大長編ドラえもん のび太の宇宙大決戦   作:はならむ

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Part.51 異変

ラクリーマとレクシーは戦闘ユニットの格納庫に到着し、直ぐ様機体から降りた。

 

「レクシー、他の奴らと合流して突入した連邦と応戦するぞ……」

 

「リーダー、ユノンさんは!?」

 

「ユノンならあいつらとサイサリスが何とかしてくれる……俺ら戦闘できる奴は徹底駆除だ……」

 

しかしレクシーは彼の様子を見て何か感ずいた。様子がおかしい、と。

 

「リーダー、大丈夫ですか!?顔色がえらく悪いですぜ!!」

 

「う、うるせえ!今はそんなのどうでもいい、俺のことよりアマリーリスの存亡だけを気にしろ!!」

 

「……」

 

レクシーは少し黙り込んだ後、ラクリーマへグッと見つめた。

 

「リーダー、やっぱりユノンさんの所へ向かって下さい!」

 

「なんだと!?」

 

「俺は……ユノンさんはあなたしか助けられないと思います。あの人だって多分、必死であなたに助けを求めてるハズです……」

 

「…………」

 

「……ユノンさんにはあなたしかいないんですよ。もしリーダーが助けにいかなかったらあの人は……」

 

レクシーの懸命な想いがラクリーマの心を揺らし始める。

 

「ここは俺らだけで十分スよ。俺らは悪さと戦うことだけが取り柄ですから!だからリーダー、一刻も早くユノンさんの所へ!」

 

彼も目を震わせていた。そして、目を軽く閉じて軽い笑みを浮かべた。

 

「けっ、俺がお前に指示されるなんてな……だが俺はお前を一番信用しているからにはそれに従わねえとな!」

 

「リーダー!!」

 

「レクシー、仲間と合流したらお前が指揮をとれ。俺はブリッジへ向かう!!」

 

「了解しやした!」

 

彼に笑顔が戻り、すぐに馬鹿デカイ声で返事をした。

 

――そして互いに別れ、それぞれ走っていった。駆けるラクリーマだが、レクシーの言った通り様子がおかしかった。顔色が蒼白であり、感覚がないのにも関わらず、顔中が冷や汗だらけであった。

 

(ぐっ……胃から何かが込み上がってくる感じだ……)

 

そう感じた矢先、

 

「ぐぼァっかっ!!」

 

口から血が吹き出し、ポタポタと滴り落ちはじめ――。

 

「……っ」

 

身体中が大変なことになっている、まだ痛覚がないだけなんとかもっているがもし麻酔の効果が切れたら……。すぐに彼は手の甲で口を拭き、また走り始めた――。

 

長い通路を必死ではしっている途中、ついに反対側から大人数の足音がこちらへ向かってくる。

 

「いやがったな!!」

 

彼は歯ぎしりを立てた。向かってきたのはアマリーリスとは違う服装、パイロットスーツと武装をした集団……連邦隊員だった。

 

「あの男だ!!発砲準備!!」

 

彼らはラクリーマを発見し、警告することなく携行していた銃をあの男に全て向け、引き金をグッと引いた。銃口から何発もの光弾が発射され、瞬く間ラクリーマと所へ到着した。

 

その時である。彼の左胸部に埋め込まれていたあの巨大なレンズ全体が紅くなり、光弾が全てそのレンズに吸い込まれていった。

 

「俺に光学兵器が効くと思ったのかァ!!!」

 

刹那、吸い込んだレンズから無数の蒼白光弾を前方へ拡散するように放射。連邦隊員達に一気に襲いかかるもエミリア達と同じ、シールドを装備していたおかげで全て弾いた。

しかしこれで終わるラクリーマではなかった。

 

「おどれら勝手に人様の家に上がり込んで挨拶もしねえかァ!!!」

 

左義手の四指を高速回転、さらにあの戦闘訓練で見せたあの鞭のようにワイヤーを射出。

 

「な、なんだこれは!?」

 

『最悪の凶器』と化した四指が無差別に連邦隊員達へブチ当てた。怒涛の勢いと強引さがシールドを包んだエネルギー膜を無理矢理破壊した。

 

