アルティメットスぺちゃん爆誕【実況プレイ風動画】 作:サイリウム(夕宙リウム)
「おぉ! すごい人だね、トレーナー!」
「だね。みんな彼女を見に来ているのかな?」
最近はずっと地方のレースに出てもらっていたせいか、ウララの中央に対して持っている情報は少ない。せいぜいテレビで見たぐらいだろう。彼女がこのままダートで走るか、それとも芝でも走るのかは彼女の意思次第なので解らないが、絶対にこのレースは彼女の糧になるだろう。
「やっぱりみんなスぺちゃんを応援してるのかな? ウララはみんなに勝ってほしいけど、誰か一人を選ばないといけないとすれば……、やっぱりキングちゃんかな?」
「同室でお世話になってるからかい?」
「うん! 大事な友達なの!」
地方で走ってもらっていたせいで大事な友人たちとの時間が少なくなってしまったことは完全に私が悪い。最初はレース間隔をつかむために地方で走ってもらっていたが、途中から目的が変わってしまっていた気がする。来年からは長く中央に残れるようなプランを組もう。
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「ふ、ふん、ふん、ふ~♪」
んじゃ、今回もなんかご機嫌なスぺちゃんと一緒に有馬記念走ってきましょう! ステータスは前回お見せしたものとそこまで変わらず、のままなので今回省きましたが周りと比べて頭二つ分以上実力差がある感じです。また今回出走してるのもネームドの中からだとキングヘイロー、セイウンスカイのみと同じ世代の子ぐらいしか注意しないといけない子がいないので比較的安心していけるでしょう。
あ、申し遅れました、投稿者です。今回もよろしくお願いしますね。
さて、同世代、それもライバル枠のお二人が相手となってきますが、正直そこまで気にしなくてもいいです。まぁなぜかと言うといくらライバル枠の補正が掛かっていたとしても史実、という名の補正にはかなわず、時間が進むごとに彼女たちの成長率はやっぱり少なくなっていきます。
セイウンスカイ、キングヘイローともに菊花賞あたりから怪しくなってきまして、シニア級になると全くついていけなくなってしまいます。まぁキングには短距離があるんですが、セイちゃんは正直どうなるか解りません。史実では皐月、菊花と二冠馬でしたが、今回はスぺちゃんが取っちゃったのでマジでどうなるんでしょう。
まぁ勝負の世界ですし、こればっかりはわたくしにできることはないです。正直スぺちゃんの方から接触したとしてもいい方向に転ばないのは明らかでしょうから、こればっかりは神頼み、ですね。
「むぅ~。」
おっと。スぺちゃんの嫌いワードが出てしまいました。すまぬすまぬ、この部分カットしておくゾイ!
さ、それでは有馬記念に向かいましょうか! 作戦としては王道の差しで行きましょう! いつも通り後方で待機しておいて、中盤辺りから全部抜いて引き離す! これ、鉄板!
あ、あと今回のレースはセイちゃんがいますので、彼女が変に逃げてもペースは崩さないように一定を保ちましょう。結果的に先行位置になってしまうかもしれませんが、そんときゃそん時です。
現状のセイちゃんでは有馬を全速力で逃げ切る、みたいなスズカ先輩みたいなことはできませんし、必ずどこかで息を整えてきます。そこを突く感じですね。
キングちゃんは同じ差しの戦法を取ってくるので実力差で勝負していきましょう。
ま、ステータス二人ともよくてB、平均してC+ぐらいなので問題なし!
んじゃ、レッツ、有馬記念! ゴー!
「お~!」
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『年末の大一番。あなたの夢、私の夢は叶うのか。……という私たち実況の決まり文句を吐いたところではありますが、実質ここに訪れた大半が彼女のことを見に来た、と言っても過言ではないでしょう。実況の身でありながら避けるべき発言だと思いますが、私もそうです。』
『実際彼女の実力は頭一つ以上飛び出ていますからね。今年度は来年度から始めるドリームシリーズのためか、ファン投票で上位に入りながらも出走を回避したウマ娘が多くいます。優秀な成績を収めた子たちばかりですが、少しながら荷が重い、と言ったところでしょうか。』
『さぁ、満を持しまして、お待たせいたしました! 一番人気の登場です! もちろんこのウマ娘、スペシャルウィーク! 無敗三冠に合わせましてホープフルSとジャパンカップ、合わせて五つの星を背負い、六つ目の星を手に入れに行きます!』
「………。」
菊花賞の時は単に注目されてなかったことを喜んでいたけど、二度も続いて、それ以上にレース場全体がスぺちゃんの勝利を望んでるみたいなすごい状況だと、ちょっと思うことがあるよね。
私もここにいるんだぞ~!、ってさ。
ま、そんなことしても負け犬の遠吠え、何も変わんないだろうからやらないけど。
実力差が離れているのは理解してる。ついていくことが出来なくなりかけているのも理解してる。
けどね、もう負けたくないんだ。
ねぇ、スぺちゃん。いっぱい勝ったでしょ? たくさん星背負ったでしょ?
