アーシアしか勝たん   作:min-can

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ようやく1巻の話が終わるので連投です。(大油断)


第12話。行ってきます、デート!

 アーシアが転校してから初めての休日。その土曜日俺はアーシアと出かける事になった。

 デートだ。滅茶苦茶嬉しい。

 

 とはいえ実は、アーシアのチラシ配りを手伝っている際に色々と町の事を説明しているからそこまで多く説明できるものがあるわけでもない。

 精々、店が営業してるか否かくらいだ...

 

 なんで残さなかったんだ俺は...バカかよ...

 

 なので主に、ショッピングモールとか回りつつ、買い物やらをしつつ、ショッピングモールが終わったら美味しい食べ物とか、公園とか回ろうかなとか...

 かなりその場の成り行きに任せる予定になってしまった...

 だってデートなんて前世でもしたことないんだもん!

 わかんねぇよ!何すればいいか!町の外ならまだ選択肢があるけどアーシアには町の案内って言われてるし...

 

 なんて考えているうちに土曜日が来てしまった。

 集合は学校にした。アーシアは今旧校舎の一室で住んでるはずだし、集合にあんまり歩かせる事もないだろうと思ったのだが、もう少しそれっぽい雰囲気の所を集合にすれば良かったかな...

 しまったな...

 

 ちなみに2時間前に到着した。

 今は校門で瞑想しながら今回のデートが上手くいくことを願っている。

 ってかデートって勝手に言ってるの俺だけだよな...

 アーシア的にはお友達とのお出かけだ。

 アーシアの夢第一号になるって誓ったのに、俺ばっかり舞い上がって変な下心とか見えちゃったらアーシアに幻滅されないだろうか...

 そうだ、今日はお友達とのお出かけなんだ!アーシアが楽しめる事を第一に考えるんだよ!それ意外は煩悩だ!!

 

 後30分で集合時間だ...

 落ち着け...俺...

 あくまでも友達として...

 アーシアの願いを叶える以上に大事な事はない...

 アーシア...マイ...フレンド...

 

「あれ?イッセーさん?」

 

 アーシアが居た。私服アーシア。至福アーシア。

 

 少しフリルのついた白いTシャツに、薄手の灰色のロングカーディガン。濃いめのジーンズを七分丈にして、茶色で厚底ヒールサンダル...

 

 これはアーシアさんが選んだのでしょうか...?部長や他の方が選んだのでしょうか...?

 どちらでも構いません。死ぬほど可愛いです。

 死にます。最高...

 

「あの...似合うでしょうか...?部長さんには可愛いと言って貰えたのですけど...」

 

 アーシアの顔がほんのり赤い。可愛い。

 そして部長の采配でしたか...グッッジョオオオオオオオブ!!!!

 

「あぁ...!滅茶苦茶似合ってる!語彙力が足りなくて悔しいけど、すっごく似合ってるよ!かわいい!」

 

 精一杯伝えようとするが、如何せん語彙力が足りない...!この光景をどうすれば言語化できるのでしょうか!!?教えてアザエモン!!!

 

「あっ...ありがとうございます...イッセーさんとお出かけするならお洒落しないとって、部長さんや皆さんがコーディネートしてくれたんです...でも、本当にイッセーさんが喜んでくれるか少し心配だったので、良かったです!」

 

 アーシアが少し恥ずかしそうに微笑んでくれる。

 まずい...目が...!眩しすぎる...!

 

「滅茶苦茶喜んでるよ!俺はこの光景を一生忘れない!」

 

 心のアルバムに確実に記録された。

 

「アハハ...」

 

 アーシアが少し困っていた。

 ごめんよアーシア...でも、最高だから...

 

「あぁっと...じゃあ集合できた事だし、行こうか!」

 

「はい!」

 

 ────────────────────────

 

「わぁ...これ、可愛いです...」

 

 可愛いとはしゃぐ君が可愛いよ...

 とりあえずショッピングモールに来た俺達は数店舗を回って現在、雑貨屋に来ている。

 

「イッセーさん...こういうものって特に使う予定がないのに妙に欲しくなってしまいますよね...」

 

「わかる...わかるぞアーシア...100円ショップとかでも良く起こる現象だ...」

 

「100円ショップ...?」

 

「あぁ、100円ショップとはな...色々な物が100円で売られている素晴らしい場所なんだ...そして100円だからと色々買って気が付いたら結構なお値段になっている、恐ろしい場所でもある...」

 

「そ...そんな所が...日本にはまだまだ私の知らない場所があるのですね...」

 

「この後行ってみるか?結構近くにあるからさ。」

 

「はい!是非!」

 

 はい、可愛い。

 今日1日で何回可愛いって言ったかわからんな...

 可愛いの暴力。可愛いのインフレ。世界は可愛いの過剰供給によって可愛イインフレスパイラルに陥ってしまっているようだ...

 過剰供給なのに価値が上がるとはこれいかに。

 アーシアだからだね!可愛いね!

 

「なんだか...デートみたいですね...」

 

 アーシアがそんな事を言った...

 ん゛ん゛!(心肺停止)

 

 俺は口をパクパクする事しかできない

 限界オタク、ここに極まれり。

 

「あ...あぅ..い...今のは忘れて下さい...!口にするつもりは...」

 

 アーシアが顔を赤くしてそんな事を言う...

 アーシアさん!それって...そういう事でしょうか!?そう思っていいんでしょうか!!?

 

 などと考えていると

 

「イ...イッセーさん!次のお店に行きましょう!!」

 

 アーシアに引っ張られた。が俺はしばらく放心してしまった...

