大長編ドラえもん のび太の宇宙大決戦   作:はならむ

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Part.36 開戦①

「やっぱり連邦だったの?」

 

「ああ。お前の言うとおり、奴らとの接触は避けられなかったよ」

 

エクセレクターのブリッジの空間モニター前で、ラクリーマとユノン、そしてのび太としずかが遥か前方で待ち構える連邦艦隊を凝視している。

 

取りあえず、こちらからは交渉を出し、考えさせる時間を与えている間はこちらももしもの時の為に策を練らねばならなかった。あちらも絶対に自分の要求を飲むとは言えないからである。

 

「すまねえな。お前の忠告をちゃんと聞いてれば……」

 

彼は空いていたイスに腰かけてフウっとゆっくり息を吐く。

 

「過ぎたことはもうしょうがないわ。それよりアレ、連邦に通じた?」

 

「今、その返答を待っているトコだ。とりあえず一時間後に返答を聞きにまた連邦と通信するつもりだ」

 

ユノンは腕組みし、横目で彼を見ると目を瞑っている。

 

「連邦が要求を飲むか飲まないかでこちらの命運が変わるな。万が一、ここで戦闘になれば最悪の場合……アマリ―リスはここで終わりになるやもしれん」

 

ラクリーマらしかぬ弱気な発言を吐く。今の彼はとても苦悩しているに違いない。

 

「フフっ……いつもなら前向きに事を見据えるラクリーマが弱腰とはね。あんたらしくないわ」

 

「ユノン?」

 

顔を見上げると彼女は目を閉じて微笑している。

 

「私達全員はあんたを頼りにしているからついていってるの。別にあんたのせいだなんて思ってないわ。いつかは向こうと出くわすと思ってたけど……それがたまたま今日だったってだけよ」

 

「だが……」

 

「ラクリーマ、あんたは自分の思った通りにやればいいの。リーダーなんだから。それより今はどう切り抜けるか考えるのが妥当であって?」

 

「ユノン……、確かにお前の言う通りだ」

 

あのユノンから励ましの言葉を貰う彼は不思議と嬉しい気分になった。

 

「お前、ホントに変わったな!」

 

「礼ならあの子らに言ってくれないかしら?」

 

ラクリーマは、これから何が起こるのか分からず、心配しているのか浮かない表情でモニターを見ているのび太としずかの二人に目を向けた。

 

「なあ二人とも」

 

彼のかけ声にビクッと反応した。

 

「ラクリーマ……?」

 

「はっ、はいっ……?」

 

そんな二人を彼に頭の後ろに両手を回し、普段しているようなニヤっとした笑みをとる。

 

「何をそんなに心配してんだ?」

 

「これから……一体何が……」

 

「……起こるんですか?」

 

質問する二人をまるで心配するなと言わんばかりな態度でこう告げた。

 

「俺達はどんなカタチになろうが、お前らを絶対地球に帰してやるから安心しろ!」

 

「…………」

 

「そうだ。交渉成立した時にこいつらを明け渡す準備でもしておくか。たしか二人乗り用の脱出ポッドがあったハズだ」

 

オペレーターはすぐにコンピューターで艦内を検索する。

 

「……第15格納庫に配置してあります。ならもう起動させておきますか?」

 

「おう。あと格納庫にいる戦闘員にしばらく待機するよう言っといてくれ」

 

「了解」

 

「あとはあちらが素直に応じてくれるのを信じて待つかーー」

 

そして彼は深くイスに持たれかけた。

 

「ラクリーマ……聞きたいことがあるんだけど」

 

「どうしたのび太?」

 

「前にいるずらりと並んでるのって一体……」

 

「あれか?そういやあお前らに教えてなかったな。あいつらは『銀河連邦』ってな?」

 

「銀河……連邦……」

 

「ようは宇宙の至る所にアミを張ってる軍隊警察だよ。俺らワルの天敵だ」

 

「じゃあ……もしかして」

 

「ああっ、運悪くそいつらとご対面しちまったワケだ。まあお前らにしちゃあ味方だがな」

 

のび太は何か悪いことをしたような気分に陥った。その理由とは……。

 

「もしかして……あたしたちを地球に送ろうとしたばかりに……」

 

