PHANTASY STAR ONLINE 2 :A.P.742   作:Begew Garand

5 / 60
E-05 「おにいちゃん」

 「うう...さっきまではどうにかなるっておもってたのに。もっと奥のほうまできたらなんだか怖くなってきちゃった...」

 

 ぜったいに見つかる!....そうきまっているわけじゃないのに意気こんだわたしは最後にぼうしを目でおいかけられたばしょ、開けたどうろからいくつか細いみちを通ってぼうしが飛んできそうなばしょをあるいていたんだ。

 

 「でも、どうせ地図もつかえないしいま諦めてもしょうがないか。」

 

 だけどいくらさがしてもぼうしが飛んできそうなところはみつからなかったの...

 

 「うーん、足がいたくなってきちゃった....すわって休も。」

 

 そうしてつかれたわたしは行きついた先で見つけた広場にあった椅子にすわって休むことにした。

 

 「....やっぱりみつからないものはみつからないのかな。」

 

 さっきまで強気だったけど、なんだか無駄なことをしてる気分になってそんなことばが勝手に出てきちゃった。

 

 「あーあ、勝手にもどってきたりしないかなあ....」

 

 おとぎ話みたいなことを考えたりしてぼうしが見つからないことからにげて、上を向いたんだ。

 

 「まったく、木にでもひっかかっていればって思ったけどそうならまたさいしょから探さないと.....って、あれは!」

 

 上を向いてこれからどうするか考えようとしたら、そこにはわたしのぼうしが木の枝にひっかかってるのが見えたの。

 

 「や、やっぱり無駄じゃなかった.....よかったあ....」

 

 それでようやくぼうしを見つけられたわたしは最初は見つけられて喜んでいたの。だけど、途中からあることに気がついて...

 

 「....わたしの身長じゃとどかない。」

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 「んっ!んっ!.....跳んでもだめかなあ...」

 

 ようやくぼうしを見つけることができた!....けど、身長がたりなくてぼうしまで手がとどかなかったの。

 

 「もう少しわたしがおおきかったら.....んっ!、だめだあ....」

 

 それで、どうやってぼうしを取ろうかほかの方法をかんがえていたら....おとこの人に声をかけられたんだ。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 最初の日の仕事を無事に終えた僕は自室に帰ってから安心しているのもつかの間、あっという間に日が明けてしまっていて仮眠を取った後にふと窓を見た時には人工太陽が艦内に差し込んでいたんだ。それで焦った僕は急いで着替えを済ませて、忘れかけそうになった銃を腰に付けてから急ぎ目で駐在所に来た、だけど。

 

 「はあ....バーンズさんもまだ来てないのに気を張りすぎたかな。」

 

 少し早め...いや、かなり早めに来てしまった僕はバーンズさんよりも早く来てしまったんだ。特に仕事も無くてただでさえ退屈な時間だっていうのにその時間を増やしてしまったみたいだ。

 

 「まあ、早く来すぎたからといって何かペナルティがある訳じゃないんだけど。取りあえずマニュアルの再確認でも....って、あの女の子どうしたんだ?」

 

 それで、退屈しのぎにでも電子マニュアルをもう一度読んでおこうと思って端末を開こうとしていたら...部屋の窓越しに木の下で必死に飛び跳ねている女の子が目に入ったんだ。

 

 「木の下で跳ねて.....木に何か引っかかったのか?」

 

 女の子はアークス用の制服....を子供サイズにしたような可愛らしい服を着ていた。噂には聞いていたけど特別指定教育レベルの子なのかな?そのレベルの子は飛び級というか一般の指定教育とは違って年齢に関係なく高度な教育を受けさせられるとか、それで基本的にはアークスに所属になることも決まってしまうらしくて小さい子でもアークスの制服を着ている子は少なくない。

 

 「することも無いし....怪我をしても大変だろうから様子見にでも行くかな。」

 

 そうして気になって、というよりも心配になった僕は椅子から立ち上がってから直ぐに建物から出て女の子の居る場所に向かった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 「だ、大丈夫かい?さっきから何か取ろうとしてるみたいだけど....」

 

 窓から見えた場所は駐在所のすぐ横にある広場で建物から出て数分も掛からずに行くことが出来た。

 

 「木にぼうしがひっかかっちゃったの....でも届かなくて、どうしよう....」

 

 やっぱり木に物が引っかかってしまっていたみたいだ。

 

 「この木、帽子はあれであってるのかい?今取ってきてあげるから。」

 

 「うん....だけどおにいちゃんはあのぼうし取れるの?」

 

 「これぐらいの木なら登れるだろうから...この枝から登れるな。」

 

 そうして僕は登れそうな枝を手で確認して、登れそうな枝を見つけてから登った。

 

