下忍達の群れを各メンバーのリーダー達と共に突破し、たどり着いた場所で首謀者ドゥゲェンと一緒に探していた両親ひろしとみさえに再会した。しかし再会を喜ぶしんのすけをなんとみさえが攻撃してきたのだ!
「か、母ちゃん…?」
自分を攻撃してきたことにしんのすけも信じられなかった、攻撃したみさえはクレーターから拳を抜くと虚ろな目でしんのすけを見てきた。
「しんのすけ君、ひろしさんとみさえさんは操られています、気をしっかり持ってください」
動揺しているしんのすけに雪泉は扇子を構えて落ち着かせたが、しんのすけはみさえに問いかけた。
「母ちゃん、オラだよ?わかんないの?」
「う…うぅ…うあああぁぁ!!」
問いかけるもみさえは再び拳を構え振り下ろしてきた!今度はしんのすけもバックステップで避けた。
「しんちゃん!ひろしさんとみさえさんは操られているの!どうにかして元に戻さないと!」
「うふふ♪そうよ〜ん♪今のひろしちゃんとみさえちゃんはアタシの芸術的作品のソルジャーニンジャよ!だから呼びかけなんて無駄無駄〜☆」
飛鳥も説得し、観戦しているドゥゲェンが笑いながら二人の状態を説明した。
「ソルジャーニンジャだと?ふざけた発明品を作ったものだ」
「まったくだ、人の精神を乗っ取るとは妖魔のようなことを…心配するなしんのすけ、お前の両親は必ず助けてやる!」
ドゥゲェンのふざけた発明品に焔は表情を歪ませ、その性能に雅緋は妖魔を思い出し舌打ちしたがしんのすけを慰めた。
「母ちゃん、怒ってるの…?」
しんのすけは再度みさえに問いかけたが…
「ウンチ出ないから?」
『だあ!??!』
まさかの問いに構えていた飛鳥達、観戦していたドゥゲェンはズッコケた!
「な⁉︎何を言ってるんだしんのすけ⁉︎」
「えっ?だ、だってオラの母ちゃんお便秘三日目だから…」
みさえが攻撃してくる理由が便秘だと思っているしんのすけだったが、逆にそれがみさえに火を点けたのか鋭い目つきでしんのすけに向かってきた!
「むあああ!!」
「おわぁ!?母ちゃんお便秘のことで怒ってるんじゃないの⁉︎」
「ぬあああ!!」
「母ちゃんのお高い香水をオラのおパンツに使ったことに怒ってるの⁉︎」
「うがああああぁぁぁ!!?」
「ちょ!ちょっとしんちゃん待って!?」
「そ、それ以上はみさえさんの力が…!」
逃げ回りながらみさえが怒っていることだと思っている別の理由を叫んでいたがそれによりみさえの怒りとパワーが増大していたので飛鳥と雪泉は慌ててやめさせようと追いかけた!
一方、ひろしの相手を務めることにした焔と雅緋だったが、ひろしを傷つけるわけにはいかない為慎重に出方を伺っていた。
「…どうする?元に戻すとは言っても怪我をさせるわけにはいかないぞ」
「わかってる、ッ!妖魔だったら何の躊躇も無く攻撃できるが、くそっ!やりにくい相手だ」
悩んでいるとひろしのアーマーに付いたパイプが足に移動した!それに警戒して焔と雅緋は刀の柄に手をかけた。
「秘伝忍法…バイオハザードストーム」
呟きと同時にひろしの足に繋がれたパイプから黄色っぽい煙が放出された!
「⁉︎何だ?…煙?」
「慌てるな雅緋、落ち着いて…ぶえっ!?くっさ!??!」
「焔!?どうし…ぶっほ!?な⁉︎何だこの悪臭は!?ぶええええっ!??!」
煙が二人を包んだ瞬間凄まじい悪臭によって吐き気に襲われ思わず膝をついた!