「ぎゃああああっ!!!」

 

そうなってしまえば手がつけられず、その回転するワイヤーと針山と化した指部分が彼らの身体に食い込み、そして無惨に抉る。肉と骨が削れる鈍い不協和音と断末魔、そして血液や体液が辺りに飛散する凄惨さが一瞬、ただの肉塊となった――。

 

「はあ……はあ……くくぅっ」

 

やはりラクリーマの様子がおかしかった。身体が痙攣しているようなブルブル震えて今の彼は異常に弱々しかった。

 

(くそぉ……身体が重く感じる……吐き気もする……)

 

血まみれと化した壁にヨロヨロと寄りかかり、深呼吸する。こんな辛そうなラクリーマは見たことがないほどだ。

 

(だが……それより早く……早くユノンの所へいかねえと……頼む、言うこと聞いてくれ!)

 

休む暇もなく、一刻も早く彼女の元へ向かう途中、先へ進むと通路に現れる数々の敵、仲間の死体、交戦したと思われる壁や床に残された痕跡。

敵はともかく仲間の変わり果てた姿を目にした彼は一体どんな心境だったのであろうか――。

 

(ん…………?誰かこっちに近づいてる)

 

そんな中、ラクリーマは先の右曲がり角で何か気配を感じ、すぐに壁に張り付いた。……確かに足音がこちらへ向かってくる。しかも駆けているように断続的である。息を潜めてジリジリと角へ忍びより、左手をグッと握りしめた。

 

「誰だ!!」

 

ラクリーマは出ると同時にブラティストームを突き出した。 そこに立っていたのは……。

 

「さっ、サイサリス!?」

 

「ラクリーマ!?」

 

彼女であった。しかも息を切らして自分の身の丈ほどありそうな巨大なライフルを二丁携えていた。

 

「お、お前なにしてんだ!?」

 

「今からブリッジに向かおうとしてたとこだ!ユノンちゃんが今ヤバい状態らしいからな、あいつらでは手に負えんらしい」

 

「……ちょうど俺も向かってたとこだ。つかお前、なにこんなヤバそうなもん持ってんだよ……」

 

「ああ?連邦野郎が入り込んだんだ、ならあたしも害虫を駆除しなくちゃな!!ちなみにこれはバリアごと、生物を木っ端みじんにできるあたしの傑作品だ、ワハハハハっ!!」

 

自分に劣らぬ悪魔のように高笑うサイサリスに対し苦笑いするラクリーマ。だが『こいつなら心配しなくていいだろう』とそう思わせる彼女の安心感は凄かった。

 

「連邦野郎が次々に入り込んでるからどこに出くわすかわからん。あたしもついに本気を出すときが来たようだ」

 

すると彼女は着ていた白衣を脱ぎ捨てると、そこには紫色を基調としたピチピチの戦闘スーツ、鈍い銀色のプロテクターとアーマーを着こんだ本当にセクシー……いや凛々しい戦乙女がいた。

 

「よし、早く行こうぜ。お前の大切な彼女を助けねえとな!」

 

「……そうだな。俺に後れを取るなよなサイサリス?」

 

「そりゃあこっちのセリフだぜ。では、いっちょおっ始めますか?」

 

二人は互いに見つめ、ニイっと笑みを見せ合う。それは今から始まる連邦への『殺戮ショー』にウキウキワクワクしながら……仲良く隣同士に並んで全速力で走っていった。

 

◆ ◆ ◆

 

一方、スネ夫とジャイアンはエミリアに言われた通り、彼女の反対側、すなわちあの朽ち果てたイクスウェス付近で警戒していた。

まだ、敵は来ていないようだがいつ襲ってくるかはわからない。

 

証拠に二人、特にスネ夫はかなり不安なのか体をブルブル震わせていた。

 

「スネ夫、怖いのか……?」

 

「ち、違うよぉ!!」

 

本人はそう言うものの全く説得力がない。しかし今、敵地に、ましてや右も左も分からないような場所に子供二人がそこに立っているというのはあまりにも精神的に辛いものがある。