申し訳ない気持ちを込めてそう尋ねるしずかに、彼は、

 

「だから心配すんなと言っただろ?ここまできたのは俺たちの意思だ。だからお前らが気にするのは無事に帰れることだけにしろ、わかったな!」

 

「ラクリーマさん……」

 

気にする二人にとってはとてもありがたい言葉である。

彼が言うのだからそう甘えたいが、やはり自分たちのせいでこんなことになってしまったのでないだろうかと心底思えてしまうのであった。

 

「あなた達の気持ちは分からないでもないわ。けどね、子供は大人の親切を素直に受け取ること。わかった?」

 

ユノンはしずかの頭を優しく撫でた。

 

「ユノンさん……」

 

しずかの頬はポッと赤くなった。

 

……そして一時間後。

 

『どうだ?素直に応じるか?』

 

再び、モニター映像で彼らの前に現れるラクリーマ。相変わらず、憎いくらいに余裕のある表情だ。

一方、うってかわりカーマインは非常に真剣そのものの眼で映像を凝視していた。

 

「確かにそこにいる地球人の子ども達の命は大事だ。しかし、ここでお前たちを逃せば、他の惑星そのものやそこに住む生物達にさらなる惨劇が起こるのは確かだ!」

 

『…………』

 

「私たちはお前達アマリ―リスがこれ以上悪事を働くことを断じて許すわけにいかないのだ!」

 

彼の張り上げた勢いのある決意。それは交渉の決裂を意味していた。

 

『……返答はそれでいいんだな、連邦さんよ?』

 

「悪いがそういうことになる」

 

『ーーそうか。まあ分かっていたが見逃してくれる気はさらさらなかったワケだ、なら俺達も覚悟決めねえとな。無論あんたらもだ』

 

「言われなくてもそのつもりだ」

 

『へっ、楽しみにしてんぜ。あんたら連邦の実力をな!』

 

何故か余裕そうな顔のラクリーマの映像はブツリとすぐに消えた瞬間、アマリ―リス、銀河連邦全員の各道は一つに搾られた。

 

カーマインは全員に振り向いて、拳をギュッと握りしめた。

 

《今作戦を決行する。第一種戦闘配備、それぞれ配置につけ!!》

 

「了解!」

 

全員が一気に敬礼し、すぐさま一斉に行動を開始した――そしてアマリ―リスでは、

 

「連邦は俺達の交渉を拒否した!今すぐ戦闘準備だ。各戦闘員を『スレイヴ』、『ツェディック』に搭乗させて発進準備させよ!!」

 

「りょっ、了解!!」

 

ラクリーマの命令により、もはや避けられない激戦に向けて艦内は慌ただしなり始める――。

 

「オペレーター、今すぐサイサリスを呼んでくれ」

 

オペレーターはすぐに開発エリアの映像に移し、サイサリスを画面に呼び込んだ。

彼女も全く焦る気もなく、落ち着いているように見受けられる。

 

『ついに来たな。連邦と対決とは……勝算はあるのか?』

 

「さすがに真っ向から挑んだらこちらが不利だ。ワープホール空間に逃げ込むための強行突破を実行する」

 

『それであたしになんの用だ?』

 

「激戦になるのは必須だ。そこで『ログハート』と『セルグラード』の起動及び、実戦投入を行う。サイサリス、今すぐに準備しろ!」

 

しかしサイサリスは乗り気ではない表情をしている。彼女なら喜んですぐに取りかかるハズなのだが……。

 

『……ダメだ。認めることはできない』

 

「……何故だ?」

 

『『ログハート』はともかく『セルグラード』はまだ完全に調整されてないぞ。そんな状態で使ったら……』

 

「『一発』ぐらいなら使用できるだろう。これで戦況を覆せるのなら出し惜しみはしない。壊れたらまた造り直せばいい!!お前ならできるハズだろ?」

 

『わたしは心配してるのはそれじゃない、お前自身だ!!』

 

「俺自身だと……?」

 

『お前、今なにもしてなくても身体中に痛みが走ってるだろ?』

 

「…………」

 

彼は言い返せなかった。彼女の指摘はズバリ的中していた。ラクリーマは右肋骨を押さえている。

 

 

