Muvluv 生命の源の申し子   作:ユニコーン

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お待たせいたしました!

今回は修正が早く終わったので更新です!

それでは、どうぞ!


第二十三話

美琴side

 

 

 

 

「あ、鎧衣さん!」

 

「え?」

 

 

 今日の午後に退院をした僕は今日の予定表を見て、今日は丸1日野外訓練だったから着替えて訓練場に向かった。

 数日間ずっと入院していたから、身体が鈍った分は取り戻さないとね!

 訓練場に到着する時には、軍曹の講義は終わり、丁度中佐の特別講義が始まるところだったみたいで榊さんと珠瀬さんが準備運動をしていた。

 あれ…二人とも、何か雰囲気変わった?

 前まであったあのピリピリした空気が無くなってる…

 

 

「鎧衣さん、身体はもう大丈夫なの?」

 

「二人とも久しぶり~♪ もうバッチリだよ! あれ、御剣さんと彩峰さんは?」

 

「あの二人なら、白銀中佐の講義だよ」

 

「私達は黒崎中佐の講義。鎧衣さんも私達と一緒よ」

 

「うん、昨日廊下で白銀中佐と黒崎中佐から聞いたよ。個性を生かした訓練方法なんだってね~☆」

 

 

 個性を生かした訓練だから御剣さんと彩峰さんは接近戦、珠瀬さんは狙撃って分かるけど…榊さんは、何だろう? 何かあったっけ?

 僕はサバイバル戦法なら得意だけど…それが戦術機に何の関係があるのかなぁ?

 

 

「鎧衣さんは…サバイバル戦法だから遊撃かもしれないね。他に何か好きな事ってある?」

 

「好きな事?」

 

 

 ん~、好きなことかぁ。

 珠瀬さんがそう聞いてきて考えてみるけど…う~ん、好きな事好きな事…ああ、あった。

 

 

「舞…かなぁ?」

 

「「舞?」」

 

「うん、舞って自分の気持ちを表現することかなぁ…他にも色々趣味はあるけど、一番好きなのは舞だね☆」

 

「へぇ~、初めて聞いたわね…って当たり前ね。つい先日まで私達、互いに不干渉を決めていたんだし」

 

「そうだね~。でも、お互いを知るって…やっぱりいいね」

 

 

 本当に、何で二人とも、こんなに接するようになってるんだろう…?

 以前は、絶対不干渉を決めていたのに…でも、こっちの方が…僕は気持ちが…いいな…

 

 

「今度見せてね、鎧衣さんの舞♪」

 

「うん!」

 

 

 

 

武side

 

 

 

 

 今日の講義では賢治のところに美琴が加わっていた。

 二人の相手をしている時に美琴の様子をちょいちょい覗いてたが、自身の身軽さを使ったフットワークの強化に入っていたから、賢治は美琴の特技を一目で見抜いた様だった。

 まぁ、あいつは元の世界でも人間とは思えない動きをしていたから賢治の訓練にも直ぐに適応するだろう…元の世界は男だったけどな。

 何で女になっているのかが今でも謎だ。

 そんなこんなで講義を終え、俺達は数日後に帝国技術廠に厄介になるので、向こうに持って行く物資を選定しにハンガーへ向かった。

 持って行くものとしては先ず、ヴァルキリーズの戦術機と武装に必要な再生利用の部品全般と、賢治がまた新たに注文した賢治特注のPCセット。

 聞いた感じ少ないと思うけど、再生利用の部品全般となれば、細かいもの含めて全て持っていくんだから軽く40tは掛かっている。

 しかし、ここで問題が一つ発生した。

 それは…

 

 

「あいつらが乗るのは全て不知火だったよなぁ…こっちには予備二機しかねぇよ」

 

 

 そう、ヴァルキリーズの戦術機は全機不知火だという事を俺達はすっかり忘れていたのだ。

 まりもちゃんは撃震改に乗るのはほぼ決定しているし、冥夜達は吹雪を一時的に使わせてから専用の戦術機を配備するがまだ先の話…となれば、ヴァルキリーズは不知火の改造が終わるまでの暫くは吹雪で訓練してもらう事になる。

 あぁ、速瀬中尉が『アタシの戦術機返せゴラーッ!』って暴れ出して、それを涼宮中尉が羽交い絞めで止めて宗像少尉が弄っているビジョンが浮かび上がる…はぁ。

 でも今回は因果が関係してるのか分からないがBETAがやってきたから、今配備してる不知火を持っていくわけには行かないし…どうしよう…

 にしても―――

 

