アルティメットスぺちゃん爆誕【実況プレイ風動画】 作:サイリウム(夕宙リウム)
『スペシャルウィークが少し遅れてスタート、それ以外はきれいなスタートとなりました!』
『彼女がスタートを遅らせるのは珍しいですね。得意なイメージがあったんですが……、まぁ彼女は差し策なのでこれぐらいの遅れはそこまで問題にならないでしょう。』
『さて、先頭は勢いよく飛び出しまして、セイウンスカイ。今回も彼女は大逃げで行くようです。』
よし、よし! 来なかった! 来てたらそこで終わってた!
どんだけ練習しても、誰にお願いしてもあのゲートのプレッシャーをすり抜けられる確証が持てなかった!
あのプレッシャーを再現してもらうことができなかった、あの状況を作り上げることができなかった!
対策のしようがなかった!
それが来なかった!
完全に舐められているのに思うところがないと言えば嘘になる、でも!
こっちはそれを前提に考えてた! いける、いけるぞ!
普通ならレース前に気が入ってなければ声かけてた! もっと本気になって欲しいっていうと思う! ケド!
今のスぺちゃんは別、何が何でも勝利を掴み取る!
『ああっと! セイウンスカイさらに加速!』
『これまでのレースよりペースが速い感じですね。彼女のレースを見る限り大逃げのさらに先、後半に入るまでにできるだけ後続と差を開けておきたいというわけでしょうか?』
『これに合わせてか、後続はそろってペースを下げていますね。』
『彼女についていけば潰れてしまう、その判断でしょう。』
「…………あ、すごい。ホントになった。」
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「…………あ、すごい。ホントになった。」
…………どういうこと?
出所はスぺさん。今回は“アレ”も来ず、逆に彼女が出遅れたが………、もしや何かの作戦?
いつも、普段のスぺさんはどこか天然さを感じる方だがレースでは完全な別人。
菊花賞のプレッシャー、大逃げで嫌というほど解らされた。考えているのが本人ではない可能性もあるが、それを実行できている時点で普段の彼女ではない。
そのこと自体は理解していたつもりだったけど、今の一言は何?
出遅れを引き起こしたせいで彼女は私より後方。見て確認したわけではないがおそらく差し位置の最後方、追込位置に入るか入らないかと言ったところだろう。
さすがに彼女がレース中に話しかけてきて周りを惑わす、というのはしないはずだ。と、なると口から零れ落ちた、うっかり出てしまった言葉になる。
『ホントになった』ということは……、このレース展開のこと? セイさんの大逃げのこと?
…………もしかして彼女の大逃げはブラフ。
そのことを理解した瞬間、私の横を、外側に
風が吹き荒れた。
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よし、よし! 後ろに何も来てない!
みんなついてきてない! もちろんスぺちゃんも!
後はここでできる限り休んで、後ろから来そうになったらもう一度加速。そのタイミングさえミスらなければ勝てる! ここが正念場! 頼む、頼むから気づかないでくれ!
このまま私はペースを落とすんだ! 休むんだ!
最大速度じゃかなわない、スタミナでも叶わない!
だから何としてでもこの距離というアドバンテージを離したくない、離しちゃいけないんだ!
ド、ド、ド、ド
…………なんで。
ド、ド、ド、ド、ド
何でもう、足音が、
ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド
何でもう、真後ろにいるんだよ! スぺちゃん!
ーーーーーーーー
へ~、こんな感じになるんだ。
確かに、このまま周りのペースに合わせてゆっくり走ってたら結構ぎりぎりだったかも。
でもお姉ちゃんに教えてもらってるし、スタートで思いっきり失敗しちゃったからこれ以上やらかしちゃうのはいけないよね。ちょっとだけ速いかもしれないけど中盤に入る前に位置を押し上げておこうかな?
よい、しょっと!
『ここでスペシャルウィークが加速します!』
『現在セイウンスカイが先頭でかなりの差が離れていますし、それを嫌ったのかもしれませんね。』
キングちゃんが何か考えている、そんな顔を横目で見ながら速度を上げる。
あ、でも私が前に行こうとしてるの見たら速度上げたのかな? 加速した音が聞こえるや。
え~、と先頭のセイちゃんとは大体何バ身ぐらいだろ? 結構離れてる。
でも、ちょうどセイちゃんが中盤過ぎたぐらいだし、このまま私もいつもの加速したらいけるね。
……ん? それなら別に追いかけなくても良かったの?
『現在先頭にセイウンスカイ、大きく離れて加速し始めたスペシャルウィーク、その後ろにキングヘイローと続いています。』
あ、でもバ群に呑まれて前に進めないかもしれなかったからこの状態の方が良かったのかも。
さ、そろそろ中盤だ。
>【不沈艦、抜錨ォッ!】Lv.3 発動!
>【逢魔時】 発動!
始めるよ、お姉ちゃん。
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『おっと、スペシャルウィークさらに加速ぅ!』
ダメだ、もう後ろに足音が! 真後ろにスぺちゃんが!
ナンデ! なんでもう後ろにいるの!
休んでいる暇なんてない! 全速力で逃げないと追いつかれる!
私にスぺちゃんを差し返す能力なんてない!
抜かれたらそこで終わりなんだ!
私はまだ何も残せてない!
まだ、終われないんだ!
『セイウンスカイ逃げる! セイウンスカイ逃げる! その後ろからスペシャルウィーク、スペシャルウィークだ! スペシャルウィーク猛追! 差がどんどん縮まっているぞ! そのまま最終コーナーになだれ込む!』
コーナー! 駄目だ!
減速しないと曲がれない! でも減速したら絶対に追い抜かれる!
曲がれ、曲がるんだ、このままの速度で、そのままの勢いで!
減速せず、無理やり重心を内側にずらす。
足首に痛みを感じるけど、気にしてる場合じゃない。
>【アングリング×スキーミング】Lv.3 発動!
「負"け"る"か"ぁ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!」
「…………………。」
>【シューティングスター】Lv.4 発動!
>【汝、皇帝の神威を見よ】Lv.4 発動!
>【空駆ける英雄】 Lv.3 発動!
『スペシャルウィーク! スペシャルウィークだ! セイウンスカイを抜かし、先頭に躍り出る!』
『スペシャルウィーク! そのまま後続を突き放す!』
『スペシャルウィーク独走か、スペシャルウィーク独走か!』
『後ろからは何にも来ない! 後ろからは何にも来ない! 後ろからは何にも来ない!』
『ようやくキングヘイローが上がってきたか!』
『スペシャルウィーク、これは強い! これは強い!』
『今、一着でゴールイン!』
『スペシャルウィーク、圧勝です!! これで六冠目! 今年度無敗を貫きました!』
有馬記念
一着 スペシャルウィーク
二着 キングヘイロー
三着 セイウンスカイ