「…!な、何だ?体が痺れて…」
さらにご丁寧に麻痺毒的なものも含まれていた。
逃げ回り叫ぶしんのすけを止めた飛鳥と雪泉は実の親と戦わせるわけにはいかないと思いしんのすけを下がらせると大分パワーアップしてしまったみさえの前に出た。
「しんちゃん下がってて、みさえさんは私達が必ず元に戻す!」
「実の親子同士が戦うなんて絶対にあってはなりません、しんのすけ君には手出しはさせません!」
「飛鳥ちゃん…雪泉ちゃん…」
二刀と扇子を構えて戦闘体勢を取る飛鳥と雪泉。しんのすけも心配しつつ下がった。
「で、でもどうしよう雪泉ちゃん?みさえさんに怪我させられないよ」
「えぇ、わかってます。なんとかしてみさえさんに怪我をさせずに正気に戻さなくてはなりません、何か良い方法は……アーマー…‼︎飛鳥さん!あのアーマーを壊せばみさえさんを元に戻せるかもしれません!」
「アーマーを?…そ、そうか!」
みさえを戻す方法を思いつき頷き合ったがドゥゲェンが笑ってきた。
「アハハハハハ♪そんなの無理に決まってるでしょ?そのアーマーは装着している人の潜在能力と個性を極限まで引き出すことが出来るのよん☆みさえちゃんは今アーマーによって最強の腕力を手に入れたパワーファイターよ!やれるものならやってみなさい!」
説明が終わったドゥゲェンはみさえに命令を出すと観戦に戻った。命令されたみさえは腕に装着した黒い籠手にオーラを纏わせた!
「秘伝忍法…!タイラントナックル!!」
床が凹む程の踏み込みで距離を詰めると凄まじいオーラの拳を放ってきた!
「下がってしんちゃん‼︎くっ!…ぐっ!?きゃあ!?」
みさえの拳を飛鳥は二刀で受け止めたがその強すぎる力に弾かれ吹き飛んでしまった!
「飛鳥さん⁉︎秘伝忍法!樹氷扇!!ッ!!な⁉︎なんて力!ガードが…くっ!きゃあああ!!」
立て続きに放たれた拳を雪泉も秘伝忍法でガードしたが、それごとみさえの拳は打ち破り雪泉を吹き飛ばした!壁がいなくなりみさえはそのまましんのすけに拳を構えた!
「母ちゃん…!」
「…!秘伝忍法!ぐりぐりドリル‼︎」
しんのすけの声に一瞬だけみさえの表情が緩んだが高速回転させた両手の籠手を繰り出した!
「「させない(ません)!!」」
「絶・秘伝忍法!真影!!」
「絶・秘伝忍法!氷王!!」
寸前のところで復活した飛鳥と雪泉が『真影の飛鳥』と『氷王の雪泉』を発動させ受け止めた!
「しんちゃんを傷つけさせない!!」
「みさえさん!貴女は今しんのすけ君の声に反応しました、少しでも貴女の意識が残っているのでしたら心を…正義の心を取り戻してください!!貴女ならば出来ます!負けないでください!!」
氷の剣で拳を止めながら雪泉は呼びかけたが、ドゥゲェンは嘲笑う。
「だぁかぁらぁ〜そんなの無駄無駄だって言ってるでしょ〜?んもぅ、そんな頭がカッチンコッチンすっからけっちぃな娘にはお仕置きしてあげないとね?みさえちゃん♪」
新たに命令が下されみさえはさらに目つきを鋭くさせるとアーマーの力を増大させた!
「ウアアアアア!!!秘伝忍法!ガトリングゥゥタイラントナックル!!ウララララオラアアアアアァァァァァッ!!!!」
二人の剣を弾くと目にも止まらぬ速さの拳を超高速で繰り出してきた!
「なっ!?何⁉︎この力⁉︎…くっ!きゃあああっ!!」
「こ、これ以上は…‼︎剣が⁉︎きゃああああっ!!」
増大したみさえの力に二人の剣は砕かれ、装束ごと吹き飛ばすと壁に叩き付けられてしまった!
