東方八友戯 ~ Tag force.   作:六壁坂

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Turn:02 星の観測者『ヴァイロン』

「「デュエル!!」」

 

二人の声が境内に響き渡る。

と同時に、先攻か後攻かを決めるルーレットが出現し、せわしく回り始めた。

 

 

~TURN 01~

 

    

 

「先攻は…霊夢か。」

 

魔理沙のARビジョンには確かに『後攻』の文字が浮かび上がっていた。

それを見ている魔理沙はちょっと残念そうだ。先攻がよかったのかもしれない。

 

 

「じゃあ遠慮なくもらうわね。ドロー。」

 

手首の上の円盤にはめられたデッキの一番上のカードを、利き手でつまみ引き抜く。

初めの手札と合わせるとその数6枚。

この6枚はとても重要なもので、ここでデュエルの勝敗は半分決まると言っても過言ではない。

 

「…私はモンスターをセット。」

 

霊夢は、デュエルディスクのプレート部分に、手札にあるカードを裏側にして横にセットした。

すると、コーンという音と共に、目の前に絨毯のような大きいサイズのカードが浮かび上がる。

 

 

「魔力もなしにここまで映せるのは大したもんよね。…ターンエンド。」

 

「裏守備で終わりとは、随分ありきたりだな。」

 

「ふん、なんだろうが勝てばいいのよ、勝てば。」

 

 

魔理沙の挑発も難なく退け、霊夢のターンは滞りなく終了するのであった。

 

 

    博麗 霊夢  LP4000

    手札:5 フィールド魔法:なし

    ______________________________________

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    |       |       | ?(セット)   |       |       |

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    ______________________________________

    |       |       |       |       |       |

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    |       |       |       |       |       |

     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

                                霧雨 魔理沙 LP4000

                            手札:5 フィールド魔法:なし

 

 

~TURN 02~

 

 

「じゃあこっちは攻めさせてもらうぜ。ドロー!」

 

霊夢よりも何割か増して勢いよくドローする魔理沙。

笑顔が眩しい。

 

「…よし、私は《ヂェミナイ・エルフ》を攻撃表示で召喚!」

 

魔理沙は霊夢と違いセットではなく、カードを表にした状態で出す。

すると魔理沙の目の前に巨大なカードが現れたかと思うと、そのイラストから大人のエルフ姉妹が飛び出してきた。

 

 

《ヂェミナイ・エルフ》

通常モンスター

星4/地属性/魔法使い族/攻1900/守 900

交互に攻撃を仕掛けてくる、エルフの双子姉妹。

 

 

耳がとがり、茶髪の姉と金髪の妹で、何の効果も持たないが、レベル4のモンスターとしては高い攻撃力を持つ。

 

「へぇ~、マンガ調だけど、ちゃんとモンスターって感じがするわね。」

 

「へへっ、バトル!霊夢の伏せモンスターに攻撃!」

 

霊夢の前のカードの絨毯に、まず姉が、遅れて妹が飛び掛かる。

 

攻撃が届く前に伏せカードがひっくり返り、謎のモンスターの正体が暴かれた。

円状のクリスマスのドアベルのような形とサイズで、そこに小さな顔と小さな天使の羽が生えた、不思議だがどこか可愛げのあるモンスターである。

 

「伏せていたモンスターは《コーリング・ノヴァ》よ。」

 

「よし!そのモンスターの守備力は高くないみたいだな。破壊させてもらうぜ!」

 

 

《コーリングノヴァ》

効果モンスター

星4/光属性/天使族/攻1400/守 800

???

 

 

~ バトル ~

魔理沙

ヂェミナイ・エルフ

功 1900

 

VS

 

霊夢

コーリング・ノヴァ

守 800

 

《コーリング・ノヴァ》 戦闘破壊

 

 

二人の姉妹の連携打撃を受けた小さな輪っかの天使は爆散、跡形もなく散った――ように見えたが、

 

「てっきり高い守備力のモンスターかと思ったが、杞憂だったな。」

 

「……それはモンスターの効果を聞いてから言うことね。」

 

「…何?」

 

コーリング・ノヴァが破壊された時に散った光が霊夢の前に集まり、徐々にその光の強さを増していく。

 

「《コーリング・ノヴァ》はその名の通り、戦闘で墓地へ行った時にデッキから攻撃力1500以下の光の天使族を呼ぶ。

私はモンスターを表側守備表示で特殊召喚!《ヴァイロン・チャージャー》!」

 

「戦闘破壊だけが引き金か。そういうモンスターもあるんだな。」

 

 

《コーリング・ノヴァ》

効果モンスター

星4/光属性/天使族/攻1400/守 800

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

自分のデッキから攻撃力1500以下の天使族・光属性モンスター1体を

自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

???

 

 

コーリング・ノヴァが残した光の中から、新たな天使族モンスターが姿を現した。

しかし、コーリング・ノヴァと違い可愛げの“か”の字もなく、無慈悲な顔に、細長い壺のような白い体、胴体の中央から伸びる長めの手、足は無く、金色の5つの輪が体を囲んでいる。

ビジョンは霊夢と同じくらいのサイズで、とても天使とは呼べない形状をしており、どちらかというと機械に見える。

 

 

《ヴァイロン・チャージャー》

効果モンスター

星4/光属性/天使族/攻1000/守1000

???

 

 

「うわぁ…霊夢……いっちゃ悪いが、お前趣味悪いな。」

 

「うっさい。だいたいコレ、紫がくれたデッキだから趣味がどうとか知らないわよ。」

 

「ん、そうなのか紫?」

 

「ええ、霊夢の好みに合うかと思ってねぇ。ほら、無機質で不気味なところとか。」

 

「あぁ!?……あんた私を何だと思ってんの?」

 

 

霊夢がARビジョンの紫を睨みつけている間に、魔理沙は新たに出てきた天使モンスターについて考えていた。

 

(コーリング・ノヴァよりさらに攻撃力が低い。通常モンスターならただの雑魚として煽れるんだが……。どっちにせよこの手札と場じゃ何もできないな。)

 

 

「…魔理沙、まだあんたのターンよ。」

 

「……あ、あーすまん、私は魔法・罠ゾーンにカードを1枚伏せて、ターンエンドだぜ。」

 

 

 

    博麗 霊夢  LP4000

    手札:5 フィールド魔法:なし

    ______________________________________

    |       |       |       |       |       |

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    |       |       | V・チャージャー |       |       |

     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

    ______________________________________

    |       |       | ヂェミナイ・エルフ |       |       |

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    |       |       | ?(セット)   |       |       |

     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

                                霧雨 魔理沙 LP4000

                            手札:4 フィールド魔法:なし

 

 

~TURN 03~

 

 

「私のターン、ドロー。…ヴァイロン・チャージャーを攻撃表示に変更するわ。」

 

腕を前でクロスさせ、己を攻撃から守る体制だった壺型の天使は、その腕を動かして目を光らせ、視界に獲物をとらえる。

が、チャージャーの攻撃力は1000、魔理沙のヂェミナイ・エルフには到底敵わない。

 

「まさかその攻撃力のまま攻撃する気か?」

 

「そんなわけないでしょ。私は手札より装備魔法を発動!《シャイン・キャッスル》!」

 

巨大なカードのビジョンと共に、ヴァイロン・チャージャーの真後ろに本が現れ、ページがめくれると小さな城が立体的に飛び出してきた。

その城はヴァイロン・チャージャーに力を与えているようである。

 

「シャンキャッスルを装備した光属性モンスターの攻撃力は700上がるわ。」

 

 

《シャイン・キャッスル》

装備魔法

光属性モンスターの攻撃力は700ポイントアップ!

 

 

《ヴァイロン・チャージャー》

攻撃力 1000 → 1700

 

 

「ほう…。けど、まだ私のヂェミナイ・エルフは倒せないぜ!」

 

「こういう時のためのモンスター効果よ。カードが装備された時、ヴァイロン・チャージャーの効果が適用される!」

 

「!」(やっぱりモンスター効果か!一体どんな効果なんだ?)