 「わあ....」

 

 女の子が目を光らせて下から見上げていた。

 

 「そうだ、危ないから木から離れているんだよ。」

 

 「うん、わかった!」

 

 木はそれ程までは高くないもので少しコツを掴めば簡単に登ることが出来て、帽子にまで手が届く場所にゆっくりと移動してから落とさないようにして帽子を手に取った。

 

 「この帽子だな.....って、それにしてもやけに使い込んである帽子だ。あの子の所持品にしては少し違う気がするけど...まあ、僕が気にすることじゃないか。」

 

 帽子を無事に掴めた僕は行きと同じようにして枝を伝って木を降りて行った。

 

 「ほら、ちゃんと取れただろう?今度からは飛ばさないように気を付けるんだよ。」

 

 「ありがとう!こんどからは気を付けるね。それじゃあバイバイ!」

 

 そう言って女の子はあっという間に走り去ってしまった。

 

 「はあ、小さい子は元気だなあ....」

 

 これで要件の済んだ僕は駐在所に帰って仕事の準備でもしよう、そうして来た道を戻ろうとしていたら女の子が走っていった方からまた走ってくる音が聞こえてきた。今度は何だ....?そう思っているとその足音は僕の横で直ぐに止まった。

 

 「はあ、はあ、....そうだった。わたし、地図がつかえなかったの。」

 

 さっきの女の子だった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 「えっと、話をまとめると君は飛ばされた帽子を取りに行こうとして追いかけていたら分からないところまで行っちゃって。取りあえず帽子は見つかったけど帰り方が分からなくなくなった、ここまでは大丈夫?」

 

 「うん....あってるよ。途中で地図が見れないことにきがついてそれでかえろうとしたけど使いかたがわからなくて。迷っちゃったの。」

 

 あの後、女の子から帰り方が分からないと言われて....取りあえず僕の仕事上しっかりと取り合わないといけないから待機室までついてきてもらってそこで今に至るまでの経緯を話してもらっていたんだ。

 

 「一応だけど....端末の使い方は指定教育とかで学ばなかったのかい?多分そういったことも教えてもらえるはずなんだけどな。もしかして特別指定教育レベルでもまだだったか....?」

 

 女の子は地図の見方が分からない、要するに端末の使い方が分からないみたいだった。それなのにどんどん奥の方まで進んで帽子を探しに来たらこうなってしまったらしい。

 

 普通の指定教育レベルでしか僕は勉強したことが無いからこの子が何処まで物事を勉強しているのかは分からないけど端末の使い方はそれなりに最初の段階で勉強するんだ。

 

 「うっ.....たんまつの使いかたはべんきょうしたよ、わたしがわすれてただけ。」

 

 「じゃあ、教えてはもらっていたんだね?ただ使い方を忘れていただけで。」

 

 女の子は少し俯いている状態で首を縦に振った。まあ、色々考えてはいたけど結局のところ使い方を忘れてしまっただけみたいだ。

 

 「まあ、人は完璧に物事を覚えるのが苦手なんだ。だから忘れてしまうのは仕方の無いことだよ。僕だって時々大事なことを忘れかけたりしちゃうし....だからあんまり自分を責めない方が良いよ。その方が気が楽になるし。」

 

 「....すみませんでした。」

 

 「良いんだよ、今度から気を付ければ大丈夫なことだし。それじゃあ端末の使い方からおさらいしておこうか。端末は出せるかい?」

 

 取りあえずこのまま無事に送り届けるっていうのでも良いんだけどそれだとまた迷ってしまったときに困るだろうから端末を出してもらってそれで使い方を教えてあげることにした。仕事もすることがね....

 

 「うん、いま出すね。」

 

 そういうと女の子は空を切るように手を前に出した。すると空中に画面が浮き出てきたんだ。

 

 「あれ、君が持ってるのはホログラムタイプなのか。やっぱり凄いなあ...。」

 

 「?おにいちゃんのたんまつはこれじゃないんだ....」

 

 「うん、僕が持ってるのは物理端末だからね。」

 

 まあ、普段から良く見慣れているからそこまで驚くことじゃないんだけどホログラムタイプの端末は羨ましかったりする。ちなみにこの子が持っているタイプの物はアークスだけに基本支給されるタイプの物で僕みたいなアークスではない役職、もしくは一般員の場合には余程のことが無い限りは基本的に貰うことは無いんだ。

 

 どうしてこういったホログラムタイプの物をアークスだけに支給されるのかって?まあ、どんな環境下でも邪魔にならないように使えるから、なんて習ったような気がする。

 

