雪山山山さばいばぁ~   作:だら

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たわけの戯言

目を開く。

 

天井を見る。

 

「わぁ、真っ青。」

 

いや、何を言っているのか分からない。

自分で言ったことなのに、微塵も理解できない。

私は普通に家のベッドで寝ていたのであって、断じて、野宿をしていたわけではない。あのふかふかのオフトゥンと、ベッド、その他パソコンスマートフォンゲームワイファイ環境同人誌諸々を返していただきたい。

 

いや、こんなのは夢だ。だから時間経過でこの状況は終息し、無事また元通りの生活に戻る。そのはずだ。

 

だって、私をそうするメリットがある人なんて人間関係が壊滅的な自分には誰も……まさか、親?親がついに経済的負担及び、社会人として何一つ勝るところのないはずの娘に毎度いいようにあしらわれ搾り取られ続けた精神的ショックの積み重ねに負けて、我が子を放り投げる育児放棄を敢行したというのか、いや落ち着け私。昨日がいつも通りの生活だった流れからして、どう考えても脈絡がなさすぎるだろ。

 

 

一陣の風が我が身を震わせた。

 

ふと、辺りを見渡す。

 

「わぁ、真っ白。」

 

おかしなこともあったものだ。

確か、昨日寝た時には季節は夏。ところは大阪。

 

どう考えても、一晩でこんな雪景色にはなり得ないし、なんなら、風が吹いたところで我が身は震えるどころか、暑さのあまり力を失い、倒れるに決まっている。貧弱な都会のインドア派(引き籠り)を侮ってはいけない。しかも、今の姿は、寝間着に裸足。まごうことなき、オフトゥンスタイル。ぶっちゃけちゃうと、足が冷たくてつらい。低温やけどとか、しないよね?大丈夫だよね?

 

そこまで考えて、では一体?と疑問に思うことが出てくる。

そういえば、親に思っているだけでは、何も変わらないと言われたことがあったっけか?

 

 

ならば、疑問に思った。

 

それを口に出してみるべきだ。

 

「ここどこ?時はいつよ?」

 

結局のところは、それに尽きる。

この私には、当事者として我が身に起こった奇っ怪なできごとを早急に理解し、解決し、再び親の脛を齧り、惰眠を貪り、涙を流してもらう義務がある。こんなところでは立ち止まっていられないのだ。

 

だがしかし、放った言葉に対する反応はどこからも帰ってこない。

 

なんたることだ。

自力で把握しろというのか。

 

親はどこだ?情報を持ってこい!

いや、目下のところ一番の黒幕候補だ。

頼れるかは正直なところあやしい。

なればこそ、取れる道はただ一つ。

 

 

情報は自分の足で稼げ!

 

周囲を歩き回り、偵察を行うのだ!

 

「いや、そうは言ってもだるいよ~。」

 

勢いで、できる営業みたいなこと言ったりしてみたのはいいが、忘れるなかれ。私はいわゆるインドア派(引き籠り)だ。寝起きとか、低血圧でよわよわだし、足で稼げと言っても面倒が過ぎる。

女王様みたいに、顎で使える下僕がいればいいのだけれど、そんなもの、人間関係が壊滅している上に、普通の家に生まれた私に求める術もない。

 

 

そういえば、お腹が空いたな。

 

起きたばかりだから、重いものは食べれないし、無難にパンでも焼いてもらうか。

 

「そういえば、ここ家じゃないじゃん!」

 

私の中で、インドア派(引き籠り)として、5年もの月日を過ごしてきた結果、自分は家にいる状態が当たり前で、親が金蔓兼専属料理人として、リビングに控えているのが、常識となりつつあった。それが通用しない今、どうやって食事を恵んでもらえばよいというのか。視界には人っ子一人として、存在しないぞ。となるとだ。取れる道はただ一つ。

 

 

情報は自分の足で稼げ!

 

周囲を歩き回り、偵察を行うのだ!

 

「ってそれさっきも思ったけど、

 だるいんだよね~。」

 

だけど、このままじゃご飯も食べれないし、足は冷たいし、風も厳しい。死んじゃう。いやだな。疲れるんだろうな。そんなことを思ったけど、仕方ないものは仕方がない。だから、おとなしく足を動かすことにした。

 

一歩、二歩、三歩……。

歩き始めてから、初めて気づいたのだけれど、雪、めっちゃ深くて不快。体温が雪に吸い上げられてるみたいに下がってる気がしてて、現に、足の感覚はもうあんまりない。で、深いから、足もすごい頑張ってあげないといけないから、疲れる。バランス崩しそう。

 

そして、これだけ頑張ってるのに、周りの景色は、誤差くらいにしか変わってない。どれくらい変わっていないのかと言ってみると、歩き始める前の景色を撮った写真と、今の場所から撮った写真とを見比べて、

 

「うん、おんなじだね。」

 

って私が言っちゃうくらい。

泣いてもいいかな?

 

 

あぁ~~~~~~~~~だめだ。つかれた。

 

だるい。1分もがんばったのに、なんにもかわらないじゃん。

あ、そうだ!

 

「ねよ。どうせ、おきたらオフトゥンの中だって。」

 

そしたら、親にほめてもらうんだ。

いっぷんかんもゆきやまをがんばってあるいたゆめをみたんだよって。

 

そうと決まったなら、倒れちゃおう。思いっきり、後ろにばたりって。大丈夫。これだけ積もってるなら、クッションとしても十分使えるよ。もし夢じゃなくても太陽も出てるから、足さえ雪から出しちゃえば、そのうち、感覚も戻るって。そしたら、またちょっとだけ、歩こう。それで解決。これで決まり。

 

 

バタリ!

 

足、ズボッ!

 

 

それじゃあ、おやすみなさい……。




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