 

 

チャージャーから光のオーラがあふれだし、霊夢のフィールド上を包み込む。

それは微弱ながらも、ヴァイロン・チャージャー自身に力を与えているようだ。

 

 

「このモンスターに装備されたカード一枚につき、自分の光モンスターの攻撃力は300上がるわ。そしてチャージャー自身も光属性、攻撃力は2000になる。」

 

 

《ヴァイロン・チャージャー》

効果モンスター

星4/光属性/天使族/攻1000/守1000

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

自分フィールド上の光属性モンスターの攻撃力は、

このカードに装備された装備カードの数×300ポイントアップする。

 

 

《ヴァイロン・チャージャー》

攻撃力 1700 → 2000

 

 

「うーん、ついにヂェミナイ・エルフを超えられたか。」

 

「まだよ、ヂェミナイ・エルフを倒せても、あんたに与えられるのはたった100ダメージだもの。」

 

「え、じゃあまだ手札に装備魔法が…」

 

「無いわよ。」

 

「…そこで素直に教えちゃダメだろ。」

 

胸を張って自らの情報アドバンテージを与える霊夢に、魔理沙が戸惑う。

よほど自分の手札に自信があるのか、それともハッタリか――いずれにしても本当の事は霊夢しか分からない。

 

「魔理沙、一つ忘れてるわよ。」

 

「え?何が?」

 

「私はまだ通常召喚してないの。……召喚!《ヴァイロン・ハプト》!」

 

「…あ、なるほど。そういえばそうだな。」

 

ぽんっと手を叩く魔理沙にはお構いなしに、霊夢は勢いよく2体目のモンスターをフィールド上に繰り出す。

今度も「ヴァイロン」と名がついたモンスターだが、チャージャーと違い不気味さはほとんどない。壺のようではなくT字の白い胴体に2本の腕があり、足は無いが、両腕に金色のガントレットと、金色の羽を携えている。

 

 

《ヴァイロン・ハプト》

効果モンスター

星4/光属性/天使族/攻1800/守 800

???

 

 

このハプトも光属性だ。

ヴァイロン・チャージャーの効果により、フィールド上に漂う薄いオーラが、ハプトを包み込み力を与える。

 

 

《ヴァイロン・ハプト》

攻撃力 1800 → 2100

 

 

「…攻撃力2000以上のモンスターが、2体…。」

 

「これで満足ね。…バトル!このモンスターであんたのヂェミナイ・エルフに攻撃!」

 

すかさずハプトが両腕を正面に構え、そのガントレットについている球から金色のビームを放つ。一つはエルフの妹を、もう一つはエルフの姉を貫き、エルフ姉妹はガラスのように散った。

 

 

~ バトル ~

霊夢

ヴァイロン・ハプト

功 2100

 

VS

 

魔理沙

ヂェミナイ・エルフ

功 1900

 

《ヂェミナイ・エルフ》 戦闘破壊

 

 

同時に、ARビジョンとして表示されていた魔理沙のLPが、機械音と共に変動する。

 

 

霧雨 魔理沙

LP 4000 → 3800

 

 

「くっ…!」

 

「まだよ。今度はチャージャーで直接攻撃!」

 

「…っ!」

 

 

シャイン・キャッスルの力を受けたチャージャーが、すぐさま魔理沙のところへ飛び出した。

 

 

~ バトル ~

霊夢

ヴァイロン・チャージャー

功 2000

 

VS

 

魔理沙

なし

(直接攻撃)

 

 

霧雨 魔理沙

LP 3800 → 1800

 

 

「うあっ!!」

 

映像と理解していてもARビジョンによっての迫力は絶大のようで、魔理沙は思わず目を瞑り仰け反ってしまう。

 

 

「うっ…LPの差がやばい…」

 

「ふふっ、私はカードを3枚伏せて、ターンエンドよ。」

 

 

その差は2200ポイント。

人生初めてのデュエルで、モンスター0の状態からこの差を埋めるのは中々に困難である。

彼女が険しい表情をするのも無理はない。

しかしその表情に、この状況を楽しんでいることがうかがえる笑みもあった。

 

それを知ってか知らずか、得意げな表情でターン終了の宣言をする巫女。

もはや最初の嫌がりようはどこへやら、彼女も随分とデュエルに夢中になっている。

 

 

 

    博麗 霊夢  LP4000

    手札:2 フィールド魔法:なし

    ______________________________________

    |       | ?(セット)   | シャイン・キャッスル | ?(セット)   | ?(セット)   |

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    |       |  V・ハプト  | V・チャージャー |       |       |

     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

    ______________________________________

    |       |       |        |       |       |

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    |       |       | ?(セット)   |       |       |

     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

                                霧雨 魔理沙 LP1800

                             手札:4 フィールド魔法:なし

 

 

 

~TURN 04~

 

 

「私のターンだぜ!…ドロー!」

 

ありったけの力を込めたようなドロー。

本人も霊夢も、固唾を呑んでドローカードの行方を見守る。

 

魔理沙は一瞬考えるような素振りを見せたかと思うと、何かを閃いたかのように明るい表情になり、不敵な笑みを浮かべて手札から一枚のカードを場に出した。

 

「……よし、《マジカル・コンダクター》を攻撃表示で召喚!」

 

 

《マジカル・コンダクター》

効果モンスター

星4/地属性/魔法使い族/攻1700/守1400

???

 

 

緑の着物を身に纏った、長い黒髪の女性がフィールドに召喚された。

慈悲深い優しげな表情をしているわりに、意外と攻撃力は高い。

 

「攻撃力が低いわね。あんたも装備カードで強化する気?」

 

「それは見てからのお楽しみ、ってヤツだな。」

 

「……ふぅん。」

 

一見興味無さそうな生返事をだした霊夢だが、内心では少しドキドキしていた。

彼女のカンがこう伝えていたのだ。

 

――このままでは逆転される、と。

 

 

「続いて通常魔法《ワン・フォー・ワン》発動!手札のモンスター1体を墓地へ送って、デッキからレベル1のモンスター1体を特殊召喚できる!」

 

 

《ワン・フォー・ワン》

通常魔法

手札からモンスター1体を墓地へ送って発動できる。

手札・デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する。

 

 

「手札の…ええっと、コイツを捨てて…私は《おもちゃ箱》を守備表示で特殊召喚するぜ。」

 

 

《おもちゃ箱》

効果モンスター

星1/光属性/機械族/攻 0/守 0

???

 

 

魔理沙が何かのモンスターを捨てると、マジカル・コンダクターの右横に、人二人が入れるサイズの大きな正方形の箱が出現した。

上に蓋がついて赤いリボンがまかれており、おもちゃ箱というよりはプレゼントボックスに近い。

 

「へぇ、そんな便利な魔法カードもあるのね。」

 

「関心するのはまだ早いな。魔法カードが発動した時、マジカル・コンダクターの効果により、自身に魔力カウンターを2つ乗せる!」

 

 

《マジカル・コンダクター》魔力カウンター:2

 

《マジカル・コンダクター》

効果モンスター

星4/地属性/魔法使い族/攻1700/守1400

自分または相手が魔法カードを発動する度に、

このカードに魔力カウンターを2つ置く。

????

 

 

マジカル・コンダクターの周りに、三角形の模様が描かれた球体が二つ浮かび上がる。

あれが魔力カウンターということなのだろう。

 

「そして通常魔法《カオス・ブルーム》発動!このカードは墓地の同名カードによって効果が変わるカード。今は0枚目の効果だな。」

 

 

《カオス・ブルーム》(未OCG)

通常魔法

このカードは自分の墓地に存在する「カオス・ブルーム」の数によって以下の効果を適用する。

●0枚:フィールド上に表側表示で存在する攻撃力1000以下のモンスター1体を破壊する。

●1枚:????

●2枚以上:????