『お前は本来、絶対安静にしなければならない怪我人だ、そんな体で何が出来る?あの二つはラクリーマが体調万全であることを前提に開発したもんだ。

それを今の身体で使用したらどうなる……貴様、完全に体がイカレちまうよ』

 

「今はそんなことを言っている場合じゃねえだろ!!『殺るか殺られるか』だ。それに、その点はちゃんと考えてるよ」

 

『その点……だと?』

 

「……『BE-58』を投与する」

 

彼の発言は、その場にいる全員を動きを止め、凍りつかせた。

 

『『BE-58』……だとォ!?バカヤロォ、あんな危険なモン使って死ぬ気かァ!?』

 

「けっ。痛みなんぞ、ガキん時からもうイヤになるほど慣れてるんでね。耐えてみせるぜ!!」

 

『BE-58』とは軍事用に開発された即効性の麻酔薬である。これは全身麻酔ではあるが、打ち込んだ人間が例えどれだけ負傷していようと今すぐ行動できるよう、特別な方法で開発してある。

これにより、身体中の痛みは一瞬で無くなり、どれだけ攻撃を受けようと全く痛みを感じなくなる。が、個人差があるが大体二~三時間立てば一瞬で効果がなくなり、さらに蓄積された痛みが数倍となって一気に襲いかかるという、まさに『諸刃の剣』と言っても差し支えのない劇薬である。

効能が切れれば……並の人間はそのあまりの苦痛に耐えきれずに発狂するか最悪の場合、ショックで即死に至るのどちらかである。

 

効果中は痛みや感覚すら感じなくなるため、出血していることすら気づかずにそのまま失血死することも充分考えられる。

 

……など、デメリットがあまりにも多すぎるのであった。

 

「こうなった以上、使うしかねえよ。俺はアマリ―リスをこんなとこで壊滅させたくねえんだ!!」

 

『お前、今度こそ命の保障はできねえぞ!?お前は……』

 

「俺は死なねえよ、まだまだ人生長いし。それに……俺が死ぬと悲しむ奴らがいるみたいだしな」

 

ラクリーマは顔を後ろへ向けた。

その視線の先には沢山の部下やのび太としずか、そしてユノンがいた。

 

「頼むサイサリス。あの二つを起動させてくれ。リーダーの命令だぞ!」

 

(考えたら……こいつは言い出したらもう一歩も引かない奴だった)

 

サイサリスはついに諦めた風な深いため息をついた

 

『……わかった。そこまで言うならお前のその心意気を尊重しよう。今すぐ開発エリアにこいよ。あの子達の封印を解いてやる!!』

 

「よっしゃーっ!!」

 

歓喜を上げ、ただちに走り出した。が、

 

「ラクリーマ!」

 

「ユノン!?」

 

突如、向かおうとしていたラクリーマの前に彼女が立つ。ニィっと彼女らしくない笑みを浮かべ、こう言った。

 

「あたし、今回『デストサイキック・システム』を使用するわ。発動キーを貸して」

 

「お前、それを使ったら……っ」

 

「最近体が鈍っててね、久々に体を動かしたくなったのよ。それに……」

 

「それに……?」

 

「あの子達を地球に送り帰すんでしょ?なら、あたしも頑張らないとね?」

 

「……本当にいいんだな?」

 

「ええ、以前より上手くやってみせるわ」

 

「……分かった。だが絶対無理すんじゃねえよ」

 

ラクリーマはコンピューターの前に行き、彼からは想像できないほどの早いタイピング、画面をスライドしてコードを入力する。すると中央のレンズからアクアブルー色の玉子の形をした物質……オーブが浮かび上がり、それを取ると彼女の元に行き、渡した。

 

「なあユノン、もし生きてこの宙域から脱出できたら一度二人だけで話しながらゆっくり酒でも飲まねえか?もっとお前のことを知りたいしよォ」

 

クスっと軽い笑うユノン。

 

「死ぬかもしれないようなこと言って……何弱気なこといってんのよ?言ったでしょ、ラクリーマらしくないって。けどまあ、その時はとびっきりの最上級酒を用意しておくわ」

 

それを聞いたラクリーマはついに吹っ切れたのか、表情が本来の不敵な笑みへと変貌した。

 

