大長編ドラえもん のび太の宇宙大決戦   作:はならむ

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Part.40 激突!アマリーリス対銀河連邦③

アークェイラスの両肩の長射程砲、さらに胸部から極太のビーム、小型ミサイルの雨が隙間無しに埋め尽くす中、ラクリーマは全く避けようとせずにバリアを張りながらそのまま突っ込み、ボロボロと化したアーマーを脱ぎ捨てた。

 

「うああああァァーーっ!!」

 

雄叫びを上げるラクリーマはアークェイラス部隊近くに急接近し、上方へ飛翔。ログハートの光子ミサイル連射砲を展開し、狙いを定めた。

 

「消し飛べや!!」

 

右腕のギミックが高速回転し、下方一帯に光子ミサイルをばらまき、一面を破滅の光に包み込んで文字通りに消し飛んでいく多数のアークェイラス。

 

「第107アークェイラス中隊、大量の光子ミサイルの直撃を受けて壊滅……」

 

「何だ……何が起きているんだ……?」

 

あんな生身の人間からどうやって戦艦級の光子ミサイルを無限に発射できるのか全く理解できなかった。

それも彼らはアマリーリスには15年前に滅んだ『神の軍団』に所属していた最強の天才科学者サイサリスがいることを知るよしもないが。

 

とにかく、あの男が更に調子に乗らないうちに何としても止めなければ……どうすればいいか、カーマイン達は頭をフル回転させていた。

 

「面白いことを考えたぜ!」

 

一方、ラクリーマはブラティストームの炉心を積んでいる肩の側面と上部の金属穴から細長いチューブがニュルニュルと5~6本飛び出し、それがログハートの炉心を積んでいる翼のような突起物へと伸ばして、着くとそのまま直結した。

 

「よし、試しに……ちょうど敵部隊が……」

 

彼の前方からはまた別部隊がこちらへ向かってきている。どうやら……連邦の宇宙戦闘機だけで構成されているみたいであるが。

 

ブラティストームの小型ビーム砲の全銃口をその戦闘機に向けて狙いを定めてビームを撃った。

出力が普段よりも高く、発射された極太の光線が目にも見えぬ超スピードで一直線に駆け抜け、戦闘機は避ける暇もなくまともに直撃。しかし、その光線はその機体どころか後ろにいた機体さえも貫通、さらに貫通と遥か彼方まで伸びていった――。

 

『うわああっ!何があっーー』

 

爆発、その四面にいた戦闘機さえも巻き込んで誘爆した。

 

―ラクリーマは閃いた。『これは使える』と。

 

「やっぱりな。二つの炉心を連結させるとそれぞれ炉心の出力が上昇するようだ……こりゃあいいことを見つけたぜ!」

 

ニィと笑う否や、ブラティストームを天に突き上げて、4門の銃口も真上に向いた。各銃口から光線がどんどん伸びていき……長いってもんじゃない、一体何千キロメートルあるのかと思うほどの先が見えないくらいに極太の4つの光線を放ったままそれを維持し……まるであのスレイヴやゼウシウスのような……いやいや、そんなものとは比べ物にならないほどの全長を誇る光の剣であった。

 

《ぶったぎってやらぁ!!》

 

途方もない長さの4つの長いNPエネルギーの光で輝く剣を形成し銃口を、左から右へ横振り、その銀河連邦製宇宙戦闘機『ホルス』、『アルスタシア』の編隊へ豪快に薙ぎ払った。

破格の全長を誇る光刀身一本が計四本縦にしているためその範囲は凄まじく、直撃した機体は全機、切れ目と共に上と下に分断、爆発したのであった――。

 

『ほ~~う、ラクリーマ~~やるじゃんか♪こればかりはあたしも考えてなかったよぅ♪』

 

「へっ、変な声を出すんじゃねえよ!!」

 

サイサリスから猫なで声で賞賛され、気味悪がる彼だが。

 

 

『ラクリーマは戦闘に関したら素晴らしいねぇ~~、センスいいねぇ~~♪憎いねぇ~~っ、このこのぉ♪オマエだけでなくあたしにもやらせろぉん♪』

 

