「まずは...良く無事で帰って来たわ二人とも...」
部長に俺と木場は抱きしめられる。
俺は命令を無視したのに心配をしてくれる部長に頭が上がらない...
「まぁ、立ち話もなんだし、皆座りましょうか」
皆で座る。アーシアは俺の隣に座った。袖を軽く掴んでいる...可愛い。
やっぱり悪魔の本拠地は頭で大丈夫とわかっていても怖いのだろうか...?
俺も神聖な場所とか物とか見ると嫌な気持ちになるもんな...
ちなみにアーシアは神聖だけど別です。種族関係なく至高の存在ですから。
「さて...じゃあイッセー?説明してもらえるかしら?今回の事を...」
さっきのやさしさ溢れる雰囲気が一気に厳しくなった。
怖い...
でも、ここは毅然として答えなければ...
ここに来るまでに考えた言い訳が火を吹くぜ!
「はい。まずアーシアとの出会いは先日お話した教会に行った時です。」
「やっぱりその子が例のシスターだったのね...」
「はい、そして、今日ジャンプした家であの神父と、結界を張っていたアーシアと出会いました。神父が俺を攻撃しようとした時に、アーシアが庇ってくれて...いい悪魔だっているんだって言ってくれて...その言動に対して神父が怒ってアーシアを殴ったんです。それでかっとなって俺は神父をボコりました。そこからは部長達が来て...という流れです。」
「そう...顛末はわかったわ。でも、この子をあぁも危険な真似をしてまで助け出す理由にするにはちょっと弱いんじゃないのかしら...?」
部長の真剣な目が俺を貫く...
俺は今試されている...
「アーシアは...アーシアは、俺がほんの少し喋って一緒に過ごしただけでもわかるくらい...純粋で...優しい子なんです...俺が悪魔だって知っても庇ってくれるくらい...優しい子なんです...
だから...アーシアを堕天使の元に置いておきたくありませんでした」
「あなた...それは...」
「それに...!それに、アーシアには他人の怪我を治療する
「治癒の力...!それは...」
「そしてこれはあくまでも予想ですが、堕天使のおねーさんというのは、俺を殺したあの堕天使の事だと考えます。」
「そうね...その可能性が高いわ...」
「あの堕天使は俺の事を下等生物と言っていました。人間を思いっきり見下している奴です。
「.....つまり貴方は、この子が堕天使に
「はい...公的な理由としてはこれを挙げます。」
「あら、ぶっちゃけた物ね。」
部長はクスッと笑う。
「はい、それは建前で、本心は最初に語った物です!」
「そう...わかったわ...正直憶測が多いけれど、可能性は考慮しないとね...それに、こうして動いた以上は対処しなければならないでしょうし...イッセー、こき使うから覚悟しなさい?」
「はい!」
「それで...アーシアさん?あなたはどうしたいかしら?」
「私...ですか...?」
「えぇそうよ?ここまであなたを抜きに話を進めてしまったけれど...あなたの気持ちが一番大事だわ。あなたに示せる道はいくつかある...一つはこのまま教会に戻る。とはいえこれはオススメできないわね。堕天使の教会にいるということは...教会は既に追放されてしまっているのよね?」
「は...はい...」
「なるほど...では次に、私達の保護下の元多少不自由な生活になるかしれないけれど、人間として生きていく事よ。」
「そして最後に...私の眷属として、悪魔に転生することよ?」
「悪魔に...?」
「えぇ、正直私の立場ではこれを一番オススメするわ。私の眷属になればグレモリー家という後ろ楯が付くから、今より随分安定すると思うわよ?」
「グ...グレモリー家...?そんな悪魔の名門じゃないですか...」
「ふふ、そうね。だからこそ後ろ楯としてはこれ以上ないわよ?」
「.......」
「私...私は...かつて、聖女と呼ばれていました...」
そこから語られる彼女の経緯....
治癒の力を使う聖女として祭り上げられ、友人は誰一人できず、物のように見られ、ある日目の前に現れた怪我をした悪魔を治療した事によって魔女認定され、カトリックに捨てられる...その後はぐれエクソシストの組織に拾われて現在に至る...
