どうやら大洗の戦車に男がいるらしい   作:第六位

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前回はお騒がせしました……。以後このようなことはしないようにします、と言いたいところですが多分作者の実力的に今後何回かやらかすと思います。その度に言ってくださるととても助かります……。

さて、それはともかく本編の話をしましょう。
作者の中ではこの話からこの物語は始まると思ってます。それと共に、一気に原作改変が起きると思います。例を挙げるなら平野が活躍しすぎて敵がより警戒するようになったりして全体的に戦力のインフレがあったりですね。ノンナやナオミ等の優秀な砲手はそれが顕著に表れます。
それと裏設定なのですが、主人公の姉貴は蝶野さんを含めて作中人物で一番の才能があります。経験値があるのを加味すると、蝶野さんと実力は互角くらいかな? といった感じです。元々主人公の姉貴のモデルになった人物が人物なので……。

前書きが長くなりましたね。本編が短いのでその代わりみたいなものです。次回からは普通の長さに戻ると思います。


第6話 模擬戦です!

「うーん、無理だこれ」

 

 俺は手元にある戦車操縦マニュアルを眺めては操作し、また眺めるという行動をかれこれ3時間。

 やるからにはもう、気遣いは無用だろう。他の人からどう思われようが、噂されようが関係ない。俺は大洗チームの人間と仲良くする。早速だが、頼ることにしよう。

 

「学年主席、冷泉麻子さんに教えを乞うかね」

 

 

 

 

 

 

「冷泉にいつ暇か聞いてくれない?」

「ええ!! ど、どうして」

「そんなに驚くことある?」

「どうしたのみぽりん」

「あら、珍しいですね。下田さんが自分から西住さんに話しかけるなんて」

「まあな。というかお前らにも関係のある話だ」

「え、なになに? もしかして好きな人できたの?」

「冷泉と話がしたいんだが」

「えーーー!!!」

 

 うるせぇ!!!

 

 

 

 

 

「皆ー新しく戦車道をやることになった下田平野君だよー」

「よろしく」

 

 俺はそれまで履修していた茶道を辞めて戦車道選択に切り替えた。茶道を辞める際に3年生から「下田さんはいい味のお茶を作れる男の子です。これからもその才能を大事にしていってくださいね」と言われた。才能というよりただ教えてもらっただけだが……。ついでに結構高そうな茶葉を貰えた、今度蝶野さんあたりが家に来た時にお出しするか。

 

「先輩、なんで男子が戦車道やるんですか?」

「なんか変じゃない?」

「紅一点ならぬ黒一点だな」

「「「それだ!」」」

「バレー部のコーチをしてもらえませんか?」

 

 戦車道選択者の人間から多くの言葉が飛んでくる。バレーは得意じゃないので教えることはできません。

 

「あれ、西住の班に一人見慣れない顔がいるが……」

「あ、この人は秋山優花里さん。アンコウチームの装填主をしてるの」

「よろしくお願いいたします! 西住殿達と一緒にⅣ号に乗らせてもらってます秋山優花里と申します!」

「よろしくな。めっちゃ礼儀正しいじゃん。それに殿呼びって」

「ああこれ癖なんです。あはは……中々抜けなくて。変ですよね」

「変というより変わってるなって感じかな。別に変える必要はないと思うぞ。本人も嫌がってないっぽいし」

「で、では! 親しみを込めて下田殿と呼ばせてもらっても構いませんか!?」

「お好きにどうぞ。俺からはどういう風に呼べばいい?」

「私のことなどはどうでも! それこそ好きにしてください!」

 

 うーん、秋山って言いたいところだけれど中学の頃の友達にいたんだよな同じ名前の奴。なんだか呼びにくい。

 

「初対面で慣れ慣れしいかもしれんが下の名前で優花里さんって呼んでもいい?」

「どうぞどうぞ! むしろさん付けじゃなくてもいいですよ」

「そうか、じゃあ優花里で。よろしくな」

「はい!」

 

 なんだか、あれだな。本人に言ったら怒られるだろうけどこの人犬っぽいな。個性強いけど皆から好かれるタイプだ。君を絶対に連れ戻しに来るから待っててねとか言われそう。本物の戦車にだけは乗らんといてくださいよ!