もしこれで一人で見張りをさせられたらどれほどの恐怖と重圧が襲いかかるだろうか。

 

「のび太としずかちゃん、この中にいるんだよね、ホントに無事なのかなぁ……」

 

「……大丈夫さ。さっきまで元気だったからきっと俺たちの助けを待ってるよ」

 

……先ほどから二人はこそこそ話をしてばかり、すっかり周りの警戒が散漫となっていた。

 

「二人とも!!」

 

「「! ! ?」」

 

突然の怒鳴り声に即座に振り向くと、そこにエミリアが腕組みをして、キツイ目付きで二人を見つめていた。

 

「ダメじゃないの、ちっとも見張りしないで話ばかりして!これでもし来たのがあたしじゃなくて敵だったらどうするつもりだったの?」

 

「「ご、ごめんなさい……」」

 

二人は彼女に謝る。彼女は深く息を吐き、呼吸を整えた。

 

「まああなた達が無事だったからいいわ……それはそうと、あの子達がドラちゃんから出てきたの」

 

「ミニドラ達が?」

 

「ええ、さあ長居は無用よ。早くドラちゃんの所へ行きましょう」

 

三人はドラえもんのいる所へ向かった。到着した時、ミルフィとあのミニドラ三人がドラえもんを囲んでいた。

 

「ドラえもんは?」

 

「それが……」

 

彼はまだ倒れたままだ。ボロボロだった体はキレイになり、見るからに今にも動きそうであったのだが……。

 

「あれから何度も呼びかけしているんだけどやっぱり起きないのヨ~っ!」

 

ミルフィは困りはてている。ミニドラ達も三人揃って腕組みをして困っているようだ。

 

「おい、ちゃんと治したのかよ!?」

 

「ドララ、ドラ!!」

 

……やはり何を言っているのか誰も理解できず、さっぱりだ。だがスネ夫は何か気づいたのか、おもむろにまた四次元ポケットを探り始めた。

 

「ん~、あればいいけどな……これかな?」

 

彼はポケットから何かを取り出した。それは長方形の灰色の弾力性がある……『食べ物』であった。

 

「あった、『ほんやくこんにゃく』!」

 

彼は一口食べて、飲み込む。これを食べることにより、異なる言語や言葉を知らなくても理解できるようになり、相手に食べさせれば聞き手と同じ言語に変換してくれるという優れものだ。早速、彼はミニドラ達に事情を聞いた。

 

――彼らによると内部の故障部位は全て修理したのであるが、彼の電源スイッチであるしっぽが壊れていて、入れなければ起動しないという。しかもそこだけは未来へ行って新しい部品と交換しないと無理らしい――。

 

「スイッチ…………かあ」

 

全員が絶望した。今は未来に帰っている暇などない。

ましてやここは敵の本拠地。自分達が乗ってきた機体がもはや大破し、ここから脱出できるのかも危うい状況であった。

 

「ドラドラドララ!!」

 

「ん?スネ夫、何ていってんだ?」

 

すぐに耳を傾け、うんうんと頷いている。

 

「何か強烈なショックをドラえもんに与えれば電源を入れるのはここでも可能だって……」

 

「強烈なショック……かあ……一度頭をぶん殴ってみるか?」

 

と、そう言いジャイアンは腕をぐるぐる回し始めるが、

 

「やめてよ、そんなことやって余計におかしくなったらどうするのさぁ!!」

 

「そうヨそうヨ!!」

 

全員がその方法を納得するハズもなく、彼を止めた。

 

「電気的な何かで……それとも……」

 

エミリアは大真面目で考えているが、一向にいい案が思い浮かばない。しかしそんなことに時間を使っている暇などない。こうしている間にいつ敵が現れるか分からない。しかしそんな中、スネ夫が手をポンと叩いた。

 

「もしかしたらこれなら!!」

 

「えっ!?方法を思い付いたの!?」

 

彼はすぐにドラえもんの駆け寄り、耳の部分でこうささやいた。

 

「ネズミがドラえもんのドラ焼きかじっているよ!!」

 

何を思ったのか、ドラえもんにワケの分からないことを話している。エミリア達は沈黙する中、スネ夫だけが さらにこう吹き込んだ。

 