「きっと...私の祈りが足りなかったから...これも、きっと主の試練なんです...私がダメなシスターだから修行を与えてくれているんです。」
アーシアの瞳から涙が流れる
「お友達も...いつか...いつかたくさんできると思ってますよ...私、夢があるんです。お友達と一緒に花を買ったり、本を買ったり、おしゃべりして...」
見ていられない...
「アーシア!」
俺はアーシアの手を握りしめる。
「アーシアの祈りが足りなかったなんてそんな事あるはずない!あってたまるか!それに...それにアーシアの夢だってきっとすぐに叶う!いや、俺が叶えてやる!友達なんていくらでも作れる!アーシアの事きっと皆好きになってくれる!だから!自分を責めるな...!アーシアは...アーシアは何も悪くない!」
「で...でもイッセーさん...私...」
「なら俺が一番最初だ!俺達はもう友達だ...!まだ出会ったばっかで、遊びに行った事もないけど!友達になれる!俺は悪魔だけど...そんなの関係ない!種族だとか...勢力だとか...関係ない!いつでも俺を呼んでくれて構わない!5秒でアーシア元に駆けつける!なんだってしてやる!俺は...俺は!アーシアの事が大好きだ!優しくて、純粋で、清楚で、悪魔だとか関係なく人の事を見てくれるし!それにめちゃくちゃ可愛いし!アーシアが俺の事どう思ってるかはわからないけど!少なくとも俺はアーシアの事が...」
「あっ...あぅ...」
「こーら、イッセー?アーシアが困ってるわ...?」
「あっごめん...」
「あらあら、お顔が真っ赤ですわ」
「ふふっ...イッセーってこんな情熱的な一面もあったのね?ちょっと意外だわ?」
うっ...恥ずかしくなってきた...
「あっ...あの...アーシア?」
「えぅ...あの...イッセーさん...私...嬉しいです...!そんな事一度も言われた事無かったから...だから...私、もっとイッセーさんの事が知りたいです!もっとイッセーさんと一緒に居てみたいです...!」
「アーシア...」
やべぇ...友達としてなのはわかってるけどめちゃくちゃ嬉しい...
顔が真っ赤っかになってるのが自分でもわかる...
「ふふっ、答えは決まったかしら?」
「....はいっ!私をあなたの眷属にしてください...!」
「えぇ、それじゃあ早速儀式を始めましょうか。ここに寝転んでくれるかしら?」
「はっ...はい!あの...イッセーさん、手を握ってくれませんか...?」
「えっと...こうか?」
「はい!ありがとうございます!えへへ...ちょっと怖かったので...でもイッセーさんが手を握ってくれるなら安心です...」
そ...そんな事を言われたら...可愛すぎる...!
「いくわよ...我、リアス・グレモリーの名において命ず........」
アーシアの胸へと駒が沈んでいく。
「これで...終わりですか...?」
「えぇ、これで今からあなたは私の眷属。役割は
「はい...!よろしくおねがいします!!!」
「部長...ありがとうございます!!!」
「あら、私はこの子の治癒の力が是非欲しいと思っただけよ?」
本当はアーシアの為だろうに...やっぱり部長は優しい方だ...原作とか関係なく、この人の眷属で良かったと思う。
「さて、イッセー?とりあえず一段落着いた訳だし、そろそろあなたの命令違反の罰を与えないとね...?」
訂正だ。この人は恐ろしい...
「お尻100発でいいかしら?それともムチ?ふふっ...しっかり痛みを刻まないとね...?」
俺は震えることしかできない
「あっあの!私にイッセーさんの罰をわけてください!イッセーさんは私を助けるために...」
アーシアが涙目でそんな事を言ってくれる...
お兄さん感動で泣きそうだ...
でもダメだ...アーシアに痛い思いをさせるわけにはいかない...
「大丈夫だアーシア!これは俺のケジメなんだ!気持ちは嬉しいけど、俺が全部受ける!」
「あら、殊勝な心掛けね。これでアーシアに分けるだなんて言ったら罰二倍にする所だったわ?」
こえええええ...