 

 

「攻撃力1000以下のモンスター……あんたのトコにしか居ないんだけど?」

 

「私は端からそのつもりだぜ。おもちゃ箱を破壊!」

 

「……え?」

 

せっかく特殊召喚したおもちゃ箱に衝撃が走り、ものすごい勢いで振動した後、煙を上げて上の蓋が吹き飛ぶ。

途端に、おもちゃ箱の上から沢山の色の光が漏れ出した。

 

そして、カオス・ブルームは魔法カード。

マジカル・コンダクターに、さらに魔力カウンターが乗る。

 

 

《マジカル・コンダクター》魔力カウンター:4

 

 

「破壊されたおもちゃ箱の効果発動!デッキから攻撃力0か守備力0の、違う名前の通常モンスター2体を特殊召喚!」

 

「あぁ、破壊されたら発動する効果を持ってたのね。」

 

 

《おもちゃ箱》

効果モンスター

星1/光属性/機械族/攻 0/守 0

このカードが破壊され墓地へ送られた場合、

デッキから攻撃力または守備力が0の、

カード名が異なる通常モンスター2体を表側守備表示で特殊召喚できる。

この効果で特殊召喚したモンスターはシンクロ素材にできず、

次の自分のエンドフェイズ時に破壊される。

「おもちゃ箱」の効果は1ターンに1度しか発動できない。

 

 

「《占い魔女 アンちゃん》と《占い魔女 スィーちゃん》を守備表示で特殊召喚!行け!」

 

 

魔理沙の掛け声とともに、おもちゃ箱の中から二人の小さな可愛らしい魔法使いが飛び出す。

二人とも髪の毛が羽のような形状で、紫色のドレスを着た魔女と、水色のドレスを着た魔女がいる。

魔法使いというよりは、妖精をイメージした方が分かりやすい。

それぞれ、“闇”属性だから“アン”ちゃん、“水”属性だから“スィー”ちゃんだ。

 

 

《占い魔女 アンちゃん》(未OCG)

通常モンスター

星5/闇属性/魔法使い族/攻 0/守 0

このカードをドローした今日のあなたの運勢は、アンハッピ~。

ラッキーナンバーは、5。

ラッキーカラーは、紫。

ラッキーアイテムは、サングラス。

落とし物に注意して!

 

《占い魔女 スィーちゃん》(未OCG)

通常モンスター

星4/水属性/魔法使い族/攻 0/守 0

このカードをドローした今日のあなたの運勢はちょっと悪いかも。

ラッキーナンバーは4。

ラッキーカラーは青。

ラッキーアイテムは傘。

東に向かうと運が向いてくるかもね。

 

 

ただ、見ての通りこのモンスターたちは攻守ともに0。

通常モンスターのみで考えたとしても頼りない部類に入る。

レベルもばらばらで、この二体だけで扱うことは難しい。

 

「……ぷっ!」

 

「あっ、霊夢!今笑ったな?通常モンスターを笑う奴は通常モンスターに泣くぜ!」

 

「いや、そういう事じゃ――」(あんたが“ちゃん”付けで名前を呼ぶのが可笑しくて…)

 

「もちろんこれで終わりじゃない。また通常魔法発動!《チーム・プレー》!同じレベル・種族のモンスターが2体いる時、墓地からその種族のモンスターを1体特殊召喚できる!」

 

霊夢の話はお構いなしに、魔理沙は続々と魔法カードを使用し、コンボを完成へと近づける。

今、魔理沙のフィールド上にいるモンスターは3体。

それら全てが魔法使い族であり、その中のマジカル・コンダクターとスィーちゃんはレベル4だ。

 

「墓地からヂェミナイ・エルフを攻撃表示で特殊召喚!」

 

マジカル・コンダクターと占い魔女 スィーちゃんが正面を向きあい、何やら呪文を唱えると、二人の間の地面に白い穴が現れ、そこからヂェミナイ・エルフが復活した。

 

「私が前のターンで破壊したモンスター……蘇生する算段はついてたってわけ?」

 

「もちろん。そしてただ復活するだけじゃない。チーム・プレーで蘇生されたモンスターはレベルが一つ上がるぜ!」

 

 

《チーム・プレー》(未OCG)

通常魔法

自分フィールド上に同じ種族・レベルのモンスターが2体存在する場合、

そのモンスターと同じ種族のモンスター1体を墓地から特殊召喚する事ができる。

この効果で特殊召喚されたモンスターのレベルは1つ上がる。

 

 

《ヂェミナイ・エルフ》

レベル 4 → 5

 

 

チーム・プレーも魔法カード。

マジカル・コンダクターに6つ目の魔力カウンターが乗る。

 

 

《マジカル・コンダクター》魔力カウンター:6

 

 

これで魔理沙は5枚の手札を全て使い切るかわりに、モンスターを4体並べたことになる。

これが人生初めてのデュエルだとするならば、なかなかの腕の持ち主である。

ただ、どのモンスターにも霊夢のモンスターを殲滅する力は無い。

 

その事について霊夢も疑問に思っているらしく、彼女には珍しい神妙な面持ちだ。

 

(モンスターは4体、けど魔理沙の手札は0……何だか効率が悪いわね。………)

「…!まさか…」

 

「気づいたみたいだな。」

 

にやっと笑う魔理沙がすかさず利き手を上に挙げると、レベル5となったヂェミナイ・エルフと、同じくレベル5の占い魔女アンちゃんが輝きを帯び始める。

 

 

「――私は、レベル5の《ヂェミナイ・エルフ》と《占い魔女 アンちゃん》で、オーバーレイ!」

 

 

輝きを増した二人が黒色の光の球へと変化し、突如地上に現れた巨大な渦の中に飲み込まれていく。

 

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!…エクシーズ召喚!」

 

 

途端、渦が赤い爆発を起こし、大量の白い光が瞬く。

その奥には大きな羽の生えた人型のシルエットが窺える。

 

 

「私の初モンスターエクシーズ!《始祖の守護者ティラス》!!」

 

 

シルエットの羽が羽ばたき、纏っている光を弾き飛ばすと、その正体が現れた。

剣、盾、白い羽を持つ白く長髪の戦士であり、勇ましい天使のような姿だ。

そして、モンスターエクシーズが共通して備えている『オーバーレイ・ユニット』と呼ばれる小さな光が、ティラスの周りをぐるぐるとまわっている。

ティラスのエクシーズ素材となったのは2体なので、そのオーバーレイ・ユニットも二つとなる。

 

「これが、エクシーズ召喚……!」

 

「そう!そして始祖の守護者ティラスはオーバーレイ・ユニットがある限り、効果破壊をうけない!」

 

「…攻撃力2600なのにその効果は少々厄介ね…。」

 

「レベル5のモンスターを2体も使ってるんだから、これくらい当然だぜ。」

 

 

《始祖の守護者ティラス》

エクシーズ・効果モンスター

ランク5/光属性/天使族/攻2600/守1700

レベル5モンスター×2

このカードの効果はこのカードのエクシーズ素材がなければ適用されない。

このカードはカードの効果では破壊されない。

????

 

 

「そしてまだだ!ここで魔力が貯まりに貯まったマジカル・コンダクターの効果を発動するぜ!」

 

「…!」(ま、まだ続くわけ…?)