 

「バッテリーの数が明らかに注文以上じゃね?」

 

 

 注文した数よりも多いバッテリーがここに何故か鎮座していた。

 

 

「製造部門の技術者達がローテーションで作ってるようです。問題なく作れる様になる為と言って、3日交代で作って今では1日5個バッテリーを作れるようになりましたけど置く場所がなくここに…」

 

「マジかよ、すげぇな製造部門…職人魂バリバリじゃねぇかよ。でも金は?」

 

「増えた分も払いました」

 

「ちゃっかりしてるな製造部門…」

 

「けどバッテリーが届いたとしても肝心な機体とモーターがなけりゃ宝の持ち腐れだぜ?」

 

 

 霞がバッテリーの増量について説明してくれて賢治はその事に嬉しそうだけど、モーターがないから改造したとしてもまたモーター接続の改造で二度手間になってしまう。

 先に武器を作ったりOSを作ったらいいじゃねぇかって?

 試作OSなら既に出来てるさ。

 でもシミュレーターだけだったらバグ取りも限界があるから実機じゃないとダメだ。

 それに武器は強化に伴って反動とかが大きくなるから、それに耐えれるまでの柔軟性と強固を併せた不知火と吹雪の腕の改造が仕上がらないと、試し撃ちと火薬の調整とかが出来ないんだ。

 理論だけで正確な物が出来たら試作なんて言葉は要らないからな。

 …俺はそれをやってのけた博士達(・・・)を知ってるけどよ。

 賢治も若干その部類に入っちまうし。

 撃震改の突撃砲ならもう造ったけど、撃震改自体が試作だからもっと改良するし、帝国にデータは提供したけど、ほぼまりもちゃん専用機みたいなものだからなぁ…

 不知火の武器の設計だけならもうあるみたいなんだけど、それを先生に見せた時は凄まじかった…

 ノコギリと電気ドリルを両手に構えて賢治を解剖しようと飛び掛り、それから全力で逃げる賢治…

 何かもう、このケースが定着してるな。

 その内、横浜基地名物『部下を襲って三千里 狂乱副指令』ってなりそうだ。

 

 

「何か失礼な事思ってないかしら、白銀?」

 

「ナンデモナイデスヨ先生?」

 

 

 絶対心読んだだろ先生!?

 この世界の先生はリーディング能力持ってんの!?

 

 

「仕方ねぇ、巌谷中佐に貰えないか聞いてみるか」

 

「ちょっと、あたしに断りもなく勝手に進めないでよ」

 

「駄目なのか?」

 

「問題ないけど?」

 

 

 どっちだよ先生…

 賢治は端末を操作して大型モニターで帝国技術廠の巌谷中佐に通信を繋ぐ。

 

 

『む? 黒崎君に白銀君じゃないか。それに…香月副指令と?』

 

「おう、巌谷中佐」

 

「ご無沙汰しております、巌谷中佐」

 

「こうして顔を会わせるのは初めてですわね。初めまして、私が横浜基地副指令の香月 夕呼です」

 

「社 霞です…」

 

『これは挨拶が遅れて申し訳ありません。私が帝国技術廠・第壱開発局副部長の巌谷 榮二中佐であります。よろしくね、社ちゃん』

 

 

 夕呼先生と巌谷中佐はこの通信で初めて面等向かって挨拶をしたって言ったけど…文面とかでは何回かやり取りしている様な感じだな。

 巌谷中佐は敬礼しながら先生に挨拶しているけど、夕呼先生がここまで楽に挨拶するのって…結構レアな気がする。

 そして霞に対してのあの接し方…間違いない、タマの親父さんと同じ匂いがした。

 

 

『ところで、今日はどうしたんだ?』

 

「ああ、不知火改を造るのにちょいとばかし問題が発生したから、頼みがあるんだ」

 

『その不知火改とは、撃震改と互角に渡り合っていたあの不知火の事か?』

 

「ああ。今度はカラーリングをちゃんとするし、名前もちゃんとしたのを付けるが肝心な不知火に余裕がなくてな。10機ぐらい貰えないか?」

 

『いくら君達の頼みでもそんなの無理だ。帝国に配属されている不知火も数が限られて製造も厳しい状態だというのに、10機を送るのはとてもじゃないが…』

 

 

 帝国もギリギリだもんなぁ。

 今だって市民の保証金やなんやらで予算をギリギリまで削って残りを殆んど軍部に入れてこの状態なのに、今製造に着手したら市民が食って生けなくなる。

 …早いところ賢治の技術を帝国が受け入れれば今のギリギリの予算よりもグッと余裕が出ることぐらい、俺でもわかる。

 その為にも横浜基地(俺達)国連(・・)とは違うことを認識してもらわないとな…

 ていうか賢治、不知火くれってドンだけ厚かましいんだよ。

 一機8千万以上するのを簡単にもらえるわけねぇだろお前。

 

 

「じゃあ吹雪は?」

 

 

 おい、じゃあって何だよじゃあって。

 今製造が厳しいって、たった今巌谷中佐が言ったばかりだろうよ?