「じゃあ今回はおしりぺんぺんにしましょうか...お尻を出しなさい?」
部長の手に魔力が集う...
「あの...おしりぺんぺんに纏わせていい魔力じゃないと思うのですが...」
「いいから!」
スパーン!!!
「痛てぇ!!!」
俺の叫びが夜の学園に響いた...
────────────────────────
「さて...アーシア個人の問題はこれで解決でいいでしょうけれど、まだ堕天使の問題が残ってるわね...」
「俺が責任持って倒してきます...」
「あら?あなたの責任とやらは先ほどの罰でもう帳消しよ?だからここからは、私達全員の問題だわ」
「部長...!!」
再び撤回。最高の主だ...
「アーシア?教会にはどれくらい堕天使がいたのかしら?」
「三人でした...」
あれ?四人じゃなかったっけ?あぁそっか、一人は部長が消してたな...
「やはり少人数なのね...ちょっと探りに行ってきましょうか...朱乃、着いてきなさい?」
「かしこまりましたわ。」
「あの...俺は...」
「イッセー、あなたは今はアーシアと一緒に居てあげなさい?大丈夫よ、何かあったとしても所詮大した力のない堕天使ばかりだもの...」
原作でも描写外でさっさと倒してたもんな...
「じゃあ行ってくるわ。皆お留守番頼むわね?」
二人は飛んでいってしまった...
────────────────────────
「さて、僕らは自己紹介できてなかったね?僕は木場祐斗。役割は
「...搭城小猫です。役割はです...」
「はい!アーシア・アルジェントと申します!よろしくおねがいします!」
「それにしても、イッセー君。君にあんな一面があるとは僕も意外だったよ。」
「うっ...なんだよ...俺がああいう事するのは似合わないってか?」
「いいや?むしろ妙にしっくり来たよ。なんならいつもの様子の方が違和感を感じるくらいだ」
あー...確かにちょっとまだ緊張してるんだよな...浮世離れしてて、取っ付きにくいというか...
すると木場が俺の耳元に顔を近づけてきた。
「あの様子からして...アーシアさんの事が好きなのかい...?」
「なっ!お前...!絶対誰にも言うなよ...!」
「もちろん言わないとも...まぁ最も僕が隠したところで無駄だろうけどね?」
「.....そんなにわかりやすかった...?」
「そりゃあねぇ、君があんなに感情を露にする事があるとは思わなかったよ」
「うぐっ...」
「まぁさっきも言ったけど、そっちの方が自然で僕は好感が持てるよ?」
「うるせぇ!どっちも俺だっての...」
全く...でも、確かにもう少しリラックスというか、自分を出すことを意識した方がいいかも知れんな...
これからずっと一緒にいる関係なんだし...
死ななかったらだけど...
「あの...イッセーさん...その...もしよろしければ、この件が終わったら一緒にお出かけしませんか?」
「え?行く行く!どこにでも行くよ!」
「えっと...この町をご案内して貰えたらなぁって...」
「わかった!...色々...それはもう色々考えとく!」
「ありがとうございます!」
アーシアが笑ってくれた。
可愛い...嬉しい...好き...
「...イッセー先輩デレデレしすぎです。」
うぉ!地味に小猫ちゃんから初めて突っ込まれたかもしれぬ...
「あはは...申し訳ない...」
おい木場!やれやれ、みたいな顔してるんじゃぁない!
それから雑談することしばらく...
「裏が完全に取れたわ。今回は完全に数人の独断のようね...私の管轄でこそこそと何かされているのは、あまり気分がいいとは言えないし...堕天使の総意でないというのなら、ささっと処理しにいきましょうか...」
部長が帰って来た...
物騒な事言ってらっしゃる...
「じゃ...早速行きましょう...アーシアを強奪した以上、速攻で決めないと面倒になるわ?」
間違いないです。早く解決してアーシアとデート行きたいです。
「それじゃあ魔方陣に入って...行くわよ!」
俺達は堕天使の根城、廃教会へと瞬間移動するのであった...