「やらせろってオマエ……」

 

『クククッ……ここでとっておきだ!!まあ見てな!!』

 

……開発エリア。サイサリスはどこから持ってきたのか謎のゴーグルを装着し、右手には拳銃のグリップとトリガー型デバイスを持っていた。

 

彼女が右手を前に伸ばすとそれに連動して、ラクリーマの意思とは無関係に右腕も同じ行動を取った。

 

『さっ、サイサリス?右腕が勝手に動いてんぞ!?』

 

「心配すんなラクリーマ。今だけログハートはあたしの掌握下だ」

 

サイサリスに映るゴーグルの画面にはラクリーマと同じ視点で、先ほどの斬撃で倒せなかったホルス、アルスタシアの残機を何やら赤く丸で囲み……標準を合わせている。

 

「くくっ……ロックオン……目標、画面全体の敵軍団……NPエネルギー収束開始、死ねやイカレチ〇カスどもぉ!!」

 

持っていたデバイスのトリガーを力強く引いた――その時。

 

『!?!』

 

ログハートの機械や回路が一気に活性化した時、その瞬間であった。

前方の全ての機体が突然、一斉に爆散。一瞬で回りにバラバラになった胴体の破片や内部の機械が飛散しまくり、よくみるとパイロットの肉片や内臓も見るかげすらなく浮かんでいる。

ラクリーマは一体何が起こったか瞬きもせずにただ茫然と見ていた。

 

『どうだ!?この威力はァ!!』

 

彼女の声にやっと我に帰り、ラクリーマはハッと大声を上げた。

 

「お前、一体何をした!?」

 

『クククッ、ワープホールの応用さ。高出力のビームをターゲットロックした対象物の内部へ空間移動させて直接撃ち込むっつう機構だ。最も、試験的に取り入れた機構だからさっきの一発しかもう使えねえが、もし生き残ったらそれが実用化できるように改良してやるよ。お前自身でも使えるようにな!』

 

「…………」

 

ーーつまり高出力のビームをワープさせてコックピットのパイロットに直接撃ち込む、という鬼畜兵器である。さすがのラクリーマも彼女のあまりの凄さに口が震えていた。

 

「……ホントに敵に回したくねえ奴だなオメェはよ……こんなの連邦でも考えつかねえぜ……」

 

『けっ、このぐらい用意させてもらわねえと同じ土俵に立てねえぜ。なんせ相手は連邦だからよ』

 

確かにログハートがなければ確実に大苦戦を強いれていただろう。ブラティストームだけではさすがに相手にならず、たとえ戦闘ユニットに乗っていても、無数の数で攻めてくる連邦相手には分が悪すぎる。

 

実際にログハートを装着しても、苦戦するとラクリーマは考えていたのだから、さすがはサイサリスの持てる全技術を全て注ぎ込んだ最強の殺戮兵器だ。

 

……次第に彼は身震いし始め、右腕をぎゅっと握った。

 

「サイサリス……?」

 

『……どうしたラクリーマ?』

 

「俺、楽しすぎて今までにない快感を味わってる……なんだろう……理性のタガが外れそうなんだ」

 

『お、おい?落ち着けよ!?』

 

「ああっ……分かってる……だが」

 

……あの時からだ。ログハートを装着した時から彼はおかしい。

 

ラクリーマには、先天的に持って生まれた常人を遥かに超える身体能力、戦闘的センスもさることながら、戦闘訓練で垣間見せた凶暴な本能も兼ね揃えている、いわば『生まれながらの闘犬』と言える。

 

だが彼には理性がある。部下達ですらやらないようなくだらないイタズラをやらかすのが好きではあるが決して頭は悪くなく、証拠に前線の戦術指揮もできる。

 

しかし、ログハートを装着した際、旅立つ際に彼女へ放った言葉は何か危ない言葉を放っていた。それは普通の思考ではまず口にしない言葉である。つまりである。彼は本性を隠している。今までに誰も見せたことのない本当の姿が……。

