アルティメットスぺちゃん爆誕【実況プレイ風動画】   作:サイリウム(夕宙リウム)

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誤字報告いつもお世話になっております。

アプリ運営が頑張ってんだ、おいらも頑張らないと…


PART44

思い出すのはあのレース。

 

 

私は当初の作戦通り、作戦:逃げを遂行。

スタートは成功。

 

正確にはスタートのみ成功。

私のペース配分は途中までは正確だった。

 

一番人気のスペシャルウィーク、警戒すべき相手なのはわかっていたが、大逃げで有名になっていたツインターボと同じように大逃げを選択することは私の予測パターンの中にはなかった。

 

最初はツインターボの大逃げにつられたと考え、当初のペースを維持した。

 

それは間違い、いえ、当時の私の能力では結果を変えることは不可能。

なるべくしてなったと考えられる。

 

中盤から彼女が驚異的な加速を行い、これ以上逃げられては勝利することは不可能と考え、無理やりペースを上げた。同じことを考えたのは私だけではなかったようで、レースの動画を確認したところ、全員が掛かっているという状態になっていた。

 

大逃げを選択していたツインターボが状態:逆噴射になったため抜かすことは難しくなかったが、その先にたどり着くことはできなかった。結果は2着。

 

 

 

3勝2敗、敗北したホープフルSも2着。

 

世間は良い成績だという。私も一度も負けずにいられるほど甘くないのは解っている。

 

 

 

問題は私の達成目標:クラシック三冠の達成への道筋が全く見えないことだ。

どれだけの思考を経てもあそこにたどり着ける過程が見えない。

 

 

学園に入学して一年、私の夢を応援してくれるマスターにも出会い、スタミナを鍛え、マイルを超えて何とか中距離までペースを崩さずに走れるようになった。

 

自分がどこまでやれるのか、それを確認するために、また世代で頂点を獲ろうとしている彼女の実力を見るために私は出走した。マスターにも勧められていたためそこに疑問はなかった。

 

 

 

この状態をなんと表せばいいのだろうか。

何をしていてもあの時追いつけなかった背中が脳裏に浮かぶ。

 

だんだんと遠くなっていく背中、どうしても追いつけない自分。

 

自身の心に何かが溜まっていく。

 

 

 

 

 

 

 

普段のトレーニングにも支障をきたしていた時、マスターが私に言った。

 

 

 

「ブルボン、お前に客が来ている。気晴らしにもなるだろう、会ってくるといい。」

 

 

「……わかりました、マスター。」

 

 

 

マスターに伝えられた場所に向かうと、そこにいたのは彼女だった。

 

 

 

「バックシーン! おや、ミホノブルボンさんですね! お待ちしておりました!」

 

 

「お久しぶりです、サクラバクシンオー先輩。」

 

 

 

私に短距離の道を勧めていてくれたサクラバクシンオー先輩だ。

 

 

 

「とても暗い顔をしてますね! でも大丈夫です! トレーナーさんから頂いたアメを差し上げましょう! これを食べれば気分上々、桜満開です! トレーナーさんがそう言ってました!」

 

 

「……頂きます。」

 

 

 

先輩から頂いたアメを口に入れる。ほんのりとした甘みと桜の風味が口に広がる、おいしい。

 

 

 

「お! とてもいい顔です! そうだ! 忘れるところでした。この度、私サクラバクシンオーはグローバル・スプリント・チャレンジに挑戦いたします! それで世界中を走りながら巡るのですが、ミホノブルボンさん、私と一緒に行きませんか!」

 

 

「世界……ですか?」

 

 

「はい、そのとおりです! あなたのトレーナーさんに伺いましたが、何でも最近スランプのご様子! でしたら私と一緒に世界中を股にかける武者修行に行こうと思ったわけです! 私が走るのは短距離とあなたの求めるものとは違いますが、きっと何かあなたのためになるとお誘いしたわけです!」

 

 

「……少し、考えさせていただいてもいいですか。」

 

 

「もちろんです! こちら、私が乗る飛行機のチケットです! 最初はオーストラリア! お返事はいつでもお待ちしておりますので! バクシンバクシン!」

 

 

 

そう言って、私に飛行機のチケットを渡して去って行ってしまった。まだ行くとは言っていないのだが。

私が呆気にとられていると

 

 

 

「ブルボン、どうだ? 行ってみないか?」

 

 

 

いつの間にかにマスターが後ろにいた。

 

 

 

「確かにお前の夢を挑む前にやめてしまうことになってしまうかもしれない。だが、国内でクラシックに挑むよりも得るものは大きいはずだ。世界はお前が思ってるよりも広く、強い。幸いバクシンオーのトレーナーは俺の恩師だ、きっと俺よりもうまくお前を導いてくれる。」

 

 

「……しかし、マスター。」

 

 

「あいつが頭から離れないんだろ。言ってしまうがこのまま燻っていたら絶対に勝てない相手だ。勝つには新しい何かがいる。世界をめぐってそれを見つけてこい。」

 

 

「………。」

 

 

「別についていくのを途中でやめてもいい。何か見つけたら帰ってきてもいい。そういう気楽なもんだ。」

 

 

「……解りました、行ってみることにします。」

 

 

 

マスターが私にこれだけ言葉をかけてくれることは少ない。いつも態度で示す方だった。そんな方がこれだけ言ってくれている。ならば行ってもいいかもしれない。そう思った。

 

 

 

「そうか、頑張って来い。手続き関連は俺がしておく。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『おやっさん、すみません。俺が不甲斐ないばっかりに。』

 

 

『気にすんなよ、黒沼。仕方ないとこもあるんだから。ま、バクシンオーのついでにブルボンも見てやるよ。それで海外レースに出走はさせてもいいんだな。』

 

 

『はい、お願いします。』

 

 

『うし、なら化け物に対抗できる精密機械、育ててみっか。お前も落ち着いたらこっち来いよ、ブルボンのトレーナーはお前なんだからさ。』

 

 

『……すいません、ありがとうございます。』




サクラバクシンオー
 現在国内最強スプリンター。アプリならURAファイナルズ突破後距離適性を伸ばしていきそうだがこちらでは世界にバクシンします。高等部で去年シニア一年目終了、今年からグローバルSC挑戦という形ですね。


坂路の申し子は他の同世代の子たちの中で一番早く世界に出ることになりました。
彼女はいったいどんなサイボーグになって帰ってくるか……
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