ちゃんと逃げきれるんでしょうか...
俺は現在、例の拘束具を着けながら、部長、朱乃さん、そしてアーシアの荷物を持っていた。
重すぎる...何入れとるだ...
木場と小猫ちゃんはすいすい登っていく...
ちくしょう...置いていかれる...
「イッセーさん!私、お手伝いはできませんけど...一緒に登りましょう!」
「アーシア...!」
俺は感涙の涙を流した。
流石はアーシアだ...!的確に癒してくれるぜ...!
お陰でやる気MAX!
俺は一歩一歩踏みしめながら山を登っていくのであった。
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グレモリー家の別荘に着いた俺達は荷物を置いて、早速修行すべく服を着替えるのであった...
「僕も着替えてくるよ...覗かないでね?」
なんて木場が言っていたが、俺は結構限界なのでツッコミすら入れられなかった...
無言で手をシッシ!と振ってやった。
少し休憩したら、ジャージに着替えて修行開始だ。ゲームまで時間がないからめちゃくちゃハードスケジュール...!
俺は不安でいっぱいになっていたが、アーシアのジャージ姿を見てそんな気持ちも吹っ飛んだ。
可愛いよアーシア。君はなんでも似合うね?
俺が一番最後だったようだ...
早速修行が始まった!
ちなみに俺は、今回の修行はコカビエル戦を飛び越えヴァーリ戦の事まで考えて修行するつもりだ...
正直、今回のライザー戦は新しい力込みなら、既に勝利のビジョンが見えている。コカビエル戦も俺がと言うよりは他のメンバーが頑張る戦いだ...後はヴァーリがやってくれる...
しかし問題はそのヴァーリ...
三勢力の同盟を邪魔すべく現れる「
あいつはもう既に
正直どれだけ修行してもまっったく勝てるビジョンは見えない...
ヴァーリさえ越えれば、夏休みでまとまった修行がつけられるんだけど...
俺...ヴァーリに一撃入れられるんだろうか...
まぁやるしかないんけどな...
あいつ、親を殺してやるだのなんだの...ほんと洒落にならんからな...
というわけで、今回の俺は拘束具を着けた状態で皆の扱きを受けることにしている。
はっきり言って地獄でしかない...が、やるしかない...!
根性ぉぉぉぉぉぉ!!!
「ふん!ん!んら!!」
俺は木刀を木場に向けて振り回し、悉くを捌かれる。
「ほら、剣だけじゃなくて相手や周囲も見るんだ。そうしないと、剣が木に当たった、とか足場が不安定で体のバランスを崩した、なんて理由でやられかねないよ?」
「わかってるけど...!実際にやるのは...!!だぁぁぁぁい!!」
木場は俺の縦の大振りを華麗に避けて、そのまま俺の脇腹に一撃ぶちこんだ。
「ッッガハッ!!!」
これも、修行の一環として俺は皆に積極的に攻撃してもらうようにしている...
痛みにも慣れないと...
なんでこんなに頑張ってるんだ俺...
泣きたくなってきた...
木場との剣の修行という名の耐久試験は無事終了した...
めちゃくちゃ木刀で殴られた...
アーシアが癒してくれる...
「イッセーさん...こんなにアザを作って...」
アーシアが心配そうに顔を窺う。
「大丈夫!というかこれくらいはやらないと...俺には才能ってやつがないからな...」
「...!なら私が何度でも治しますから!イッセーさんいっぱい修行頑張って下さい!」
アーシア...逆説的にいっぱいボコボコにされてくださいって事なの、わかってる?
でも頑張るぜ!アーシアの応援で元気100倍だ!
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次は朱乃さんとの魔力の修行だ。
「できました!」
アーシアが手のひらに大きな魔力の塊を作っていた。
「流石はアーシアだ!すごいぞアーシア!」
俺はアーシアを褒めた。
「ありがとうございます!」
アーシア満面の笑み。可愛い。
「はいはい、イッセー君は自分の修行に集中してください?イッセー君はそもそもの魔力量が少ないですから...とはいえ、悪魔になってから地道に修行しているようですし、成長は見られますわ?このまま頑張っていきましょうね?」
「はい...!」
現状の俺の目標はテニスボールくらいの魔力の塊をサッカーボールくらいまで大きくする事だ。
アーシアは魔力の性質変化の修行を始めていた。
むむむと水を魔力で動かそうとするアーシアが可愛い。
一生懸命うんうんと唸っているのも可愛い。
可愛いよアーシア...
「イッセー君?集中してくださいね?」
「す...すみません...」
そんなやりとりを数回繰り返して、魔力の修行は終わった。
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「ぐはっ...ごっ...んがっ...!」
俺は今、小猫ちゃんに無限に殴られてる...
この子、もうちょっと手加減とかないの...?
「ぐっは!」
木に叩きつけられちゃった...