 

「魔力カウンターを好きな数取り除いて、その数と同じレベルを持つ魔法使い族を復活させる!」

 

 

《マジカル・コンダクター》

効果モンスター

星4/地属性/魔法使い族/攻1700/守1400

自分または相手が魔法カードを発動する度に、

このカードに魔力カウンターを2つ置く。

このカードに乗っている魔力カウンターを任意の個数取り除く事で、

取り除いた数と同じレベルの魔法使い族モンスター1体を、

手札または自分の墓地から特殊召喚する。

この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

「…?破壊された魔法使い族はヂェミナイ・エルフだけで、今墓地に魔法使い族は居ないはず…あんたは何を特殊召喚しようとしてんの?」

 

「確かにお前に破壊されたのはヂェミナイ・エルフだけだった。でもモンスターは破壊だけで墓地へ行くわけじゃないぜ。おもちゃ箱が出てきた時の事を忘れてないか?」

 

「…おもちゃ箱が出てきた時……。」

 

霊夢はほんの数分前の魔理沙がとっていた行動を思い出す。

おもちゃ箱をデッキからフィールドへ呼ぶ際、魔理沙が発動したのは通常魔法《ワン・フォー・ワン》。

 

 

『続いて通常魔法《ワン・フォー・ワン》発動!手札のモンスター1体を墓地へ送って、デッキからレベル1のモンスター1体を特殊召喚できる!』

『手札の…ええっと、コイツを捨てて…私は《おもちゃ箱》を守備表示で特殊召喚するぜ。』

 

 

ワン・フォー・ワンの発動にはコストとして手札のモンスターを墓地へ送る必要がある。

それがもし、魔法使い族だったとすると――

 

「……あ~、納得したわ。」

 

「そーゆー事だぜ。というわけで、マジカル・コンダクターに乗ってるカウンターは6!それを全部取り除き、《魔法剣士トランス》を攻撃表示で特殊召喚!」

 

 

マジカル・コンダクターが呪文を唱えて空間を開けると、青いマントを羽織る金髪の剣士が現れる。

ティラスに比べ神聖さはないが、同等の力を備えており、通常モンスターとしては高い攻撃力を持つ。

 

 

《魔法剣士トランス》

通常モンスター

星6/地属性/魔法使い族/攻2600/守 200

かなりの実力を持った風変わりな魔法使い。

異空間の旅から帰還したらしい。

 

 

これで魔理沙のフィールドには、攻撃力2600が2体、攻撃力1700のコンダクターに、守備表示の占い魔女スィーちゃんが存在する事になり、合わせて4体のモンスターがいることになる。

 

 

「よし、やっとバトル!魔導剣士トランスでヴァイロン・チャージャーに攻撃だぜ!」

 

魔理沙の攻撃宣言に合わせて、トランスが青色の剣を引き抜き攻撃態勢に入る。

そして、今にも飛び掛からんとした時――

 

「チャージャーは破壊させないわ。攻撃の宣言に伏せ罠発動、《安全地帯》!攻撃表示のヴァイロン・チャージャーを、対象を決める効果とあらゆる破壊から守る!」

 

 

《安全地帯》

永続罠

フィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターは相手のカードの効果の対象にならず、

戦闘及び相手のカードの効果では破壊されない。

また、そのモンスターは相手プレイヤーに直接攻撃できない。

このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。

そのモンスターがフィールド上から離れた時、このカードを破壊する。

 

 

「そのかわりこのモンスターは直接攻撃ができなくなり、安全地帯が消えれば破壊されるようになるわ。」

 

「はは、姑息なカードだな。」

 

「……あん?」

 

「うわーそんなに睨むなよー。博霊の巫女は恐ろしいなー。」

 

この有利な状況で余裕が出来たのか、魔理沙が霊夢の挑発にかかった。

それに対し凄い形相で睨みつける霊夢。

実際このカード1枚だけで戦況が変わったわけでもないので、魔理沙の“姑息”という指摘はあながち間違ってはいない。

 

「あ、忘れるとこだった。私もその安全地帯にチェーンして、伏せカード《マジサンズ・サークル》を発動するぜ!」

 

「何の伏せカードかと思ったら…!私の安全地帯を破壊する気?」

 

「いいや、残念ながらそうじゃないぜ。このカードは相手か自分の魔法使い族の攻撃宣言時に発動できる罠カードで、お互いのデッキから攻撃力2000以下の魔法使い族を1体ずつ特殊召喚する!」

 

 

《マジシャンズ・サークル》

通常罠

(1):自分または相手の魔法使い族モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

お互いのプレイヤーは、それぞれ自分のデッキから

攻撃力2000以下の魔法使い族モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する。

 

 

「これは私の予想だが、霊夢のデッキに魔法使い族はいないはずだぜ。お前のフィールドに出てきたモンスターは天使族のみだからな。…天使族中心のデッキなんだろ?」

 

「…正解よ。だから私はモンスターを出せない。」

 

「ふっふっ、やっぱりな。なら私はデッキから《アステル・ドローン》を攻撃表示で特殊召喚!」

 

地面に六芒星の紋章が描かれ、その中心からアステル・ドローンが特殊召喚される。

占い魔女と同じく小さい2頭身モンスターで、黒いベレー帽をかぶり、魔法少女が使いそうな装飾の施された筆を持っている。

 

 

《アステル・ドローン》

効果モンスター

星4/地属性/魔法使い族/攻1600/守1000

????

 

 

これで魔理沙のモンスターゾーンはすべて埋まった事になる。永続罠の安全地帯が無ければ、霊夢のLPは危ういことになっていただろう。

 

「効果の処理は終わったな。魔法剣士トランスの攻撃続行!チャージャーが破壊できなくても、通過ダメージは受けてもらうぜ!」

 

トランスがチャージャーを斬りつけようとするが、チャージャーはトランスの攻撃が届かない空中に浮かび、それをよける。

悔しそうな顔をするトランスだが、諦めずに霊夢に対し小さな閃光を放つ。

 

 

~ バトル ~

魔理沙

魔法剣士トランス

功 2600

 

VS

 

霊夢

ヴァイロン・チャージャー

功 2000

 

 

博麗 霊夢

LP 4000 → 3400

 

 

「…っ!」

 

「次!始祖の守護者ティラスでヴァイロン・ハプトに攻撃!」

 

ティラスが羽をはためかせ、ハプトに飛び斬りかかる。

速いスピードで襲ってきたティラスにハプトは反応できず、上下真っ二つに割れた無機質な天使は爆散してしまった。

そして当然ながら、霊夢もLPにダメージが入る。

 

 

~ バトル ~

魔理沙

始祖の守護者ティラス

功 2600

 

VS

 

霊夢

ヴァイロン・ハプト

功 2100

 

《ヴァイロン・ハプト》 戦闘破壊

 

 

博麗 霊夢

LP 3400 → 2900

 

 

「く…っ!けど、ダメージを受けた時、手札を一枚捨てて罠カード発動、《ダメージ・コンデンサー》!受けたダメージ以下の攻撃力のモンスターを、デッキから攻撃表示で特殊召喚する!」

 

 

《ダメージ・コンデンサー》

通常罠

自分が戦闘ダメージを受けた時、手札を1枚捨てて発動できる。

受けたそのダメージの数値以下の攻撃力を持つモンスター1体を

デッキから表側攻撃表示で特殊召喚する。

 

 

「私が特殊召喚するのは攻撃力400のチューナーモンスター、《ヴァイロン・スフィア》!」

 

「ん?チューナー?確かシンクロ召喚に必要なモンスターだよな。」

 

「ええ、あってるわよ。」

 

 

《ヴァイロン・スフィア》

チューナー(効果モンスター)

星1/光属性/機械族/攻 400/守 400

????

 

 

霊夢のデッキから特殊召喚されたのは球体に手が生えた小型のモンスターで、彼女が出したモンスターの中で一番のつぶらな瞳である。

例によって足は無く、可愛らしさもあるが、どことなく機械的なのはヴァイロン共通の特徴か。

実際、このヴァイロン・スフィアはなぜか機械族である。

 

しかし、このタイミングで低攻撃力のモンスターを攻撃表示で出してしまうのはいかがなものか――魔理沙はそう感じる。

 

(これじゃあ折角のチューナーが台無しだぜ。私には攻撃できるモンスターがまだいるのに…。)

「…私はマジカル・コンダクターでヴァイロン・スフィアに攻撃!」

 

 

~ バトル ~

魔理沙

マジカル・コンダクター

功 1700

 

VS

 

霊夢

ヴァイロン・スフィア

功 400

 

《ヴァイロン・スフィア》 戦闘破壊

 

 

マジカル・コンダクターが祈りを上げ、複数の魔力の球を作り、それを前方のスフィアに物凄い勢いで飛ばす。

登場して間もないヴァイロン・スフィアだが、魔弾に当たりあっけなくバラバラになってしまった。

そして、スフィアに命中していない残りの魔弾が霊夢に襲い掛かる。

 

「ん、…っ。」

 

 

 

博麗 霊夢

LP 2900 → 1600

 

 

思わず顔をしかめた霊夢。

今、彼女のモンスターゾーンに存在するのは、安全地帯によって守られたヴァイロン・チャージャーと、先程やられたヴァイロン・スフィアの破片だけである。

だが、その破片が意識を持っているかのようにヴァイロン・チャージャーに集まっていく。

 

「何だ?ヴァイロン・スフィアの欠片が…!」

 

「ヴァイロン・スフィアがモンスターゾーンから墓地へ行った場合、500のLPを払うと装備カードになって、自分のモンスターに装備できるのよ。」

 

 

《ヴァイロン・スフィア》

チューナー(効果モンスター)

星1/光属性/機械族/攻 400/守 400

このカードがモンスターカードゾーン上から墓地へ送られた場合、

500ライフポイントを払う事で、このカードを装備カード扱いとして

自分フィールド上のモンスター1体に装備する。

????

