卯月(?)になった中年男性の話   作:白ノ宮

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これは白ノ宮作品の一つである『唐突に考えついた短編集(?)』に載せた作品の書き方とエピソードを変更したものです。
小説でのキャラの動きや発言に注視して作成してみました。
短いですが、どうぞ。


番外編、外伝など
謎の番外編


──どこかの鎮守府 駆逐艦寮──

 

夕立と時雨はテーブルを向かい合うように座っていた。

 

時間は午後3時過ぎ、ちょうどおやつを楽しんでいる最中だった。

 

しかし、夕立は唐突に身を乗り出して時雨に顔を近づける。

 

時雨は少し驚いて椅子ごと後ろにズレる。

そして恐る恐る夕立にその行動の説明を求める。

 

「ど、どうしたの?」

 

「んふふ〜♪時雨〜♪」

 

夕立の顔は上気しており、息が荒い気がする。

 

時雨は熱を疑ったが、夕立のその後の発言でその可能性はないことを思い知らされる。

 

「ちゅー、しよ?」

 

「何を言ってるんだい!?」

 

明らかに正気ではない夕立の様子に引き気味な時雨。

 

その原因となるものをテーブルから見つけ出した。

 

見た感じ高級そうな小分けのチョコレートだが、箱の裏面を見るとブランデー入りのチョコレートだという事を知った。

 

幸いにも時雨はそのチョコレートを食べていないため、どうにもなっていない。

 

(確かこのお菓子は...司令官から貰ったんだっけ...?いくら信頼出来る人とはいえ貰ったものを何の警戒も無しに食べるのは良くないってことかな)

 

原因は分かったが、それだけで事態が解決したわけではない。

 

実際にこれを考えている間にも夕立はジリジリと接近してきており、それに合わせて時雨も後ずさりしているのだ。

 

とりあえず時雨は席から立って歩いて夕立から離れる。

 

「なんで逃げるっぽいぃぃ!?」

 

と夕立は不満そうであるが、誰だって酔っぱらいの姉妹或いは兄弟がキスしようとしたら逃げる筈だ。

 

「むむむ...」

 

夕立は何を考えたのか身を乗り出すのをやめて席から立ち、覚束ない足取りで時雨の方に歩いていく。

 

それに合わせて時雨はテーブルを障害物として、よくホラーゲームで使う戦法で逃げる事で時間を稼ぐことにした。

そのうちに突破策を思いつこうという作戦だ。

 

このまま部屋から出るのも良いのかもしれない。

しかし、身内が仲間に迷惑をかけるのは正直許し難い。

更にそんな事になれば、《キス魔の夕立》という不名誉な称号が仲間内で囁かれるかもしれない。それでは酔いが覚めた夕立にとってあまりに酷な事であるからだ。

 

「ぽゆぃ〜」

 

もう既に夕立のアイデンティティの一つである特殊な語尾は崩壊しかけている。

 

それにしても『夕立はここまでアルコールに弱かったのか』と妹の意外な部分を知れたなとか割とどうでもいいことを考えていた。

 

この姉、結構余裕である。

 

それでもゆったりとした徒歩による鬼ごっこは続いていた。

 

しかしそれはあっけない出来事で終止符を迎える事になる。

 

「ぽっ...ギュッ!?」

 

言うまでもないが夕立は千鳥足でバランスとかどこ行った状態である。

 

そんな状態でテーブルの脚に片足を引っ掛けて受け身を取らずに床に突っ込んだ。

 

「夕立!?大丈夫かい!?」

 

盛大な音を立てて床と顔面キスを行なった夕立に、時雨は慌てて駆け寄り抱き起す。

 

「きゅ〜」

 

夕立は気絶しているが目立った外傷はたんこぶしかなく、出血をしていないようでホッと一息安心した時雨であった。

 

「流石、夕立。駆逐艦の前衛だけあって頑丈だね」

 

そんな夕立を時雨は抱えてベッドへ寝かせた。

 

「一応明石さんに診てもらうとして、こっちのチョコレートはどうしようかな...」

 

食べると自分がどうなるかわからないので処理に困る時雨だった。

 

その晩、この事を提督に報告すると

 

「ハハハハハ!若いうちはそう言った経験をしておいたほうがいいぞ!大人になった時、いい話のネタになる!」

 

と宣っていたので、つい大天使ナックルが発動してしまったのは仕方がない事だろう。




この書き方普段しないから疲れる...。
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