「....イッセー先輩、私結構丈夫ですから気にせず攻撃してください。そんなのでこれから女の子の眷属と戦うとき攻撃できるんですか...?」
うっ...だって、女の子を殴るってなんか絵面がやばくて...特にロリ...
「.......まぁ徒手格闘の防御練習だってならそれでも構いませんが。」
「わかった...頑張るから...ちょっと待って...」
「.....さ、後10セットですよ。」
俺の3年間の修行がいかにぬるい物であったか改めて理解させられた...
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次は部長による扱き...と思いきやそうではなかった。
「基礎的なトレーニングはいつもの様子をみる感じサボらないでしょうし、私は戦術の勉強をするわ。代わりにあなたにこれをプレゼントするから、頑張ってね?」
「なんですかこれ?」
変な球体があった。
「こうするのよ?」
部長が魔力を込めると光の縄が溢れだし、俺の体全体を縛り上げていく...
「おっっっっっも!!!!」
気が付くと身体中に紋様のような物が刻まれていた。
「これはあなたに適切な負荷をかけ続ける特殊な術式よ?この状態でトレーニング頑張ってね。終わったら外すわ。」
重すぎるんですけど...て...適切...?
「んぎぎぎぎぎぎぎぎ!!!!」
腕立て、腹筋、スクワット...どれも地獄の様相である...
待って...?これ疲れきったら、重さで死なない...?
大丈夫....?
適切って事は、疲労が貯まっていけば軽くなるんですよね...?
そして見事に全く動けなくなりましたとさ。
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「美味い!!!食事は体の資本...!!!」
俺は一心不乱に飯をかきこんだ...
食って食って少しでも肉にしないと、今日1日だけでどれだけの地獄をみたのか...
細胞一つ分でも多く力になってくれないと報われない...!!
あまりの苦行に俺の情緒は壊れた。
ふと見ると、机に並んでいる料理とは少し雰囲気の違うスープがあった。
飲む...素朴で優しい...疲労しきった体や心に染み渡るようだ...
これアーシアが作ったスープだよな。1000杯飲めるわ。胃袋壊れる。
「このスープ、アーシアが作ったのか...?」
「は...はい...お口に合いましたか...?」
不安そうにこっちを見ている...
「あぁ...こんなに暖かい気持ちになるスープは人生で初めてだ...ありがとうアーシア...是非おかわりを下さい...」
「本当ですか!良かったです...すぐに注いできますね!」
そのアーシアの笑顔もあって、俺の情緒は無事回復した。
流石聖女。流石アーシア。全ての行動に癒しの力が込められているのではないだろうか?
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「さて、食事も終わったし、お風呂に入りましょうか。ここは温泉だからとっても風情があるのよ?」
温泉...アーシアと混浴したい...混浴温泉にアーシアと行きたいよ...
「....イッセー先輩、卑猥です」
「なんだって、小猫ちゃん?俺はあくまで純粋な気持ちでだね...」
「はは...イッセー君は何を考えているのか手に取るようにわかるね」
「俺の基本的人権が犯されている気がするんだが...」
「悪魔だからね...」
そうだったわ。ならしょうがないな...んなわけあるか。
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夜は夜で修行した。術式つけた状態で木場や小猫ちゃんともう一回修行だとよ。
部長は俺に恨みでもあるのか...?
勿論昼より動けないので、まじで死ぬかと思いました。しかも術式のせいで避けられないからパンチとかもろに体に突き刺さる。
まじで戻すかと思った。アーシアのスープが入ってなかったら戻してたな...
次の日の朝は休憩がてら、アーシアと悪魔としての常識、各勢力のお偉方の名前等勉強した。
一応、顔も思い出せる面子ばかりなので比較的早く覚えれた。堕天使は難しいけど...堕天使だけ、難易度おかしくない?多すぎない?
次にアーシアのエクソシスト講座だ。
教師アーシア可愛いよ。色々教えて欲しい...いやむしろ教師アーシアに色々教える事の方が興奮するのか...?
「.....」
無言で小猫ちゃんに殴られた。
いや待ってくれ...こんな生活で、色々と限界なんだよ...そっちに思考を振りきらないと俺のガラスの心が砕ける...ちょっと待ってそれ以上は俺の肋骨が砕けちゃうからごめんなさいごめんさい...
そしてアーシアによる、聖水作成講座が行われた。
「なぁ、アーシア。この中で一番強力な聖水ってどれになるんだ?」
俺はアーシアの耳元でそう聞いた。
他の人には聞かれたくないからな...
「強力なですか?一応これになりますけど....」
「今度の戦いで二つ聖水が欲しいんだが、用意ってしてもらえるかな?材料とか必要だったら俺が用意するからさ」
「それはできますけど...」
「ありがとう!頼むな!」
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それからは修行が終わるまで、特筆することもなく淡々と進んでいった。
様々な作戦のパターンも練習した。
やれることはやったと思う...
信じられないくらいしんどい修行したし...
後は勝つだけだ...!!