 

 かくしてしばらく...

 俺達はゲームセンターに来ていた。

 

「ほら、赤が来たら面を。青が来たら縁をこうやって叩くんだぞ?」

 

「はっ...はいぃ!」

 

 太鼓の廃人をプレイしていた。

 こうやって、彼女と(彼女じゃない)太鼓叩くのって夢のひとつだよね...

 幸せすぎる...

 

 曲が終わった。

 

「イッセーさんお上手ですね...私はなかなか...」

 

「俺も最初はそんな感じだったよ。何回か遊べばすぐにできるようになるって」

 

「そういうものですか...」

 

 他にもゲームを物色していると、アーシアがクレームゲームの台の景品に釘付けになっていた。

 

「ラッチュー君か?」

 

「え!いえ、そ、その...」

 

 恥ずかしそうにしている。可愛い。

 こんなの見て取らない選択肢ねぇだろ!

 

「よし、次はクレーンゲームしようか!」

 

「えっ!で、でも...」

 

「ほら、行くぞ?」

 

 100円をぶちこんで始める。

 ちなみにクレーンゲームに自信はない。

 でもやる!こういうの華麗に取ってあげるのって理想だよな...!

 

 一回目、スカ。二回目、スカ。三回目、スカ。

 

 まずい...

 

「イッセーさん...?」

 

 アーシアが不安そうな顔をしている...!

 まずい...!唸れ!俺の全神経!!!

 

 四回目、来た...!けど途中で落とした!

 五回目、失敗したけどいい向きに動いた!

 六回目、しっかりとアームが入って、見事に取り出し口に着地!

 

「よし!」

 

 俺はラッチュー人形を取り出してアーシアに手渡す。

 

「あ...ありがとうございます、イッセーさん!この人形大事にします!」

 

 嬉しそうなアーシアを見れたことで俺は非常に嬉しい。だから俺は貢ぐ...

 なんだこれ永久機関か?ノーベル賞は俺のもんだなぁ!!

 

 ────────────────────────

 

 ショッピングモールを後にした俺達は昼御飯を食べる事にした。

 お洒落な所で食べようかとも思っていたけど、今日のアーシアの様子からして、逆にファミレスとかの方が新鮮で面白いかもしれないな...そうしよう!

 

 てなわけで来ました、ゴスト。

 

「アーシア、好きな物食べていいからな。」

 

「はっはい!あぁっと...和食も洋食も...色々とあるんですね...」

 

「あぁ、そしてここにはドリンクバーと呼ばれるシステムがあってな?あそこにある機械からどの種類も何度でも好きなだけ、飲み物を注いで飲むことができるんだ」

 

「なんと!そ...そんな事があってよいのですか...」

 

「いいんだ...中学生どもはドリンクバーとポテトで数時間粘るんだ...」

 

「そんなに...!すごいですね...」

 

 ...

 

 アーシアは魚の定食にしていた。

 俺はチーズハンバーグ。安定。うまし。

 

 するとアーシアがこちらを...ハンバーグを見ているのに気が付いた。

 

「ちょっと食べるか?」

 

「えっ!いいんですか...?」

 

「あぁ勿論!好きなだけ持っていってくれ」

 

 俺はアーシアにならいくらでも貢げる自信があるね!

 

「じゃあすみません...少しだけ...代わりに私のお魚も食べて下さい!」

 

「ほんとか?じゃあお言葉に甘えて...」

 

 アーシアの魚を少し貰った。

 ふふふ...アーシアの魚...これはもう逆説的にアーシアを食べているのと同義では?何を言ってるんだ俺は。

 

「美味しいです!ふふっ、こうやってお互いのごはんを交換できる日が来るなんて...嬉しいです!」

 

 そっか...アーシアは友達とおかずの交換だなんて、そんな当たり前の事も今までできなかったんだもんな...

 

「これからはいくらでもできるぜ?他にもなんだって...!アーシアはもう、自由なんだから!」

 

「はい...!」

 

 その笑顔は今日一番だった。

 

 ────────────────────────

 

 気が付けば夕方になってしまった。

 

「色々な所に行きましたね...」

 

「あぁ、ちょっと疲れたかもな...」

 

「でも、すっごく楽しかったです!」

 

「あぁ、俺も楽しかった!ほんと、あっという間に夕方になるくらい...」

 

「そろそろ帰らないとですね...」

 

「あぁ...」

 

 少し物寂しい...まぁ今日の深夜にまた会うんだけどね...

 

「イッセーさん、また...私とお出かけしてくれますか?」

 

「おう!何回でも、何処へでも、アーシアが誘ってくれても誘ってくれなくても、というかむしろ俺が誘うよ。だから、また一緒に出掛けよう!」

 

「はい!」

 

 夕日に照らされて輝く黄金の絹と、輝くような笑顔が何処までも、どこまでも美しく俺の脳内に焼き付いた。

 

 ────────────────────────

 

「部長さん、ただいま帰りました!」

 

「おかえりアーシア。それで?デートは楽しかったかしら?」

 

「デ...デートなんて...」

 

 ふふっ。すぐに赤面して、とっても可愛いわ...

 

「あら?デートじゃなかったのかしら?」

 

「わ...わかりません...でも、楽しかったです!」

 

「そう、楽しそうで何よりよ。良かったわね、アーシア」

 

「はい!」

 

 私の眷属である、アーシアとイッセー。出会ったばかりだっていうのに二人ともお互いに好意を持ってて、とっても初々しくて微笑ましい。

 

 私も...そんな風な恋をしてみたいな...

 

 私には...

 

 

 

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