同じくひろしの相手をしていた焔と雅緋は煙の麻痺から回復すると怪我をさせないように反撃していたが、みさえにやられた飛鳥と雪泉を見て決断した。
「ッ⁉︎飛鳥と雪泉がやられたのか⁉︎雅緋!こうなったらやるしかないぞ!」
「あぁ!少々荒療治だがやるしかない!いくぞ!!」
止むを得ないと判断し雅緋は黒いオーラを纏い、焔は六爪を戻し太刀炎月花に手をかけた。
「絶・秘伝忍法!紅蓮!!」
「絶・秘伝忍法!Divine judgement!!」
苦渋の決断で『紅蓮の焔』と『深淵の雅緋』を発動させた。
「うふふ、だから無駄だって言ってるでしょ〜?ひろしちゃ〜ん?その二人もやっておしまい!」
嘲笑いひろしに命令するドゥゲェンに対し、焔と雅緋は踏み込んだ。
「うおおお!!これ以上彼を苦しめるな!!」
「一撃でアーマーを破壊する!ひろしさん!堪えてくれ!」
雪泉の説明通りアーマーに狙いを定め刀を振り切ろうとしたが、ひろしも動いた。
「秘伝忍法…アシッドウィップ!」
腰の後ろから変色した靴下を取り出すと細長く変形させ鞭の形にさせた!その鞭は異様なオーラを纏っていた。
「鞭?そんな物で私の炎月花を受けられるか!ハア!!」
焔はそのまま太刀をアーマー目掛けて振り下ろしたが、鞭が太刀に巻き付くとその瞬間…太刀は半ばから折れ床に刺さった!そしてそのまま刃全体が錆びついた。
「…な⁉︎馬鹿な!炎月花が⁉︎うわっ!?」
炎月花が錆折れたことに放心していると鞭を受け装束の上が吹き飛び壁に叩き付けられた!
「焔!?くそっ!よくも!」
焔がやられ反撃しようとしたがひろしの連撃が来た!もう一つ出したひろしの鞭を刀で弾いたがオーラを纏っていたおかげで刀は折れなかった、その隙にアーマーを破壊しようとしたが…
「秘伝忍法…バイオハザードハリケーン!」
「ぐうっ!?…がはっ!!うわあああああっ!!!」
立て続けに放たれた強化版の悪臭に耐えきれず雅緋は装束が大きく吹き飛び変身が解けると焔同様壁に叩き付けられた。
「あらあら…中々個性的で強烈な攻撃だったわねひろしちゃん。まぁいいわ、これで終わったわね。さぁみさえちゃん?ひろしちゃん?アナタ達の息子を…しんのすけちゃんを連れてきなさい?」
「「はい…ドゥゲェン様…」」
命令を受けゆっくりしんのすけに近づいていくひろしとみさえ。飛鳥達が倒され顔を伏せていたしんのすけは顔を上げると飛び出した!
「父ちゃん…母ちゃん……飛鳥ちゃん達をいじめるなぁ!!」
ガラガラを構えてみさえに振り下ろしたがあっさり弾き飛ばされた!その先には壁が!このままだとひまわりが危ない!しんのすけは咄嗟におんぶしたひまわりを抱き締めて庇い代わりに壁にぶつかった。
「うぅん…危なかったゾひまわり、危ないからひまはここで見ててね、シロ!」
装束のおかげで軽傷で済んだが、このままひまわりを背負ったまま戦うのは危険と判断し降ろすとシロを呼んだ。
「ひまわりのことを頼んだゾ!オラは父ちゃんと母ちゃんをお助けしてくるゾ!」
「アン!」
「たい…」
心配そうにひまわりは眉をハの字にしていたがしんのすけはひろしとみさえに向かっていった。
「父ちゃん!母ちゃん!オラが相手だ!」
「オホホホ!お次はアナタが相手をするのね?面白いわ、ひろしちゃん?みさえちゃん?遊んであげなさい…親子仲良くね!」
親子同士の戦いということでドゥゲェンは初めて冷酷な笑みを浮かべて腕を組んだ。
「いくゾぉ!!」
両手のガラガラと哺乳瓶を構えてみさえに飛びかかったが、またもあっさり吹っ飛ばされた!
「うっ…まだまだだゾ!こんなのいつもの母ちゃんに比べたら!」
次にひろしに向かったが、こちらもあっさり悪臭の煙に呑み込まれた!
「ぶおおおおっ!??く、臭いゾぉ〜‼︎でもいつもの父ちゃんの足の方がまだまだ…!」
最早戦いとは言えなかった、一方的にやられているしんのすけにひまわりとシロは心配しながら見守っていた、しんのすけが二人を元に戻すと信じて。
「…う…うぅ……し、しんちゃん…」
みさえに敗れ気を失っていた飛鳥が目を覚ましたが、彼女が見たのはやられながらも両親に立ち向かっていくしんのすけの姿だった!