 

「そいや優花里と西住ってどんな関係なの? 役割って意味じゃなくて。……西住?」

「優花里さんには下の名前なんだ」

「なんだよいきなり。お前だって優花里さんって言ってるだろ」

「もう、いいよ」

「ええ……」

 

 西住は優花里から西住殿って言われてるじゃんか。何がいけなかったんだ。

 

「それじゃ早速模擬戦いっちゃおうか」

「えーでも会長、下田先輩はどの戦車に乗るんですか?」

「まだ余りの戦車あったっけ?」

「生徒会の戦車に乗るんじゃない? 3人しかいなかったし」

「いーや、違うよ。下田君にはね、新しい戦車に乗ってもらうよ」

 

 角谷会長がそう言うと、待ってましたと言わんばかりに自動車部の人が俺が乗る戦車、ティーガーを戦車倉庫に運転してきた。

 

「ティーガーじゃないですか! でも少しフォルムが違いますね」

「少し改造されてるっぽい。でもまあ、そこまでスペックが変わるわけでもないらしいぞ」

 

 西住がティーガーへと近づいて、触れた。

 

「懐かしいなあ」

「このティーガーが完成した姿は見てなかったよな。トラウマ、思い出したりしないか?」

「大丈夫だよ。前の私だったら立ち止まってたかもしれない、でも今の私なら大丈夫。一緒に全国優勝目指しましょう!」

「「「おーーー!!」」」

 

 西住が掛け声を出すと皆がそれに続いて盛り上がる。各々がティーガーの装甲に触れたり、履帯を見たり、内装はどうなっているのか確かめたりしている。俺はそれを横目に見て、生徒会の3人の元へ行った。

 もしかしたらこのティーガーも他の戦車みたく動物の絵を塗られるのかな。となれば何がいいかな。いや、そもそもこれ乗るの基本的に俺一人になるからあまり意味なくね?

 

「受け入れてもらったみたいで良かったですよ」

「そりゃそうだよ。ただでさえ大洗(うち)は戦力が少ないんだし。何より西住ちゃんが良いっていうんなら皆それに従うでしょ」

「それもそうですね。しかしよくあの一戦でここまで団結力が深まりましたね」

「それがねー、あの日うちらと西住ちゃんと下田君で反省会したでしょ? その後色々やったんだよ」

「そうですか。模擬戦では結構苦戦を強いられそうですね」

「そだねー」

「俺のチームの班はどの戦車ですか?」

「え? 今回はティーガー対それ以外だよ?」

「は?」

「んじゃ、後は頑張ってねー、下田()()()

 

 どうじでだよ”お”お”。

 

 

 

 

 

「なんで私がこの人と二人で戦わなければいけないんだ」

「しょーがないでしょ? 流石にまだ一人で動かせるわけじゃないっぽいし」

「私が抜けたらアンコウの操縦は誰がやるんだ」

「あ、私が出来ます!」

「確かに! ゆかりんは操縦も得意だもんね! 麻子が朝練習に来れなかった時とか操縦の練習やってるし!」

「えへへ、いやー、装填主って砲撃の前以外であまりすることないんで、何かの時のために色々出来るようになってた方がいいかなーと思いまして。流石に麻子殿みたいに動かすことは無理ですけどね」

 

 大丈夫だ優花里よ。できないのが普通だ。

 と、いうわけでティーガーに乗るのは俺と冷泉のみとなった。つまり、冷泉が操縦、俺が装填、射撃、状況判断を行う。通信は一人しかいないからいらないとして、もし本番だったら俺は操縦まで一人でやるわけで、状況判断は全部西住に任せることになるだろう。冷泉の代わりに優花里がⅣ号の操縦をするみたいだ。装填主は大事な役割を持ってはいるが、同時に代用が効く役職でもある。優花里がどれほどの運転手なのか分からないが、十分に気を付けた方がいいだろう。

 

「よろしくな。冷泉」

「まあ、こうなったからはしょうがないが。よろしく」

 

 

 

 

 

