アルティメットスぺちゃん爆誕【実況プレイ風動画】 作:サイリウム(夕宙リウム)
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感謝感謝です!
【ハルウララ視点】
最近は毎日たくさん走れて、たのしいんだ! 学校に入ってすぐに今のトレーナーさんからスカウトっていうのをされて、トレーナーさんに色々教えてもらいながら毎日走ってるの!
トレーナーさんは面白い人で毎日いつも黄色い被り物をしてるの。最初はそういう人なのかな?って、思ってたけど前にトレーナーさんの部屋で別の被り物に被りなおしてるのを見たから普通の人だと思う!
最近はTとかトの形をしたのがお気に入りみたいで私の練習に付き合ってくれてる時はいつも被ってるの。私も同じものを被ってみたい!って言ったんだけど、トレーナーの神聖な?被り物らしくて私は被っちゃダメなんだって! とっても不思議!
トゥインクルシリーズに参加するためにはトレーナーについてもらうか、チームに参加しないといけないらしくて、私もキングちゃんやセイちゃんみたいにチームを探そうと思っていたんだけど、トレーナーさんが私の模擬レースを見ていてくれたみたいでスカウトしてくれたんだ!
何でも私はダートで走るのが得意みたいで、『ダートで一緒に一番を目指さないか!』って言われたの!
その時私はスぺちゃんみたいに一番になりたい! そう思ってたからすぐにお世話になることにしたの!
その時、トレーナーさんにこう言ったんだ!
「私はスぺちゃんと一緒にもっと走りたい! それでいつかは私が一番になるんだ!」
トレーナーさんは色々考えた後、『かなり高い目標だけど頑張れるか?』って私に聞いたの。
「もちろん! いっぱい私頑張るよ!」
トレーナーさんの練習は不思議なものが多いみたい。いろんな道を走ったり、他のチームの練習を見に行ったりするのも楽しいけど、トレーナーさんのお話を聞くのも面白いんだ! 前なんか一日中トレーナーさんのお話を聞いていたんだよ!っておんなじ部屋のキングちゃんと話したらすっごく心配されちゃった。でも毎日すっごく楽しいよって言ったらキングちゃんも気になるみたいで今度見に来るんだって!
「本当に大丈夫かしら、騙されてなんかいないわよね…。もしもの時のためにうちのトレーナーに話をつけておかないと…。」
それと、トレーナーさんには仲良しな人がいっぱいいるんだって! 理事長さんの秘書のたづなさんや同期の桐生院っていうトレーナーさんと仲良しなんだって! 前の練習がお休みの時に桐生院トレーナーとお勉強会してたって言ってた!
トレーナーさんは他のチームの練習もよく見に行ってるんだって! 何でも新しい練習方法を探しに見学に行ってるらしいよ。前にスぺちゃんが参加してるスピカに行くらしいから私も連れて行ってもらったことがあったんだけど、その時は急にトレーナーさんが来られなくなって私だけで一緒に練習してもらったんだ!
「今日はよろしくね! スぺちゃん!」
(ウララちゃんのトレーナーが来てませんけど、どうしたんですかねぇ? まこんなこともあるんでしょうか。ウララちゃんは主戦場がダートですんで今後のレースで戦うこともないでしょうし、一緒に練習しても大丈夫でしょう。ウララちゃんのためにも芝とダートの両方で走ってみましょうか、いくら不得意でも一緒に軽く走るぐらいなら何とかなるでしょう。)
「うん! 頑張ろうね! ウララちゃん!」
毎日、いろんな経験ができて楽しいです! 私は今年の6月後半ぐらいにデビューするってトレーナーさんが言ってたからそれに向かってもっとウララ頑張るよ! えい、えい、おー!
【キングヘイロー視点】
あの時のスペシャルウィークさんのレースは私の目に焼き付いている。他の者はどうかは知らないが、あの模擬レースの時間、私は自身ならどこに付くか、どこを走るかを投影しながら観戦していた。
あのレースだけは全くそれができなかった。
まずはスタート乱れ、何が起こったのかはわからないがスペシャルウィークさんだけが飛び出し、それ以外の方々は飛び出した彼女を見てからのスタート、2,3テンポの遅れ。彼女が何かしたのは明白だが何をしたのかはわからない。おそらくプレッシャーの類だろうが……。
その後のレースは彼女の独壇場。後々知ったが彼女の主作戦は差し、そのレースでは当てはめるとすれば大逃げ、全くの適性外で大差をつけて勝利。当の本人はレースなんてなかったかのようにケロッとしている。
先行についても、差しで脚を溜めたとしても絶対に勝てない。そう思わせるほどの壁があった。
入学すぐにこの差、なにがキングか。
彼女に勝つためには何をすればいい。何を求めればいい。
私が先頭に立てるのは何か、私がわたしであるためには何が必要か。
才能の差はこうも恐ろしいものなのか。
才能に勝つには努力しかない。
私が彼女に勝つためには恥や外見を気にしている時間はない。
私は自身の力を完全に伸ばしてくれるトレーナーを探した。
効率の問題から、私ひとりに専念してもらうため、どこかのチームトレーナーではなく、個人でやっているトレーナーを。
運よく見つかった。高齢のため多人数を持つのは厳しく、マンツーマンでの指導を行っていて、去年担当されていた方が卒業なさったトレーナーが。担当されたウマ娘の方々もその世代のエースと呼べる方ばかりであった。
当然人気は高かったが、今年はお気に召す人がいなかったらしくフリーになるかもしれない。そう噂されていた。
私が担当になってもらうために頼みに行くと、何か光るものを見出してくれたらしく簡単に担当になってくださった。土下座も辞さぬ覚悟だったので正直拍子抜けだった。
「お前さん、目標は?」
「前までなら三冠ウマ娘になることでしたが、今は違います。どうしても勝てないと思った同期の子がいるのです。その子にどうしても勝ちたい。」
「いいじゃねぇか、よくわからん称号なんかを目指すよりはそっちの方がよっぽどいい。ちゃんとついて来いよぉ、そしたらせめて食らいつけるぐらいまでは仕上げてやる。そっからはお前さんの仕事だ。気張れよ。」
「……ッ、はい! よろしくお願いします!」
見てなさい、スペシャルウィークさん。すぐに追いついて、追い抜かして差し上げますからね。
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