「しんちゃん!待ってて、今行く…」
「待ってください飛鳥さん」
加勢に行こうとした飛鳥を雪泉が止めた。
「どうして雪泉ちゃん⁉︎早くしんちゃんを助けないと!」
「私達は手を出してはダメです、ここは彼を信じましょう、彼の正義を」
「で、でも!」
「そうだな、雪泉の言う通りだな」
「私達に出来るのはここまでだ、しんのすけを信じよう」
「焔ちゃん、雅緋ちゃん…」
焔と雅緋にも説得され飛鳥も頷くとしんのすけを信じた。
両親を正気に戻すため必死に立ち向かっていくしんのすけ。しかしその様子は先程と変わらず一方的な戦いでしんのすけがやられていた。それでもしんのすけは諦めない、何度殴られようが何度吹き飛ばされようが決して諦めなかった、二人が心を取り戻してくれると信じて!
「…ま、まだまだ…だゾ…!」
既に鼻血とたんこぶだらけで装束も所々破れていたが、しんのすけは挑み続けた。その姿に見守っていた飛鳥は胸が締め付けられたが、ついに限界になった。
「しんちゃん!もうやめて!このままだとしんちゃんが死んじゃうよ!!」
「で…でも…オラがやらなきゃ…」
その時ひろしのアシッドウィップを受けてしんのすけが飛鳥の側に吹き飛んできた!すぐに飛鳥はしんのすけを抱き起こし安否を確認した。
「しっかりしてしんちゃん!…!こんなになって…!もういいよしんちゃん!後は私達がなんとかするから!」
後のことは任せろと叫んだが、しんのすけは飛鳥の腕から抜け出すと呟いた。
「でも…オラ………したから…」
「えっ?」
「…父ちゃんと母ちゃんは…いなくなった日に…オラが…オラが…!」
伏せていた顔を上げると叫んだ!!
「オラがお助けするって約束したから!!!!」
その叫びに飛鳥が驚いている内にしんのすけは再び両親に向かって走って行った!
「あっ‼︎しんちゃん!!」
「うおおおおおおっ!!!!」
「ッ!ったくしつこい子ねぇ?何度やったって同じよ同じ……フゥ…いい加減諦めろや!!!!ひろしちゃん!みさえちゃん!とどめを刺せ!!」
何度も向かってくるしんのすけに流石のドゥゲェンも苛ついたのかブチギレてひろしとみさえに命令した。みさえは頷くと飛び込んできたしんのすけの頭を掴みそのまま床に叩きつけた!
「しんちゃん!?」
「「「しんのすけ(君)!!」」」
「たい!!」
「アン!アン!」
飛鳥達とひまわりとシロが叫んだが、みさえは叩きつけたしんのすけの胸ぐらを掴んで持ち上げ、しんのすけの装束は解除された。
「終わりね…さぁみさえちゃん!やっておしまい!!」
勝敗が決したと判断しドゥゲェンは最後の命令を下した!流石にマズいと判断し飛鳥達も動こうとしたが、みさえはしんのすけの顔を見て動きを止めた。
「…‼︎」
「か…母…ちゃん…!うぅ…グスッ…」
しんのすけは涙を流して泣いていた、その涙を見てみさえは小刻みに震え出した。
「何をしているのみさえちゃん!早くやりなさい!!」
ポタッ…
しんのすけの涙がみさえの頬に当たり滴り落ちた…次の瞬間!
「う…ううう……し…しん…のすけ…?」
みさえがしんのすけの名を呼んだ!これには飛鳥達はもちろんドゥゲェンも驚いた。
「な⁉︎なんですって⁉︎まさか!洗脳が解けかかっているの!?」
洗脳が解けかけていると驚いているとみさえはしんのすけを離すと頭を抑えて叫び出した!
「ゥゥゥ…ウアアアアアッ!!アアアアアァァァァァッ!!!」
「みさえさん!?」
叫び出したみさえに飛鳥達と解放されたしんのすけは驚いていたが、座り込むしんのすけの足元に落ちていた秘伝忍法書が光り輝き出した!
「おお⁉︎オラの巻き物が!」
「この光は一体…⁉︎」
同じくその輝きを見ていた飛鳥の脳裏にかつて祖父半蔵から聞かされた言葉が思い出される。
『よいか飛鳥よ?秘伝忍法書は持ち主の想いに応えてその力を発揮する、覚えておきなさい』
『想いの力?』
『そうじゃ、だがわしはこれが真の力を発揮する時は正義の為ではなく、大切な人を助けたい時だと思うのだ、そう、かけがえのない大切な人を…』
かつての半蔵との会話を思い出し再度しんのすけの方を見て飛鳥は確信した、今がその時だと!