「これで思い残すことはねえや。今は互いに尽くそうぜ」

 

「ええ!」

 

二人は軽く手をタッチしギゅッて握りしめて、互いの健闘を祈った――これから始まるであろう大激戦に向けて。

 

――互いに交差し、彼は開発エリアへ向かおうとした否や、

 

「すまん、これ借りるぜ」

 

近くにいた部下の持っていた拳銃を取り上げ、のび太の方へ向かう。

 

「ほらよ、のび太!!」

 

「えっ!?」

 

それをのび太に投げ渡したのだった。

 

「ラクリーマ……これは……」

 

「まあねえとは思うがもしものときのためだ。これでしずかを守ってやれ、いいな!」

 

ラクリーマは心配するなと普段と変わらぬ笑みでのび太を見た。

 

「ラクリーマ……気をつけて……絶対に死なないで!」

 

「ああっ!!お前との約束を果たすまでは死なねえよ!!」

 

自信満々な返答をし、彼はすぐに走り去っていった。一方、ユノンは既に真剣に表情となっており、高らかに右手を上げた。

 

「艦内にいる者全員に告ぐ。私はこれより『デストサイキック・システム』を発動させる。本艦の全ては私に任せて、各オペレーター、その他の員は戦闘員のサポートに尽力せよ!」

 

「頼みましたよユノンさん!!」

 

「決して無理しないで下さい!!」

 

熱い励ましを受けて、彼女は一気に中央の司令塔に登り詰めた。その中、しずかは恐る恐る近くにいたジュネにこう聞いた。

 

「あの……一体何が始まるんですか?」

 

「すばらしいことだニャン♪」

 

ユノンはあのレンズが置かれた台座に到着すると、ラクリーマから渡されたあのオーブをレンズの中央に静かで置いた。すると、レンズがまるで水のように波紋が発生、オーブを飲み込んでいく。

瞬間、その台座の左右の床から二つのバスケットボール程の無透明の水晶が置かれた台座が出現。

 

手が置ける高さに到達し、彼女は腕を交差し天を突き刺すように高くあげた。

 

「いくわよォォォっ!!」

 

渾身の力で両腕を左右に降り下ろし、その二つの水晶を握り込んだ両拳で豪快に叩き割った。

 

《ガシュイイイッ!!グシャグチャグチャギチッ――――》

 

それは目を疑うような現象が発現した。

 

「うわぁアアッ!?ユノンさんが……!!」

 

「何がどうなってるんですか!?」

 

破壊された水晶の台座の中から数十、数百、いや、数千という怒涛の数の機械やまるでウネウネと生きているかのような金属で形成された触手が彼女に絡み、そして体の中に入り込んでいく――。

 

着ていた衣服が全て剥ぎ取られ、その露呈された彼女の素肌全体に容赦なく機械やその触手が入り、取り込み……そう、彼女は今、機械とナノレベルで融合を遂げ、次第にこのブリッジを覆い尽くす程の巨大な大樹を形成させていく。その中央部の半球状のコアが開くと、完全に半身生身、半身金属機械と化して組み込まれたユノンは閉じていた青い瞳をパッチリと開けた。

 

《シンクロ率100%……本艦の全管制掌握……各NPエネルギー反応炉、循環開始……》

 

彼女の声と聞いたことのない男性の声の二重の声へと変貌し、その重々しい異様な姿と化したユノンは例えるなら……まるで『機械化した女神』とも受け取れる神々しい姿であった。

 

「あわわわ………………」

 

その姿に恐怖感を抱き、ガチガチに震えながら立ち尽くすのび太としずか。そんな二人をジュネが安心させるためか柔らかい口調と表情で二人に接した。

 

「このエクセレクターには『デストサイキック・システム』てのがあってね。アレを発動することで本艦の全管制……つまり攻撃や防御、行動全て副リーダーの思いのままとなるのニャ。

……簡単にいったら名実共に副リーダーはこの艦と一心同体化したことになるのさ」

 

「一心同体ですか……?」

 

「ここにいる全員が副リーダーの体内にいるってことになるの。あたし達が踏んでる床でさえ、今ではあの人の内臓だよ?」

 

「「うええっ~~!?」」

 

もうワケがわからなさすぎて理解のしようがない。

 