 お前の常識は其処まで崩壊してんのかよ。

 

 

『吹雪なら大丈夫だ。三ヶ月前に帝国の訓練兵が任官して丁度10機空いた。今別のハンガーに移すためにトレーラーに積んだばかりだから必要ならば直ぐに出そう』

 

「じゃあ5機を直ぐにくれ。2時間以内に送ってくれたら撃震改の突撃砲のバージョンアップデータと一丁を進呈する」

 

『トレーラーに積んだ吹雪5機を横浜基地に運べ、到着まで2時間以内にだ!』

 

「「(即答!?)」」

 

 

 即決かよ!?

 高等練習機とは言え使い方次第で戦場でも使えるんだぞ!?

 しかも堂々と横浜基地って言ってもいいのかよ!?

 

 

『今指示を出したから直ぐに到着するだろう。さぁ、データをくれ』

 

「早えよ、まだ届いてないっての…」

 

「(巌谷中佐って…こんな性格だったかしら?)」

 

 

 そこまでしてデータが欲しいかこの人は…

 前の世界よりもノリがいいなこっちの人って。

 

 

「そうだ、俺が先日渡した撃震改のデータはどうだ?」

 

『ああ、今日一機目が完成して私が乗ってレポートを作成していたんだ…パワー、スピード、サーチ…どれも素晴らしいの一言だ。瑞鶴と比べ物にならんな。唯衣ちゃんにも乗せてあげたいぐらいだ』

 

「「唯衣ちゃん?」」

 

 

 誰のことだ?

 

 

『ああ、失礼した。私が変わりに面倒を見てる子でね。今はアラスカに行っているんだ』

 

 

 アラスカ…となると霞が言ってたXFJ計画の事か。

 米国が主催の計画だからうまく行けるんだろうか…まぁ、想像は何となくつくけど。

 不知火弐型だっけか?

 それが最初も前回も国連と帝国に配備されてなかったってことは失敗したんだろう。

 

 

「そのアラスカの経過はどうなんた?」

 

『駄目だ、米国顧問がああだこうだ言ってやっと製造に着手した…それに向こうには日本を嫌悪する人物が計画の主席衛士をしていて唯衣ちゃんとの衝突が絶えない…君がアラスカに行ってくれた方が早く終わるのは確実なんだがな』

 

「残念だが俺はこっちでやる事があるんだ。今ここを離れるわけにはいかんのさ」

 

 

 巌谷中佐は苦笑いしながら言ってるけど、こんなにポンポンと機密を話していいのか?

 横浜基地(こっち)はともかく、帝国(向こう)は盗聴とか聞き耳を立てられたりしてバレたら懲戒だけじゃ済まないぞ?

 

 

「まぁ向こうは向こうなりの工夫で仕上げるだろうさ。力が必要になったら俺、もしくは香月副指令に連絡してくれ。出来る範囲で協力する」

 

『すまないな。ところで不知火の件なんだが…』

 

「どうした?」

 

『その不知火は新品でなければならないのか?』

 

「いいや、中古でも構わんさ。俺達が一旦解体して改造するからな」

 

『ならば老朽化して廃棄される不知火でいいなら10機丁度此方にあるが、そちらで修理するのであれば、それを譲っても構わないが?』

 

「おお、あるのか! わかった。俺達が不知火は修理して改造するからそちらのハンガーに移しといてくれ」

 

『わかった。だが、その改造した不知火改のデータを私にもくれないか?』

 

「わかった。全てをやるわけにはいかないが、共有できるデータなら譲ろう」

 

『助かるよ、その共有できるデータだけでも我々より有力なデータであることは間違いないだろうからね。では早速手配しよう』

 

「ああ、頼んだぜ」

 

『任せろ』

 

 

 

 ―――ブゥンッ

 

 

 

 

賢治side

 

 

 

 

 思わぬところで収穫があった。

 横浜基地にも不知火の残骸はあるが残骸(・・)だから当然復元は無理。

 老朽化といったが、戦術機の寿命はどれぐらいだ?