 ちなみに僕が持っている物理端末は一番普通のやつで旧型艦とか僻地として扱われている艦では基本的にこのタイプの物がアークス以外に支給されるんだ。ちなみに壊れた場合以外には新しい物は支給されないからずっと古いものを使い続けることになっていて、つまるところ僕の持っている端末はかなり年季が入っていた。

 

 「まあ、中身は一緒だから大丈夫。ちゃんと教えられるよ。」

 

 それと中に入っているOSは同じものになっているから他の人と接続をしたりする時でも互換性が無くて困ったりはしないようにできている.....とは言っても今まで他の人と接続をしたことが無いから知識だけなんだけどね。

 

 「じゃあ使い方を教えていくよ。まずはメインメニューから....」

 

 そうして僕は基本的なことから順序に沿って教え始めた。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 「うん....だいたい思いだせたかも。地図もつかえるようになったし。」

 

 「なら良かった。使えるものは使えるようにしておかないとね....まあ、忘れないようには一応気を付けてね。」

 

 あれから1時間ぐらいかけて僕は小さい子にも分かりやすいようにしながら端末の使い方を言葉だけじゃなくて実演も交えて説明をしていた。まあ、最後の辺りは段々と思い出してきたみたいでほとんど僕の説明は要らなかったみたいだけどね。分かったのなら良かった。

 

 「わかった!いろいろ助けてくれてありがとうおにいちゃん!」

 

 「いや、こういうことを解決する為にこの仕事はあるからね.....お礼を貰うほどのことじゃないよ。」

 

 「そうなの....?」

 

 女の子は不思議な顔をしながら首を横に傾けていた。

 

 「ノア君、今日も頑張っていこうか.....って、その女の子はどうしたんだ?」

 

 そうして女の子と会話をしているとバーンズさんが待機室に着替えを済ませた状態で入ってきた。会話に気が行っていて全く気が付かなかったよ....

 

 「え、えっと、この女の子はさっき隣の広場で会った子なんですよ。それで、どうやら自分の帽子を探しに来たら道に迷ってしまったみたいで...それで対応していました。」

 

 「はあ、要するに迷子ってやつか。まあ俺はそういうのは苦手だから君に任せるさ。」

 

 「分かりました....と言ってももうほとんど要件は済んだんですけどね。」

 

 「なんだそうだったのか。いや、ノア君は本当に腕が立つなあ。」

 

 すると昨日と同じようなことをバーンズさんは言う。きっと僕の刃物の扱いを見たら卒倒するだろうな....

 

 「そんなこと、ないですよ。現にM.Sになっているのも才能が無かったからなんですから。」

 

 そう言うとバーンズさんは少し残念そうな顔をして話を続けた。

 

 「そうだと俺は思うんだがなあ.....まあ、要件も済んでいることだしその子、ウィオラマギカを着た子は送り届けてやってくれ。その間の仕事(待機)は俺がしておくからさ。」

 

 「....分かりました、じゃあ行ってきますね。」

 

 そうして僕は女の子を頼りに送り届けることにして一緒に建物から出た。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 「道はこれであってるかい?」

 

 「うん、なんだかここは通ったようなきがするからだいじょうぶ。」

 

 そんなこんなで女の子の言葉を頼りにしながらもその子の自室に向かって歩いて行っていた。

 

 この子が通ってきた道を戻って帰っているんだけど見る限りでは地図が無いと一人で帰るのは絶望的だな.....

 

 「偶然だったけど駐在所の近くにまで辿り着いて良かったなあ...もしずっと迷っていたら何か事件に巻き込まれてしまうこともあるしね。」

 

 「そうなの?」

 

 女の子は何も知らないようだった。まあ、このぐらいの子なら何も知らないか....

 

 「まあ、世界には色々な人が居てね、優しい人が居る反面優しくない怖い人も居るんだ。だからなるべく入り組んだ所とか人気が無い場所はなるべく避けるんだよ?」

 

 「はーい。」

 

 取りあえず女の子の調子は普段通り?に戻ったみたいだ。駐在所で話を聞いていた時よりも何だか元気だ。

 

 「うふふっ、わたしレピカっていうの。おにいちゃんは何て名前なの?」

 

 「?僕はノア、ノアって言うんだ。」

 

 「ノアおにいちゃん....何だか良い響きねっ!」

 

 「そうかな?普通の名前だと思うけど。」

 

 「おかあさんから良く聞いたの!響きのいい名前は良い名前だって。だからノアおにいちゃんの名前は良い名前だね!ふふっ。」

 

 名前についてあんまり話したことは無いけどこうして良い名前なんて言われたのは初めてかもしれない。何だかちょっと嬉しい。

 

 それから女の子は気分が良くなったのか歌を口ずさみながらスキップをして上機嫌に目的地に向かって進み続けた。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。