「しんちゃん‼︎秘伝忍法書を!忍転身を使って!今のしんちゃんになら秘伝忍法書はその想いに応えてくれるよ!!」
続けて雪泉達も叫んだ。
「しんのすけ君!今のあなたは正義そのものです!私の正義も託します!!」
「お前ならやれる!負けるなしんのすけ!!」
「お前の手で両親を救うんだ!かすかべ防衛隊カグラ…」
『ファイヤー!!!!』
飛鳥達の声援を受けてしんのすけは輝く秘伝忍法書を手に取ると数秒間見つめて目を閉じ頷くと高く掲げ叫んだ。
「しのび!転身!!」
初めて正しい掛け声で発動させ、輝く秘伝忍法書は展開されしんのすけの体を包んでいった!その光も通常より眩いもので神々しかった!その数秒後、光が弾けるように消えると転身が完了したしんのすけが出てきた!その姿は今までのヒーローコスチュームではなく覆面に長いマフラーなどが特徴的な正統派忍者と言った感じであった。
「あれが、しんちゃんの新しい転身…カッコいい///」
しんのすけの新たな転身の姿に飛鳥は頬を染め焔達も頷いた。すると葛藤が収まったみさえも再び戦闘体勢を取った。
「フゥ、なんとか収まったみたいね?あら?しんのすけちゃん新しい変身かしら?いいじゃない!それじゃそろそろ最終決戦といこうじゃない!楽しませてね?」
みさえは指を鳴らし籠手を変形させ、ひろしはパイプを両肩に伸ばしキャノン砲にした。二人の戦闘準備が整う中、しんのすけは手を突き出すと手に力を集めてある小刀を出現させた。
「あの刀の家紋は…」
小刀に刻まれた家紋を見て飛鳥は目を細めた。その小刀はかつて戦国時代にタイムスリップした時にある侍から託された物であった。現れた小刀を見るとしんのすけは呟いた。
「おマタのおじさん…オラに力を貸して……金打…!」
チャキン☆
目を閉じて少し抜刀すると戻し音を鳴らした。今の行為が金打だと理解した雅緋は何故しんのすけが知っているのか気になったが、その時しんのすけの背後にある人物の幻影が現れた!
「ん⁉︎見ろ飛鳥!しんのすけの背後に…見える…あれは…侍!?」
小刀を構えるしんのすけの背後現れた侍、それは…戦国時代で出会い『青空侍』の異名を持ちしんのすけに小刀を託した若大将、井尻又兵衛由俊であった!又兵衛は鋭い眼光で太刀を構えていた。
「あ〜ら!頼もしい助っ人じゃない?いいわね!面白くなってきたわ♪それじゃこっちもソルジャーニンジャフルパワーよ!!」
又兵衛の幻影を見てドゥゲェンもリモコンでアーマーの力を最大に上げみさえとひろしの目が光った!
「飛鳥さん!」
「斑鳩さん!皆も!無事だったんだ!」
そこへ下忍達を片付けた斑鳩を筆頭にした各メンバー達が走ってきてその状況に驚いた。
お互い最後の攻撃の準備が整い、みさえは大きく踏み込み拳を振り上げた!対するしんのすけも小刀を両手で構えて又兵衛と一緒に飛んだ!決戦を見守る中飛鳥はみさえの額に光る物を見つけた、あれは…受信機⁉︎あれを壊せば!
「しんちゃん!額の受信機…おでこの機械を狙って!!」
飛鳥の指示を聞きみさえの額に狙いを定めたが、それよりも早くみさえが飛び出してきた!
「ウオオオオオッ!!」
早過ぎる!拳がしんのすけを捉えようとした瞬間、何処からともなくワイヤー付きのクナイが飛んできてみさえの籠手に刺さりそれによりみさえの動きが鈍った!その隙を逃さずしんのすけは小刀を振りかぶった!
「母ちゃああああん!!」
ザンッ!!
又兵衛の幻影と一緒にみさえを擦り抜けたしんのすけは小刀をゆっくり鞘に戻し目を閉じた。
「金打…!」☆
ピキ…パキパキ…パキィィィン!!