 試合開始前、俺は西住と二人で会っていた。

 

「なあ、西住。こういう時って立会人いないといけないんじゃないのか?」

「そういえば……。公式戦じゃないしダメというわけじゃないけど誰かいた方がいいよね。どうしよう」

「蝶野さんにはさっき電話したけど今日は無理っぽかったし他の戦車道に通じてる人間に来てもらうしかないな」

「うーん。でもそんな人いるかな……」

「幸いにも今日は休日だ。そして昨日から半、居候している人間がいる。戦車道に詳しいぞ。とても」

「え、誰?」

「今呼ぶ」

 

 俺は俺の住んでる部屋の電話にダイヤルをかけた。

 ツーツーツーツーツー……。

 

『はい』

『姉貴だよな?』

『うん。そういう貴方は平野だよね? どうしたの?』

『そうです。下田平野ですよ。今暇?』

『暇だよ』

『大洗学園来てくれない? ちょっと戦車道の模擬戦の立会人になってほしいんだえど』

『いいよ。少し待っててね』

 

 

「よし。立会人は見つかったぞ。ちょっと待ってな」

「ねえ、下田君今喋っていた人は誰なの?」

「俺の姉貴だよ」

 

 

 

 

「待たせたわね」

「急に呼び出してごめん」

「いいよ。それに弟の初試合を見てみたいってもんよ」

「期待に応えれるように頑張りますよ」

「うん。お姉ちゃん見守ってるよ」

「おう」

 

 俺が姉貴と話をつけると、ティーガーに乗り込む準備をする。不備が無いか最終点検するためだ。

 

「あ、私も一緒にやる!」

 

 そう言ってついてきたのは意外な人物だった。

 武部沙織。彼女から積極的に俺に話しかけたことはなかった気がする。弁当の件で問い詰められた時以来かな?

 

「どうした武部」

「どうしたって! 下田君の……もう! ややこしいから平野君って言うから!」

「ええ……」

「それでその、平野君のお姉ちゃん美人すぎない!?」

「そうか? 肉親にそんな感情抱いたことないな。そもそも姉貴とは昨日久しぶりに会ったし」

 

 姉貴は中学に上がると他県の私立中学に進んだ。そのまま他県の公立高校に進学、現大学生だ。

 

「もしかして彼氏とかいるのかな?」

「知らねえよ……」

「後でモテるためのコツ教えてもらお!」

「おいちょっと待て、せっかく来たんだったら少しそこに異状ないか見てくれ」

「あ、うん。分かった」

 

 姉貴がモテようがモテなかろうが興味ないね。俺の青春は思い出の中で死んでいった。

 全ての準備を終え、俺達は集合した。

 

 

 

「これより、模擬戦を始めます」

「「「よろしくお願いします」」」

「「よろしくお願いします」」

 

 ティーガーに乗り込む前に西住に呼び止められる。

 

「下田君」

「ん?」

「私……全力でやるよ」

「分かってるよ。でもこちらには冷泉がいるからな。簡単には負けてあげないぞ」

「うん。麻子さんが強敵なのは分かってる。蝶野さんに認められた下田君の才能も警戒してる」

「……そうか。こちらとしては油断してくれると助かるんだけどな。八九式を突っ込ませるとか、壊れかけの橋を渡ろうとしたりとか、退路の狭い場所で籠城したりとかしてくれないか?」

「あははは……」

 

 八九式はマジで試合向きじゃないので何が強い戦い方なのか分からんが、取り合えず倒すだけで注意を引かせることが出来るだろう。いや、案外一番厄介だったりするのか? 相手は西住だ。ダージリンさん達とほぼ引き分けの形に持ち込んだ人間。冷泉はともかく俺が聖グロ全体ほどの実力を持っているとは思えない。油断だけはするな。

 

「俺も、頑張るよ」

 

 こうして、下田平野にとって人生初の戦車道の試合が始まった。

 

 




因みに現時点での主人公とノンナとナオミが全員を相手にしても撃破は不可能です。防衛戦ならワンチャンかな?

あとどうでもいい話ですが、作者の一番好きなガルパンキャラはノンナです。
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