 

 

博麗 霊夢

LP 1600 → 1100

 

 

スフィアの破片はチャージャーの目の前で白い鎧となり、チャージャーにぴったり装着される。

鎧の装備カードだからだろうか。装備カードにより攻撃力が上がったようには見えない。

だがしかし――

 

「チャージャーに装備カードが装備されたことにより、私の光属性モンスターの攻撃力上昇地は300から600に変更される!」

 

 

《ヴァイロン・チャージャー》

攻撃力 2000 → 2300

 

 

そう、ヴァイロン・チャージャーには装備カード一枚につき、光属性の攻撃力を300高める効果があるのだ。

 

「あ、ヴァイロン・チャージャーの効果の事忘れてた。」

 

「ふふ、地味な効果だけど意外に役立つものよ。」

 

「その上安全地帯のせいで破壊できないのか。厄介なモンスターだが……霊夢、詰めが甘いぜ!」

 

「……え?」

 

魔理沙のフィールド中央にいる、始祖の守護者ティラスの剣が白いオーラで輝き始める。

その剣先はヴァイロン・チャージャー……ではなく、その右斜め後ろの魔法・罠ゾーンに向いている。

 

「バトルの終了時、始祖の守護者ティラスの効果が発動される!相手フィールドのカード一枚を破壊!対象はもちろん、安全地帯だぜ!」

 

「っ!?」

 

ティラスが安全地帯に向けて白い真空波を放ち、見事両断。

それに合わせて、ヴァイロン・チャージャー、シャイン・キャッスル、ヴァイロン・スフィアの鎧も次々と爆発していき、ついに霊夢のフィールド上には、一体もモンスターが居なくなってしまった。

 

「…ねぇ、魔理沙。」

 

「ん?」

 

「そいつ、効果、強すぎない?何か欠点とかあるでしょ?」

 

ほとんどのモンスターエクシーズは、効果を発動する際にオーバーレイ・ユニットが消費されて、それが無くなると効果が発動不可能になるはずなのだ。

 

しかし始祖の守護者ティラスは、効果破壊されないモンスターでありながら、バトルフェイズが終わるごとに1枚破壊効果を発動できるのである。

しかもこれはオーバーレイ・ユニット使用しない効果であり、今のままでは強すぎると思われても仕方がない。

 

「欠点なんて無い!……と言いたいところだが、こいつはターン終了時にオーバーレイ・ユニットを消費するんだぜ。」

 

 

《始祖の守護者ティラス》

エクシーズ・効果モンスター

ランク5/光属性/天使族/攻2600/守1700

レベル5モンスター×2

このカードの効果はこのカードのエクシーズ素材がなければ適用されない。

このカードはカードの効果では破壊されない。

このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時、

相手フィールド上に存在するカード1枚を選択して破壊する。

自分のエンドフェイズ毎にこのカードのエクシーズ素材を1つ取り除く。

 

 

「あー、つまり最低でも次のあんたのターンまでは……」

 

「そう、効果が持続することになるなー。」

 

「………。」

 

霊夢は次のターン、ドローを含めた手札2枚と、伏せカード1枚で挑まなければならない。

相手のモンスターを破壊する事が出来たとしても、次のターンで優位に立つことは難しそうである。

 

 

「バトルは終ったが私のターンは終わりじゃない。さっき特殊召喚したアステル・ドローンはエクシーズ素材になった時、私にカードをドローさせる効果を持つ!」

 

「…この期に及んでまだ続ける気なの?」

 

 

《アステル・ドローン》

効果モンスター

星4/地属性/魔法使い族/攻1600/守1000

このカードをエクシーズ召喚に使用する場合、

このカードはレベル5モンスターとして扱う事ができる。

また、このカードを素材としたエクシーズモンスターは以下の効果を得る。

●このエクシーズ召喚に成功した時、

デッキからカードを1枚ドローする。

 

 

「ああ、まだ続けるぜ。…ちなみにもう一つ、エクシーズの時にレベル5として扱える効果もあるけど、今は関係ないな。」

 

「レベル4が3体、ってことね。」

 

「そう!レベル4のアステル・ドローン、占い魔女スィーちゃん、マジカル・コンダクターで、オーバーレイ!」

 

 

アステル・ドローンとマジカル・コンダクターは朱色、スィーちゃんは水色の光と化して、またあの巨大な渦に飲み込まれ、赤色の爆発を起こす。

 

 

「3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!」

 

 

爆発の中から飛び出してきたのは、長いぼさぼさの緑髪に、緑のゴーグルを頭に掛けた少女である。手に怪しいフラスコ、ベルトに怪しいフラスコ2つ、そしてスカートに複数の怪しい試験管がついており、見た目に反して調薬師なのだろうか。

ふてぶてしい笑みをうかべており、なんとなく使用者と雰囲気が似ている気がしなくもない。

 

その周りには3つの光――オーバーレイ・ユニットがくるくるとまわっている。

 

「いけ!《アルケミック・マジシャン》!……アルケミック・マジシャンは、自分の墓地の魔法カード1枚につき、攻撃力が200上がる!」

 

 

《アルケミック・マジシャン》

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/闇属性/魔法使い族/攻1500/守1500

魔法使い族レベル4モンスター×3

このカードの攻撃力は自分の墓地の魔法カードの数×200ポイントアップする。

?????

 

 

《アルケミック・マジシャン》

攻撃力 1500 → 2100

 

 

魔理沙の墓地に存在する魔法カードは、《ワン・フォー・ワン》、《カオス・ブルーム》《チーム・プレー》の3枚。

よってアルケミック・マジシャンの攻撃力は200×3ポイント上昇する。

 

「アルケミック・マジシャンがエクシーズ召喚に成功!アステル・ドローンの効果で、1枚ドローさせてもらうぜ。」

 

無くなっていた手札を補充し、そのカード内容を確認すると、魔理沙は少し悩む顔をする。

しかしすぐに決心がついたのか、アルケミック・マジシャンを指差し――

 

「私はターンエンドだ!」

 

「…は?」

 

ターンを終了した。

 

「ちょ、ちょっとあんた、折角だしたアルケミック・マジシャンの効果は?」

 

「私がいつ効果を発動しないといったんだ?こいつの効果はエンドフェイズに、オーバーレイ・ユニットと、手札を1枚消費して発動する!」

 

魔理沙が手札の魔法モンスターカードを墓地へ送ると、アルケミック・マジシャンがオーバーレイ・ユニットを1つフラスコの中に入れかきまぜ始める。

ぼんっ、と煙が発生したかと思うと、アルケミック・マジシャンの後ろに、いつの間にか伏せカードが出現していた。

 

「デッキから魔法カードを1枚、自分フィールド上にセットできる!」

 

「デッキから…!」

 

「発動のタイミングがエンドフェイズだから、このカードは今は使えないけどな。」

 

「…相手のターンに使える速攻魔法なら、それも関係ない事よ。」

 

「ははは、バレテタカー。」

 

 