「周りに大量のネズミが囲んでいるよ。ドラえもんの腕をかじっているよ!!」

 

……そんなバカな……と全員が考えていた。が――そのまさかが起こった。

 

『ぴく……ぴく……』

 

「えっ!?」

 

なんとスネ夫の言葉に反応し、微かにだがドラえもんの身体は確かに動いた。

 

「ほらネズミが鼻をかじろうとしてるよ!」

 

確かにまたピクピクと反応し、次第に強くなっていっている。スネ夫以外は信じられないような目と表情をしていたが、今それが現実に起こっている――そして全員が確信した。

 

「ドラえもん、ネズミが!ネズミが!」

 

「ミニドラ、ネズミの鳴き声出せる道具ないかよ!!」

 

「ドララ!!」

 

そしてエミリアとミルフィも、

 

「ドラちゃん!!早くしないとネズミが追いかけてくるわよ!!」

 

「ああァ、ネズミが!!」

 

何とも異様な光景である。全員がドラえもんに向かって『ネズミ』を使った発言を繰り出していた。しかし先ほどの効果を見て、使わずにいられない。

 

『ネズミ』というたった三文字の言葉に全ての希望を込めた――。

 

その効果もあって、先ほどより身体がぶるぶる震えている。完全に稼働しはじめていた。

 

《ドラえもん!!ネズミが目の前にいるよ――っ!!》

 

全員揃って大声で張り上げたその時であった、

 

 

《ぎゃあああああっ!!ネズミ~~~っっっ!!!》

 

 

ついにドラえもんが飛び上がり、辺りに駆け出し始めた。

 

「ドラちゃんやったわ!!」

 

「ドラえもん!!!」

 

ついに目を覚めたドラえもん。全員が安心に酔いしれ顔が緩んでいた。

 

「ね、ネズミいやネズミいや!!いやだ―――っっ!!」

 

しかし本人は明らかに動揺し、錯乱している。

 

「ドラえもん、ネズミなんていないよ!!」

 

「あれは嘘だよ!!」

 

スネ夫とジャイアンはすぐに彼を落ち着かせようと近づいていった。一方でエミリアとミルフィはふとこう思っていた。

 

「なんでドラちゃんは『ネズミ』って言葉に反応したのかしら……?」

 

「さあ……」

 

――ドラえもんにとってネズミはまさに天敵である。ネコ型ロボットのくせにであるその理由は、簡単に言えばドラえもんには元々耳のパーツがあったのだが、昼寝中にネズミロボットに耳をかじられて酷い目を味わったからである。

彼にとってネズミはトラウマでしかないため、毛嫌いしているのである――。

 

「……ネズミホントにいない……?」

 

「ここは地球じゃないのにどうしたらネズミが出てくんだよ!!」

 

「……そう考えたらそうだね……エヘヘ」

 

やっと落ち着かせることに成功した二人は彼を連れてエミリア達の元へ戻ってきた。

 

「ドラちゃん、心配したのよ!!」

 

「けどこうして動いている姿を見れてなによりだヨ!」

 

彼女達は笑顔で迎え、彼は周りを見回している。

 

「エミリアさん、ミルフィちゃん、ここは……」

 

「ここはアマリーリス艦内よ。あたし達は突入成功したわ」

 

エミリアはこれまで何があったか詳しく説明した。

 

「……そうだったんだ。みんなありがとう、あとミニドラも♪」

 

「ドラドラ♪」

 

これでやっと全員が無事に揃い、もう一度ここに集結した。

 

「みんな聞いて。とりあえず周辺を警戒、把握してみたけどアマリーリス員は人の気配はあったけど誰一人とこなかったわ。豪快に突っ込んだみたいだからあたし達の存在に気づかないワケがないハズだけど」

 

「ということは……?」

 

「多分、あたし達の後に連邦、つまり仲間の隊員達が次々に突入したんだと思う。内部戦力をそちらに向けてると思うわ」

 

「それじゃあ!!」

 

エミリアは確信したかのように首を縦に振った。

 

