様等に紹介しておこう、こちらにおられるお二方は昨日、香月副司令直属の任務を終え帰還された【白銀 武】中佐と【黒崎 賢治】中佐だ! 敬礼!!」

 

 

 まりもちゃんの命令に忠実に従って一糸乱れぬ動きで敬礼をする訓練兵達。

 この若さでここまで出来るか…惚れ惚れするね~。

 

 

「では、御剣から順に自己紹介をしろ!!」

 

「はっ!御剣 冥夜訓練兵であります! ポジションは突撃前衛であります!!」

 

 

 名を呼ばれ、青く長い髪を物理法則を無視するように直滑降なポニーテールにし、凛とした眼に何処か敷居が高い印象を醸し出す女性が出て来た。

 そして鍛えているはずのに何故か胸がデカい…どうなってるの?

 

 

「榊 千鶴訓練兵であります! ポジションは強襲掃討であります!!」

 

 

 次は眼鏡に長いお下げをして、学校では『委員長』としていそうな女性。

 そしてこの子もまたキョヌ~でございますね。

 

 

「彩峰 慧訓練兵であります。ポジションは突撃前衛であります」

 

 

 次はどこか一匹狼を連想する女性。

 うん、キョヌ~ですね。

 それも特上の。

 

 

「た、珠瀬 壬姫訓練兵であります! ポジションはい、砲撃支援であります!!」

 

 

 次は自己紹介からあがり性なのがわかる小柄の女性。

 ………うん? おかしいな、耳とシッポが生えてる気がするんだけどここって獣人いるの?

 それでいてちっこくてメチャメチャ保護欲を立てるんだけど…

 その頭をなで繰り回したくなる。

 

 

「(武…この子、人間と猫人のどっちだ?)」

 

「(見た目は判断しにくいかも知れんがたまはれっきとした人間だ)」

 

 

 そうか、人間なのか…俺は何故か敬礼をする時にネコミミがピンッと張った気がするんだが、それも気のせいか…

 

 

「ただいま紹介に預かった白銀 武中佐だ。昨日、香月副司令の任務が終えて戻ってきた。これからよろしく頼む」

 

「黒崎 賢治だ。隣にいる武と共に任務を終えて戻ってきた。よろしく頼む。それと俺達に対して敬礼は必要ないぞ?」

 

「「えっ!!?」」

 

「俺達は確かに階級は中佐だが、実際お前達と年は対して変わらないからな。オマケに俺達は敬礼をされるのには不向きだからそこんとこ頼むよ」

 

 

 カラカラと俺は笑いながら言う。

 訓練兵達とまりもちゃんは目を見開いて固まっている。

 俺なんかおかしいこと言ったかな?

 

 

 

 

武side

 

 

 

 

 こいつは妙に子供っぽいところがあるって弁慶さんが言ってたけど、まさかここでそれを発揮するとは思わなかったぜ。

 まあ、こいつが言わなくても俺が言うつもりだったけど。

 

 さて、207B分隊の彼女達は普通の訓練兵ではない。

 

 征威大将軍『煌武院 悠陽』殿下の双子の妹にして陰に生きる宿命を担わされた『御剣 冥夜』

 

 日本帝国の現総理大臣の一人娘の『榊 千鶴』

 

 避難を拒んだ民をBETAから守る為に独断で動いたことより、国連軍司令部が欠落した上に衛士を死なせたとして処刑された彩峰中将の一人娘の『彩峰 慧』

 

 現国連事務次官・珠瀬玄丞齋の一人娘の『珠瀬 壬姫』

 

 今は入院してこの場にいないけど貿易会社と日本帝国の情報省、そして夕呼先生の連絡係の三足鞋を履く鎧衣 左近の一人()の『鎧衣 美琴』

 

 これだけの特別な人間が秘密を保持したまま一般人と打ち溶け合えたとしても何時か亀裂が走る可能性が高いので、一般の出のクラスに振り分ける訳には絶対にいかないだろう。

 その特異な人間達を纏めるまりもちゃんは本当に苦労人だ。

 そんな中、俺は『前々回』で皆の状況を把握していて『前回』皆と同じ『訓練兵』として接していたから全員が打ち解けれたんだと思う。

 でも今回、『上官』として入った俺にあいつらの抱えているモノを取り除くことができるのだろうか?

 例え言ったとしても、それは上官(・・)としての命令でしかならない…という不安が過ぎる。

 だから俺は、皆と同じ訓練兵としてまた接したかったんだけど、今回は賢治が一緒で俺達の力量が訓練兵…いや、明らかに人間を軽く上回っているので、官位を持っていたとしても小さくては問題が生じるので佐官となった。

 これでは皆と接する時に前の世界の様に気楽に接する事が出来なくなってしまった…

 でも、俺の本来の目的は皆を護ること。

 これだけは、絶対に遂行してみせる!