おそらく伏せカードは、相手を妨害する速攻魔法。

攻撃力2000以上のモンスターが3体も居るのにコレである。

LPはわずかに勝るとはいえ、霊夢とって過酷なフィールドの状況になってしまった。

 

 

「今度こそターン終了!霊夢の番だぜ!」

 

 

    博麗 霊夢  LP1100

    手札:1 フィールド魔法:なし

    ______________________________________

    |       |       |       |       | ?(セット)   |

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    |       |       |       |       |       |

     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

    ______________________________________

    |       |アルケミック・マジシャン|   ティラス   |   トランス   |       |

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    |       | ?(セット)   |       |       |       |

     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

                                霧雨 魔理沙 LP1800

                             手札:0 フィールド魔法:なし

 

 

 

~TURN 05~

 

 

「私のターン、…ドロー。」

 

霊夢は慎重にカードをドローする。

ドローの仕方が勝負に影響を及ぼすわけではないが、魔理沙と違って霊夢の引き方は冷静だ。

 

「………。」

 

「いいカードは引けたか、霊夢?」

 

「……私の勝ちね。」

 

「…は?」

 

「このターンで終わらせる…!通常召喚、《天輪の葬送士》!召喚時、墓地のレベル1光属性モンスターを特殊召喚!」

 

 

《天輪の葬送士》

効果モンスター

星1/光属性/天使族/攻 0/守 0

このカードが召喚に成功した時、

自分の墓地の光属性・レベル1モンスター1体を選択して特殊召喚できる。

 

 

霊夢が自信満々に召喚したのは、レベル1攻守0のモンスター。

棺桶に西洋の兜と小手が生えたような恰好のモンスターであり、霊夢のモンスター共通なのだろうか、足が無く、宙に浮かんでいる。

 

「私は墓地から、チューナーのヴァイロン・スフィアを特殊召喚するわ。」

 

葬送士が胴体の棺を力いっぱいあけると、暗い棺の中からヴァイロン・スフィアが飛び出す。

霊夢のフィールドにはレベル1チューナーとレベル1モンスターが存在する。

これで霊夢は、レベル2のシンクロモンスター、もしくはランク1モンスターエクシーズを繰り出す事が出来るようになった。

 

「ランク1エクシーズ、か?」

 

「いいえ、ハズレよ。…伏せ罠発動、《強化蘇生》!まず、自分の墓地のレベル4以下のモンスターを特殊召喚するわ。」

 

 

《強化蘇生》

永続罠

自分の墓地からレベル4以下のモンスター1体を選択して特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターのレベルは1つ上がり、

攻撃力・守備力は100ポイントアップする。

そのモンスターが破壊された時、このカードを破壊する。

 

 

「そしてこの効果で出てきたモンスターは、この永続罠があるかぎりレベルが一つ上がって、攻守も100上がる……私はヴァイロン・ハプトを攻撃表示で復活!レベル5、攻撃力1900になるわ。」

 

 

《ヴァイロン・ハプト》

レベル 4 → 5

攻撃力 1800 → 1900

守備力  800 →  900

 

 

レベル5のハプトがフィールドに出たおかげで、霊夢はレベル7のシンクロモンスターを出せるようになった。

もちろんこの事は魔理沙も理解しており、すぐさま妨害に入る。

 

(シンクロか!…出てくるシンクロモンスターの効果が分からない以上、シンクロ召喚前に妨害するしかない!)

「待った!ここで速攻魔法《突撃指令》発動!自分の通常モンスターをリリースし、相手の表のモンスターを破壊する!」

 

 

《突撃指令》

速攻魔法

自分フィールド上に表側表示で存在する

通常モンスター(トークンを除く)1体を選択して発動する。

発動後、選択した通常モンスターを生け贄に捧げ、

相手フィールド上のモンスター1体を破壊する。

 

 

「私は魔法剣士トランスを選択して、ヴァイロン・スフィアを破壊!」

 

トランスは躊躇いながらも、全身に魔力をまとわせ、ヴァイロン・スフィアに突っ込む。

その速さは先程の攻撃した時とは比べ物にならないほどであり、まさに玉砕を覚悟しての事だろう。

その爆発は凄まじく、2体のモンスター諸共消滅した。

この魔法カード、一見魔理沙が損をしているように見えるが――

 

「残念だったな霊夢。これでお前はチューナーが居なくなり、シンクロどころかエクシーズすら出来ない!次のターン、私の残ったモンスターで葬送士に攻撃できれば、私の勝ちだぜ!」

 

「それはどうかしらね?」

 

「…何?」

 

「ヴァイロン・スフィアはモンスターゾーンから墓地へ行った場合、装備カードとして甦る!500LPを払って、場のヴァイロン・ハプトに装備!」

 

 

博麗 霊夢

LP 1100 → 600

 

 

スフィアが爆発したところに、かわりにスフィアの破片が現れ、ヴァイロン・チャージャーの時と同じようにハプトに装備される。

しかし、スフィアの鎧に攻撃力アップの効果は無く、ハプトはチャージャーの時と違って、自身の攻撃力を上げる術はないようだ。

 

「ああ、そんな効果もあったな。だがチャージャーの時とは違って、ハプトに攻撃力も守備力も上がらない装備カードを装備するのは無駄じゃないか?」

 

「無駄?…ふぅん、無駄かどうかは見てたらわかるんじゃない?」

 

「なんだと?」

 

「ここでヴァイロン・ハプトの効果発動!装備カードとなっている「ヴァイロン」を1体、再びモンスターにするわ。」

 

ヴァイロン・ハプトからスフィアの鎧がはじけ飛び、形を変形させ、ヴァイロン・スフィアとして再び戻ってきた。

 

 

《ヴァイロン・ハプト》

効果モンスター

星4/光属性/天使族/攻1800/守 800

1ターンに1度、自分フィールド上の装備カード扱いの

「ヴァイロン」と名のついたモンスターカード1枚を選択し、

表側守備表示で特殊召喚できる。

この効果で特殊召喚したモンスターは、

フィールド上から離れた場合ゲームから除外される。

 

 

「ぐっ…私のやった突撃指令のほうが無駄だったのか…。」

 

「無駄ではなかったわよ?あんたの発動した魔法のせいで、ヴァイロン・スフィアは墓地へ行かず除外されるようになった――つまり、モンスターに装備できなくなったの。」

 

ヴァイロン・スフィアが装備カードになるためには、一端墓地へ行かなければならないのだ。

しかし、ハプトの効果により特殊召喚されたモンスターは、墓地へ行かずに除外されるため、スフィアが装備カードになる事は無い。

 

「ふん、どうせシンクロモンスターを出すのが目的なんだから、そんなの関係無いんだろ?」

 

「ふふ、当たり前でしょ?…私は、レベル1の天輪の葬送士と、レベル5のヴァイロン・ハプトに、レベル1のヴァイロン・スフィアをチューニング!」

 

 

ヴァイロン・スフィアが、突如、1つの緑の輪に変化し、その中を葬送士とハプトがくぐる。

輪をくぐったモンスターたちは輪郭以外透明になり、中央にそれぞれのレベル分だけ光の球が現れる。

やがて光の球は輪を通して一直線上に並び、そこに一筋の光がさす。

 

 

「シンクロ召喚!18を指し示す天使、《ヴァイロン・シグマ》!」

 

 

フィールドに、魔理沙と霊夢の身長の二倍ほどもある天使が降臨した。

独特の形状をしており、白を基準とした足の無い姿で、白い腕に3つずつ金色のσの輪がついており、背中にσ状の大きな輪と、黒い羽が生えている。

その胴体を横から見ると大きなΣの形をしており、そして天使と呼ぶにはあまりにも機械的である。

 

 

《ヴァイロン・シグマ》

シンクロ・効果モンスター

星7/光属性/天使族/攻1800/守1000

光属性チューナー+チューナー以外の光属性モンスター1体以上

?????

 

 

(これがシンクロ召喚…!だがモンスター3体を犠牲にした割に、攻撃力1800は低すぎるぜ。…その分強い効果をもってるのか?)

