どうも、嫁と嫁してます   作:夏之 夾竹桃

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第7話 シチュボASMR

 そうして迎えた次の配信。なんとびっくり2人でASMR配信。こんなことになるとは一切思ってなかったが沙奈がどうしてもというのでこうなった。しかしながら俺も少し楽しみにしてる部分がある。今までそれなりに練習してきたし力加減は覚えた。だからだろうな。

 

「緊張してる?」

 

「少し。」

 

「落ち着いていこう。」

 

「あぁ。分かってる。」

 

「じゃあ始めるよ。」

 

「はい。」

 

そうしてパソコンの画面は配信待機画面に移り変わる。なんだかんだこの間が1番緊張感あるような気がする。

 

「はい皆様お疲れ様です。ゆにです。」

 

「おとめです。」

 

「今日は、しばらくやらないと言いつつも私が欲に負けて結局やることになったASMR枠です。まぁ、おとめはちょっと下手かもしれませんがご容赦を。」

 

なんだか変な感覚だ。2人してマイクに向かい小声でささやく。こんな感じの声の大きさで大丈夫なのだろうか?緊張してる。なにせ俺の隣に居るのはこのASMRを4年やってここまでほぼ1人でチャンネルを動かしてきたヤバい人だ。俺が蛇足になってないか、或いは足手まといか。とにかく心配だ。

 

「緊張してるの目に見えてわかるよ?」

 

隣のヤバい人からそう言われた。

 

「そりゃ緊張くらいするよ。まだまだデビューしたてなのにいきなり万人単位の前で配信なんですもん。」

 

言葉には出さなかったが何より思っていることとして、女声でやっているささやき声がこのクオリティーで大丈夫なのだろうかと言うのもある。これが結構力加減が難しい。喉をどのように使うのか、それが重要なのだが如何せんささやき声。ほぼ吐息だったりもする。これがなかなかに難しい。

 

「いつもと同じ感覚でやれば大丈夫だから。」

 

「が、頑張ります。」

 

頑張るとは言ったもののどうしようか。

 

「取り敢えず私の真似してみて。こうやって………ふーふーって。」

 

そう言ってゆには耳ふーをしてみせた。見様見真似でやってみる。

 

「ふー……ふー………。」

 

「そうそう、そんな感じ。上手いね。」

 

「えへへ、褒められた。指導者のおかげだよ。」

 

言ってなかったな。今回は前に言っていた百合百合ASMRを採用して配信している。所謂シチュボ枠。だがここのチャンネルでのこの手のシチュボはほぼノンフィクションだ。ただただ新婚夫婦のイチャつき具合をVtuberとして垂れ流した配信になっている。

 

「ただ………私的にいつも聞いてるのはその声じゃないな。もっと自然に近づけて?」

 

アクセルの踏み込みが凄まじいようで。

 

「こっちの声?」

 

「オッケイ。それで行こう。」

 

ある程度理性を保ってるようで良かった。これがもしも振り切った沙奈だったらまずかったな。なだめるのに結構時間がかかってた。

 

「さてと、その声だとおとめくんになるのかな?もう1回やってみて?」

 

さてこの使い分けというのが難しい。ショタとロリ。声の出し方的に本質的なものは同じだ。同じだが声色は違う。俺の場合は声色のみで差別化を図っている。つまりささやき声になると声色も何も吐息でしゃべるのとほぼ同じなので『さっきと同じじゃん』ってなる。さてこれをどう回避したもんか。

 

「ふー………ふー。」

 

「え、上手じゃん。前に使い分けは難しいとか言ってなかったっけ?」

 

なんとか喉の開き具合で差別化を図れたようだ。じゃあこの感覚で続けていこうか。

 

「ありがと。」

 

「うーん………可愛い。」

 

「え?」

 

「やっぱり、おとめのショタボ可愛いんだよな。なんか別格。」

 

ようやく想定していたシチュエーションに入った。この感覚で配信を進めていくのだが………やはり適度にクールダウンさせるつもりだ。じゃないと多分この後が大変だ。深夜のおかしなテンションと相まって鎮めるのが大変になってしまう。

 

「なんか………ありがと。」

 

恥らったようにそう言う。

 

「なんでこんなに可愛いんだろうな?やっぱり好きだからかな?」

 

「そ、そんなに好きとかいきなり言うなよ………恥ずかしい。」

 

「そうやって恥ずかしがってる姿とかもさ………もう反則だよ、反則。可愛すぎるもん。」

 

シチュエーションは進んでいく。因みにこのシチュエーションは俺と沙奈で一緒に考えたものだ。どこまで素を出しつつなおかつ違和感なくイチャつけるか。で百合っぽく出来るか。必死になって考えた末がこれだ。後悔はしてない。

 

「も、もうやめてってば………。」

 

ささやき声でバイノーラルマイクを挟んでのイチャつき。おとめが恥ずかしがってゆにがひたすらにからかいう。この構図で配信は進んでいく。当初の案のように俺に沙奈がASMRを教えると言う構成もそのままだ。時間は進んでいく。ただ俺は隣を見ながらずっと笑いをこらえていた。その理由。シチュエーションではおとめが恥ずかしがっているが現実では沙奈のほうが顔を真っ赤にしてセリフを読み上げていたからだ。やっぱり沙奈は可愛いらしい。




どもども夾竹桃です。燃え尽きた灰からまた出てきました。さて感想も何件かいただきまして嬉しい限りです。返信はしておりませんがちゃんと読ませていただいております。と、言うのもです。この夾竹桃コミュ力がマイナス方面に極まっておりましてあまりむやみやたらに返信を書いたら誤解を招いたりしかねませんので書かないという選択肢をとっております。しかしながら先にも述べたようにちゃんと読ませていただいておりますのでこの場でお礼をさせていただきます。
 こんな感じで頑張っていくのでこれからもどうぞよろしくお願いします。
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