 

 

「それについては俺も同じだ。俺も年上や同年代から敬礼されるのは背筋が痒くなってしまうからしないで欲しいし、俺はお前達とも分かり合いたいから、俺達とプライベートで接する時はフランクに接してくれ」

 

「ちゅ、中佐! それでは規律が!」

 

「何よまりも~、今こいつらが話してるんだから横から割り込まないの。あんた教官でしょう?」

 

「ぐっ! で、ですがっ」

 

「それに~、この二人はこれからバンバンこの基地で活躍してもらうんだし~、『試したい事があるから訓練兵を俺達にくれ』って言ったのよ~? 今居る訓練兵は207分隊しかないでしょ~? だからこいつらに上げたわ」

 

「「「「なっ!?」」」」

 

 

 ん? おかしいな、俺達そんなこと一言も言ってないんだけど…ニヤニヤしてるし、また先生の無茶振りか。

 もしかして、先生は俺達が異世界の戦術や武器を導入しやすくするためにこんな措置を?

 これは考え過ぎかもしれないけど、お言葉に甘えて…!

 

 

「そういうことだ。解任式までの間だがよろしく頼むよ」

 

 

 先生、感謝します。

 これで俺は新たな一歩を踏み出せます!

 

 

 

 

霞side

 

 

 

 

 207分隊の訓練視察を終えて、私達は研究室に移りました。

 目的は、鑑さん(・・・)に会う為です。

 博士はそのまま執務室で仕事をしているので、研究室に居るのは私とタケルさん、黒崎さんだけです。

 そして、目の前に淡く光るシリンダーの中の鑑さんと私達は向き合っています。

 

 

「…これが、お前の言っていた脳髄状態の【鑑 純夏】か」

 

 

 黒崎さんは少しだけ驚いただけ見たいです。

 粗方の事情はあの赤い戦艦の中でタケルさんから聞いたみたいですが、あまり深くは聞こうとしなかったみたいです。

 

 

「すまない二人とも…少しの間、俺と純夏の二人だけにしてくれないか?」

 

「…ああ、わかった。外に居るから終わったら出てきてくれ」

 

「…すまない」

 

 

 タケルさんの言葉を皮切りに私と黒崎さんは研究室を出て執務室に出ました。

 

 

「あら、顔は全然青くないわね。あの状態の()を見て何とも思わなかったのかしら?」

 

「はは、不謹慎な言い方だが俺はこの世界では揶揄できない状態の人を向こうで嫌って言うほど見てきたんだ。そしてその状態の人を…俺は数え切れないほど殺してきた…」

 

 

 黒崎さんもまた、重い重い過去を背負ってるのですね。

 彼から感じる色は『重厚な青』

 悲しい色の中、その悲しみを他の人に味合わせないという色です。

 

 

「…あんたも、碌な人生歩んでないわね」

 

「カカカ、まぁな。BETAなんざマシと思う様なのとここに来るまで戦ってきたからな」

 

 

 …黒崎さんにも、何時か心から笑顔になる色が発せられる日が来るのを願います。

 

 

 

 

武side

 

 

 

 

 二人が外に出てこの研究室には俺と純夏だけとなった。

 時たまコポコポッとシリンダーから空気が浮上する音が聞こえる。

 

 

「純夏…俺は戻ってきたぞ」

 

 

 俺はシリンダーに額をコツンと付け、目を閉じて言う。

 

 

「俺はこの世界の白銀 武じゃないけど、俺はお前を救ってみせる…! 今回は、俺の『親友』が一緒に戦ってくれる…! だから…もう少しだけ、もう少しだけそこで待っていてくれ…ッ」

 

 

 またな、純夏。

 それを最後に、俺は研究室を出た。

 

 

 ―――しかし、武はその時気付かなかった。

 

 ―――シリンダーから発していた淡い青色が、淡い緑色に輝いていた事に―――

 

 

 

 

「もう終わったのか?」

 

 

 研究室を出て執務室にいる先生に軽く挨拶をし、表に出た。

 表の壁に寄りかかるように賢治は腕を組み、霞はその隣で待っていた。

 

 

「ああ、待たせたな」

 

「折角なんだからもっと話してきてもよかったんじゃねぇのか? やる事はお前は明日からなんだしよ」

 

「いいさ、次に会う時は純夏が目覚めた時だ。それまでに俺はやるべきことをやる」

 

「…そうか」

 

「…タケルさん」

 

 

 賢治の横で静かにしていた霞が俺を見上げて話しかけてきた。

 その表情は、目が少しだけ潤んでいるのに俺は気付いた。

 

 

「タケルさん…少し、遅れましたけど」

 

 

 

 

 

 

 

―――――お帰りなさい、タケルさん

 

―――――ああ、ただいま

 

 

 




いかがでしたでしょうか?

母の症状は下肢静脈瘤と言われました。
症状としては、下肢(あし)に青筋(静脈)が浮き出す病気です。
放っておくと【むくみ、静脈が張って痛い、足がつる、足がだるい、足の湿疹が直らない、色素沈着や潰瘍ができる】とのことです。  

母は20年以上前からこの症状だったのですが、病院に相談は一度も行ったことなく、今年になってユニコーンが引っ張ってでも病院に連れて行ってわかった症状です。

皆様の身近な人で下肢静脈瘤に似た症状はございませんか?
放っておくと極まれにですが、血栓が肺に入って肺塞栓になる可能性があるみたいですので、似た症状がある場合は病院に相談して下さい。

ちなみにユニコーンも似た症状が…明日お医者様に相談してきます(汗


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