無敗三冠になったでしょ? シンボリルドルフ会長に勝ったでしょ?
時代の頂点って呼ばれるようになったよね?
ねぇ、もう十分じゃない?
もうたくさん、勝ちすぎるほど勝ったよね?
そろそろ期待が重くなってきたんじゃないの?
今年最後。一つぐらい、私に譲らせてあげるよ。
だからさ、その重みってやつを私に体験させてくれるよね?
ねぇ、そこで鼻歌歌いながら、自分の勝利を疑ってない、
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私を担当してくださっているトレーナー、赤田さん。
彼、縁のウマ娘として一番初めに挙げられるのがあのシンザン、伝説だ。
シンボリルドルフという今の英雄、そしてスペシャルウィークさんでさえあの方には届かないと言われるほどの伝説、化け物と言ってもいい。そんな方が私の先輩にあたる。
赤田さんが担当なされたウマ娘は彼女を筆頭にして誰もが輝かしい成績を収めた。
誰もがGⅠを勝利していた。
そんな、素晴らしい、先達たち。
だが、私はなんだ?
どんなに頑張っても掲示板が精いっぱい。
他重賞は勝てても、GⅠはどうしても勝てない。
出来ることは全部やった、教えられたことはすべて糧にできたはずだ。
だけど、スペシャルウィーク。スぺさんに勝てるイメージが全くわかない。
彼女の前に出ることがどうしても考えられない。
自分の適性を無視し、自分の才能のなさを無視し、
私はあの母の血を引いてるんだ! あのトレーナーに師事を仰いでるんだ!
そうやって自分を無理やり鼓舞しながらここまで来た。
それも、今日で終わり。
こんなことは口が裂けても言えないが、私はどこか、この現状につらさを感じていたのかもしれない。
トレーナーさんが私の短距離への移行を考えていると知ったとき、初めて心に抱いたものは、
安心
だった。
裏切られた、見捨てられた。やっぱり私はそっちなんだという納得。
そんなもの全部打ち捨てられていた。
ただ、安心してしまった。
これ以上あそこで戦わなくていいんだ。自分の身を削りながら戦わなくていいんだ。
もう超えられない壁に挑まなくてもいいんだ。
そう、安心したのだ、このキングが。
自ら敗北を受け入れたのだ。どうせ何をしても勝ってこない。それならば挑まない方がいい。
諦めたのだ。
……諦めた?
……ふざけるな。
ふざけるなよ、私!
何のためにお前は走っている!
母に自分を認めさせるためか? トレーナーの名誉を傷つけないためか?
違うだろ、違うだろ私!
私が、私であるために。
私が、『キング』であることを証明するために!
絶対に諦めずに、そこに到達するために!
母やトレーナーはそのおまけにしか過ぎない!
全部が全部、私のため、私のために彼女に勝ちたい!
絶対にスペシャルウィークに勝つことを諦めない!
自分が周りより劣っていることも、成長速度が劣ってきたことも、スペシャルウィークとの実力差がかけ離れていることも、全部全部知っている。そんなこと百も承知だ!
だけどそれが私が諦める理由にならない!
私に『諦め』なんて文字必要ない!
心を研ぎ澄ませ、私。
王者をここに証明するんだ。
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え~と、セイちゃんは大逃げするけどスタミナ調節のために一息入れるからそのタイミングで、キングちゃんは私と同じ作戦らしいからそこまで気を付けなくてもいい、だよね。
たぶんセイちゃんが今までしていた無理な大逃げはブラフで、どこかのタイミングで大逃げに見せかけてゆっくり休憩するつもりだった、ってことかな?
お姉ちゃんが言うことだから正しいんだけど、セイちゃんがそんな策士さんだなんて知らなかったや! 確かに何で大逃げするのかなぁ? と思ってたけどそういう理由だったんだねぇ。
ま、どうでもいいかな?
じゃ、頑張って勝つぞ~!
『さぁ、各ウマ娘順にゲートに入っていきます。』
あ、そういえば前の菊花賞のときも、今回の有馬記念の前も同じこと言われたよね。何度もお姉ちゃんが注意してくれる、ってことは結構大事なのかな?
『各ウマ娘、ゲートに収まりました!』
スズカ先輩やターボさんも逃げだし、今後セイちゃんみたいな戦い方をする人がいるから注意してくれたのかなぁ? それとも世界? ……このレースで対応の仕方覚えておきましょう、ってことかなぁ?
『今、スタートです!』
…………あ、プレッシャー掛けるの忘れてた。
ウララのトレーナーは今日もT字ヘッドです。
試験的に有馬は三話構成、今までのレース描写を分割いたしますのでよろしくお願いいたします。