 

と、魔理沙が効果発動の瞬間を待ち構えていると、霊夢が魔理沙のアルケミック・マジシャンを指差しこう発言した。

 

「バトルよ。ヴァイロン・シグマで、アルケミック・マジシャンに攻撃!」

 

「何?攻撃力の劣るモンスターで攻撃…?」

 

ヴァイロン・シグマが拳に気を纏い、なかなかのスピードでアルケミック・マジシャンに襲い掛かる。

しかしそれを迎え撃つアルケミック・マジシャンは、相手の攻撃を微塵にも脅威と思っていないようで、ドヤ顔で魔法結界を作動させて攻撃に備える。

 

「ふふん、私のモンスターがあんたのモンスターに負ける訳ないわよ。この瞬間、ヴァイロン・シグマの効果が発動するわ。自分の場にこのモンスターしかいない場合、攻撃時にデッキから装備魔法カードを装備できる!」

 

 

《ヴァイロン・シグマ》

シンクロ・効果モンスター

星7/光属性/天使族/攻1800/守1000

光属性チューナー+チューナー以外の光属性モンスター1体以上

自分フィールド上にこのカード以外のモンスターが存在しない場合、

このカードの攻撃宣言時に発動できる。

デッキから装備魔法カード1枚を選んでこのカードに装備する。

 

 

「デッキから装備するだと!?」

 

「私はデッキから装備魔法《魔導師の力》を装備!この装備カードは、自分のフィールドの魔法・罠カード1枚につき、装備モンスターの攻撃力を500上げる効果を持つ!」

 

 

《魔導師の力》

装備魔法

(1):装備モンスターの攻撃力・守備力は、

自分フィールドの魔法・罠カードの数×500アップする。

 

 

「魔導師の力自体も魔法カードだから、ヴァイロン・シグマの攻撃力は500ポイントアップする。だから攻撃力は、2300!」

 

 

《ヴァイロン・シグマ》

攻撃力 1800 → 2300

 

 

「私のアルケミック・マジシャンを上回った…!」

 

シグマがアルケミック・マジシャンの方へ向かう途中に、急激に巨大になっていく。

先程より5割増しのサイズになったヴァイロン・シグマをみて、ドヤ顔だったアルケミック・マジシャンの顔が急変する。

 

 

~ バトル ~

霊夢

ヴァイロン・シグマ

功 2300

 

VS

 

魔理沙

アルケミック・マジシャン

功 2100

 

《アルケミック・マジシャン》 戦闘破壊

 

 

霧雨 魔理沙

LP 1800 → 1600

 

 

自分で張っていた結界を強めようと努力するもすでに遅し、シグマの拳に結界を割られてしまい、自身も吹き飛ばされ、小さな悲鳴を上げて消滅した。

 

「アルケミック・マジシャン…っ。だが、これで霊夢のモンスターの攻撃は終了したはずだぜ。…『このターンで終わらせる』とかいうのは嘘だったのか?」

 

魔理沙に人差し指をびしっと突きつけられる霊夢。

一見、冷徹なまでに無表情に見える顔だが、口元はわずかに、ほんのわずかに笑みを作っているようだった。

 

「何勘違いしてるの?…私の攻撃はもう1回残ってるんだけど。」

 

「は?そんな馬鹿な。お前の場には攻撃を終えたヴァイロン・シグマしかいないぜ?」

 

「…速攻魔法、《旗鼓堂々》発動!墓地の装備カードを、エンドフェイズまで自分のモンスターに装備できる!」

 

 

《旗鼓堂々》

速攻魔法

自分の墓地の装備魔法カード1枚と、

その正しい対象となるフィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

選択した装備魔法カードを選択したモンスターに装備する。

この効果で装備した装備魔法カードはエンドフェイズ時に破壊される。

このカードを発動したターン、自分はモンスターを特殊召喚できない。

「旗鼓堂々」は1ターンに1枚しか発動できない。

 

 

「このカードを発動して以降、私はモンスターを特殊召喚できなくなるんだけど……どうせこのターンで終わらせるから問題じゃないわ。」

 

「デ、デッキに続いて、今度は墓地から装備か。だが霊夢、お前の墓地にあるのはシャイン・キャッスルだけのはず…。そんなもの今更装備したところで、このターンでお前が勝つことは――」

 

シャイン・キャッスルは光属性モンスターの攻撃力を700上げる装備魔法であったはずだ。

弱小魔法とまでは言わないが、攻撃をすでに終えたヴァイロン・シグマにこのカードを装備しても、このターンでゲームエンドに持っていくことはできない。

 

「誰がシャイン・キャッスルを装備するって?」

 

「…え?このデュエルで霊夢が使った装備魔法は、今フィールドにある魔導所の力とシャイン・キャッスルだけだろ?他になんの装備カードが――っ!まさか…!」

 

そこで魔理沙に、とある光景がフラッシュバックする。

その光景とは、前のターン、魔理沙が始祖の守護者ティラスでヴァイロン・ハプトを攻撃した時のことである。

結果、霊夢のモンスターのハプトは戦闘破壊され、魔理沙は霊夢にダメージを与えることに成功したのだが――

 

 

『く…っ!けど、ダメージを受けた時、“手札を一枚捨てて”罠カード発動、《ダメージ・コンデンサー》!受けたダメージ以下の攻撃力のモンスターを、デッキから攻撃表示で特殊召喚する!』

 

 

霊夢にそのダメージを利用され、チューナーモンスターであるヴァイロン・スフィアを特殊召喚されたのだった。

だが、問題はそこではない。

 

「礼を言っておかないとね、魔理沙。あんたがやった魔法剣士トランスの特殊召喚方法を参考にさせてもらったわ。」

 

「あのときにコストとして装備カードを捨ててたのか…!」

 

「その通りよ。…私は墓地の《閃光の双剣-トライス》をシグマに装備!装備モンスターの攻撃力を500下げ、このターン、2回の攻撃ができるようになる!」

 

 

《閃光の双剣-トライス》

装備魔法

手札のカード1枚を墓地に送って装備する。

装備モンスターの攻撃力は500ポイントダウンする。

装備モンスターはバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。

 

 

ヴァイロン・シグマの前に、2つの細身の剣が浮かび上がる。

2つとも緑色の美しい剣であり、ヴァイロン・シグマはそれをゆっくりした動作で構える。

 

「…?500下がる?ヴァイロン・シグマの攻撃力は2300から下がってないぜ。」

 

ARビジョンが壊れたか?と魔理沙が愚痴っていると、すぐさま苦笑いで霊夢が答える。

 

「シグマのもう一つの装備カード、魔導師の力は自分の魔法・罠の数だけ、攻撃力を500上げるでしょ?」

 

「…ああ、そういう事か。」

 

つまり、閃光の双剣-トライスと魔導師の力で、攻撃力変動を中和しているのである。

 

 

《ヴァイロン・シグマ》

攻撃力 1800 → 1300(閃光の双剣-トライス) → 2300(魔導師の力)

 

 

「そして、これが最後のバトル!ヴァイロン・シグマで始祖の守護者ティラスに攻撃!」

 

ヴァイロン・シグマが双剣に魔力を纏わせ、始祖の守護者ティラスに襲い掛かる。

それをティラスは剣と盾で応戦し、二人の間に火花が散る。

 

「そしてヴァイロン・シグマの効果発動!攻撃宣言時にデッキから装備する!私が装備するのは、――二枚目の《魔導師の力》!!」

 

 

《ヴァイロン・シグマ》

攻撃力 1800 → 1300(トライス) → 2800(魔導師の力1) → 4300(魔導師の力2)

 

 

「こ、攻撃力4300…!」

 

 

~ バトル ~

霊夢

ヴァイロン・シグマ

功 4300

 

VS

 

魔理沙

始祖の守護者ティラス

功 2600

 

《始祖の守護者ティラス》 戦闘破壊

 

 

始めはティラスが押していた小競り合いも、装備カードの力により巨大化したヴァイロン・シグマが押しきり、みごとティラスを撃破した。

もちろんその後のターゲットは魔理沙。今度は魔理沙に向かい剣を振り上げる。

 