 書類では初代不知火が出来たのは今から8年前だが…初代なのか?

 まぁいい、8年だろうが10年だろうが原型を保ったの10機が安く手に入るんだからな。

 それに吹雪も手に入るし、自分達の初めての搭乗日に機体をヴァルキリーズが使ってるなんて悲しいことをさせなくて済む。

 

 

「話はついたな。老朽化しているって言ってたから、こっちで補う必要があるか…」

 

「だな、なら老朽具合を見てパーツは再生部品を使う事になるだろうから俺達が直接着手しよう。だが製造部門も国連なんだが、情報漏洩とかは大丈夫なのか?」

 

「大丈夫です、武さん」

 

 

 霞ちゃんが断言するように言ったが、その根拠は何ぞ?

 

 

「リーディングしました」

 

 

 なるほど、一番の説得力だ。

 

 

「流石は霞だ。なら絶対大丈夫…とまでは行かないか…」

 

 

 武は霞ちゃんの頭を撫でながら言い、霞ちゃんはそれを目を細めて気持ち良さそうに受け入れていた。

 だが武の言う通り、途中で米国が技術者を脅したりして情報を無理矢理手に入れようとしたりするからな…したらしたで俺達が地獄を味合わせるが、念には念を入れとかないといけない。

 

 

「そこらへんは何処も同じだ。IDカードのプロテクトを強化するなり監視カメラの性能アップなり、後は保安部が優秀かどうかに掛かるが…まさか今の訓練兵より弱ってのはないよな?」

 

「御剣さん達の方が強いです」

 

 

 か~…保安部が役に立たないってどういうことだよ、訓練兵は今俺達が直接付いているから着々と実力は上がっていっているが、ベテランの保安部が訓練兵に負けてどうすんだよ。

 保安部の面子丸つぶれじゃねぇか。

 

 

「ああでも、こっちには最終兵器博士がいるから大丈夫か」

 

「だな、先生がいるから大丈夫だ」

 

「ちょっと、それどーゆー意味よ?」

 

 

 いやいや、白衣に手を突っ込めばいかにも収容できないサイズの武器が出てくるんだからさぁ。

 探りに来たスパイも顔が真っ青どころか土気色になるぜ?

 

 

「じゃ、作業に行こうか霞?」

 

「はい」

 

 

 そうだな。

 ヴァルキリーズの吹雪に搭載するにもXM3をインストールするにもちょっとサイズがあるし、CPUの換装とかで機体を改造する機具の準備をしないとな。

 

 

「―――ちょっと待ちなさい?」

 

 

 ―――チャキキッ

 

 

 …あの~、博士?

 貴女何時の間に『M1100 リヴィジョン』を二丁こちらに構えているのでしょうか?

 って何でショットシェルを身体にX字に巻きつけてるんだよ!?

 

 

「好き勝手言ってくれるわねぇアンタ達…あたしを無視して勝手に話を進めてるし…あたしがアンタ達の上の存在という事を、再度認識させないといけないみたいね?」

 

 

 顔が肉食獣の様に歯を向き出しにしてる…

 ああ…これはもう何を言っても撃ってくるフラグだ…ちくしょう、ショットガンは卑怯だろ!?

 武、霞ちゃんをしっかりと…すでに抱えてやがるぜコノヤロウ。

 

 

「死ねぇぇぇぇーーーーーーー!!」

 

 

 

 ―――ダォォンダォォンッ! ダォンダォンダンダンダンダンッ!!

 

 

 

「ショットガンはねぇぜ博士ぇぇぇーーーー!?」

 

「むぉぉーーーー! しかもリロードが超テクってるんですけどぉーーーー!!?」

 

 

 

 俺達は博士が操る鮮やかなショットガン捌きによる散弾の隙間に強引に身体を割り込ませて避けたり俺が弾丸を弾いたりしながら地上に向かって逃げ出した…

 しかし、博士は前回よりも足が若干速くなって撒くのに少し時間が掛かった。

 一生懸命訓練してやっと力をつけてきている訓練兵達を思うと、寧ろ博士が衛士になったほうがいいのではと思った俺は悪くないはずだ、うん。

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか?

因みに美琴の好きなことはこちらの捏造です。
ですがこれが後に必要となります。

感想、アドバイス等をお待ちしております!
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