しんのすけに頷き又兵衛の幻影が消えると、同時にみさえの額の受信機が粉々に砕け散り、みさえは両膝をついて崩れ落ちた。
「今のクナイは、まさか…かすがちゃん?」
床に落ちていたワイヤー付きのクナイを見て飛鳥はその特徴からクナイを飛ばした人物はかすがだと推測した、しかし何故?
少しするとみさえは顔を上げ自分の手と周りを見始めた。
「わ、私…今まで一体何を?ここは?この体は?」
見たところ混乱している様子だったがどうやら正気に戻ったようだ。
「母ちゃん…?」
呼ばれて振り向くとそこには忍者の格好をした我が子しんのすけがいた。
「しん…ちゃん?」
「母ちゃああん!!」
正気に戻ったみさえにしんのすけは小刀を落とすとみさえの胸に飛び込んだ!みさえも優しくしんのすけを抱き締めた。
「母ちゃん!母ちゃん!!」
「しんちゃん!ありがとう!助けに来てくれたのね!しんちゃんの声、ちゃんと届いたわよ、こんなにボロボロになって…本当にありがとう!」
「それほどでも〜♪」
「あ、危ない!!」
抱き合うしんのすけとみさえに飛鳥が叫んだ!振り向くとそこには悪臭ガスを放とうとしているひろしがいた!
「秘伝忍法…」
バキッ!!パリン!!
しかし放つ前にみさえの拳によって受信機を破壊され、虚ろだった目も元に戻りひろしはあっさり正気に戻った。
「あ、あれ?俺は何を?…みさえ?…しんのすけ?」
ひろしの方はみさえと違い全く記憶が無い様子だ。きょとんとしているひろしにしんのすけが勢いよく抱き付いた!
「父ちゃあああん!!」
「ぶおっ!!?し、しんのすけぇ!!助けに来てくれたのか!」
その勢いにひろしはしんのすけを抱き締めたまま尻餅を着いたが、助けに来てくれたことにお礼を言い感謝した。そこへひまわりを乗せたシロも来て野原一家は揃った。
こうして激闘の末、ひろしとみさえは正気に戻り家族は無事に再会を果たしたのだった。
「ひろしさん、みさえさん、無事でよかったです、大丈夫ですか?」
戦いを見守っていた飛鳥達と各メンバー達も集まってきた。
「あら飛鳥さんに、雪泉さん…だったかしら?それにこんなにたくさん…アナタ達にもお礼を言わないとね、助けてくれてありがとう」
「いえ、ご無事で何よりです。本当でしたら攫われたあの時に助けるべきでした、あの時はお救い出来ず申し訳ありません」
雪泉はひろしとみさえに改めて謝罪したが…ひろしは鼻の下を伸ばしていた。
「気にしなくていいよ雪泉ちゃん、それよりも…デヘヘ♡キミ達良い格好だねぇ!?」
二人に敗れた際装束の主に上を吹き飛ばされた為、飛鳥、雪泉、焔、雅緋の四人はその豊満な巨乳が丸出しになっていた!
『あっ⁉︎きゃあ!?』
「あなた!?」
げんこつ!!
胸を見られた四人は勢いで秘伝忍法を発動しそうになったが先にみさえの拳骨が炸裂した。
「やれやれだゾ」
そのやりとりにしんのすけは首を横に振って呆れていたが、焔が声を上げた!
「そうだ!ドゥゲェンは⁉︎」
その声に全員が上の観戦席を見上げたが、そこには既にドゥゲェンの姿は無かった。
「チッ、逃げたか!」
「ドゥゲェン?それが私達を攫ったあのオカマの名前?」
「はいそうです。ドゥゲェン・ノアニーキ…悪忍に雇われていた研究者です」
首謀者の名を知りひろしとみさえの目つきが鋭くなった!
「そうか、あの野郎にはたっぷり礼をしてやるぜ!」
「取っ捕まえてお仕置きしてやるわ!」
「よーしいくゾ!!」
「たい!」
「アン!」
「野原一家!ファイヤー!!」
『ファイヤー!!』
円陣を組み野原一家定番の気合いの掛け声が響き渡った!
「いくゾ皆!!」
『おおーっ!!』
しんのすけの掛け声と共に野原一家と忍連合はドゥゲェンがいる所へ走って行った!
半蔵の言葉は作者オリジナルです。
次回予告
ドゥゲェンを追う忍連合と我らが野原一家!ついにドゥゲェンとの決戦が始まる!次回、ドゥゲェンを追え!復讐の野原一家!お楽しみに!