 

『ラクリーマ……お前のアリのままが見てえぜ。私も自分が作った武器で敵を殺戮する光景を見るのが大好きだ。

だから……全力でいけ!奴らを残虐に、無惨にブっ殺してやれ!そのログハートで……私のアソコを濡れさせやがれ!!』

 

……彼女もかなり逸脱した発言をしているが。まあ二人とも思考がよく似てる。

 

「クククッ……お前が男にフラれた理由がよぉくわかったぜ。テメェは真性の殺キチじゃねえか!!」

 

『けっ。勘違いしてもらうと困るがフったのはあたしの方だ。ところで見る限りリミッターを解除してもイケそうだな……どうする?』

 

「もうちっと慣れてからその時に頼む!」

 

『分かった。もうちっと楽しんでこいや』

 

この二人は本当に楽しそうだ。一番ラクリーマと気が合うのはもしかすればサイサリスなのかもしれないーー。

 

『くそ、ガーダルがやられた!』

 

『こっちも援護してくれ!本当にキツイ!』

 

――その頃、戦闘員達は度重なる宇宙戦闘に段々と疲労していた。破壊しても破壊しても次々とやってくる連邦部隊を前にして、もはや底なし地獄である。

 

『くっ……さすがに頭が痛くなってきた……』

 

レクシーもなんとか生き残っているが、いつ終わるやも分からない迎撃に頭痛を発していた。

 

彼の乗っている機体も装甲がすり減っていつやられるかも知れない状況にあった。もちろん、他の戦闘員達の機体も同じである。

もう現時点で、総計5万機近くあった機体の数がもう半分近く減っていた。機体が破損し、戦線を離脱し帰艦した者はもちろん、敵の攻撃で大破し、命を落とした者も。

 

仲間意識の高い彼等からすればその光景を見るのはあまりにも辛いことであった。

 

――そして、今彼らと交戦している銀河連邦、第110戦闘ユニット部隊……あの二人がいる部隊であった。

 

『ケッケッケ、よくもここまで好き勝手に暴れてくれたな!!俺様のアデリーンで貴様らを制裁してくれる!!』

 

迎え撃つはサルビエス。彼の搭乗するこの機体は不気味である。

 

全長は大型クラスであり、さらに狐の顔を模した頭部、限界まで装甲を削り、スマートすぎる胴体、そして後腰部には金属でありながらまるで尾のようにユラユラ揺れる柔軟性をもった物体が計9本……。

 

それ姿はまるで中国の妖怪である『九尾狐』の姿と酷似していた。

 

 

『……他の戦闘ユニットと違って嫌な感じがするぜ……全員、あの戦闘ユニットに気をつけろ!』

 

 

レクシーのかけ声に仲間は分散し、サルビエスの駆る『アデリーン』を四方八方取り囲んだ。

 

『全員、一斉攻撃だ!!』

 

彼の合図と共に、両肩から長く突き出た砲身から放たれる一点集中型の光線をアデリーンに撃ち込んだ。しかし、光線が突如アデリーンの全身から緑色の粒子が放出、エネルギーの力場が発生され、全方向からの光線がいとも簡単に弾かれた。

 

『クックック……お前らの攻撃なんぞ利くわけねえだろうが』

 

コックピットで余裕こいて高笑いしているサルビエス。

 

『ならこちらからも行くか……全機、俺様を援護しろ!』

 

『了解……』

 

周りの部下の返事が何か元気がない。それはコモドスも同じであった。

 

『あいつ、バリア持ちか……これはヤバイなぁ……』

 

レクシーは歯ぎしりを立てている。

こんな独特のフォルムはどうみてもクイスト、ゼウシウスのような量産機ではなく専用機だ。

後方にはもう一機、他の機体とは形状が違うゴリラをそのまま機体にしたデザインの重量感ある戦闘ユニット。全長はスレイヴと同等である

そして彼等の前に立ちはだかるサルビエス率いる攻撃部隊、果たしてレクシー達の運命やいかに……。

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