「これはチャンスよ。あなた達の友達を探し出すために動きやすくなったわ。けど、この中を動き回れば敵と遭遇しないワケではないけどね」

 

ついに連邦へ傾きつつある形勢。5人はこれに希望を持った。

 

「エミリア、仲間と連絡とれる?」

 

「それが通信機がノイズばかりで……そこまで遠くなければ使用できるみたいだけど、調子が悪いようね。

ドラちゃん、ミルフィがオペレート出来るようにイクスウェスを修理して欲しいのよ」

 

「わかりました、早く行きましょう」

 

急いでイクスウェスへ向かう途中、ミルフィの動きが止まった。

 

「ミルフィ?」

 

振り返ると彼女が悲しい顔をしていた。

 

「メレウル班長が……っ」

 

考えてみれば自分達の同性の先輩が戦死したのである。悲しくないワケがない。しかしエミリアはミルフィの顔を優しく触った。

 

「ミルフィ……これ以上犠牲が出ないためにも今から頑張らないといけないのよ、わかった?」

 

「エミリア……」

 

――五人はイクスウェス内部へ戻るがそこにいたのは……。

 

「これは……敵?」

 

ジャイアンが倒したあの組織員二人がその場で倒れていた。まだ気絶しているようである。

 

「ジャイアンが倒したんだよ!!」

 

「エミリアさんの言った通り、このシールドのお陰だけどな」

 

エミリアは自慢するスネ夫、ジャイアンの頭を優しく撫でた。

 

「無事でよかったわ。けどあまり無理しないでね……」

 

「「エミリアさん……」」

 

――一方、ドラえもんはミルフィと共に自分専用のコンピュータパネルを取って調べていた。やはり反応は皆無である。

 

「せめてここだけでも直せればサポート出来るんだけど……」

 

「任せてよミルフィちゃん!」

 

ポケットからあのひみつ道具『復原光線』を取り出し、光を当て始める――。が、その時。

 

「ぐっ、ぐく……」

 

あの倒れていた組織員の一人がうめき声を上げながらゆっくり起き始め……。

 

「……連邦野郎……許さねえぞ……」

 

虚ろな目で銃を拾い上げ、それをエミリアへ向けようとしている。

 

「うわあっ!!後ろ後ろーー!!」

 

それに気づいたスネ夫が一気に指を指して大声を張り上げた。

 

すろと即座に振り向いたエミリアは拳を握り込み、起き上がった戦闘員に隙を与えることなく腹部へ容赦なく強打。

 

「ぐはあっ!!」

 

男は悶絶し、その場でまた力なく倒れ込んだ。

 

「あわわわ……っ」

 

「ゴクっ……」

 

エミリア以外の四人はビクビクしている。本人も突然すぎて息が少し乱れていた。

 

「……危なかったわ。スネ夫君ありがとね……」

 

「エミリアさんて……銃を使わなくても強いんだね……」

 

「えっ?ええっ、ただの護身術よ……」

 

彼女は顔を赤くして照れている。

 

――そしてコンピュータパネルが直ったらしく、ミルフィは喜びに満ちている。これでやっと準備は整った。五人はこれからのことについて話を移す。

 

「これより私達はあなた達の友達救出任務を決行する。私が先導するからついてきなさい。絶対にはぐれちゃダメよ、その時は死を覚悟してね?」

 

ドラえもん達は真剣な表情で頷いた。

 

「ミルフィ、ここでサポートお願いね。危なくなったら隠れて」

 

「アイアイサーっ!」

 

するとドラえもんはポケットから『通り抜けフープ』のような輪を取り出した。

 

「『即席落とし穴』。ミルフィちゃん、もし敵が近づいたらこの中に入ってね」

 

すぐに床に設置すると輪の中の下に広い空間が出現。

 

「なら任務開始するわ。互いに生き残れるよう、そして無事救出できるよう頑張りましょう!」

 

エミリアは手を差し出し、全員も手を彼女の手に重ねるように置いた。

そして互いの顔を見つめあった。絶対に任務を成功できるよう祈りを込めて――ミルフィを除く四人はエミリアを先頭に遂に旅立っていった。

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