……いや、ここにいる者でなければ絶対理解できないと思う。

 

「それに本艦の合体変形が全て単独で行えるようになるの。この艦の奥の手ね。けど……使用するに至って気をつけなければならないことがあってね……」

 

「気をつけなければならないこと?」

 

「一心同体化したってことはつまり、この艦の被弾は全てあの人の痛みとして伝わるんだよ。

 

まあ強力なバリアがあるから大丈夫だけど、もし艦の装甲に穴が空くようなことがあれば、それこそ彼女の体に穴が開いたと同じ苦痛が襲うのニャ。もしそうなったら……」

 

二人はたちまちゾッとなり身震いする。

 

「それじゃ、これ……凄く危険じゃないですか!?」

 

「ヘタをすればユノンさんは……死んでしまうってことですよ?!」

 

「……このシステムを使うのは本当にどうしようもない時の最終手段なのニャア。相手が連邦だから実際にウチラがあまりにも不利……つまり窮地に立たされているの。まさに生き残れるか死ぬかの頂上決戦ってワケね……」

 

「「…………」」

 

連邦相手には中途半端な攻撃は通じない。こちらも命をかけて挑まなければならないのであった……。

 

一方、連邦も攻撃準備に急いでいた。ヴァルミリオン内の中央デッキでは。

 

「本艦の主砲『ユピテルス砲』のエネルギーチャージを開始しました。各員、それぞれ配置完了とのこと。各機『ホルス』、『アルスタシア』、『クイスト』、『アークェイラス』、『ゼウシウス』は全て発進準備完了!」

 

副長が頭上の巨大モニターの方へ向いているカーマインにその旨を報告。

 

「……ついに来るとこまで来たな。生存者の証言を元に名前と首謀者以外が全く不明であったあの組織……。

私達、銀河連邦の誇りにかけて全宇宙で生きる惑星や人々の幸福のために長年追い続けた悪の組織アマリ―リス……ここで決着をつけてやる!!」

 

「ええっ!!」

 

「我々も全力で戦いますよ。あんな悪人達をこれ以上野放しに出来ません!」

 

部下やオペレーターの決意を胸に振り向き、その曇りなき眼で真っ直ぐ見極めた。

 

「諸君、時は来た。今作戦は全宇宙の平和のためであると私は信じている。これまで諸君は我々連邦の誇りとこの宇宙の秩序のために大変よく貢献してくれた。我々は雌雄を決する戦場の中にいる。

そして、私は誓う。必ずや、あのアマリ―リスを壊滅させんことを!!全隊員の健闘をいのる!!」

 

「了解!」

 

《よし、全機、発進せよ!!作戦開始だぁ!!》

 

彼の命令は本艦、そして各艦に伝達された。

 

◆ ◆ ◆

 

ヴァールダイト級3番艦『ルイナス』、戦闘ユニット用格納庫では。

 

「なんですって……嘘ですよね大尉……」

 

「ああ。もしそうなった場合は実行しろ、コモドス」

 

サルビエスとコモドスがこんな時にかからわず何かコソコソ話をしていた。

 

「上司に危険が迫ったら体を張って守るのが部下達の役目だろ?違うか?」

 

「…………」

 

コモドスはブルブル震えている。何か恐ろしいことを聞いたような恐怖感に駆られていた。

 

「……無理です。こればかりは自分ではあまりにも……」

 

「上司の命令に逆らうのかぁコモドスっっ!?」

 

コモドスの胸ぐらを掴み、グッと睨みつけるサルビエスは彼を罵るような下品な笑みを浮かべていた。

 

「おい……キサマ……この俺に逆らえるような身分か?」

 

「いっ、いや……しかし……」

 

「俺がやれっていったらやれ!!さもないとお前の家族全員がどうなるか、分かるだろうな?」

 

「…………っっ」

 

「ケッケッケ……憐れよのォ。だがお前ら『コンガース』が我らにたてつこうなんぞ到底構わねえんだよ。奴隷は奴隷らしく素直に主人の言うことを聞いてればいいんだ!」

 

サルビエスは彼を離すとすぐさま何事もなかったかのように自分の機体に搭乗した。コモドスはギュッと握りしめて機体へと戻っていった。

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