「…っ!!くぅあっ!」

 

 

霧雨 魔理沙

LP 1600 → 0

 

 

2本の剣に斬られた魔理沙は思わず尻餅をつく。

ARビジョンなのだから身体的ダメージは無いはずだが、おそらくひるんだだけだろう。

 

何はともあれ魔理沙のLPは0になり、霊夢の勝利が確定した。

 

 

~デュエル終了~

 

 

    博麗 霊夢  LP 600

    手札:0 フィールド魔法:なし

    ______________________________________

    |       | 魔導師の力 |  トライス   | 魔導師の力 |       |

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    |       |       |  V・シグマ  |       |       |

     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

    ______________________________________

    |       |       |        |       |       |

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    |       |       |       |       |       |

     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

                                霧雨 魔理沙 LP  0

                             手札:0 フィールド魔法:なし

 

博麗 霊夢 Win

 

 

 

「あーあー、結局負けちゃったか…。」

 

しばらくしてデュエルの片づけが付くと、二人は縁側に座り、仲よく緑茶と和菓子(饅頭)を楽しんでいた。

 

「ちゃんとルールを聞いていない霊夢には、勝てると思ったんだがなぁ。」

 

「……。」

 

帽子をとっていた魔理沙は、両手の上に後頭部を乗せてそのままパタンッと寝っころがる。

残念そうである。実に残念そうである。

 

一方勝者の方は何も語らず、ただ静かに茶を啜るばかりであった。

といっても、口から言葉を語っていないだけで、表情を見れば何を言いたいのかが伝わってくる。

嬉しそうである。実に嬉しそうである。

 

「それにしても、紫はどこいったんだろうな…。」

 

「ん?ああ、いたわねそんな奴。」

 

「……そんな奴て、お前…。」

 

霊夢がそんなことはどうでもいい、と言わんばかりに湯呑を傾け緑茶を飲む。

すすっ、と小さな音が境内に響いた気がした。

 

「たしか、霊夢がヴァイロン・チャージャーを出した辺りまではいた気がするぜ。」

 

「そのあとすぐにスキマで何処か行っちゃったわよ、アイツ。」

 

「『デュエルディスクがキチンと動作するかテストしてほしい』~とか言ってたから、デュエルの最後までいると思ったんだがな。」

 

「何?そんなに紫に最後まで見てほしかったの?」

 

「いや、むしろ逆。」

 

「……あんたも大概よね。」

 

霊夢が肩から、ふーっとため息をついたと同時に、魔理沙が何かを思い出したのか、上半身を素早く起こし、最後の饅頭を食べようとする。

自称人間最速の名は伊達でなく、その動かした腕はなかなかのスピードだったが、それも霊夢の手に撃ち落される。

ちなみに、霊夢はずっと空を見ており、こっちを見てすらいない。

 

「ってー。ケチるなよ一つくらい。」

 

「その最後の一つだからケチるのよ。敗者は勝者に譲りなさい。」

 

「…お前さては、それが言いたくて、わざわざ出す饅頭を奇数個にしたんだな?」

 

「…さあ?」

 

「汚いぜ。」

 

「ふふ、何の事?」

 

「くぅ……何かすっきり負けたと思ったのに、だんだん悔しくなってきた。もう一回やろうぜ。」

 

「あんな疲れるの、よく何度もできるわね。」

 

「ん、疲れたか?そんなに動き回っていないぜ。」

 

「頭使うのよ、頭。だるい。」

 

「あー、確かに頭は使うかもな。……んで、どうするんだ?」

 

「…あぁん?」

 

「やるのか?やらないのか?この饅頭を掛けて。」

 

「………。」

 

「………。」

 

「…しょうがないわね。」

 

「そうこなくちゃ面白くないな。」

 

「はぁ…元々その饅頭は私のなんだけど。」

 

「ふん、すぐに私の物になるぜ。」

 

「いや、そういう事じゃなくてね…。」

 

 

 

 

ただ今、辰の刻。

 

秋姉妹がまだまだ活発に働くこの季節、夕方近くまできても寒くなく、とても過ごしやすい風が肌を伝う。

 

 

――そう、幻想郷は、まだまだ平和であった。

 

 

 

 

 

 

 

~~ 今回のキーカード(という名の補足) ~~

 

霊夢 「なぁーにっかなー」

 

魔理沙「なぁにっかな!」

 

二人 「今回はこれ!」

 

 

《旗鼓堂々》

速攻魔法

自分の墓地の装備魔法カード1枚と、

その正しい対象となるフィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

選択した装備魔法カードを選択したモンスターに装備する。

この効果で装備した装備魔法カードはエンドフェイズ時に破壊される。

このカードを発動したターン、自分はモンスターを特殊召喚できない。

「旗鼓堂々」は1ターンに1枚しか発動できない。

 

 

霊夢 「墓地の装備カードをエンドフェイズまで装備できるわ。速攻魔法で相手のターンにも使えるから、その場合は一種のカウンターにもなりうるわね。」

 

魔理沙「それはまぁいいんだけど……。なぁ霊夢ー。」

 

霊夢 「何よ?」

 

魔理沙「今回このカードを使った時に装備したのは、《閃光の双剣-トライス》だったよな?」

 

霊夢 「ええ。」

 

魔理沙「たしかトライスは装備する時に、手札を1枚墓地に送らなくちゃいけないんだよな?」

 

 

《閃光の双剣-トライス》

装備魔法

“手札のカード1枚を墓地に送って”装備する。

装備モンスターの攻撃力は500ポイントダウンする。

装備モンスターはバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。

 

 

霊夢 「そうね。」

 

魔理沙「あの時霊夢の手札は0だったのに、何で装備できたんだ?」

 

霊夢 「…あぁそんな事。手札を1枚捨てるのは発動コストでしょ?」

 

魔理沙「うん?そうなのか?」

 

霊夢 「旗鼓堂々は“発動コストを踏み倒す事が出来る”のよ。旗鼓堂々のもう一つの利点ね。」

 

魔理沙「…えーっ。何だそれ。というか、どこからがカードの効果で、どこまでが発動コストなのか分かり辛いぜ。」

 

霊夢 「初心者にありがちよね。」

 

魔理沙「お前も初心者だろ。」

 

霊夢 「まあいいじゃない。…旗鼓堂々と同じように、私が使った《ヴァイロン・シグマ》も装備魔法の発動コストを踏み倒す事が出来るわ。」

 

 

《ヴァイロン・シグマ》

シンクロ・効果モンスター

星7/光属性/天使族/攻1800/守1000

光属性チューナー+チューナー以外の光属性モンスター1体以上

自分フィールド上にこのカード以外のモンスターが存在しない場合、

このカードの攻撃宣言時に発動できる。

デッキから装備魔法カード1枚を選んでこのカードに装備する。

 

 

魔理沙「ふーん、使用カード同士、相性いいんだな。」

 

霊夢 「まあね。基本、“カードの効果で装備された装備魔法の発動コストは踏み倒せる”のよ。」

 

魔理沙「ほう、覚えておくぜ。」

 

 

 




長い。
すごく長い。
5ターンでこんなに掛かるのか。
というか、文章の約半分が4ターン目て、どういうことなの。

どうも六壁坂です。
忙しい中ちまちまやってたら2週間くらいかかってしまいました。

長い長いと言っておりますが、実際はフィールドのAAもどきと、カードの効果コピペで半分以上喰ってるハズ。
そう考えると、自分が書いてるのは約1万語ぐらいですね。短い。

OCGカードの効果は遊戯王カードwiki様、未OCGカードの効果は、遊戯王ゲーム版 カードWiki様のものをコピペさせていただきました。感謝します~。
基本、現役でやってないと分かり辛い部分は、軽ーく説明を入れてみたつもりですが、どうでしたかねぇ。

何?コストと効果?知りません。(本当は解説が面倒なだけ。)

次の更新は…大体、1,2週間後くらいになるのでしょうか。分かりません。
まあ、これからもよろしくお願いしますー。
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